価格から考えれば大満足♡♡だが、、、 : さくら寿し

最初に結論から言えば、この価格でこの内容であれば個人的には大満足。そしてこの雰囲気は嫌いでない。ぜひぜひこれからもどんどん利用したい。しかしながら、あくまでそれは私の主観的乾燥で、客観的に考えればかなり大きなハードルがいくつかある事を書きとめておかなければならないと思う。

まずその値段、2500円、しかも税込、若いころなら回転すしでもそれぐらい食べたものだが、職人さんが目の前で握ってくれるすしで、それくらいの量を食べても変わらず2500円なのである。多少の事どころか多くの事を我慢を強いられても当たり前である。

その日の仕入れに応じてお薦めのネタをお好みで握ってくれる、嫌いなものは言えるが、基本こちらから注文できない。一通りネタが一巡してから○○を×貫という感じで注文できる。例外的に途中退場の場合、つまり『そろそろお腹一杯になってきちゃったんだけど、最後に○○だけお願いできる？？』というのはアリのようだ。ネタの種類も豊富なので一巡するのは結構大変（笑）お腹一杯なら途中で『最後の望み』を言うのも聞いてくれるようだ。

カウンター１０席位？？と小上がりがあり、ある程度のキャパがありながら握るのも仕込むのも接客もお会計も洗い物もすべて御主人一人。お客さんの数にもよりますが、当然食べるスピードに握るスピードが追いつかず待つ事も。「2時間くらいかけてゆっくり話でもしながら鮨をつまむ」位の時間的な余裕と話し相手がないと『今日はガンガン食べるぞー』と一人で出向くとちょっとキツイ面も。。。

ここまではほかの口コミをトータルすればほぼ織り込み済み。後2つ大きなハードル。1つ目は雰囲気。御主人の人柄の良さはみなさん触れているがその通り、明るく気さく。そして一人で大変これもみなさん触れているとおり。よって、お茶はセルフサービスどころかお客さん同士でポットに近い人が汲んであげたりという連帯。下げ物も自分でもっていったりが当たり前。そいういうノリを『けしからん！』とまゆをしかめる人には不向きかも。私は個人的に嫌いではないが、お店で出会った見知らぬ客同士が一種の連帯感のような不思議な雰囲気を醸し出してるところも、苦手な人には苦手だし『一人でゆっくり飯を食いに来たんだ！』という方には無理。というか『そういう人は来ないで結構！』というような感じすらする。私はこの雰囲気は好きな方だから気にしない。雰囲気の★1.5まで落としたのはもう一つの雰囲気にある。

もう一つのハードルも別の意味での雰囲気。店内の統一感というか、お土産でもらった的な置物のようなものや置いてある物の統一感がバラバラどころか、壁にはアイドルの写真から外国のお札まで種々雑多である。正面のネタケースはネタで埋まっているが側面のネタケースはお土産の包装紙やらいろいろな小物類がゴチャっと入っている。ガラス張りだから外から見える。ガラス自体の汚れも昨日今日の物でない。外から見える板場のごちゃごちゃ感。調理台の上も使った道具が何重にも重なって山のように積まれている。使うたびにその中からガラガラ。。。ちゃんと使うたびに丁寧に洗い、決して衛生的に問題はないのだが、整理整頓という言葉と全く対極的な状況に、すべての良い面を帳消ししてなお余りある程の悪い印象を覚える。

私も整理整頓は苦手。要は性格の問題。でも、客に見える場所は例え一人で手が回らなくとも凛としていなくてはならないのではないだろうか。清潔である事は当然守られているのであっても、見えるところは実際の清潔だけでなく見た目の清潔感も重要。オープンキッチンとはそういうものではないか？

ネタの鮮度、味は値段を考えれば勿体ない位の物も。シャリは硬く、酢も甘みも弱い感じがする。シャリ玉は『意外と小さく』という書き込みを見てうかがったが私の時は「すごく大きくて、ネタとのバランスが悪い」と感じた。たまたまその日がそうなのか？客の体型をみて原価コントロールをしているのか不明だが、事実、私の時は大きかった。

味は個人の好み。シャリは「もう少しもっちり甘酸っぱい方がより私の好みに近づくが許容範囲」と言ったのが正直な感想。そこを鑑みても味と価格では高評価。サービスも半ばセルフサービス的になってる部分は御愛嬌の範囲だが、セルフサービス用に作られたお店でない所で初訪のお客さんは驚くであろう事でもあるので少しだけ標準から下げておいたが問題とは思わない。それだけなら高評価なお店なだけに雰囲気だけはもったいない。『本当は人を入れたいんだけどさ、人入れたら2500円じゃやっていけないでしょ！』と何度も仰るが、これだけちゃんとしたネタ使って握りたて出してて2500円である必要もない。後500円高くても人を入れてちゃんとしたサービスと整理整頓され清潔感と高級感あふれるお店の方が繁盛するのではないだろうか？？