こだわりが多い料理店「山猫軒」－夜な夜な食通達が集います－ : 山猫軒

2015/9
こだわりが多い料理店「山猫軒」
宮沢賢治の「注文が多い料理店」になぞらえた夜な夜な愛知県の食通達が集うお店が名古屋にあります。元々愛知県豊橋市でお店を営んでいた主人が最近になって名古屋市に移転オープンさせたお店です。友人の結婚式が名古屋で行われるので、せっかく新幹線で名古屋まで行くのであれば美味しいご飯屋に行ってみたいと食べログで検索、本日はおひとりさまで予約です。楽しみです♪

お店は名古屋の中心部「丸の内」駅のすぐそば。お店に行くと・・・見るからに怪しい建物が・・・Σ(･ω･ノ)ノ築40年は経っているであろう古びた建物の1F に銅版で山猫軒の看板と手で彫ったお店の紹介文（決してきれいな字ではないので・・さらに怪しげ・・・ごめんなさい。でもそんなことを思われるように狙っている！？）が。どきどきしながら2Fのお店に向かいます。そうすると・・・飾り気のない内装のなかにコの字型のオープンなカウンターキッチン、そして今か今かと18時半からの料理の開始を待ちわびる食通達が座っています。今日も20席が満席です（こんな形式は初めて！((((*゜▽゜*))))そして18時半ちょうどに、当山猫軒の主人伊藤シェフの店のこだわりを語るプレゼンが始まります。

【料理】は基本2種類でお値段が1万円と2万円。1万円のコースをいただきます。ちなみに2万円コース、品数は一緒ですが国の天然記念物見島牛の雌牛が食べられるコースです（これも食べてみたい・・・）。
【ドリンク】は基本おまかせ。料理にあわせて1杯ずつ異なったお酒が運ばれてきます。もちろん単品でもOKですが、おまかせがベストです。3,000円で日本酒とワインが沢山飲めます。単なるお酒ではなく、こだわりのお酒なのでお酒好きにはたまりません。
【グラス】樹（いつき）変形したこだわりのグラス。飲み口によって、お酒の味が変わる不思議なグラスです。平らの面はやわらかく、細い面はシャーブな味に変わります。面白いですね。グラス違いで飲み分けをさせてもらいましたが確かに味が変わります。お酒の味をこわさないこのグラス、1万5千個限定で1個9,000円とのこと（お店でも買えて、常連さんがこの日も大量買いしていました）。

さてさて料理ですが・・・
■料理
①クエのお刺身
⇒5日間寝かしたもの。クエの旬は夏、10Kg以下のものにこだわり仕入をしているそう。1口ですが旨いです。
②鰻の肝吸い
⇒肝の表面をきちんと炙ってからお吸い物に入れています。炙っているので香ばしく、いい味を出しています。
③天然鰻焼き
⇒天然ものなので少し固めですが、独特の旨みがでています。
④馬刺し握り
⇒霜の入っていない赤身を使用。全く臭みはないですね。酢飯とこの純赤身がいい味をだしています。
⑤クエと松茸のお椀
⇒あえてそれほど脂がのっていないクエを使っています。お椀の完成度は高くはないですが、お酒の間にこの料理が入っているとお腹にやさしいです。お椀が2度に亘り、最初・中盤ででてくるのは、おそらくここを狙っているのでしょう。
⑥見蘭牛の焼物
⇒店主が好きな食べ方だそう。確かに。豆腐を添えて、肉の旨みだけを食べさそうとしています。味わいがいつも食べている和牛とは少し違った旨みですね。
※和牛のルーツといわれる「見島牛」（父）とオランダ原産のホルスタイン種（母）を交配させて誕生した、ブランド牛。約2年間かけて育て上げられる見蘭牛の肉質は、見島牛の霜降りと、和牛原種の濃い旨味を引き継ぎました。ほどよい柔らかさと、しっかりとした食感をあわせ持ち、肉本来の旨みを楽しめる萩の特産牛肉。
⑦ナガノパープルとシャインマスカット
⇒ナガノパープル美味しいですよね。これ好きです。皮ごとぶどうの旨みが楽しめるフルーツです。
⑧いくらのクロスティーヌ
⇒このお店のスペシャリテ。臭みのない美味しいいくらですね。味付けをほとんどせず、素材で攻める1品です。
⑨はまぐりのクラムチャウダー
⇒千葉県産4年物の少し大きめのはまぐりを使用。はまぐりの旨みがでています。やさしいお味。
⑩スペイン産生ハムと鴨のスモーク
⇒これ好きです。私は普段生ハムと鴨のスモークはあまり好んで食べませんが、これは肉の旨みがよくでていて美味しいですね。
⑪見蘭牛のパスタ
⇒肉汁パスタですね。見蘭牛の挽肉を使い、肉汁でパスタを食べさせようとしています。これもお酒を沢山飲んでいるので胃が欲するお味です。
⑫見蘭牛の腕のステーキ
⇒和牛とは違った味わいの腕ステーキです。添えの味つけもいいですね。
⑬サマートリュフとマッシュルームのペースト
⇒これが〆ですね。これははずさない料理です。パンにつけていただきます。旨い。
⑭（別料金）マンゴーシャーベット
⇒宮古島のマンゴーを使ったマンゴー純度99.9％シャーベットです。

■お酒
前半戦が日本酒、後半戦がワイン・スパークリングの構成。私はあまりお酒通ではないですが、どれも美味しかったです。飲んだお酒をいくつか挙げると①庭酒：900本だけの限定醸造。日本のお酒の起源庭田神社から名前がきているお酒②久保田　生原酒：さっぱりしています。③蜂龍盃（ほうりゅうはい）：愛知県北邑楽郡東栄町の珍しいお酒。十分すぎるくらいお酒は沢山でてきますので、お酒好きの方は満足できると思います。

ミシュラン掲載の一流のお店が料理の腕で料理を出してくるのに対して、山猫軒はこだわりの食材で攻めてくる感じのお店です。私の大好きな北陸最強居酒屋「こいで」と同じ、こだわり食材系のお店ですが、また形態は違っています。愛知県の新しい文化を楽しめました。
また本日はおひとりさまでの訪問でしたが、隣の方とも仲良く談笑しながら食事・お酒を楽しみました。隣席の方が別途頼んだチーズ盛りを1口わけてもらったり・・・こんなのも普段はないですね♪。これも初体験！食通の方々との語らいもいいものです(^-^)
愛知県の新文化が堪能できる山猫軒、いちど訪問してみるといいでしょう。オススメします。