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タカノ
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店名 |
いしざき
|
---|---|
ジャンル | お好み焼き |
予約・ お問い合わせ |
082-241-0814 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
広電5号線「比治山橋」電停下車。橋を渡って2本目を左、1本目を右へ行った次の左角。 比治山橋駅から286m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
~¥999
|
支払い方法 |
カード可 (AMEX) 電子マネー不可 |
席数 |
10席 |
---|---|
個室 |
無 カウンターのみ |
禁煙・喫煙 |
分煙 灰皿は店の左端にあり、そこが喫煙コーナーになっていました。 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | カウンター席あり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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ずいぶん前にコメント でここがおいしいと聞いていて、僕はPCのToDoリストに行こうと思う店を書いておくのだが、かなり長い間そこに名前が載ったままになっていたのだ。
家からちょっと遠いのと、一度行ったのだがやってなかったりして。
しかし今日、とうとう行けたのだ。
すごかった。
住宅街のほんとに目立たない場所にあって、看板とかも特にないので、のれんが出ていないとここにお好み屋があるということは分からない。
実際やってなかった時に行った時は、通りがかった人に聞いて、やっと分かったのだ。
入り口を入ると、外から見て想像するよりちょっと広めの空間があって、飾り気はまったくなし、壁や棚などの調度も年季が入ってくすんでいる、その真ん中に、これまた古びた、しかしこの手の店にしてはけっこう巨大な鉄板が、ドンと鎮座する。
奥行きはないのだが幅があって、10人くらいは座れるようになっている。
コメントによるといつも満員だそうだが、もう閉店間際の午後2時近かったからだろう、客はほかに3人だった。
店主は老夫婦。
70代ってことはない、たぶん80歳を越えているだろう。
おばちゃんの方はもう腰も曲がって、「よぼよぼ」という感じに近いのだが、そのおばちゃんが、ゆっくりだが無駄のない動き、と見える、そういう様子でお好み焼きを焼いている。
この人がお好み焼きを焼く、その様子を見るだけで、お金払う価値あると思うな。
頼んだのは初回だから、基本のそば肉玉。
まずこの値段がすごい、驚きの430円。
今どき、どんなに安くても550円、500円の店は見たことないよな。
「これでやっていけるのか、心配になりますね」と言ったら、おばちゃん、
「みんな心配してくれるよ、あはは」と笑っていた。
焼き方はちょっと変わっていて、生地の上に野菜と肉を積み、ひっくり返して蒸しながら、麺の玉を鉄板の上に置いてしばらく温める。
麺はさらに、油をちょいとかけ、味の素と塩で味をつけ、コテでほぐしてチャチャチャっと炒める。
ここまでは普通なのだが、次にやおら、蒸していた本体をもう一回ひっくり返し、こんがり焼けた肉が一番上に来ているわけだが、その上からソースをぺたぺたと塗り、その上に炒めた麺をのせ、またひっくり返してしばらく蒸すのである。
面白いなあ、どうしてこんなやり方するんだろう。
でも考えてみるとこのやり方、たしかに合理的で、麺を初めから中に入れて蒸すやり方だと、麺につけたソースの味が全体に行きわたり、味に一体感が生まれるのはいいとこだけど、麺がどうしてもふやけて、やわらかくなってしまう。
それに対して、麺を別に炒めて最後に合体させるやり方は、麺はパリッと仕上がるけれど、味の一体感には欠ける。
このやり方は、その両方のやり方のいいとこ取りをしているようなもので、麺は鉄板のすぐ上に来るから、当然きちんと火が通ってパリッと仕上がり、しかも麺と野菜のあいだにソースが入るから、それが蒸されて全体にまわり、味に一体感が生まれるんだな。
この店、始めて49年になるそうだが、
「ずいぶん変わった焼き方されますね」と聞いたら、
「いや、みんな同じでしょ」と答えていた。
49年前には、このおばちゃんの周りでは、皆こういう焼き方をしていたということだよな。
でもその他の店はみな淘汰されてしまって、残ったのはここだけ、ってわけだ。
天然記念物と同じようなものだから、誰かビデオでも取って、保存してくれないかな。
このおじちゃんとおばちゃん、死んだらこの焼き方、なくなっちゃうな。
さて味だが、作っているのを見ているだけで、このお好み焼きがうまいということは分かっていたのだが、実際そのとおり。
まず麺がすごいんだな。
焼き方のとおり、きちんと歯ごたえがあって、しかも味がある。
麺は何かちょっと変わった、生めんなのかな、と思うようなものを使っていたのだが、聞いたらゆでたものだと言っていた。
ビニール袋に入っていないみたいで、だからなのかな、乾燥した感じで、お好み焼きに入れたらいかにもうまそうな麺、だった。
それからキャベツ。
3ミリ幅位の千切りにしたやつを、けっこう大量に入れる。
それを全く押さずに蒸すのだが、蒸し時間はこころもち短め。
きちんと火が通っているのだが、そこにわずかに残る生っぽい感じが、何ともうまい。
あとこれは、「さざんか 」とか、「一休 」とか、そういう古くからやってる店で共通して感じることなのだが、「焦げ」の味なのかな、よく分からないのだが、そんな感じの風味があって、それがいい。
鉄板の温度が高いのかな、たぶん。
食べているうちに、さらに鉄板の上で火が通って、麺がカリっとなったり、ソースも焦げたりして、そういうのもまた、いいんだな。
とにかくこの店、絶対行くべきだと思う。
おじちゃんとおばちゃん、死んじゃったら、食べられないからね。
誰か弟子入りでもしてくれないかな。
高野俊一の日記: 広島昭和町 お好み焼き 「いしざき」