２月のはし本さんも素晴らしい : 懐石料理 はし本

このお店はほんとに素晴らしい、ホスピタリティの厚さと料理のバリエーションの楽しさで超絶優良店だと断言できる。予約もまあまあ取りやすく値段もそこまで高くないので死角はない。
きちんと１品ごとに料理の組み合わせと器にストーリーを持たせて、一斉スタートではないのでバラバラに進んでいく各組に一生懸命手抜きなく大将と店員さん総出で説明してくれる。日本酒のペアリングを頼めばさらになぜその料理にこの酒なのかの説明、大将の近くならそのお酒にまつわる楽しい話のエンドレスマシンガントークが炸裂する。このホスピタリティの手厚さが魅力だが、これをうっとおしいと思うような料理より自分たちのお話が大事という方には合わないかも。
今日はシグネチャーの自家製カラスミがあったのでお願いしたが、今までのカラスミよりも柔らかく分厚く漬け過ぎない素晴らしい味でした。
ごま豆腐をうすいまめのすり流しで、お椀(春子鯛、出汁巻きたまご、くるまエビ、しいたけ、うぐいす菜)、お刺し身(鯛、シマアジ、サヨリ、を自家製土佐醤油で)、自家製からすみ、八寸(しらうお飴炊き梅乗せ、鯛の肝を甘いワインの煮こごり、松葉ガニ黄身酢和え、ふきのとう天ぷら味噌乗せ、稲荷に掛けておいなりさんふわり卵白乗せ、鴨とえび天ぷらをミカンのタレ、牡蠣にクラッシュトマト乗せ、スケトウダラたまごの天ぷら、イワシと菜の花のおから和えだがおからは縁起悪いので違う名前忘れた、八寸だけど9種類)、タチウオ塩焼きにそらまめと卵でまるで菜の花のよう、紅芯大根にケシの実つけて鬼の棍棒みたいな付け合せ福のお皿で福は内鬼は外と掛けている、熟成お肉グリルたまねぎ芽キャベツウルイ、炊合せで大根を余計な味付けを最小限にしてじっーくり焼いたものと身欠きにしん、ご飯選択制ではまぐり飯蒸し遊び心でバター使った和風ピラフ風、デザート選択制で寒天のみで固めた１日保たないプリン、うぐいす餅、抹茶、で締めの計２万ちょいお酒最低限。
もう一段上位コースがあるのでスッポンとか高級食材が欲しい方はそちらもありますが、とりあえずノーマルコースで味わえる創意工夫の楽しい料理が好きです。
料理人が何人もいるが皆さんが集中して大将の次何番さん八寸行くぞ!みたいな号令に素早く反応する張り詰めた裏側とお客さんの前では楽しそうに振る舞うそのギャップがどちらも見えちゃってるのが会社員の我々としてはリアルでとても楽しい。おそらくダラダラしてたら大将のマシンガン説教が炸裂すると思うが今日のオペレーションは完璧でお客の皆さんとても料理にお酒に大満足のようで店内に多幸感が溢れておりました。またまた良い１日になりました。

和食の新規開拓、三越前から少し歩いて静かな辺りにあるお店。私以外はほぼ常連さんで、小柄で渋いイケおじのような職人顔の大将がとても丁寧かつフレンドリーに仲良さそうに挨拶してて常連さんから愛されてる良いお店であることがいきなりわかる。ひとつひとつのお料理とその器のことまで大将の目の届くところは大将が、それ以外は助手主に2人(バックヤードにもう2人と女将さん)が大将と同じようにきっちり説明。少しづつコースも皆さん違うし進み方も違うから常に誰かが説明したり皆さんリラックスして喋っているからお店がとても活気がある。
私のお刺し身の器も良いものでしたが、お隣の80歳のお祝いに来たご夫婦には鶴の器を特別に用意するなどきめ細やかな配慮に抜かり無いが大々的な押し付け感もないのがとても素晴らしい。
むっちり白いごま豆腐を月に見立て黒ごますりながしを周りに流して夜空に浮かぶお月さまを表現しそれをうさぎの器に盛る楽しい一皿目から。土瓶蒸し鱧出汁で具に鱧松茸、お造り鯛カンパチさごしを自家製土佐醤油とごま醤油で、八寸といっても9種類でここだけ朝食バイキングみたいな9分割のチープ皿登場w(鴨をさつまいもペースト、ゴリの飴煮、蕪の味噌乗せ、あん肝をワインとともに煮こごり、鯖棒寿司、果物の柿とにんじんなどのナマス、蟹とアボガド和えをカリカリトーストと、イカにエビ真丈詰めとトマトピクルス、里芋揚げとピーナッツ)、秋鮭の幽庵焼き、熟成あか牛と玉ねぎローストを2種類のマスタードと醤油のタレで、炊合せレンコンに小豆射込みと湯葉と穴子の干ぴょう包と小松菜、ご飯物選択で鯛の濃厚スープご飯、デザート1つ目が選択制寒天プリンかシャインマスカットなどの白ワインゼリー寄せかマスカルポーネのなんか忘れた3択から、デザート2つ目は栗の茶巾、抹茶で締める。
普通このラインナップなら25000円はいくかな日本橋だし、と思うところ金額は18000円。
これは安い。マツタケを使うコースはもっと高いけれど、王道コースは非常にリーズナブルだと思う。
ご主人はお酒にむちゃくちゃ造形が深いので呑むのが好きな人は質問すればマシンガンのようにうんちくが返ってくるから楽しいと思う。
助手の手が遅いといじり気味に下手だなあとご主人の叱咤が飛ぶが常連さんがうまくギャグにしてくれるからお店の雰囲気は良いまま。
他のかたのレビューでカウンターのスペース詰め込みすぎというのがあるが、今回幸運にも両隣がスリムなご婦人だったので不便は感じなかったが確かにクソデブが隣だと大迷惑レベルのスペースではある。これが安さの理由とすれば難しいところ。
申し訳ないが私の体調が昼に食べたものが重くて、満腹感が相当早めに来てしまいきちんと楽しめる状況でなくごめんなさい。
美味しいと思ったのは、ごま豆腐、土瓶蒸しのお出汁、栗よりも栗らしいという宣伝のラストのデザート。
期待した割に？はお肉のロースト、鯛のゴマダレをスープにしたようなご飯、フルーツのゼリー寄せデザートサバイヨンソース敷、
体調良ければもっとご主人とたくさん話をしたかったが最低限の挨拶とイジられ助手の2人に美味しかったと伝えてお店をあとにしました。
しかしとにかく常連さんから愛されてる良い雰囲気の素敵なお店だと思いました。