太宝家/never give up : 太宝家

この口コミは、Jackie_mさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.0

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味4.0
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-

3.5

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味3.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク-
2024/01訪問6回目

4.0

  • 料理・味4.0
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

太宝家/never give up

2時間半に迫る小津映画で昭和を堪能し切った私は、歩くとちょっとした距離だと思ったが、靖国通りを伝って交通博物館経由で秋葉へ出ることにした。

「ときどきむやみに会社が恋しくなるんだよ ……」

肺を患って数か月間寝込んだ上にとうとう亡くなった同僚が最後に残した言葉を、てくてくと歩きながら池部良のように噛み締めてみたって、土日の二日程度の休みで会社が恋しくなるなんてことはなく、今はただ、明日から仕事の一週間がまた始まるということから、全力で目をそむけることしか出来ず。
たとえそれが無駄な抵抗と分かっていたとしても ……

<2024.1.14 夜の部>

「太宝家」

そんなときはそば屋酒に限る。
という結論に至って、素直にE電に乗って日暮里で下車。
いつものおそば屋の戸を引いて、滞りなく2人掛けのテーブル席へと誘われる。目の前のコの字形カウンターも、1辺2人掛け*3辺の、こちら側を向いた1辺をセンターから仕切ってあるので、広々として居住性が良さそうだったが、現状で文句もあろうはずもない。
早速この時間給仕係りを受け持つ男性に、お酒と、少しでも明日への時間を引き延ばす為、これは初となろうが“焼き味噌”というのを注文してみた

しゃもじに薄くフラットに盛られて焼かれた味噌は、思いのほか量があり、ということは人間が1日に必要とする塩分の1ヶ月分ほどを一気に摂取することになり、その潤滑剤としてのアルコールとも相まって、ボクの♥に内蔵されるヴェリアの血圧計の黒い針が、白い文字盤の上を190まで一気に跳ね上がる !
味噌には刻まれたシイタケらしきものがかなり織り込まれている感じだが、別段嫌な感じはしなく

当然のことながら、理想空燃比でアルコールと塩分とをシンクロさせてゆくと味噌のしゃもじ一つ分を消化し切る前にお酒が切れてしまうので、中途半端なタイミングで“もう一つ”補充せざるを得ず。
となると、あとは天丼とそばの揃いものでリーズナブルにあげようと思っていた料理だが、辻褄合わせがつかなくなってしまい、もう高島平団地の屋上から飛びおりる覚悟で、その辺のおそば屋の中でも(どの辺だよ !)最高峰と呼ばれる“かき揚げ”を注文 !

―― 高島平団地から飛びおりるってけっこう面白いと思ってよく使ってるけど、誰も笑ってくれないのは何故だ !

こちらのかき揚げは織り込まれた海鮮も然ることながら、とりわけ焼き葱の存在が強調されており、単品1,200円という価格からもたらされる葛藤を、セルフ脳内想像ロボトミー手術に依りうまく逃れられたなら、この良く出来た異個性の拮抗を思う存分堪能できると思う。
そしてそれぞれの素材そのもののおいしさを、つゆそのもののおいしさで衣もろともキャンセルするという背徳的エロスにめくるめき、何度も意識が遠のきかける中でかろうじて注文したものは、最もsimpleな、そして“あったかい” ……

“かけそば”

つゆを最後までなめ切った頃には、空(から)のどんぶりさえも愛おしい。
ほろ酔いを夜風でcooldownさせながら、日暮里と西日暮里とを繋ぐ荒川メロディック街道の入り口。ここまで来ても尚、私は明日からの仕事をどうしても認めたくなく、目の前で首を撥ねてしまった父親が残した幼き娘を自分の娘として育てる決意を決め、潔く自衛隊を除隊した高倉健のように、never give upのオトコで在り続けることを決意 !

男は誰もみな、無口な兵士
火の灯った看板を目で追って、蛾のように惹かれていって戸の向こうから歌の気配が漏れてきたならば、その未知の戸を敢然と引いてゆく !
たとえそのドアの向こうに美しい女(ひと)が待っていないことなんか、金輪際分かっていたとしても

  • 太宝家 - わかるよな酒よ

    わかるよな酒よ

  • 太宝家 - しゃもじ

    しゃもじ

  • 太宝家 - 異個性の集合

    異個性の集合

  • 太宝家 - simple is best

    simple is best

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2023/11訪問5回目

4.0

  • 料理・味4.0
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

太宝家/憂い、そして誇り

あなたに逢いに行くにはまだ早すぎる。
酔うほどにカラオケの点数が下がっていくことには、もう薄々気付いていた。こんなとき、おつまみをフルサイズご飯に依存して、その勢いでお酒の量を抑えるというアイディアに突き当たることが出来た、そんな自分を褒めてあげたい。
かき揚げ単品で1,200円のお店。天丼とおそばの揃いは、うろ覚えながら1,500円を超えていたと思う。
しかしながら、それに十分以上に見合った膳が舞い降りた。
これからの深酒が見破られていたか、ちいさいかけそばのつゆを助けるようにお吸い物までついてきてくれれば、疲れた胃の調子もみるみる回復してくるような気がする。

美しい黄金色のとおりの、これぞ東京の甘辛さ ! という形式美に完全に則った、どこか懐かしささえ湛えつつも、トップランナーであり続けることを課されたどんぶり最高峰の憂い、そして誇り。
この上のないgorgeousな衣を羽織った海老が、一瞬、びくりと跳ねたような気がした

  • 太宝家 - これ以上の風景が、この世のどこにあろうか

    これ以上の風景が、この世のどこにあろうか

  • 太宝家 - お酒はこれひとつで済ませる。今は ……

    お酒はこれひとつで済ませる。今は ……

  • 太宝家 - そして逢いに行きます

    そして逢いに行きます

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2023/05訪問4回目

4.0

  • 料理・味4.0
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

大宝家/そのsurfaceの彩りを利用して

中国5,000万年の歴史と言われるが、それよりも昔の話。
地球外に高度な文明があり、その惑星から出発した宇宙船が航行中隕石群に衝突し、不時着したところが、ちょうど6,500万年前の恐竜跋扈する地球 …… 壊れた宇宙船から命辛々這い出した操縦士は、人間でもないのに何故かアダム・ドライバーと瓜二つ、しかも英語を流暢に話し始めるという、さっきの奇妙な映画はいったいなんだったのか ? 観客をなめているのか ?
と思い悩みながら、千代田線と国鉄とのターミナルとなる西日暮里駅のまわりを探索してみるも成果なく、日暮里駅まで歩いてきてしまった

<R5.5.27 夜の部>

「大宝家」

足を踏み込んですぐの、ぼくの定位置であるコの字形カウンターに着く。
これは入店のタイミングでしかないが、一人でテーブル使いをされている御方もいらっしゃるのが見えるけど、でもこちらのカウンター端っこの一人使いというのも、圧迫感はないし、なにより複数名パーティが入ってきても気兼ねしなくていいから良い。
そんなことでいつもどおり“冷酒”を注文し、これはそれほど得意ではないのだけれど、“数の子わさび漬け”を同時に注文して、先にやって来たお酒を舐め始めるぼく

操縦士がアダム・ドライバーそっくりだったことは、アダム・ドライバー主演だからだろう。と言うとそんなことはあたりまえだろう ! と訝る御方もいらっしゃるだろうが、宇宙人なんだから、なんかこう、「アバター」みたくモーシャンキャプチャーで、異形のものを動かしたり出来るでしょ ?
(まあその場合、せっかくアダム・ドライバー使った意味なくなるけどね)
もしや「猿の惑星」みたく、人類が時空を飛び越えて異なる年代の地球に還って来ちゃった話 ? とも疑ったんだけど、そうぢゃないようなんだよなぁ ……
或る意味、直球勝負の映画と言えなくもないけど (笑)

“数の子わさび漬け”よりも、ほんとは数の子の松前漬けが良いのだけれど、それでも注文したのは、端的に言って、安価で、そして間がもつと考えたから。
それは日本酒には当然合うに決まっていて、物思いに耽るときを十分に与えてくれる。ざらりとした数の子の卵を前歯で一粒一粒噛み潰していくたんび、まるで梱包用のプチプチビニルの気泡を一つ一つ潰していくかのような爽快感を覚えつつ、先ずは目論み通りにお酒一つくらいそれ一品で持たせることが出来たので、満を持して、おっかけ今夜のメインディッシュを高らかに宣言することが出来た

「かき揚げください !」

こちらの“かき揚げ”が魅力的だということは分かっていて、しかし先日は堂々1,200円 ! という単価設定にビビって注文出来ず終いであったが、今夜はわさび漬けという“タメ”を作り、合わせ技での注文を狡猾に成し遂げる ! あらためて目の当たりにすると、まるでどこかのレトルトカレーのようにざく切りの「具が大きい !」仕上がりで、イカ、エビ、玉ねぎ etc. それらひとつひとつを分解してやっていくと、若干カボチャがその甘さ、ねっとり感薄弱な気がしても、甘いつゆとともに、お酒のあてとして非常にうまく機能し始めてくれる

だからというわけでもなかろうが、この期に及んで“冷奴”を注文してしまった !
久しぶりの“木綿ごし”との対面。“冷奴とは醤油を食べる料理である”、とはもう大昔から提唱し続けている私だが、そのざらついて、もはやエキゾティックを感じさせるほどの肌に、気付けばいつも以上にたっぷりとしょう油を回している自分に気付き、慌てて我に返った。
とは言葉のあやで、更に、わざと箸で割って得たその豆腐のギザギサの断面を、皿の底で飢えていたしょう油に喰わせるとき、ぼくは往年のイタリアンホラーを堪能するかのように、激しく満たされていく ……

そして〆である“冷やしたぬき”が厳かに臨場 !
こういった所謂“冷やかけ”は、そのsurfaceを彩る具材をおつまみとして使えるということもお酒とマッチする部分であろうが、なにより、これは私の小笠原流テーブルマナーの師である茉莉子に知られると大変マズいことだが、左手をそば猪口に拘束されることがないので、文庫本に読み耽るには最適なのだ。
一人一人に分解継承された秘剣の奥義を奪い合う義兄弟同士の殺し合いから逃げた次兄が妻子の為に参加した、目的不明、且つ奇想天外な賞金争奪デスゲーム。
圧倒的に面白かったその時代劇の二巻目だが、何の因果かそのデスゲームは、離れ離れに散っていた義兄弟たちをふたたび引き合わせ、そしてその兄弟たちは、逃げた次兄を未だに憎悪しつつも、しかし個人個人の力量を遥かに凌ぐ残忍且つ老獪なmurderer出現の為、否応なく、当座生き残る為の共闘を開始した ……

ホールがおじさんから女性にバトンタッチされたよう
ぼくは何食わぬ顔、お相撲さんのやる大盃のようにつめたいぶっかけつゆを一気に飲み干してから、それからゆっくりと、これからスレンダーなあなたの、でも下腹に謙虚に生えたささやかなる膨らみの、その秘密を解きにいこうかと強(したた)かに企みはじめる

  • 太宝家 - 導入

    導入

  • 太宝家 - 具が大きい !

    具が大きい !

  • 太宝家 - 鳥肌は死なず

    鳥肌は死なず

  • 太宝家 - そして冷やかけのダンディズム

    そして冷やかけのダンディズム

  • 太宝家 - 西日暮里から日暮里へ

    西日暮里から日暮里へ

  • 太宝家 - 日本メロディックハードロック街道は続く

    日本メロディックハードロック街道は続く

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2023/03訪問3回目

4.0

  • 料理・味4.0
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

太宝家/端的に言って、お酒もう一つ !

<引き続きR5.3.15 夜の部>

「太宝家」

冒険してみたい年ごろのぼくだけど、もう気が済んで、というか懲りて(笑)ここからは安全運転、駅を下りたときから今夜のライフポッドと定めた、勝手知ったるそば屋の暖簾を割っていく。
ホールを任される若い彼がどこへでもと促してくれて、幸いテーブル席も空いていたが敢えてカウンターに着いてみる。と、目の前にはたぬきの合唱隊がぼくの為に既に整列してくれており、さっきまでの生き地獄も(こらっ !)過去の彼方へ過ぎ去っていくよう

だからお酒はアルミキャップの冷酒ではなく、ちょっと良い銘柄のものを注文してしまった。
彼が目の前で蠱惑の液体をぐい呑みからお小皿にこぼしていってくれるが、大して嬉しくもないことは、お小皿にいっくらこぼしてくれたって、たかが知れてるから。

―― こんなとき、ラーメンどんぶりにぐい呑みのせてこぼしていってくれたらいいのに。まあ、そんには飲めないけどね ♪

ぼくは日本酒のことはよく知らないけど、ちょっと舐めただけでもさすがに「一件め酒場」の190円のやかんに入ったやつより俄然うまい ! し、悪酔いもしないと思う
(当たり前 !)

そして正義のyellowを纏っただし巻き卵が舞い降りる !
それを十分にしょう油で穢していくと、ぼくの心がこうつぶやいた
「端的に言って、しあわせすぎる ♥」

ほんとうは、こちらのかき揚げがすごく美味しいなという記憶があってそれを狙ってたんだけど、あらためて品書きをみたら1,200円もしたので、さっきの店で無駄なお金を使っていなければ注文出来たんだけど ……(こらっ !)
でも泣く泣くあきらめて尚、しあわせ

端的に言って「お酒もうひとつください !」

このお小皿の縁の一部に切り欠きを作ってあるのは、そこからお酒をぐい呑みに注げってことなのかな ? それか不良品か(こらっ !)、どっちか。
〆のおそばはお酒と親和性の高い、冷やしのぶっかけの中からもっともオーソドックスなものを。何故ひやしのぶっかけがお酒と親和性が高いかと言ったなら、ふつうのもりそばに対し、そばを猪口に落とすときの精密な計量を省けるということ、器を持たない(持てない)ので片手でやっていけるということ(これはマナー違反だと思うが、片方の手で文庫本を持ったりできる)、そしてお店によってはデコラティヴな具を、酒のつまみにしていけるということ etc.

こちらの伸びが少なく粒状感を持ち、ばさっとした感じのおそばの素性は、とりわけお酒と合わせていくときに、罪悪感を覚えるほどの凄みを持たないという点でも、いみじくも相乗していると言えると思う。
最近中華屋酒を覚えてしまって、それをやると中華屋の一品料理のサーヴィス精神(ボリウム満天ということ)、及び〆の炭水化物の行き過ぎた誘惑などの相乗に依り、重ねてしまうと自然にお腹周りにインナーマッスルが付き過ぎるという現象に苛まれていたのだけれど、そば屋酒のほうが、その副反応は低く抑えられるような気もする

最後にこれは最近のトレンドだと思うが、こちらでも、冷やかけなのに猪口が添えられそば湯がやってきた。
そば湯というのは確かに、素でやると落ち着くという効能があるのは分かるけど、でもぼくはやっぱり、冷やかけに湯はいらないかな ……
なんて思いながら食べ終わったおそばの皿を大盃のように両手で持って、お皿の底に張られたつめたいかけつゆを飲み干していくときこそが ! それでは皆さん、ご唱和ください !

「端的に言って、しあわせすぎる ♥」

  • 太宝家 - ウィーンで声楽を学んできたという精鋭のたぬきたち

    ウィーンで声楽を学んできたという精鋭のたぬきたち

  • 太宝家 - ぐい呑みは男のロマン !

    ぐい呑みは男のロマン !

  • 太宝家 - yellowは正義

    yellowは正義

  • 太宝家 - こちらの“冷た”はシンプルだけど、カニカマとかいろんなののってるとこあるでしょ

    こちらの“冷た”はシンプルだけど、カニカマとかいろんなののってるとこあるでしょ

  • 太宝家 - この左の縁が欠けてるの、お酒の注ぎ口かなぁ

    この左の縁が欠けてるの、お酒の注ぎ口かなぁ

  • 太宝家 - そして赤い月が狂気を呼ぶ

    そして赤い月が狂気を呼ぶ

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2022/01訪問2回目

3.5

  • 料理・味3.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

太宝家/私が殺した少女

お正月休み最終日の夜。
絶望に打ちひしがれながら、身の振り方を考えてる。
そば屋で飲みたいけれど、お酒が安い店がいい。ほんとうは倍賞千恵子か吉永小百合がお酒を一升瓶からコップに注いでくれる小料理屋が一番いいと思うのだけれど、そういう店は北海道か津軽にしかないので(北海道にだってね~よ !)、そこはそこそこの店で妥協するしかなかろう

<R4.1.4 夜の部>

「太宝家」

硝子張りの店内。見るからに盛況なことには即座に気付いたが、もう後がないと思って勢い突っ込んでいったら、運よくカウンター席の一辺だけが空いており、そこへ腰を据えることが出来た。
正月っからお金のことは言いたくないが、お酒はKing Kong(金婚/@500)。に、天ぷら盛り合わせ(@1,000)を先ずは注文。

天麩羅の背骨を担うネタは言わずもがな海老だと思うのだけれど、その質の分からぬ私だが、少なくともこの価格で蝋細工のもの(リン酸塩水加水)のものではなかったことに感心させられる

目の前のお客が入れ替わり、お爺ちゃんと娘さんと、そのまた娘のお孫さんか、母娘揃ってまたずいぶんと綺麗で、否が応でも目がいってしまうことを止められない !
母娘そろって綺麗だが、私くらいの年になると、とりわけお母さんが綺麗に見えてしまう。代表例が「悪霊島」の双子の娘、岸本加世子に対する母親の巴御寮人、岩下志麻の美しさだが、私もその魔性に飲み込まれないように警戒しつつ、King Kongを舐め続けた。

雰囲気的には東京のおじいちゃんの元へと帰省した母娘が、今晩帰るという感じであろうか。
そこでおじいちゃんとっておきの、いきつけのこちらおそば屋で三世代団欒のおそばでも、と画策したところがありがち ! お孫さんが、完全にお腹いっぱいで、もう何もいらないという !

おじいちゃんの落胆が、私の甘い玉子焼き(@600)にほろ苦さという深みを与えてくれる。
向こうの子供連れの家族がお会計し、男の子が野球帽をとって丁寧にお店の人に挨拶する姿を見て、いつまでたっても社会性のないこの自分が恥ずかしくなってしまって、気が動転したのか、気付けばそば屋で一番やってはいけないこととされている“きしめん”(@800)を注文してしまっていた ……

もう堪らずに、かつぶしできしめんの純白を穢すように夢中でかんましたことは、目の前のお母さんのあまりの美しさが作用してのことに間違いないと思う。
私は私の探偵事務所にこのおじいちゃんが後日、失踪した自分の娘の捜索依頼にやって来ることを夢想した。その仕事を私が受け、そして依頼人であるこのおじいちゃんまでもが不自然に姿を消してしまったとしても、しかし私は、依頼人不在のまま仕事を続けることを決意した

  • 太宝家 - King Kong

    King Kong

  • 太宝家 - Ten Pura

    Ten Pura

  • 太宝家 - Tama Go

    Tama Go

  • 太宝家 - Kishi Men

    Kishi Men

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2020/05訪問1回目

3.5

  • 料理・味3.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

太宝家/King Kongとの再会

職場のホワイトボードの下にまたまた“ご自由にお使いください”とマスクが置いてあって、これは昨今ダブついたマスクの処理に困ったのであろう取引先からのプレゼントなんだけど、その前に、そのはしりとして私ももうひと月ほど前に、会社からマスクをたくさん貰っていたので特に困ってはいなかったものの、持ち前の好奇心からそれを一つ拝借して付けてみると、こちらは随分と吸気抵抗が少なく、いたく気に入った次第。
(抵抗が少ないということはウィルスの透過性も高いということだが、重複するので今は言わないが、私は今回のウィルスの感染抑止ということにおいて、このことはあまり影響はないと考えている(咳き込んだりしていれば別として)。影響あるとすれば政府が布マスクを配るわけがない)

今からざっくり十数年前、衰退の一途をたどる自動二輪車業界において一部メーカが、それまで国内流通を自主規制していた所謂“スーパーバイク”を、正規ルートで国内流通させ始める。
1000ccの直列4気筒で150馬力をゆうに超えるパワーを、当時の自主規制値、100馬力にまで落とさなければならなくなったときにどうしたのかというと、混合気(ガソリンを霧化させて混ぜた空気)をシリンダーに送る経路となるインシュレータというパーツの2番3番(4気筒のうちの真ん中の2、3番目のシリンダー)部分を、そのΦの半分ほど塞いでしまうという乱暴な方法をとった。
150馬力の高性能エンヂンを100馬力に落とすということはそのくらい乱暴な方法をとらなければ達成出来ないということと、しかしまたそれをやれば、そのくらいパワーダウンさせることが可能ということである。

―― 吸気効率を落すということはこのように、内燃機関にも人間にも少なからぬダメイジを及ぼすと私は思っていて(まさに人間からしたら肺炎もその一つであろう)、今回の国民全員のマスク着用ということが、知らず知らずのうちに日本人のパフォーマンスを下げてしまうのではなかろうかと心配になる、ということが言いたかった

<R2.5.24 日暮里>

「太宝家」

こちらは絶対に初めてではないはずなのだが、私の食べグロ投稿がみつからない。
―― 電子日記にあたってもその記述が見つけられなかったので、差し戻されたわけではないと思うんだけど ……

駅を下り、先ずは営業状態を確認しに目の前までやってきたのだが、ビル外装の更新工事か、足場で全面マスキングされた状態ながらちゃんと“営業中”と分かるようにサインを出して頂いており、一安心。
硝子越しに店内を覗けば、未だ5時前にしてそこそこにお客さんは入っているようで、しかし一人で着きやすいような二人掛けのテーブル席がすべては埋まっていないなと思いながら、一旦throughしてお散歩写真に興じる。

右足は人から見てぎりぎり、びっこを引いていないように見えるまでに回復していると思う。暫く使っていなかった筋肉の違和感を二日ほど前から感じているが、これは寧ろ嬉しいこと !

“King Kong” @500

こないだ田端のおそば屋さんにあったお酒がここにもあった。
別段こだわりはなかったが、一番安かったので注文。
時間の経過と移動距離をシンクロさせることだけがツーリングの定義であるように、時間の経過と酒の量をシンクロさせることだけが酒飲みの定義であるとしたならば、この世にほんとうの酒飲みは、いったいどのくらいのパーセンテージになるのだろう ……

涼し気な硝子のお猪口に注いだ淡い飴色。
小皿の柿の種を前に箸が欲しいと思うのは、昭和40年代に量産されたにわかお坊ちゃまの哀しい性か ……

“板わさ” @600

私がこれは美味そうだ ! と思う皮つきで粒状感のある蒲鉾がやってきたが、蒲鉾のほんとうの価値がそんなことには何ら依存しないということを、私は知っている。

板わさをやるときだけ、小皿の醤油に山葵をとくことを自らに許可した野郎独り。
硝子窓の内側に張り巡らされた、外界と店内との“空気”を緩衝させる役割を担ってくれる幾何学模様のメタルのパーティションを強烈な斜光がすり抜けて、私の向い、あなたのいない椅子の背もたれに印象的な影絵を浮かび上がらせるが、とくに孤独は感じない。
そば屋に微睡むとき、寧ろ無防備で母の子宮に浮いているような平和に満たされる私である

“かき揚げ天ぷら” @1,100

うまい !!
海老、イカ、葱、南瓜の素材感に溢れるかき揚げ。海老もちゃんと火が通って白くなるやつが使われている。
魚介と野菜の個性の拮抗。その素性の良さが記憶に残っていて注文したのだが、こんな値段だったかなと考える。もっと小さめで安かったと思うのだが、余所の店の記憶とごっちゃにしている可能性も無きにしも非ず。

午後6時15分。お酒は二つ目に突入している。窓の外にはまだ光量がわずかに残っていた

“冷やしきしめん” @800

こちらのおそばについての記憶がない。ということは、日本三大うどんのひとつ(と名古屋人だけが主張しているもの)を品書きに見つけてしまった今、特にそばに拘る必要はないのではなかろうか、という自分が打ち勝った。

とっ ! 写真で麺をご確認いただけないことがもどかしいが、行き過ぎたアルデンテ状態でそれは供された。
これはうどんに長けた関西人を訝らせるに十分なものだろうし、イタリーの良く茹で地方のマンマに知られたら、ぶたれるよ(笑)。
具体的に言うと麺の巾が7mmくらいだとしたならば、両端の1mmずつが透明に変わっているものの中心はけっこうに幅広の状態で白、すなわち完全に芯が残っている状態(笑)。

―― を、でもなんだかんだ黙って食っちゃうところが東京の蕎麦食いというもの !(笑) ぶっかけつゆのヴァランス等は、全く以て適切な仕上がりを見せてくれていたと思う。

お酒を三つやって、お会計はちょうど4千円。
これで真っ直ぐ帰れればいいんだろうけど ……

  • 太宝家 - “King Kong”

    “King Kong”

  • 太宝家 - “板わさ”

    “板わさ”

  • 太宝家 - “かき揚げ天ぷら”

    “かき揚げ天ぷら”

  • 太宝家 - “冷やしきしめん”

    “冷やしきしめん”

  • 太宝家 - そして国鉄京浜東北線をこの先、西は西日暮里から東は東十条まで、誰も探しにいかないものを独り求めて突っ切る俺

    そして国鉄京浜東北線をこの先、西は西日暮里から東は東十条まで、誰も探しにいかないものを独り求めて突っ切る俺

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Jackie_m

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店舗基本情報

店名
太宝家
ジャンル そば、うどん、丼
お問い合わせ

03-3891-3775

予約可否

予約不可

住所

東京都荒川区西日暮里2-18-7

交通手段

JR、京成本線、日暮里舎人ライナー 日暮里駅下車
北口より徒歩2分

日暮里駅から155m

営業時間
  • 月・火・水・金・土・日

    • 11:00 - 21:00
    • 定休日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

¥1,000~¥1,999

予算(口コミ集計)
¥1,000~¥1,999 ¥1,000~¥1,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

サービス料・
チャージ

なし

席・設備

席数

30席

個室

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近隣にコインパーキング多数あり。

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン、一軒家レストラン

お子様連れ

子供可

オープン日

1957年

初投稿者

zaga子zaga子(8)

最近の編集者

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日暮里×そば(蕎麦)のランキング(点数の高いお店)です。

  • 1 一由そば - 料理写真:太蕎麦(普通)@税込320円+JKB@税込220円

    一由そば (立ち食いそば、うどん、そば)

    3.49

  • 2 川むら - 料理写真:

    川むら (そば、日本料理、居酒屋)

    3.49

  • 3 花ゆず - 料理写真:のどくろ、ヤリイカ‼︎

    花ゆず (そば、居酒屋、日本料理)

    3.44

  • 4 手打ちそば 遠山 - メイン写真:

    手打ちそば 遠山 (そば、居酒屋、日本料理)

    3.43

  • 5 太宝家 - 料理写真:牡蠣そば

    太宝家 (そば、うどん、丼)

    3.43

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