料理は美味しいけど、もう少し華やかさが欲しい : エリタージュ

かなり久しぶりに行ってみた。自分では前回いつ行ったのか記憶が消えていたのだが、食べログのレビューを見るとちゃんと書いてあるのでありがたい。どうやら2年半前のオープンすぐの時だったようだ。とっても美味しかった記憶があるので期待をして伺った。
私が訪問した日は平日の夜であったがお客さんはもう一組のみ。店内は少し寂しい感じであった。周りを見渡すと内装は何となく記憶になる。以前のレビューでお好み焼き屋さんのようだ、と書いたがそのままであった。この日は1万円のコースである。

最初のアミューズはイベリコ豚の生ハムからだ。持ってきた瞬間からとても良い香りがしていた。食べると口の中に芳醇な香りが広がる。ものすごく美味しい生ハムだ。カウンターの方を見ると生ハムの原木が置いてあった。提供された生ハムはかなり薄くスライスされていたのだが、これがなかなか難しい。私自身もチャレンジしたことがあるのだが薄くすると途中で切れてしまうし、と言って分厚くすると風味が悪くなってしまう。この薄さに切るのはかなり大変なのだ。でも何でフレンチで生ハム？？という突込みも入れたくなるのだがまあそれは置いておこう。

一品目のお皿はタスマニア産のスモークしたサーモンだ。こちらもお皿が出された瞬間良い香りがして生きた。そして口に入れるとスモークの素晴らしい香りがしてくる。前菜でこういうのが出てくると食欲がそそられる。

ベーコンの乗ったスープを頂いた後はハンガリー産？だったかな、フォアグラである。これも表面はパリッとして中はトロトロ、とても美味しいフォアグラであった。

魚料理はハタとオマール海老だ。2年半前こちらに伺った時には魚料理はブルターニュ産のオマール海老で感動した覚えがあったのだが正直今回のオマール海老はあまり感動はなかった。ハタは美味しかったのだが、オマールエビの方はプリプリ感もあまりなかった。ちょっと残念だったかな？？
最後の肉のメインは和牛のイチボとラムの選択があったのだがこの日はイチボにさせてもらった。まあ美味しかったのだがこのコースだともう少し脂の少ないフィレか何かを持ってきた方が良かった気がした。

デザートに入る前の大葉とミントのソルベは素晴らしく美味しい味であった。最近海外でも大葉を取り入れる店が増えてきているようだ。素直に美味しいと思えるソルベであった。

1品1品は美味しいと思うのだが、前回経験したような飛び抜けた料理はなかった。以前食べたアワビのリゾットが懐かしい。今回も全体の構成として何となくコース料理のちぐはぐさを何となく感じてしまった。その他正直に言えば味は良いのだが、お皿に華やかさが足らない気がする。レストランで食事をするということは非日常を楽しむということだ。好みもあると思うのだがその点を改善すればとても良くなるのではないかと思った。

八事の交差点からフランテ方向に歩いていくと黒と赤を基調としたお店が現れる。事前情報がないといったい何のお店だろう？？と思える感じである。今年8月にオープンしたばかりのフレンチ　エリタージュ。ネット情報によるとシェフは2年前に閉店した松坂屋の上にあったロブションにいたらしい。まだオープン仕立てなので店内には所狭しと蘭の花が飾ってあるが、一番目立つところに置いてあったのがキタムラさんからと伏見のフロレゾンタケウチからの物であった。

料理であるが今回は1万円のおまかせ特別コースをお願いしてみた。
まずはお口取り　生ハム、どこの産地かは忘れたがとっても風味豊かであった。
2番目にはブルゴーニュ産オマール海老、やはりカナダ産よりも身がしっかりしており歯ごたえ強く味が濃い。とても美味しかった。
次にフォアグラとイチジクのロティ。濃厚な焼いたフォアグラとイチジクがとっても良い組合せであった。色彩的にはフォアグラ大根のようにも見えるが…
そして次はアワビのリゾット。これは最高に美味しい。ここのスペシャリテになるかも・・・と思えるぐらいの逸品である。
魚料理はアマダイのポワレ。魚自体はクセのない白身であるがソースというか出汁が美味しかった。
最後にメインの肉料理であるがここに黒毛和牛のロティを持ってくるとはちょっと残念であった。決して不味くはないのだがここまでいい感じで来たのに最後にはありきたりの牛のフィレ。ここまで正統派のフレンチで勝負するなら本格的なフレンチでは決して出さない牛は避けるべきではなかったのかなと思った。選択肢が別にあれば良かったのだが完全なお任せコースだったのでそれもなくちょっとがっかりであった。でもとっても腕の良いシェフとお見受けしたのでメニュー構成を考えればもっともっとよくなるだろう。
最後に内装がモダンな感じがするがお世辞にもセンスが良いとは言えない。料理のコンセプトとはかけ離れたような感じがしてしまうのである。あえて言うならば高級お好み焼き屋さんという感じであろう。それでもぜひとも訪れてもらいたいレストランである。

少々経歴が違うと言う趣旨のご連絡を頂きましたのでここに訂正させて頂きます。
コピペになりますが以下を参考にしてください。

エリタージュの加藤シェフは３年前に
閉店した松坂屋に入っていた
ラ・ターブル・ドゥ・ジョエル・ロブションのシェフの後
⇒東京恵比寿のお城のレストランのラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブションに
在籍。⇒その後、六本木のラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションのスーシェフを
務められてこの度、開業です。

ラ・フロレゾン・ドゥ・タケウチの竹内シェフは
ラ・グランターブル・ドゥ・キタムラ時代の後輩になります。

　　　　　　　　　　　　　　コピペはここまでです。

誤解がないように付け加えるとロブションと言うとみなさんミシュラン三ッ星を思い浮かべられると思いますが日本のロブションで三ッ星をもらっているのはガストロノミージョエルロブションレストランであり　ラ・タブール・ドゥ・ジョエル・ロブションではありません。ラ・タブール・ドゥ・ジョエル・ロブションは気軽に食べれるカジュアルなレストランです。念のため。