鴨汁の為の更科 更科の為の鴨汁 : 茶の子

本物の更科蕎麦を濃厚な鴨汁で啜る
　令和六年正月、新年の初蕎麦は今年も岡崎市乙川沿い小美町の「茶の子」にて喉越し超滑らかな純白の更科そばを濃厚な鴨汁で手繰り初め。
○つけ鴨そば（並:丸抜き微粉二八）1800円
○つけ鴨そば（二八更科）2000円
※プラス200円で「更科」に変更
○追加ざる（二八更科）500円
○冷酒 孝の司ささゆり1合 700円
　ここ数年使用する玄蕎麦は北海道羊蹄山の西、アンヌプリの南西麓に位置する磯谷郡蘭越町の弾力強いキタワセ種で変わらず。
　当店の更科そばは蕎麦の実を割った時、最初に粉になる中心部の一番粉を更に精製した純白の更科粉を使用し、小麦粉2割で繋いだ本物の更科そばです。
　本物の更科は、上品で仄かな甘味はあっても蕎麦の香りはほとんど感じません。
　また更科粉はほぼ澱粉質である為、繋ぎの力無しに更科粉十割では誰が打っても麺としては繋がりません。
　しかし小麦粉2割で繋いだ当店の細切り更科そばは、歯応えプリプリ、麺肌ツルツルで喉越しが超滑らかです。
　当店の丸抜き挽きぐるみ二八並そばよりも細めに切られた更科そばは、細いが故に毛細管現象の毛管力で並そば以上に鴨汁を持ち上げます。
　鴨汁をそばと一緒により美味しく頂きたければ更科、更科のプリプリツルツルを更に活かすなら濃厚な鴨汁。
　鴨と葱の相性以上に鴨汁と更科の相性は超抜。
　十割や粗挽き、田舎そばでは決して味わえない、また微粉二八以上に喉越し滑らか、かつプリプリ食感の更科そばと鴨汁のペアリング、当店つけ鴨更科そばは、SG一推しです。

香り高い蕎麦は確かに美味しい。
　しかし、香らない蕎麦でも美味しい蕎麦はあり、そこが蕎麦の奥深いと謂れる所以でもあります。
　香らないけれど美味しい蕎麦、その代表格が当店の更科そば、プリプリ更科極細切りをうま味濃厚鴨汁で啜り、令和5年の蕎麦切り初め。
○鴨つけそば（二八更科）2000円
○鴨つけそば（並:丸抜き微粉二八）1800円
　年明け1月2日11:30、2023年営業開始一番客として訪問しました。
　茶の子と言えば、先ずは更科そばと鴨汁。
　この日の玄蕎麦は一昨年正月訪問時と同じ北海道は羊蹄山の麓、磯谷郡蘭越町のキタワセ種を使用。
　当店の更科そばは、蕎麦の実の一番粉を更に精製した純白の更科粉を小麦粉2割で繋いだ本物の更科そばです。
　どんな上質な蕎麦でも、蕎麦の実中心部はほんのり上品な甘味はありますが蕎麦の香りはほとんどありません。
　また、粉のほとんどが澱粉質である為、繋ぎの力を借りなければ、更科粉十割では麺として繋がりません。
　しかし、小麦粉2割で繋いだ当店の更科そば一寸30本程度の極細で歯応えプリプリ、麺肌ツルツルで喉越しが超滑らかです。
　蕎麦は小麦の持つグルテン成分を含まない為、私は普段十割蕎麦の歯応えを敢えて「コシ」とは呼びませんが、当店の二八繋ぎの更科そばに限っては「コシ」が強いと言っても良いと思います。
　もし、蕎麦のコシと喉越しの滑らかさだけを求めるならば、玄挽きぐるみは論外として丸抜き微粉や他店の更科そばに比べても茶の子の更科が最強でしょう。
　厚めに切られ炙った合鴨はロース肉、天然真鴨ほどの柔らかさはありませんが、国産養殖合鴨の中ではトップクラスの北海道滝川産チェリバレー種使用、6切れとボリュームもたっぷり。
　鴨つけ汁は、鰹と昆布がしっかり効いた甘汁に合鴨出汁が加わり、一緒に添えられた辛汁同様、酸味に近い舌が痺れるような濃いうま味が特長です。
　一方、殻を剥いた抜き実を甘皮まで挽き込んだ「並」そばは、更科よりは太めの一寸20本程度で更科のような甘味は感じませんがほんのり蕎麦の香りが漂います。
　また、更科ほどの小麦グルテンに似たコシは感じませんが、それでも一般的な二八よりも弾力強め、さすがは北海道磯谷郡蘭越のキタワセです。
　当店の蕎麦切りは3種、更科粉使用純白の更科そば、3番粉甘皮の一部迄挽き込んだ並そば、玄ごと挽き込んだ田舎そば、全て小麦粉2割足した二八そばです。
　在来種玄ごと粗挽き十割蕎麦のような強烈な香りはしない二八そば3種ですが、それ故に、辛汁・甘汁・鴨汁のうま味が際立つ蕎麦切りラインナップ、敢えてつゆのうま味を抑え蕎麦の香り風味を際立たせる十割蕎麦専門店では、決して味わえない「つゆ」の美味しさが特徴の二八そば専門店です。
　特に十割や粗挽きでは決して味わえない超滑らかな喉越しの更科そばは、SG一推しです。

石臼で蕎麦の実を挽いた時、一番最初に中心部の白い粉が砕けて出てきます。この白い一番粉を篩にかけた更科粉と2割の小麦粉で打った透明感ある真っ白な蕎麦切りが「茶の子」さんの更科そばです。
　更科粉は高級・高価でありますが、タンパク質は殆ど含まずほぼ澱粉質である為、小麦繋ぎを使用しても麺にするには熟練技が必要と聞きます。
　更科そばの特徴はほんのり上品な甘味と何より表面絹の様にツルツルで喉越しが抜群であることです。
　つけ鴨汁で並粉の二八せいろそばと更科を食べ比べてみましたが、蕎麦本来の香りはせいろ、鴨汁との相性では断然更科です。
　本物の更科そばを頂ける蕎麦専門店は愛知県はじめ東海地区にはそうそうありません。
　蕎麦の香りは無くてもうどんのコシではなく蕎麦の歯応えと絹のように滑らかな舌触りと喉越し、うま味濃厚な鴨汁とのペアリングはマスト。
　茶の子さんで蕎麦を頂くなら「つけ鴨・更科」は外せません。
　本日使用の玄蕎麦は、更科・せいろともに北海道磯谷郡蘭越町産のキタワセです。ニセコのアンヌプリと羊蹄山を間近に望む蘭越町の隣り町すぐ南は長野県から奈川在来種を持ち込み北海道奈川在来種を栽培する黒松内、噴火湾長万部から函館本線に沿って北、真狩にかけては一大蕎麦産地でもあります。

　8月3･4･5日に我が家ご先祖様の供養を終えた後、13日からは年に2度目の盆供養、妻実家へ移動すること今年で37回目となりました。
　前日にお迎え終え、翌日の14日昼に義弟と二人で岡崎カントリー倶楽部近く、乙川沿いにひっそりと佇む「茶の子」さんを訪問しました。

○つけ鴨そば（鴨汁）　
　※並そば（全層粉）から更科そば（更科粉）へ変更
○追加笊、更科そば

　当店の特徴はまずもって真っ白な「更科そば」が頂けること。厳密には更科粉と一番粉は違い、胚乳の中心部の上割れ部分を挽いたのが一番粉。製法は違うようですが、一番粉から混じり気を除いた贅沢で真っ白な蕎麦粉が更科粉です。小麦2割で繋いだ二八は真っ白、麺線ややばらけたところが見られますが極細でエッジが立ち噛めばプリッとした歯ごたえ、ツルツルした舌触りと喉越し抜群なそば切りは、更科粉特有の食感です。

　二番目の特徴は濃厚な鴨汁です。網で軽く炙った合鴨肉が8枚前後とかなりボリュームがあります。脂の層が比較的薄目で柔らかい肉質は北海道滝川産の合鴨かバルバリー種のどちらかを使用しているように思われましたが、価格に見合った高級な合鴨を使用していることは間違いありません。
　この濃厚な鴨汁を極細の更科そばがしっかり持ち上げ「鴨汁を更科で啜る」、蕎麦の風味が控えめな更科そばであるが故に濃厚な鴨汁がさらに引き立ちます。

更科そば一考
　蕎麦の実は中心から外の甘皮に向かって風味が強くなりまたタンパク質も多くなります。蕎麦のタンパク質は小麦のそれと違って水で練ってもグルテンが生成されないので、蕎麦粉100％で打った十割蕎麦は、たんぱく質の粘りはあっても小麦から作られる生麩（グルテンの塊）のような「コシ」は生まれません。

　蕎麦粉が含むタンパク質の粘りだけで打った蕎麦が生粉打ち蕎麦＝十割蕎麦、繋がり易くする為グルテンの力を借りて小麦粉を2割加えて打たれたのが二八そばと呼ばれています。更科そばに使用する蕎麦粉は、もともとタンパク質の少ない一番粉または、ほぼでんぷん質の更科粉ですから、更科そばは小麦繋ぎが必至、当店の更科そばは二八打ちです。


　

平成28年１月２日　本年度初レビューは尾張でも東三河でもなく西三河岡崎
　竹千代生誕地岡崎にて、ジビエ鍋と更科蕎麦で有名な「茶の子」で昼時蕎麦と
酒、あてを堪能する。

　旧年中に年始の営業開始と開店時間を確認の上予約、年末年始で唯一１日フリーの
１日、有意義なスタートを切った。

　蕎麦前、まずは上杉謙信ゆかり新潟長岡の「越乃景虎」、辛口ですっきりとした飲み口、
後味の切れの良さは流石新潟の酒、脂の載った合鴨の塩焼きにはぴったりの酒、南部鉄器の瓶は
お代わり連続となり、瞬く間に売り切れ(*_*;

　第２弾は、同じ辛口も土佐の「酔鯨」　こちらは辛口ながら果実の香り漂いどっしりしている
こちらもさらにお代わりしようとしたが、東三河の巨匠から「そろそろ焼酎！」との指令下り、
待ってましたとばかりに焼酎お湯割りへのシフトアップする。

　蕎麦前のあては、落ち鮎の甘露煮、頭から尾までびっしり卵を持ち頭からすべて食べられる柔らかさ
出し巻き１本はかなりのボリューム、自家製出汁割ポン酢が添えられるがそのまま頂いても十分
旨く、ポン酢に漬けると出しの旨みが倍増した。

　合鴨の塩焼きは、切り身表面に程よい焦げ目が入り、中はピンクのミディアムレアー、筏ネギも
程よく焦げ入り、ネギに自然な甘味強く辛口の「越乃景虎」と「酔鯨」の日本酒とよく合う。

　蕎麦待ち切れず焼酎蕎麦湯割は水の如く喉を通り、またまたお代わり(@_@)

　〆は「つけ鴨そば」、運転手の義弟は二八の並蕎麦、小生と東三の巨匠は更科そばで
　更科は、極細真っ白、時間置くとだまになっていまうくらいでんぷん質濃厚で、極細の蕎麦で
あるが故に極上の鴨汁をしっかり持ち上げ、鴨汁と蕎麦が何とも言えないハーモニーを奏でる

　鴨汁は、やや甘めに感じるも鴨肉と焼き葱の甘さ、返しと鴨出しが調和しかなり濃厚な鴨汁
これはかなりレベルが高く、これだからこそ出汁を持ち上げる更科が合う。

　下手な鴨出汁では、出汁をたっぷり持ち上げる更科そばでは逆効果になる。
　更科で食べさせるところ、鴨汁に相当自身があると思われる。
　流石、ジビエ鍋を得意とするところ、合鴨でもその力を十二分に発揮する技術が光る。

○　今回注文品（計　一人約5000円弱）
　・　落ち鮎甘露煮　　　　　３皿
　・　鴨塩焼き　　　　　　２皿
　・　出汁巻き玉子　　　　　１本（９切れ）
　・　つけ鴨蕎麦（並蕎麦）　１人前
　・　つけ鴨蕎麦（更科蕎麦）２人前
　・　清酒「景虎」（冷）　　３合
　・　清酒「酔鯨」（冷）　　１合
　・　焼酎蕎麦湯割　　　　　４杯
　　
○　ここ数年、盆と正月年２回程度しか訪問できていないが、ここの鴨汁とそれに合わせる
　更科蕎麦との相性は抜群でそれだけなら５点評価してもし過ぎではない。　　
　　そうそう、鴨汁の他に、通常の辛つゆと薬味もついてくるところ忘れてはいけない
　２種類の楽しみ方ができるところも粋な計らいである
　
　　ご店主・女将様、新年早々お騒がせしたこと申し訳ありません。
　　美味しい酒・肴・つけ鴨更科蕎麦、幸先良い１年のスタートが切れました。ご馳走様でした。