客は店を映す鏡 : 旬菜割烹 和しん

以前1度訪れて以来2度目の訪問です。つまみながら日本酒が飲みたいなと思いこちらに。1人客でも気兼ねなく飲めるから使い勝手が良いお店という印象でした。

入店すると小さい店にも関わらず、10人程のサラリーマンが宴会しています。中々に騒々しいですがまあいいかと思い入店。

まずは生ビール。琥珀エビスって見た目から綺麗ですよね。

御通しはほうれん草やら鶏肉やら高野豆腐を卵で炒めたもの。想像しているそのままの味です。ほっこりという表現が正しいか。

さつま揚げ。普通のさつま揚げですがボリュームたっぷりでカットも大きいのでムシャムシャ食べれます。あかん、焼酎飲みたい。

居酒屋界の4番バッター、ハムカツ。意外性のある食べ物では無いですが心温まる居酒屋の味。こういう自宅で作るのが面倒な揚げ物が中心になってしまいます。

日本酒へ。新開。結構強めの辛口であり揚げ物とはマッチ。

さて、サラリーマン達は酔いも手伝って徐々にボリュームアップ。お店の方もそれとなく注意してますが焼け石に水状態。

原木椎茸の天ぷら。これは美味しいですね。椎茸自体は普通ですが、山椒入りの塩がいい感じ。こうやって何気ない食べ物に変化をつける所、センスを感じます。

日本酒2杯目は石鎚。この前の愛媛でも飲みましたがやっぱり好き。豊潤な香りと適度なアタック。日本酒勉強しようかなあ。

新筍の焼き物。これまで同様なんて事のない料理ですが、春を感じます。季節感のある料理って大好き。


一方サラリーマン達は更に酔いが進み、流石に耐えられなくなったので退店する事に。

以上5000円でした。やっす。

料理はなんて事ない料理ながら少し変化があったり、これが食べたかったという料理で、気軽にふらっと寄るには素晴らしいお店です。何より値段が安い。あと1合飲んで締を食べても6000円ちょっとで済む。これぞ居酒屋。


しかしやはりある程度店の雰囲気はコントロールして欲しい所。コロナの影響でお店も厳しいのかも知れませんが、ちょっとあそこまでは耐え難い。

店は客を選べないと言いますがそんな事は無いと思っています。経営の観点からというのであれば経営で1番大事なのは哲学です。それが無ければ遅かれ早かれ無くなる。つまり客をコントロールするのはお店側の責任です。使い勝手も良いし料理も美味しいし日本酒も取り揃えが素晴らしく安いので、これから何度も伺いたいなと思っていた所であり、極めて残念と言わざるを得ません。

この環境下でもあり経営が厳しい事は重々承知ですが、客はお店を映す鏡とも言えます。自分のやりたいお店があの様な感じなら、私の求めるお店とは違うのでやめておこうと思います。本当に残念です。

名古屋の御園座の裏にあるこちらに。雑居ビルの二階にありスナックの居抜きっぽいお店です。店内はサラリーマンのみ。


とりあえず生ビール。黒ラベルと琥珀エビスが同じ値段でした。650円。黒ラベルにしてはちょっと高いけど琥珀エビスならちょっと安いという不思議な値付け。


御通しは煮物です。普通だけど出汁が美味しい。


ヨコワの皮の炙りポン酢和え。ヨコワ自体それ程あるものではありませんがその皮というのもまた珍しいです。ヨコワの香りが良く、またポン酢の酸味がはっきりしていてトップバッターとしては最適。380円という値段も良いですね。


アジの刺身。寒鰤と迷いましたが揚げ物を頼んでいるのでこちらで。適度な脂と力強い弾力。格別という訳ではありませんが、確実に美味しいですね。うう、我慢できない。日本酒へ移行します。


日本酒のみ別メニューがありかなりの品揃えですが、メニューに載っていない日本酒もあるとの事。一杯目でもあるので純米の辛口でスッキリしたものをお願いしました。

出て来たのは香川の悦 凱陣の純米吟醸。高松の寿司中川で良く飲む大好きな日本酒の一つ。中々置いて無い珍しいお酒だと思うのですが、これが置いてあるとは日本酒にかなりの拘りがあるお店の様です。


アジの南蛮漬け。この料理は通常ある程度の時間漬けている事が多いと思うのですが、こちらは揚げたて。揚げたてだけあって香りが良いですね。更に先程のヨコワとは違い酸味がまろやか。うーん美味しいなあ。


生牡蠣の生のり揚げ。あつあつ。牡蠣と生のりの香りが日本酒を進ませます。もうちょっと生のりの香りが強いと更に良いのですが。とはいえ酒は進み二杯目に。


次は栃木のUIというお酒。豊潤な米の香り、飲み口は甘いですが深い余韻がありとても好み。ワイン的なニュアンス。料理というよりは単品でも良いかも知れません。


あん肝。おお、量がたっぷり。ただ濃厚さに欠け平板な味わい。つい先日カセントで美味し過ぎるあん肝食べたので比較対象が厳し過ぎますね。この量で580円は素晴らしい。日本酒が進むくん。


ハムカツ。大好きなメニューです。明朗な味わい。ハム自体の味が濃い。美味しいなあ。さっきから揚げ物ばかりですが、いずれも軽い味わいでスイスイ行けます。


三杯目。福井の梵の生原酒。さっきよりさらに香り高い。ここまで香りが高いと料理には合わないけれど単品でかなり美味しいですね。合うつまみと飲んだらもっと良いんだろうなあ。


以上食べて飲んで7000円強。これは良いコスパ。料理は1000円を超えるものは殆ど無く、500円以下のつまみも多数。一品の量は2人分を想定されてるぐらいの量であり、1人でも楽しめます。刺身も種類豊富ですし、所謂定番の居酒屋メニューから少し変わったものまで。


何より日本酒の種類が豊富であり、珍しいものも出して頂けるのが良い。飲んだ日本酒からするとそこそこのお値段しそうですが思ったより安かったです。量も150mlと一合弱でありたっぷり。


関西弁の大将の日本酒好きがとても伝わってきました。日本酒を聞くと料理を作りながらも色々と説明してくれて、とても日本酒への愛が伝わってきます。接客の女性も非常に感じが良い。愛情を持って料理を作ってるのを感じられるお店好きだなあ。フレンチだろうがラーメンだろうが居酒屋だろうが、良いお店は料理に愛情が感じられますね。


良いお店を見つけました。最近高級店が多く久々に居酒屋らしい居酒屋に来ましたが、とても居心地が良くそしてコスパが良い。メニューも豊富であり、季節によっても変わりそうなので通いたくなるお店ですね。

名古屋では1人で気軽に飲める店があまり無いのでこれから通う気がします。御馳走様でした。