ハイレベルな秋田を満喫 : 心粋厨房 獬

秋田で晩ごはん、というか飲み。
次の日を気にしないでいい本気飲み。
連れの好きな新政が飲める店を調べて、前もって予約。

無事に迎えた当日は、食前の運動がてら大町の宿からテクテク歩く。
あそこが気になる、ここが気になるとか言いながら20分位散策。
駅前から遠ざかったほうが、街の個性が現れたように感じたのは気のせいでしょうか。

気をつけてないと、通りすぎてしまいそうな古びたビルの一階。
入り口は路面じゃなくて、建物の中ね。
いい予感の店構え。

カウンターなら二人連れが3～4組、大テーブルなら仕切って４人連れが二組入れそうな小さなお店。

ではでは、早速メニューを。
新政は一種だけだけど、飲んだことのない秋田のお酒がいろいろあるから楽しめそう。
料理は特に東北に限った品揃えということはなく、色々な産地の食材をそれに合うと思われる調理法でという感じ。

ここへ来る途中に軽～くビールを飲んでいるので、最初から日本酒をたのもう。
一合を徳利で頼んで、お猪口で差しつ差されつ、差されつ差されつ。

「ゆきの美人　純米吟醸」850円
優しい甘さ、軽い酸味。
はじめましてな秋田のお酒は美味。
最初の一合から、陶器の素敵な水差しでお水を持ってきてくれる辺り、飲み助に嬉しい配慮。感謝。

「お通し　山菜の天ぷら／白魚と青菜お浸し」
天ぷらは揚げたて、サクサク軽やか。
コゴミの苦味が心地よい、お酒の甘味がちょうど良い。
透き通る白魚はトロリ、青菜はこれまたいい塩梅のお浸し。
白魚とかノレソレ的なものをあまり好まない連れがおいしいと言っていたのが印象的。

「一白水成　純米吟醸　酒未来　生酒」950円
お通しで一合なくなるってどういうこと？
続けて秋田のお酒。先ほど寄った酒屋さんで見かけて気になっていた銘柄だ。
甘いがスッキリとしていて、女性的といえばいいのか。
秋田のお酒は優しい甘口が多いのかな。
さっきの酒屋で買えばよかった。

「的谷湾産岩がき」1250円
これ一個の値段です。
お高いけど、大きさもすこぶるビッグ。
カットされているので仲良く半分こ。
磯味爽やか。ぷっくりとした身は甘くプリプリ。
殻に残ったジュースは私が頂きます。

「生蛍イカの漬け」900円
トゥルリつるりん旨味の塊。
醤油ダレもうまい。
蛍イカの沖漬けなんてとこで食べても一緒かと思いきや、一つ上。
素材が良いからなのか、濃すぎない味付けなのがいい。

「仙禽　雄町」900円
秋田じゃないけど連れが好きらしい。
今までのものよりはっきりとした甘酸っぱさ。
これは確かに連れ好み。

「若鶏のから揚げ」800円
カラリ、サクサク、中ジューシー。
お通しの天ぷらで分かっていたけれど、揚げ物も旨い。
ニンニク醤油のしっかり味は、お酒を加速させるから困る。

「初鰹を藁で炙ります」1100円
メイン的な料理のタイトルがセンテンスになってて面白いんです。
土佐？！目の前でカツオが串に打たれ、どこかから藁が取り出されてきた。
炙りたては香ばしさが格別で、皮目はカリッと身はねっとり。カツオの風味は清々しい。
初物食べて寿命を延ばそう。

「花邑　純米吟醸　生酒」850円
これも秋田。先のものと違った甘さ、香り。
続けざまに飲むと違いがよく分かって面白いです。

「塩漬けした鴨ロースを炭火で炙ります」1350円
続けて炙ってもらいます。
なまめかしい暗紅色。
身はねっとりと舌に吸いつくよう。
こんなに生っぽい鴨は初めて。
漬けられて旨味がギュッと詰まり脂のコクも合わさると、やっぱり鴨が好き。
乗っかっている薬味はネギっぽく見えるけど、茗荷に似た香りの山菜。
これもシャキシャキでおいしかった。
そういえば、西武の野菜売り場でも謎山菜がいろいろあったな。
秋田は山菜王国なのか。

「船川産本鱒のバルサミコ照り焼き」1200円
こんがり甘酸っぱく良い香り。
洋風鱒の甘酢あんかけ。
皮がパリパリでうんまい。
当たり前ですが身も旨いです。
ここにバルサミコって、微妙な甘さ酸味のバランスが良い加減。

「新政　純米　エクリュ」850円
上記甘酸っぱい料理、しかも洋の要素もあるお皿ならばやはり新政かと。
カラーシリーズではこれが一番好き（コスモスは飲んだことないですが）。
〆の一杯。力を込めて満足。
この後も何か飲んだかも知れないけど忘れた。
忘れたけれどグデグデではないから、
この後は千秋公園で満開の夜桜を楽しもう。

また来られたらいいな。
ごちそうさまでした。