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町寿司探訪記:目指せ百迷店 #5 西新宿思い出横丁
火曜日の夜です。
新幹線車中でも盃を傾け続けたラッコの食欲に、火がついてしまいました。
燃え盛る食欲の炎!
立ち昇る貪欲な情念!
もう誰も止めることなど出来ません。
新宿駅に到着するや否や、短い足が自然とションベン横丁、あっ今は思い出横丁と改名されたんですね、その西口横の路地に向いてしまいます。
十時すぎなので、まさに無国籍宴会の真っ最中。どちらのお店も通りまでお客の背中がはみ出しています。
目標は寿司辰さん。
いつも満席だもんなぁ。空いてなかったら、うどんでも食べて帰ろか、なんて暖簾の下から中を伺うと、おっ、ラッキー。手前の端っこの椅子がラッコを手招きしているぅ〜!
勢い勇んだラッコは、建て付けの悪い引き戸にぶつかるようにして中に滑り込み、『お茶、くらはい!』なんてお店の女子に呟きます。
終電まで時間が少ないので、今夜はお茶と握りでワガママな胃を納得させます。
『あのね、この後ね、デザートは天ぷらうどんだからさ!』と心の中で胃に頭を下げるラッコ。
『うん、分かった。お酒はもうたくさん頂いたもんね』と素直な胃。
お願いしたのはお好みで一貫ずつ。
お店の女子が気の利いたタイミングで浅蜊のお味噌汁を出してくれて、一丁上がり。
そしてご馳走さまでした。
<握り>
●赤貝
●鳥貝
●海老
●イカ
●赤貝の紐
●細魚
●中トロ
●ウニ
●平目の昆布〆
●小肌
●穴子
●トロたく細巻き
●玉子焼き
<お椀>
●浅蜊のお味噌汁
しょんべん横丁の胎内
金曜日の夜です。
渋谷の居酒屋で、旨い酒、旨いつまみを堪能し、連れと別れ、新宿へ。
小デブの短い脚は、無意識にしょんべん横丁に向かいます。今は思い出横丁と呼ぶようですが、昭和世代は、絶対に、しょんべん、です。
食べるという行為はエロい。
それを実感させるのが、こちらの横丁です。意味も無く、インバウンド客に紛れながら通りを往復します。
夜の放電タイム。
ふと気づくと寿司辰さんに空席が。
昔々、長嶋巨人が優勝した日に、今は亡き家内とこちらでブラウン管テレビを見ながら、イカのゴロ焼きを食した記憶が蘇りました。
勿論、暖簾をくぐります。
小姐がお二人。その当時は昭和のオバサマでしたが、時代は変わります。
目の前にDewar'sのボトルが有ったので、ハイボールを頼みます。
小姐、愛想が良い。
色白なので、大連?青島? 何れにしても東北系か?
合間に親方がその小姐二人に『はいよォ』と、握りを手渡します。
いわゆる夜の賄い?
それとも餌付け?
受け取った小姐は私に背を向け、握りを頬張ります。愛らしい。年甲斐もなく胸キュンです。
小デブは、いやオヤジは、いや男は、守りたいものを無意識に求めているのかもしれません。
心がほぐれます。素敵な時間です。良いお店だなぁ。
今夜は冷静です。
終電が近くなりました。先週の轍を踏まないよう、前の駅が終点のロマンスカーを予約します。
これで大丈夫、かな?
胃も心もご馳走さまでした。
いただいたお料理は以下の通り。
<おつまみ>
●お通し:イカと瓶詰めウニ和え
●生サザエ:珍しい。コリコリ。肝は軽く湯通ししてポン酢で
●赤貝:小ぶりだけど旨い
●イカとウニ:スルメイカ。小川の生ウニ。小鉢をもらい、自前で混ぜ混ぜします。
脇で小姐が刻み海苔の袋を開けます。ええっ、もしかしてテレパシィ?
小鉢を笑顔で差し出すと、小姐がハニカミながら、お箸を袋に入れ、刻み海苔を装ってくれます。
小デブのハートは鷲掴み。ああっ。癒されます。嬉しいなぁ。親方の人柄が小姐にも伝染するんですね。人情の機微が凝縮された、これぞしょんべん横丁。
<握り>
●平目:青森産
●細魚:酢でしめていないので、細魚の、ううっ、なんて言えば良いんだろう、個性的な香りが鼻腔を抜けます
●トリ貝:歯触りが韓国産のゴムでは無い。どこやろう?聞けなかった・・・
わかる奴が分かれば良い、というスタンスか。憎いなぁ〜
●ゆで海老:茹でた旨味が好き
●赤身:ほぼほど中トロ。聞けばテンパとのこと。納得。
●中トロ:冷凍輸入だけど、養殖より旨い。
●トロタク手巻き:脳天
●ネギトロ:軍艦、脳天
●アサリの味噌汁:胃が溜息
<お酒>
●ハイボール 二杯
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店名 |
寿司辰
|
---|---|
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
03-3342-0740 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
新宿西口駅から97m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥4,000~¥4,999 |
予算(口コミ集計) |
¥8,000~¥9,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
23席 |
---|---|
個室 |
有 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可
2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 座敷あり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
オープン日 |
1961年 |
備考 |
1945年に焼鳥店として創業、1961年に寿司屋に業態変更。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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金曜日の夜です。
荒木町の小料理屋でお腹を満たしたラッコは新宿通りをノテノテと歩きます。
夜風が気持ち良い。
ちょっとした荒木町の興奮を鎮めるには丁度よい冷たさ。
いつもなら伊勢丹のあたりで左に向きを変え、新宿駅の南口から電車に乗るのですが、ううっ、なんだか右手方向から強烈な磁力を感じます。
歌舞伎町の磁力。
世界最強。
ネオジウム磁石も顔負け。
区役所通りから不夜城に突入。
好きな人間観察にいそしみます。
う~ん。やはり密。
壇蜜さんは好きだけど三密はイヤ!
『DVDあるよ』なんて低音の呼び込みには耳を貸さず、ひととおりあたりを徘徊。西武新宿駅からJRの高架下を抜け、西新宿に突入します。
なんだか口さみしいな。
カワユイ胃も『まだまだ隙間がたっぷりあるよん』なんて囁きます。
さすれば、しょんべん横丁ならぬ、思い出横丁に突入。
こちらの寿司辰さんを覗くとカウンターが空いておりました。
ラッキー!
これは暖簾をくぐるしかありません。
およそ一年ちょいぶりかな。
赤貝のヒモをつまんでいると、左隣の爺様が『いやあっ、お久しぶり。来てくれて嬉しいよぉ~』なんていきなりラッコの肩を叩きます。
なんや、この爺さん。
見たことあったっけな...?
『ええ~っ、とっとっと。お会いしたことありましたっけ?』
『グ~ッ、グッ、フッフッ』と笑顔の爺様。
奥の別のお客さんが『こちらの先代ですよ』とにっこりポン。
『おおっ、三十数年前に亡き家内と初めてお伺いしたんですけど、家内が函館出身ということでイカのゴロ焼きを出していただき、ウンマカッタなぁ~』
腰を浮かした爺様。
頭を下げてラッコの左肩に座る家内に手を合わせます。
衷心から悼むお気持ちが伝わります。
表情ですべてが分かります。
『そういやぁ、昔はゴロを出したりしてたなぁ』と遠くを見つめて呟く爺様。
カッコ良いなぁ!
この爺様のように素敵な歳を重ねたいものです。
お断りを入れて爺様の写真もアップします。
絵にかいたような素敵な笑顔。
だからこちらの横丁は止められない。
そしてご馳走様でした。
いただいたものは以下の通りです。
<つまみ>
●カマ筋の大トロ
●赤貝のヒモ
<握り>
●赤貝
●青柳
●中落ち
●穴子
●トロタク:手巻き
●玉子
●なめこ汁
<お酒>
●ハイボール×二杯