今回はラ・ボエームの前に〜♬ : フォレスティーユ精養軒

文明の十字路シチリアの首都パレルモからマッシモ劇場の海外出張公演〜♬
シチリアを一周した旅でチェネレントラの当日券が買えて！二頭のライオン
が待つ大階段を上がりソフィア・コッポラ（メアリー）が倒れたのは此の辺
り？アル・パチーノ（マイケル・コルレオーネ）が慟哭するゴッドファーザ
ー・パート３の劇的なシーンが甦って何度かオペラを鑑賞しているミラノ・
スカラ座と違って日本から直行便もないシチリアのパレルモにあるマッシモ
劇場への思い入れは一入〜♬ 前回のオペラは魔笛で１F 最前列、今回は８列
３１番で幕間にフォワイエでスパークリングも楽しめるようになりました！
嬉しい〜〜♬ テノールもソプラノも、やっと世界の舞台で歌えるようになり
舞台監督、指揮者、オーケストラ、表舞台に出ない演出、効果の方々まで皆
様のお喜びは如何ほどでしょうか！この日、私は日比谷のミッドタウン経由
の上野で先に到着したリーチェパパが階段で並んでくれていたおかげで１５
分ほどの待ちでテーブルに着くことができました。

何が凄い！と言って〜階段で並ばなければならなくても順番が来てテーブル
に着くとオーダーは瞬時にキッチンに届いて！５分以内に最初の一品がテー
ブルに載るというところ〜３０分あれば開演前にデザートまで楽しめます！
今回は初めて奥のテーブルにご案内されて〜新しい景色〜お一人様用カウン
ターなんて〜あったんですネッ！ スモークサーモンのサラダ（¥１５８０）
はサーモンが冷たくて冷凍庫から出て来てまもない感じが否めず冷たくてサ
ーモンならではの ’ねっとりとした’ まとわりつく食感もなし・・でもサラダ
だと思って有難く！アメリカに渡った広東料理がアレンジされてポピュラー
になったと言われるチャプスイ（¥１５８０）は昭和３６年（１９６１年）
東京文化会館開館以来のロングセラーで野菜の旨味をたっぷり含んだブイヨ
ン・ベース！！もはやチャイニーズ感は遠く、淡白な海鮮あんかけ丼を洋皿
で〜♬ という一品〜ハズレ感ゼロのお腹に優しい一皿、ハンバーグ（¥１５
８０）は初めていただきましたが正統派デミグラスが濃厚でガルニもキチッ
！と正統派で、ニッコリしてしまう一品でございます。コーン・スープ（¥
７８０）はお味見しておりませんが、やはりトラディショナルなポタージュ
だったのではないでしょうか・・♡ デザートでお願いしたのはバニラ・ア
イスクリーム（¥５８０）とリンゴのケーキ（セットで紅茶を付けて ¥９８
０）は ’もう少しでシブースト！’ というムース寄りのケーキ、精養軒バイ・
ザ・グラスの赤は輸入ものカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドながらバラ
ンスよくまとまっていたところがさすが！テーブル・チェックもできて僅か
４０分という開演前の時間を目一杯〜有効に使うことができました！！

この３年間というもの・・飛行機に乗っておりませんので海外でのオペラ
鑑賞はあり得ず！最後にオペラを楽しんだのはミラノ・スカラ座でヴェル
ディのエルナーニ・・２０１８年１０月１８日・開演 ＠８pm〜ガッレリ
ーアの Galleria Restaurant でディナーをしてスカラ座へ・・上野の文化
会館は２０１６年１０月にウィーン国立歌劇場の日本公演でナクソス島の
アリアドネを観て以来〜６年後の此の日は秋晴れの日曜日で絶好の行楽日
和〜駐車場が混んでるかも？タクシーでやって参りますと駐車場の入口に
'満車！出庫待ちはできません’ と書かれたプラカードを持って立つ係が２
名〜大正解でした！！ 坂の下に ’米よりパンだ！’ という看板を掲げたパ
ン屋さんがあってどんな ’パンダ・パン’ があるのか一度覗いてみたいと
思っているのですが一時間ちょっとしか余裕がありませんので今回も見送
り〜フォレスティーユに上がる螺旋階段で待つこと２０分・・店内は満席
ではなく！！テーブルを片付ける人員がたりなくて片付け、セットアップ、
ご案内、お会計の全てを黒服スタッフ４名で！ Va-tout で藤原店長が ”土・
日・祝日はバイトのコが来ないんで全部僕一人でやらなくちゃならないん
で！けっこう大変なんです” と言ってらしたことを思い出しながら〜メニ
ューに目を通しました。

限定２０食！三陸産の牡蠣フライ（¥２４８０）がありました。嬉しい〜♬
精養軒セレクション・甲州ブドウのフリーラン果汁で醸造した白（¥６８０）
をお願いしましたら ’国産ワインのヌーヴォー ¥５００でご用意できますが”
と黒服スタッフ・・冒険をするまでの時間の余裕はありませんので山梨のヌ
ーヴォーではない甲州の方で！リーチェパパはチョコレートケーキ・セット
で紅茶（¥９８０）牡蠣フライも５分ほどでテーブルに載りましたが ”大変
お待たせ致しました” ちょっとラニーなタルタルが添えられていてアクセン
トにウスターソースを垂らしたいな、と思いソースをお願い致しますと３０
秒後でしたが ”大変お待たせ致しました” という言葉と共に〜♬ 天皇の料理
番：上野精養軒のオープンは昭和３６年（１９３４年）螺旋階段の横に置か
れた椅子の前にメニューがあって最初に完売のシールが貼られたのは３０食
限定のシェフ特製グラタン（¥１５８０）私達がテーブルを待っている間に
販売終了が付いたのはグラタンだけでフォレスティーユ・オリジナルのチャ
プスイ（¥１３８０）が東京文化会館の開館から今日まで続く一品だと知って
感無量に近いものがありました。オムライスやナポリタンが人気を博すのは
もっと後のことで！最初は西洋ではなくチャイニーズ寄りだったのですネ！
甲州は思ったより柔らかな味わいのドライな白でフルーティーになり過ぎず、
牡蠣フライにピッタリ〜♬ 当たりでした！！ モーツァルトの魔笛は２度目
ですがハンガリー国立歌劇場の公演は初めて！演出は９０歳のミクローシュ・
シネタール、指揮はヤーノシュ・コヴァーチ・・オペラはいつも S席ですが
今回は最前列で指揮棒どころか指揮者の大きな左手が目の前で！ハー、フー、
ハッハという彼の息づかいが聞こえてきて舞台も近く指揮者の迫力に圧倒さ
れる２幕〜♬ これまであった幕間の階段コーナーにはロープが張られて幕間
タイムなしのマスク観劇でしたが４年振りにオペラが観られてよかった！タ
ミーノとパミーナの掛け合い、パパゲーノとパパゲーナの二重唱、夜の女王
のアリアが聴かれてよかった！！ タクシー乗場も混むことなく一台待っただ
けで上野のお山も寒くなく、スカイツリーの上にお月様が上がってきて昭和
通りでパレスホテルまで〜♬ 前回のレビューで最後にアンジェリーナが載っ
ていましたので今回も最後にベアトリーチェを一枚アップしておきましょ！

東京文化会館でオペラと言うと・・いつも階段で下りる地下駐にクルマを
停めていたのですが此の日は早めに着いて通りを渡った平置きパーキング
に停められまして開場までなんと一時間の余裕〜♬ 混んでいても待てる
範囲であれば、と覗いてみますと私達は３組目・・予約の上ご来店のお客
様がいらして初めて此処は開演前に予約ができることを知りました。

ご案内していただいたテーブルがワイン・セラーの真前で私はさっそボト
ル・チェック〜♬ シャンボール・ミュジニーの隣にブルネッロ・ディ・
モンタルチーノと書かれたルーチェ２０１１年と ’ルーチェ２０’２０１２
年があってビックリ〜〜♬ もっとビックリしたのはボトルを見ていた私
にマネージャーが ”よろしければお出し致しますよ〜♬” と後ろから声を
かけてくださったことでした。まぁ〜ご親切に〜〜♡ この立て込んでい
る最中に！ありがとうございます！！ ルーチェ（イタリア語で光）の名
の如く燦然と輝くボトル２本〜♬　そして、更なる驚きはプライスでした。
○○万円くらいかしら、と思って伺ってみましたら〜仕入れ値が○万円な
ので○万円でお出ししております。港区のイタリアンだったら○万円の５
倍は行くかも・・ルーチェの為に此処に来てもルーチェに合わせるお料理
と背景がなければワインの魅力半減ですから〜美しいボトルを目に焼き付
けるに留めましたが私達のリヒャルト・シュトラウス作曲 "ナクソス島の
アドリアドネ” は思いがけず！こんな楽しい序奏で幕を開けることになり
ました。

エントランス前にオペラ座の雰囲気でテーブルが出ていたニコラ・フィア
ットのシャンパーニュはロゼ（￥１６５０）とクリーム・コーンスープ
（￥７３０）で乾盃〜♬ ロゼのブリュは赤に近い濃いロゼできめ細やか
な泡立ち・・力強くフローラル、余韻が長く続きます。やはり観劇前は上
質な泡に限りますネッ！ 今回の "ナクソス島のアリアドネ" はウィーン国
立歌劇場管弦楽団の出張公演で7pm 開演→ 休憩３０分で９：４５pm ま
で、シーフード・マリネサラダ（￥１０３０）をシェアーしてエンペラー
・サーモンのカニ風味チーズ焼き（￥２１００）は大正解でございました。
ずわい蟹のクリームコロッケ（￥１３５０）もひと口お味見させていただ
きましたが精養軒らしいクラシカルな味わい〜シーフード・サラダのドレ
ッシングがお醤油ベースで和風なのはよいのですが水っぽくてサラサラし
過ぎ・・ホタテやエビのマリネの長所を活かしきれていなかったところに
小さな残念が付いたもののエンペラー・サーモンとリンゴのクレープ包み
（￥８００）はプレゼンも美しく大変結構でございました。エンペラー・
サーモンとは世界最古のアトランティック・サーモンの血統 MOWI を通
常より２年ほど長い養殖期間をかけることにより〜強く、赤く育てたサー
モンで全世界のアトランティック・サーモンの僅か０.０５％ という非常
に貴重なものだそうで、しっかりとした味わいにリッチなカニ風味チーズ
かけでワタクシは大満足〜♬

デザートのクレープに包まれたリンゴは三温糖でソテーされてレーズンと
シナモンのアクセント〜♬ 小振りで可愛らしく上品な仕上がり〜そして、
何より〜大きなト音記号とスコアーが描かれたデザート・プレートが素晴
らしい〜〜♬ ダージリン（ポット ￥４００）はサマーゴールド（夏に摘
まれた北東インド産の最上級セカンド・フラッシュ）私が初めてオペラを
観たのは１９９１年１１月１１日ウィーンの国立歌劇場で演目は ”トスカ”
〜♬ 歌劇場前のホテル・インペリアルに宿泊しておりまして開演前、観
劇に行く宿泊客の為にロビーでシャンパーニュが振舞われ〜私達はタキシ
ードとブラック・グラマで観劇後コンシエルジュに予約をお願いしてあっ
た三ッ星レストラン・ドライフザーレン（コルソは早い時間でないと予約
が入りませんでした）に参りますと、なぜか待たされ・・どうして？と思
っておりますと３分後にどうぞこちらへ・・私達がダイニング・ルームに
入ると同時にピアニストが ”トスカ” のアリアを奏で始め・・ディナー客
全員の拍手に迎え入れられて〜♬ という華やかな一幕がありました。

記念日のディナー（私は特に強調はしていなかったのですが）ということ
をコンシエルジュから聞いたレストラン側の粋な計らいでございました。
優雅な時代でしたねぇ・・♡ これから世界はどこへ行こうとしているの
でしょうか？ あの頃は遅いディナーを終えてワルツが踊れるカフェにお
寄りしてホテルまで（もちろん治安のよい地区での話ですが）問題なく
お散歩でオペラの余韻を愉しみながら優雅な気分で帰れました。ザッハー
・ホテルのクラシックなカフェでいただいた大きなザッハー・トルテと共
に忘れられないウィーンでの思い出です。どうかこれからもオペラの前に
シャンパーニュが愉しめるテーブルが世界からなくなりませんように！！