リグーリアの風 : リストランテ サクラ

間もなく開業5年となる人気イタリアン。シェフはイタリアリグーリア州でミシュランの星を持つフラビオコスタに認められた唯一の日本人。地の野菜、魚、肉にこだわり、それらを活かすフランス、イタリアの旬の食材との組合せにずば抜けたセンスを感じる。大洗沖から銚子、九十九里、外房、内房沖に毎朝のように船釣りに出る漁師顔負けのシェフの釣果により、魚料理のメニューが決まるのもこの店の楽しみの一つとなっている。

今回の肉料理はアンガス牛のランプ肉。ふわふわと言っても良いほどの柔らかで均一な火入れは、低温長時間調理のたまもの。ヘーゼルナッツのソースがフラビオコスタ譲りのスペシャリテ。グリルに背脂を使うことで、赤身の肉に仄かに味が浸み込んで上品な仕上がりとなっている。地野菜を一つ一つ食材ごとに違う調理をするのも素晴らしい。

コースは牛のアキレス腱とテールによるテリーヌから。コラーゲンたっぷりのジュレは日本料理の領域に近い。馬肉はほとんど生の肉の味わい。丁寧な下処理が分かるタルターラの食感。旬のホワイトアスパラガスとホロホロ鶏はフランス産。フォアグラと牛蒡の組合せがオリジナル。キタッラは粉から店で作っている。ワタリ蟹は味噌が濃厚なだけではなく、締まった身も美味しい。金目鯛にはアーティーチョークを合わせる。

乾杯のシャンパーニュはルノーブル。かなりレアなセレクション。伝統的な造りがリグーリア香る日本的なオリジナル料理に合っている。サクラ肉とホロホロ鶏にピヨのシャサーニュ。ワタリ蟹と金目鯛にはルイラトゥールのコルトングランセイ。そしてランプ牛には今は亡き名醸造家プリューレロックのラドワ。希少でありながら手に入ればコストパフォーマンスの良い銘醸を集めている。支配人の持つ仕入れルートが素晴らしい。

地の食材にこだわり、フランス、イタリアの食材と組合せ、リグーリア州の3つ星シェフの技とセンス溢れる独自の技術を融合させるシェフ。開業5年、常に進化を続け留まるところを知らない。支配人の選ぶワインも希少で貴重で、なおかつコストパフォーマンス抜群。驚くほどの気遣いを感じるサービスも文句の付けようがない。日本中から食通が訪れるようになった今でも、シェフも支配人も全く変わらない腰の低さと真摯な姿勢。この店には食材と客に対する愛が溢れている。

シェフお任せコース　6500円
牛アキレス腱とテールのテリーヌ
　アメーラトマト　モッツァレラチーズ
　パセリのピュレ
サクラ肉のタルターラとウニ
　ベリーのソース　サラダ添え
フランス産ホワイトアスパラのソテー
　フランス産ホロホロ鶏
　フォアグラと牛蒡詰め
　ポーチドエッグ
　ヨーグルトと蕗の薹のソース
気仙沼産ワタリ蟹のキタッラ
　小松菜の菜の花
銚子産金目鯛
　スミイカとアーティーチョークのソテー
　ヤリイカのフリット　カラスミのパウダー
バジルのグラニテ
アンガス牛ランプ肉　背脂を使ったグリル
　ヘーゼルナッツのソース　ラディッキオ
デザート　4種盛合せ
　グレープフルーツのテリーヌ
　ヨーグルトのジェラート
　パンナコッタ　ガトーショコラ
カフェ　エスプレッソ

支配人お任せワインペアリング　5000円
NM CHAMPAGNE BRUT Mag 14
　INTENSE ARLENOBLE　120mlグラス
2016 CHASSAGNE-MONTRACHET
　FERNAND & LAURENT PILLOT　120mlグラス
2007 Corton Grancey GRAND CRU
　DOMAINE LOUIS LATOUR　70mlグラス
2015 LadoiX Le Cloud
　Domaine Prieure Roch　70mlグラス

開業して3年が経過し、すっかり千葉のナンバーワンレストランとしての知名度も定着した。イタリア、リグーリア州の3つ星レストランで3年間修行し、世界のフラビオコスタの日本でただ1人の愛弟子として、千葉の食材を活かした、千葉とリグーリア州の融合とも言える料理を確立しつつあるシェフ。伝説の名サービスで有名な支配人とのコンビが、ますます素晴らしい居心地となっている店。

今回は八千代牛と牡蠣の組み合わせ。千葉県産ブランド牛の4、5等級。フォンドボーと牡蠣から作ったソースが美味しい。ほとんどが2、3等級からなる千葉県北部産の登録生産者による八千代牛。貴重な4、5等級を仕入れ、軽い味わいが特徴の赤身に濃厚な牡蠣ソースと旨みたっぷりの牡蠣そのものを合わせるオリジナリティ。コストパフォーマンスを熟慮した工夫が素晴らしい。

木皿に乗ったアミューズはビーツのフィナンシェと蝦夷鹿のモルタデッラ。上に乗ったチーズの味噌漬けが野菜と肉の味を締めている。ロータリブリュットが進んでしまう。アンティパスト1皿目はマグロから。さっぱりしたマグロの赤身をラビオリの代わりに使い、中身は甘いアオリイカとウニの組合せ。マグロ、アオリイカ、ウニの3重奏が舌の上を舞う。ビジュアルも美しい。

2皿目はカリフラワーをパンナコッタとしている。シンプルでありながら奥深い味わい。時間を掛けて作ったコンソメのジュレが嬉しい。七味唐辛子が隠し味。3皿目の活き車海老は丁寧に火入れされ、殻の香りと身の柔らかさと甘さの組合せが文句なし。富山県産の白海老を車海老に合わせているのも面白い。

プリモのタリアテッレはイカ墨を練りこんだ真っ黒なパスタ。上に乗った富山県産のホタルイカとの組合せが絶妙。アスパラガスとも合っていて感激する。八千代牛の前は銚子産の金目鯛。金目鯛と言えば銚子沖に限る。柔らかさと白身の旨みが他にはない味わい。フォアグラと組み合わせるセンスに脱帽。ホワイトアスパラガスとトリュフソースも驚きのマリアージュ。ヘーゼルナッツのケーキまで息をもつかせない怒涛のコース。

乾杯の泡はロータリブリュット。ワインは支配人にお任せの料理に合わせるペアリングコース。内容に応じて4、5千円からの安心ワインコース。全てハーフサイズで依頼することもできる。リグーリア州の3つ星料理にはイタリア北部を主体にイタリア全土、フランスもボルドー、ブルゴーニュ、さらにニューワールド、国産と幅広い。料理によっては日本酒を合わせることもある。

場所は国道126号線、本町2丁目交差点から直ぐ。京成千葉中央駅の改札を出て右側東口広場から右の通りを真っ直ぐモノレール方向へ。本町2丁目交差点を126号沿いに左に曲がり、コンビニエンスストアの路地を右に入って本町小学校方面へ。1本目の路地を左、次を右に曲がって100メートル。右側マンションの1階にある。両隣は人気の洋風居酒屋と老舗小料理店。木製のガラスドアを開けると真っ白な空間が広がっている。メインダイニングは20席。奥には4人席の半個室と6人席の個室。

千葉県産の旬の野菜、魚、肉を使ったリグーリア州3つ星の味わい。まさに千葉とリグーリア州の融合レストラン。シェフは最近毎朝、夜明け前に船に乗って九十九里沖や南房総沖に出ているとのこと。自ら旬の最高の魚を釣って、気に入った魚を店に出しているらしい。野菜、肉も地元産の特徴ある生産者物にこだわり、食材への思い入れが素晴らしい。今や千葉を代表する食文化の発信基地と言える店。開業4年目となり、これからの進化もますます楽しみになっている。

シェフお任せコース　6500円
ビーツのフィナンシェ　蝦夷鹿のモルタデッラ
　チーズの味噌漬け　赤ワインソース
マグロのラビオリ　アオリイカと厚岸産のウニ
　千葉県契約農家の赤蕪と色々野菜
カリフラワーのパンナコッタ
　コンソメのジュレ　小海老　七味唐辛子
活き車海老　富山の白海老　イイダコ
　クレスペッレ　パプリカ2種類のソース
富山産の蛍烏賊　アスパラガス
　イカスミのタリアテッレ
銚子産金目鯛　フォアグラ
　ホワイトアスパラガス　トリュフソース
八千代牛　牡蠣　フォンドボーと牡蠣のソース
ヘーゼルナッツのケーキとアイスクリーム
カフェ　エスプレッソ

支配人お任せワインペアリング
　ハーフコース　2000円/60ml×4杯
NM TRENTO DOC Brut ROTARI
2015 Anterisio ROERO ARNEIS
　CASCINA CHICCO
2015 KTIMA KIR-YIANNI
　ESTATE CROWN
2014 POMMARD
　Domaine Philippe Pacalet

今や知らない人のいない千葉ナンバーワンイタリアン。開業して2年目となり、料理、ワイン、サービスにますます総合力を発揮している。伝説の支配人とリグーリアの3つ星シェフ、フラヴィオコスタの愛弟子であるシェフに、新しい弟子と若い女性スタッフが加わり、この店の進化は日々留まることを知らない。毎回見たことのない料理が出現し、そのバリエーションの幅を広げている。今回は素材の妙、特に素晴らしいシャラン鴨が入っていた。火入れは相変わらず親方譲りの抑え目さ加減。食感は柔らかいのに、鬱血して濃厚となったシャラン鴨の肉々しい味わいが堪らなく美味しい。ソースは秋トリュフをゴルゴンゾーラで和えている。なんという贅沢な香りだろうか。うっとりとしてしまう。旬といえばポルチーニ。秋野菜のグリルとともに皿を飾っている。添えられたオルゾットは大麦と古代米のコンビネーション。アルデンテを超えたカリっとした食感も、シャラン鴨を引き立てている。アミューズはリコッタチーズとメロンのムース。フレンチのようなビジュアル。乗せられたたっぷりの赤座海老がふわっとした食感で、甲殻類特有の深い味わい。フランス産の最高級キャビアとの取り合わせに幸せな気持ちになる。前菜はシェフの父親が奥多摩で獲る今年最後の天然鮎。天然鮎らしい苦くない苦味が活きていて、魚の火入れの上手さもさすが。プリモはまた新しいラビオリに挑戦している。トマトのピュレを中に詰めたもの。ソースはパプリカ。乗せられたパルミジャーノと焼き込んだオニオンとの相性がよい。ワインはイタリアとブルゴーニュの融合が完成の域。乾杯はフランチャコルタのエクストラブリュット。夏の終わりを告げるような泡の喉越し。白は熟成感さえ漂う樽香が最高のドメーヌシュブロ。赤はエルヴジゴーのシャンボールプルミエクリュと、アンリマニャンのジュヴレシャンベルタン。2008年のシャンボールも素晴らしいが、2013年でありながら古木らしさが全面に出る濃厚なジュヴレらしいマニャンの味わいに酔いしれる。場所はルート126本町2丁目交差点から直ぐ。京成千葉中央駅の改札を出て右側東口広場から右の通りを真っ直ぐモノレール方向へ。きぼうるを過ぎて、本町2丁目交差点をルート126沿いに左に曲がり、コンビニエンスストアの路地を右に入って本町小学校方面へ。1本目の路地を左、更に2本目の路地を右に曲がって100メートル。右側、下駄履きマンションの1階に在る。両隣は人気の洋風居酒屋と小料理店。木製のガラスドアを開けると真っ白な空間が広がっている。5席のカウンターはステンレスの1枚板を曲げて作られている。メインダイニングは20席。奥には4人席の半個室と6人席の個室がある。今や名実ともに千葉県ナンバーワンとなったイタリアンは、ナンバーワンレストランでもある。コンパクトな店内で、素晴らしいホスピタリティのサービスのもと、北イタリアの3つ星シェフ直伝料理を、最高のブルゴーニュとともに味わえる。コストパフォーマンスの意味からも、最も千葉らしい最高の店と言えるのではないだろうか。

本日のシェフお任せコ－ス
リコッタチーズとメロンのムース
　赤座海老とフランス産キャビア
シェフの父親が獲る奥多摩産天然鮎　水茄子
　オクラと胡瓜のソース　トマトのパウダー
トマトのラビオリ　グアンチャーレとパルミジャーノレッジャーノ
　パプリカのソース
パイナップルとライムのグラニテ
シャラン鴨とフォアグラ　トリュフとゴルゴンゾーラのソース　
　ポルチーニと季節野菜のグリル　オルゾット添え
リグーリア州とプーリア州の自家製フォカッチャ
フォルマッジョ
　ミモレット　カマンベール　パルミジャーノレッジャーノ
ドルチェ
エスプレッソ

支配人のデギュスタシオンコース
NM FRANCIACORTA EXTRA BRUT
　Le Marebesine　120mlグラス
2010 MARANGES
　DOMAINE SHEVROT　120mlグラス
2008 CHAMBOLLE-MUSIGNT 1er Cru Les Chatelot
　DOMAINE ANNE ET HERVE SIGAUT　120mlグラス
2013 GEVEREY-CHAMBERTIN V.V
　Domaine Henri Magnien　120mlグラス

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北西イタリアのリグーリア州に12軒あるミシュラン星付店のトップクラスで有名なラルコアンティーコ。そこで修行したシェフは、師匠であるラルコアンティーコのフラヴィオコスタから、直接スペシャリテの数々を伝授されてもいる。帰国してこの千葉ナンバーワンイタリアンで腕を振るうようになり3ヶ月が経った。最高に美味しいラヴィオリより、実はトロフィエジェノベーゼがシェフ一番のお勧めであることを今回始めて知った。軽いニンニクのジェノベーゼソースが本来のリグーリアのあるべき姿と色々な手作りパスタのサンプルを前にシェフは言う。肉料理も魚料理以上にリグーリアは素晴らしいとも言う。表面のみカリッと粉を塗して焼き上げたコトレッタ。牛肉の中身はふわふわで真っ赤な柔らかさ。この焼き加減、火入れの技は、最近の流行と言うわけではなく、修行先の師匠の技でもあるとのこと。文句なしに美味しいコトレッタとなっている。アミューズのズッパは新玉葱。ポレンタのクロッカンテが添えられている。天使海老とホタテ貝にはアメリケーヌソース。甲殻類の味わいが引き出されたソースが素晴らしい。自家製りんご酵母で焼くイタリア各州のフォカッチャに付けて食べたくなる。フレンチに限りなく近い北西イタリアの料理。今回のウズラのフォアグラ詰めは、見た目はガランティーヌで味もフレンチのそれ。トリュフの香りと添えられた茸のフリッタータが堪らない。シャンパーニュとブルゴーニュばかりだったワインも南下して北イタリアが入り込んできた。乾杯はロータリのロゼ。ムルソー、ヴォルネイのあとにはトレンティーノアルトアディジェのピノ。支配人が本格イタリアンに舵を切ったのが分かるバリエーション。千葉ナンバーワンイタリアンがどこまで進化するのか。もう誰にも止められない。

本日のシェフスペシャルコース
アミューズ　ピアディーナと新玉葱のズッパ　パルミジャーノとポレンタのクロッカンテ
前菜　天使海老とホタテ貝のクレスペッレ　アメリケーヌソース
前菜　フォアグラを詰めたウズラのインヴォルティーニ　トリュフソース
　茸香るフリッタータ　新牛蒡のチップス添え
プリモ　トロフィエ　ジェノベーゼ
セコンド　卯の花牛フィレ肉のコトレッタ　フルーツトマトとホワイトアスパラガスのケッカ
ドルチェ　グレープフルーツのテリーナ　発酵ヨーグルトのジェラート添え
カフェ　エスプレッソ

支配人のデギュスタシオンコース
NM TRENTO DOC ROTARI Rose　90mlグラス
2010 MEURSAULT BENJAMIN LEROUX　60mlグラス
1997 Volnay PREMIER CRU Louis Latour　60mlグラス
2013 Terlaner Classico Terlano　60mlグラス
MARC de la Champagne DRAPPIER　30mlグラス

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イタリアンを極めたシェフによる、ブレの無い完成度が光る密度の高い千葉イタリアン。シェフが絶対の自信を持つラヴィオリは、北イタリアから南イタリアまでを徹底して修行して歩いた結晶とも言える美味しさ。ホロホロ鶏の肉の旨みを最大限に発揮する、肉に面する内側だけがつるつるで廻りがもちもちの、かつて日本では味わったことのない独創的なラヴィオリ。シェフはピエモンテ州の１つ星やエミリアロマーニャ州の２つ星リストランテでの修行時代に、苦労して会得した自信の一品と言っている。千葉県産の野鴨のイタリア風オーブン焼き、アルフォルノが素晴らしい。鴨肉は仕入れてから店で熟成させている。火入れ加減は表面のみ十分な焦げ目で、中は時間を掛けた低温の焼き具合。真っ赤な肉の色とジューシーな味わいが何とも言えない。千葉県産でありながら、シャラン鴨に負けない味わいが巣晴らし過ぎる。胸肉の素晴らしさに負けないのが、もも肉。内臓を焼いて細かく刻み、もも肉の間に詰めている。鴨の内臓の濃厚で色々な味わいと、あっさりとしたもも肉をたっぷり火入れした食感とが、素晴らしい火入れの胸肉と絶妙なコントラスト。赤ワインのソースも麦のソースも、添えられたカリフラワーのピュレさえも、この鴨肉のコンストラストのための最良の組合せに思えてしまう。これだけのイタリアンには早々出会ったことがない。アミューズのズワイ蟹の春巻き、パートフィーロ包みや菊芋のスフォルマートからもう満足してしまう、乾杯のシャンパーニュに合うことこの上ない。たっぷりのオマール海老と合わせるフランス産のホワイトアスパラも素晴らしい。表面だけ仕上げにローストされ、香ばしい香りと新しい食感を生み出している。富津市産の穴子は素材の素晴らしさもさることながら、臭みを完全に消し去る甘酸っぱいアグロドルチェ仕立てに、本格的なイタリア修行時代を実感させられる。開業して丁度6ヶ月が経過した新進気鋭の千葉イタリアン。この正月からシェフが交代し、ビストロ仕込みのシェフの店から、本物のイタリアンを極めたシェフの店に生まれ変わった。銀座の有名イタリアングループの社員としてピエモンテやエミリアロマーニャの北イタリアで修行後、四ツ谷の大箱イタリアンに勤め、その総料理長に就任してから2年。本当の自分の料理とはと言う疑問に心のブレを感じて再びイタリアに渡り、リグーリア州の有名店で1年、シチリア州の有名店で6ヶ月、合わせて3年間の修行時代には、イタリア全20州を食べ歩いたと言う徹底振り。そのシェフと千葉では今や知らぬ人のいないカリスマ支配人がコンビを組むこの店が、文句なしに千葉県ナンバーワンイタリアンであることは、今後誰もが認めることになることと思われる。

お任せコース　地　6800円
ズワイ蟹のパートフィーロ包み　菊芋のスフォルマート
オマール海老のティエピド　フランス産ホワイトアスパラ　マジョラムの香り
富津市産穴子のフリット　サフランのアグロドルチェ
スペシャリテ　ホロホロ鶏を詰めたラヴィオリ　マラサラ酒風味
デコポンのグラニテ
千葉県産野鴨のアルフォルノ　赤ワインと麦のソース　カリフラワーのピュレ
自家製3種類のパン　グリッシーニ　プーリアのフォカッチャ　リグーリアのフォカッチャ
クレムカタラーナ
エスプレッソ
ココナッツのサブレ　ナッツ入りフィナンシェ

2003 CHAMPAGNE BRUT GRAND CRU EGLY-OURIET　90mlグラス
2010 Meursault CLOS DU PRE DE MANCHE DOMAINE DENIS BOUSSEY　60mlグラス
1996 Beaune Cent-Vignes 1er Cru Albert-Morot　60mlグラス
2010 Amarone della Valpolicella Luigi Righetti　60mlグラス

TRES VIEUX MARC de la Champagne DRAPPIER　45mlグラス

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モダンフレンチとイタリアンに和のテイストを加え、地元千葉、房総の素材を重視するレストラン。真っ白なインテリアは千葉には他にない感性豊かな女性のための設え。何と言っても今やカリスマとも言える支配人の微に入り細に入るホスピタリティの高さが、間違いなく千葉県ナンバーワンの顧客満足を実現している。開業して丁度3ヶ月。若きエースとなったシェフの料理は開業時の才能を垣間見せる未完の大器から、あっという間に予想通りの進化を遂げた。毎日、徹夜で新メニューの開発を続け、朝、何度も床に倒れているところを支配人に起こされ続けた3ヶ月。今回の地元千葉県産の猪のパイ包み焼きに、まだまだ通過点とは言え、一つの答えを見る思いがする。パイ包み焼きは、ナイフを入れた瞬間の香りが全てと言っても過言ではない。しかしその常識を覆す、驚くほど薄いパイの皮が、シェフの限りない才能を現している。クラシックなパイ包み焼きとは一線を画する、モダンとも違うオリジナリティ。地元千葉の猪を粗いミンチにして、柔らかく固めて薄い生地のパイで包んでいる。香りは当初は支配人がテーブルで掛けるピエモンテ産の秋トリュフに覆い尽くされる。しかし時間と共に獣臭を消し去ったミンチから、仄かな野生の肉の香りが上がってくるのが感じられる。繊細な熟成ピノノワールのためのパイ包み焼き。文句のつけようがない仕上がり。今後、この店のスペシャリティとなってもおかしくない、他にない味わいとなっている。ワインは相変わらず素晴らしい。シャンパーニュは毎回、レアなレコルタンマニュピュラン。シャルドネは出来の良いヴァンサンジラルダン。ピノノワールは何と稀少なドメーヌ、アルベールモロ。エチケットの文字をローマ字読み的に、アルベロのものと読んで支配人に腹を抱えて笑われた。マールはロマネコンティかムートン。ムートンがマールを造っていることすら知らなかった。こんな店が千葉にあること自体、驚きに値する。場所は京成千葉中央駅から徒歩12分。JR千葉駅から本町2丁目交差点までタクシーでワンメーター。開業3ヶ月とは思えぬ完成度の店であり、半年、1年後には、千葉県トップクラスの人気店になるのは間違いない店となっている。

支配人にお任せのコース
アミューズ　じゃが芋とパルミジャーノレッジャーノのスフレ
　イタリア産最高級キャビアとパルミジャーノレッジャーノ添え
オードブル　タイラ貝とフランス産ホワイトアスパラガス
オードブル　ズワイ蟹と人参のフラン　エストラゴンの香り
ポアソン　房総沖の伊勢海老　伊勢海老のジュを練り込んだタリアテッレ
ヴィアンド　千葉県産猪のパイ包み焼き　秋トリュフ掛け
デセール　和栗とエスプレッソのプリン　和栗の泡乗せ
カフェ　エスプレッソ

NM　シャンパーニュ　ブリュット　エリックロデス
2011　ムルソー　ヴァンサンジラルダン
1996　ボーヌトゥーロン　アルベールモロ

マールドブルゴーニュ　ドメーヌドラロマネコンティ

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千葉県ナンバーワン人気を数年続けているイタリアンがある。その店の最大の良さは今やカリスマとなった支配人による至れり尽くせりの行き届いたサービス。その支配人が全てを任されて、事実上の独立を果たした店。千葉の歴史的な住宅街でもある本町に、理想のレストランをこの盛夏に開業した。シェフは都内のフレンチ、イタリアンで修行を積んだ若きエース。フレンチ、イタリアン、日本料理の良いところを取り入れ、千葉県産の野菜、魚、肉を自らの足で捜し求め、生産者とコミュニケーションを取って仕入れている。ワインも日本酒も最高の銘柄が揃っている。こんな店が千葉にあったらと思い描いていた店が、突然、本町という身近に出現した。白を基調としたインテリアは、都内で人気のフレンチのどこにも負けない洒落た雰囲気。ボサノバが流れる店内は、未だかつて千葉にはなかった理想空間に近い。開業日の土曜、その翌日の日曜と、全く宣伝をしていないにも関わらず満席。予約が取れるのは開業3日目の月曜以降と言う、千葉にしては恵まれたスタートを切っているのも、カリスマ支配人の永年の人間関係の成せる業。コース料理自体も、客ごとの好みに合わせて皿の内容をカスタマイズしていくと言う。メニューはお任せコースのみ。ディナーは、4500円、6800円、10800円の3タイプ。6800円の千葉の野菜をメインにした地コースがお勧め。今回の地コースは、地元朝採りトウモロコシの冷製スープで始まった。良いところしか使わないと言うトウモロコシの甘さが素晴らしい。丁寧に裏ごしされた肌理の細かさが良く分かる。北海道厚岸産の真牡蠣のミルキーさが、キンセンカの香りと共に何とも言えない。ぴったりの日本酒が用意されているのにも驚かされる。九十九里町産のナマズの白身が、カリカリの皮と柔らかな身の火入れの妙で美味しい。オレンジソースを塗った火入れは、手の込みように感激する。ミッシェルブラスを彷彿とさせる30種類以上の野菜のガルグイユにも、ただただ驚きを禁じえない。まさか千葉でブラスの心に触れることが出来るとは思わなかった。野菜が全てシェフ自らの足で探した地元生産者のものと言うのが素晴らしさに輪をかけている。野菜の種類ごとに違う茹で加減、味付けというのもブラス感覚。ラヴィオリのソースは房総地鶏の煮込み。千葉ブランドの房総地鶏は、生産者から仕入れ値はシェフが食べて自分で決めるよう言われたと言う。千葉が好きな人間には堪らないエピソード。2時間以上じっくり煮こまれたソースが美味しい。テーブルでフレッシュ黒トリュフを掛けるのも支配人の得意技。この店のスペシャリテにもなりそう。黒毛和牛ザブトンのタリアータは赤ワインを煮詰めて燻製にしたソースの香りが素晴らしい。食べる前から5感を刺激する。甘みを感じるグリル野菜も肉を引き立てている。ワインはブルゴーニュを中心に世界中から集めている。ハウスワインはフランス、ニューワールドを含め、仕入れ状況で変えていくと言う。乾杯はロワイエのシャンパーニュ。今回の赤ワイン、モメサンのモノポール、クロドタール09が桁違いの凄さで光っていた。ムルソーシャルムは04という飲み頃。娘の書いた日本的アニメのエチケットで有名な希少ボトル、ルーシーマルゴーまで出されて驚いた。日本酒の品揃えには更なる驚きがある。日本料理にも近い料理の数々にはやはり日本酒が合っている。福島の飛露喜に、貴の大吟醸、新政ヴィリジアンラベル、亀の尾、伯楽星、風の森と続くメニューにはただ呆気に取られる。日本料理店でも千葉では見たことがないラインナップ。日本酒で乾杯もできるよう、獺祭スパークリング、しかも3割9部が格安価格で用意されている。千葉で手に入る分は全て買い占めたとのこと。信じられない。和を意識して千葉県産の素材に拘り、イタリアンとフレンチの良い所を偏見なく取り入れたコース料理が、これからの千葉で人気を博していくことは間違いない。壁、テーブルクロス、革張りの椅子と、全てが真っ白なレストラン空間も、都内の有名店張りで千葉には他にない理想のエレガントさ。カトラリーはサンボネのハートシリーズとルナシリーズにラギュオール。グラスは全てリーデル。ガラス器はスガハラ。そしてサービスはカリスマ支配人。こんな店が千葉に欲しかったと誰もが思うに違いない店ではないだろうか。

お任せコース　地　6800円
アミューズ　朝採り地トウモロコシの冷製スープ
オードブル　北海道厚岸産生真牡蠣　キンセンカを散らして
オードブル　九十九里町産ナマズの蒲焼仕立て　オレンジのソース焼き
　ずんだのムース　唐辛子の葉のソース　マイクロトマト添え
オードブル　千葉の大地の恵み　30種類以上の野菜のガルグイユ　人参と牛蒡のピュレ
オードブル　自家製リコッタチーズのラヴィオリ　房総地鶏の煮込みソース
　テーブルで掛けるフレッシュ黒トリュフ
口直し　グレープフルーツとセロリのグラニテ　
ヴィアンド　仙台黒毛和牛　ザブトンのタリアータ　燻製した赤ワインのソース　グリル野菜添え
自家製パン
　玉葱のチャツネを練りこんだフォカッチャ　ズッキーニのプレーンパン　玉蜀黍のプレーンパン
千葉県産ダイヤモンドポークのリエット
デセール　人参のブリュレ
カフェ　ペパーミントとレモングラスの100％千葉県産ハーブティー
プチフール　ビスコッティと芥子の実を掛けた生チョコ竹串刺し

Sanperregrino　700円/1本

NM CHAMPAGNE Reserve BRUT Royer Pere et Fils　1200円/90mlグラス
4種のワインのデギュスタシオンコース　3500円
2004 Meursault-Charmes Domaine Pierre Matrot　90mlグラス
2011 BOTT GEYL GENTIL d'ALSACE Metiss　90mlグラス
2009 Clos de Tart MONOPOLE Domaine Mommessin　90mlグラス
2013 Domaine Lucci Vine Rosso LUCCI MARGAUX　90mlグラス

Vieux Marc de Bourgogne A la Mascotte LOUIS JADOT　900円/60mlグラス

飛露喜　純米大吟醸　廣木酒造本店　福島県　　1200円/90mlグラス