飯塚にやってきたメキシカン。タコスが人気だがテキーラや他の料理もナイス : ORALE

昭和通りを飯塚バスセンターから南、菰田方面に向かっていると、嘉穂劇場入口のバス停から
左手に入った建物の中に、メキシカンのお店が出来ているのを見つけました。

長らくエスニック料理空白区だった飯塚の中心街。
僕は喜んで入店しました。

話を聞くと、オープンしたのは今年(2015年)5月で、
それ以来、若者向けのお店が少なかった飯塚中心街では、
リコグリルとかルーディーズカフェなどと同様、
「若者向けのお店」として認知され、早くも人気が出ているようです。

このお店の人気メニューはタコスらしく、持ち帰る人も多いようです。
実際ほとんどのお客さんが注文されるようです。
このタコス、詳しい人が見ると、「テクスメクスの堅い生地と挽肉のタコス」だと言うでしょう。
本場メキシコのタコスは、生地が柔らかく、本格的なメキシカンのお店では
そちらを出していることが多いです。

このお店が、あえて堅い生地にしているのは、
その方が飯塚の人の口に合うだろうと考えたから、のようです。
実際、その選択は正解だと思います。
まだまだ、若い人や、物珍しさに入ってくる人たちがほとんどで、
メキシカンに詳しい人は、あまり来ていないそうです。

飯塚でも、このお店で徐々にテキーラなどを飲みながら、
メキシカンを覚えてくれる人が増えてくれるのを期待しています。

この日僕は、テカテビールを最初に頼みお通しをつまみ始め、
メキシコの料理とテキーラを中心に頼んでいました。

なにしろ僕は、福岡市のエルボラーチョでメキシカンを覚えて以来、
いろんなメキシコ料理のお店を回って、すっかりメキシカン好きになったのですが、
飯塚市に滞在するようになって、ずっとご無沙汰していました。
久しぶりのメキシカン。大変心が躍りましたよ、ええ。
あまり福岡市に行く機会も少ないため、今後もちょくちょく通う事でしょう。

テカテビールを飲んだ後、テキーラを頼もうと思ったのですが、
この手のお店につきものの、テキーラ専用のメニューがありません。
「まだ頼む人が少ないから、瓶を見て注文してもらうことにしている」
とのことで、テキーラの種類も、今後どんどん増やしていくとのことです。

まずは、まだ飲んだことがなかった、パトロンという珈琲リキュール風のを勉強のために飲んだ後、
エラドゥーラのレポサドに行きました。

僕がそれを飲んでいると、近くの家族連れのお客さんが、
棚に並べられたテキーラが気になったらしく、お店の人に「テキーラってどんな種類があるのか」と
聞かれて、店員さんが「ブランコ、レポサド、アネホとあって」
「その違いは何かね」といった会話が出ていたので
僕も横から入って「それらは樽での熟成期間の違いが……」と説明をしたりしていました。

やはりテキーラに興味のあるお客さん、多いんですね。
そのお客さんもドンフリオか何かのレポサドを頼まれていました。
好きになってほしいですね。

その後も僕はテキーラを頼みましたが、ちょっとしたラッキーがありました。
瓶だけじゃ銘柄が分からないので、レポサドを並べているという棚にあった
「そのピンクの取って」と僕が言って取ってもらったら、なんとこれがアネホでした（銘柄失念）。
しかも、レポサドの値段(600円)で出してくれるというのです。
通常だったらアネホは、物によっては1ショット2000円とかしますよ、なんと幸運なんでしょう。

仕事忙しくて最近自宅で一人で飲んでいた自分にはここでよい酔いが得られて最高でした。
飲んでみれば分かりますが、ブランコ（シルバー）とレポサドとアネホでは、
テキーラは全然酔い方が違います。特にアネホの酔い方の素晴らしさは何物にも代えがたいです。
それが飯塚のお店で得られるなんて、本当に最高でした。

タコス以外のお料理の方の話もしたいと思います。

お店が一押ししているのが、マリネーラです。

マリネーラがオススメ、と聞くと、詳しい人は、福岡市にチェーン展開するとある名店を思い出すかもしれませんが、
そちらで働いていたたことのある店員さん（料理担当）もいらっしゃるそうです。
飯塚での出店となったのは、飯塚出身の方がいらっしゃるということもあるようで、
土地のご縁と言うんでしょうか、飯塚在住の僕は全力で応援したい気分です。

実際、このお店のマリネーラも、ニンニクの味わいとトマトの酸味と魚介の味わいがうまくミックスされていて
大変食べやすいもので、飯塚の人の間にもぜひ浸透してほしい味だと思っています。

もう一つメキシコらしいのを、と言ったら薦められたのが、「蛸のエスカペチェ」です。
酢醤油と黒酢風の味付け。玉ねぎで、蛸の味わいが楽しめます。
マリネ感覚で、食べやすくてうまいため、南蛮漬けが好きな人ならいけると思います。

シメに何かご飯ものを、と言ったら、「キムチのナシゴレン」を薦めてくれました。
タコライスもありますが、こちらの方が人気がいいようです。
ナシゴレンは東南アジア、インドネシアやマレーシアの料理なんですが、
やはり、メキシカンのお店というより、まだまだ「若者が楽しむためのお店」ですからね。

出てきたナシゴレンは、予想と異なり、最初からキムチを混ぜて炒めているため、
キムチの辛さがナシゴレンの味と混ざり合い、キムチに残った酸味とのバランスが大変面白い
味わいになっています。

ごちそうさまでした。

アネホが入ってこれだけ飲んで食べてお会計\5000ぽっきりで済んだのは、
ラッキーと言わざるを得ません。

飯塚に来てくれたメキシカン。
今後の動向に目が離せないお店です。

現在はメニューが少ないですが、今後徐々に増やしていくとか。
テキーラも充実させていくそうです。

ゆくゆくは飯塚の地に徐々にメキシカンを定着させて、
次のステップとしては、タコスも、テクスメクス風のだけじゃなく、
本場の柔らかい生地のも出せるくらいにしてほしいと願っています。