本格的寿司屋に舵を切った郡山の佳店だね。アハハハハッ！ : 寿司割烹 魚紋

◼︎ 基本情報
□ 地域：福島県＞郡山・三春
□ ジャンル：寿司
□ 食べログでの評価
(2016/12/15)★3.78/72口コミ［1位/114軒］

◼︎ ディテール
福島県郡山市のJR郡山駅前にある寿司屋だよ。
福島の寿司屋と言えば、磐城棚倉の小判寿司、いわきの鮨いとう、そして、こちらの名前が御三家ということのよう。

かつては昼は食事処、夜は居酒屋的な性格も持ち合わせていたようだが、つい最近、その業態をより寿司屋寄りに変更、昼も5000円の握りコースに絞ったとのことだよ(お好みは可)。

◼︎ 訪問時の状況

□ 訪問時間：土日祝日12時
□ 予約有無：事前電話予約済
□ 混雑状況：先客2名［待ち時間なし］

◼︎ 西島兵庫の感想

□ 料理・味：★3.5/ これというネタは出て来ず
□ サービス：★3.5/ 板前さんの軽妙なトークに花が咲く
□ 雰囲気　：★3.5/ 真新しい店内で居心地良し
□ コスパ　：★3.5/ これで5千円なら高くない
□ 総合　　：★3.7/ 大き過ぎる期待には応えられぬが、噂通りの佳店
(3.50)

□ オススメ：魚紋の昼膳(5000円)

各項目の詳細は、下記に記載したので、お時間のある方、興味のある方はどうぞ。

◼︎ 料理・味

【料理】
先付① くらげの酢の物
先付② 戸井産まぐろの有馬煮
先付③ 天然の子持ち昆布
温物 白子の茶碗蒸し 出汁薄し

寿司① 剣先いかの握り
寿司② 戸井産まぐろ赤身の握り 赤酢
寿司③ 天然石垣鯛の握り 塩 すだち 紅葉おろし
寿司④ しめ鯖の握り 昆布乗せ
寿司⑤ 三陸産ほたての握り
寿司⑥ 戸井産まぐろ中とろの握り 赤酢
寿司⑦ えぞばふんうにの握り 塩
寿司⑧ 三陸産いくらの軍艦巻き
寿司⑨ まぐろときゅうりの裏巻き
玉子

赤出汁
デザート(みしらず柿、自家製マカロン)

先付・温物・握り8貫・巻物・玉子・止椀・デザートのしっかりした構成だよ。
板前さんによれば、かつては昼夜でネタを分けていたが、今の形態にしてからは、昼夜で同じネタを使っているそう。

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⚫︎ 先付・温物
先付はどれも美味しいよ。
コリコリとしたクラゲに、プチプチの天然子持ち昆布、生姜の効いた北海道戸井産まぐろの有馬煮と、素材・調理共に良く、コースの導入として、この先に期待感を抱かせるものだね。

温物は白子の入った茶碗蒸しに餡をかけたものだったが、これは少し名前負けしていたかな。
好みの世界ではあるが、出汁が薄めで、白子もまだまだこれからといった感じだったよ。

⚫︎ 握り全般
白酢と赤酢のシャリ使い分けるが、握り加減は柔らかい部類に入るね。
ネタを下にして口に入れようとすると、今にも崩れてしまいそうだよ。

さて、夜と同じというネタは満足のいくものだが、大きな満足までは生み出していないように感じたかな。

戸井産(有名な大間の対岸)というまぐろの中とろはまさに今回のクライマックスとして相応しいものだったし、しめ鯖の脂の乗り具合や、三陸産というほたての甘みも印象的だったよ。
また、塩や柑橘、もみじおろし等の使い方が上手く、味付けも趣向が凝らされていたね。

一方で時期外れとも思えるえぞばふんうには少し凍った状態での提供も影響しているのか、本来の濃厚さに欠けるし、赤身も美味しいと思えるものに比べると味が薄いように感じたよ。

通して悪くないのだが、最後の一押しが欲しかったかな。

◼︎ サービス
板前さんの軽妙なトークで、食事の合間も飽きさせない感じはカウンターならではの嬉しい
サービスだね。

◼︎ 雰囲気
真新しい白木のカウンターは食事をしていても気持ちのいいものだよ。

◼︎ CP
店側にとって、この辺りで5000円のランチは挑戦だったそうだが、個人的には十二分にアリでしたね。
むしろ、昼夜別のものを使って、価格を下げるというようなやり方は、ここまでのブランドを築いたこちらには向いていない気がするよ。

◼︎ 総合
冒頭に書いた通り、かつて、昼はお得なランチを設定し、夜は寿司居酒屋のような形態だったが、ようやくやりたい形に結実したそう。
それは今までの努力が報われた結果だろうし、個人的には歓迎したい方向への変更ゆえ、この時期に訪問できたのはラッキーだったよ。

そう言えば、板前さんとの話の中で、最近は乱獲で烏賊や鯖が不漁で、それを餌とする鮪の身も大きくならなそう。
更にデザートで供されたみしらず柿も今年は不作だったようだよ。

柿の木はもともと折れやすい木で、木登りする際には注意を要するというのは有名な話だね。
ところが、そんな折れやすい柿の木なのに、枝がしなるほど、大きな実がたわわと成る柿の種類があり、まあ何と身の程知らずかということで、みしらず柿というそうだよ。

そんな話を聞いていると、無秩序に烏賊や鯖を公海上で乱獲し、それを餌とする鮪まで減らしてしまう人間こそが「身の程知らず」なのではないだろうかと思えてくる…
目の前にあるみしらず柿の「お前らに言われなくないよ」という声が聞こえた気がしたね。アハハハハッ！