料理、雰囲気、コスパが素晴らしい古民家フレンチレストラン : 楽の蔵　レストランChez tomo.

約1年半振りに3回目の訪問です。

前回からまた少し値段が上がり、フルコースが6,500円、ワインセットが2,800円になっていました。
それでも，前菜4品、サラダ、スープ、魚料理2品、肉料理2品、デザート4品にワインを3杯飲んで税込約1万円は破格だと思います。

今回の料理は以下の通りでした。

・アミューズ：焼き茄子のムース、イベリコ豚のリエットシューファルシ、ブリのカルパッチョ、栗とキノコのキッシュ　

焼き茄子のムースは前回もいただいた料理でした。
シューファルシも中身は違いますが毎回出てくるのでこちらの前菜の定番のようです。
今回はイベリコ豚のリエットで、前菜の中ではこれが一番気に入りました。

印象的だったのはブリのカルパッチョで、ブリの刺身にフレッシュトマトの爽やかなソースをかけて香草とピンクペッパーが散らしてありました。
脂が乗ったブリとトマトや香草、ピンクペッパーが意外によくあっていました。
秋らしく栗とキノコを入れて焼いたキッシュも美味しかったです。

・前菜：秋野菜と魚介のサラダ仕立て

こちらの前菜は魚介のサラダ仕立てが定番ですが、季節毎の色々な野菜やフルーツを使っていて面白いです。
今回は、細かく切った白身魚、サーモン、帆立、海老等の魚介類を、秋らしく柿、南瓜、フルーツ鬼灯、橅、ミニトマト等の野菜と合わせ、柿のソースで和えてありました。
柿と魚介類という意外な組み合わせでしたが、味付けに秘密があるのか、プリプリの魚介類と甘い柿のソースが不思議とよく合って美味しかったです。

・スープ：オレンジ白菜のポタージュ

スープは越谷産のオレンジ白菜を使ったポタージュでした。
ベースはじゃがいものポタージュですが、そこに白菜の風味が加わり、スープの表面にはベーコンオイルが垂らしてありました。
トロっとしたポタージュに白菜の風味と甘み、ベーコンオイルの香ばしさと塩味が加わり、ほっこり美味しいスープでした。

・魚料理：スズキのポワレ、レンコダイのカダイフ焼き

カダイフとは極細の麺状の衣でパリパリした食感でした。
ホクホクしたレンコダイとパリパリのカダイフは食感の組み合わせが面白く美味しかったです。
スズキも脂がのっていて美味しかったです。

ソースは根セロリのソースという事で、私は根セロリというのは初めていただきましたが、普通のセロリのような香りは少しするのですが、香りも味もセロリより優しく、魚料理によく合いました。
付け合わせは、黒キャベツの素揚げ、オレンジ白菜、ブロッコリー、玉葱等の野菜のソテーで、どれも美味しかったです。

・肉料理：十勝牛ミスジのロティ、霧降高原豚ヒレのオーブン焼き

今回の料理ではミスジのロティが1番気に入りました。
赤身ですが脂がのって柔らかく非常に美味しかったです。
赤ワインベースのソースもよく合いました。

霧降高原豚もこちらの定番素材のようで、これまでの3回いずれも出てきましたが毎回調理法が違いました。
今回はチーズとパン粉を載せてオーブンで焼いてあり、ややあっさり目の豚肉とチーズがよく合って美味しかったです。
　
付け合わせは、マコモダケ、インゲン、蓮根、橅、人参、南瓜、茄子、長葱、ケール等で、どれも丁寧に調理してあり、其々の野菜の美味しさを引き出していました。
マコモダケは、イネ科の植物で、越谷で作っている農家は1軒だけとの事でした。

・デザート：べにはるかのクレームブリュレ・柿のグラニテ、鬼柚子のコンポート、抹茶とホワイトチョコのショコラテリーヌ、無花果とナッツの焼菓子
・コーヒー/紅茶/ハーブティー

デザートも毎回似たような構成ですが、毎回その季節の素材を使っています。
こちらの定番のクリームブリュレは今回はさつまいもで、ホクホクしたさつまいもとねっとりしたクリームの組み合わせが美味しかったです。
柿のグラニテも季節感があって良かったです。

飲み物はいつものようにワインセット（泡、白、赤）を注文しようとしたところ、ボジョレーヌーボーの解禁日直後という事もありそちらを薦められました。
単品（ボトル/グラス）でも良いしワインセットのいずれかと入れ替えて良いとの事でしたので、店員さんと相談してスパークリングと入れ替えて貰い、今回のワインセットは以下の通りでした。
・ボジョレーヌーボー
・フランスのシャルドネ
・ボルドー

ボジョレーは正直よく味が分からなかったのですが、ワインはあまり季節感を感じないので、季節感を感じるワインとして年に一回くらいいただいても良いかなという感じでした。

シャルドネはキリっと辛口で、サラダから魚料理まで美味しくいただけました。
赤ワインはこの値段のセットの1杯としては非常に美味しかったです。
適度な渋みと余韻があり、ミスジのロティと特によく合いました。

今回も前菜からデザートまで大変満足できる料理でした。
これからも定期的に行きたいと思います。

約1年半振り2回目の訪問です。
今回もディナーの利用です。

ディナーは4,500円のスモールポーションが無くなって、フルコースは5,000円から5,500円に値上がりしたようですが、それでも素晴らしいコストパフォーマンスだと思います。

相変わらず落ち着ける店内の雰囲気や、随所に置かれた小物類もセンスが良く、また、フレンチですが和食器を中心に使用しておりどれもお店の雰囲気によく合っていました。

この日のディナーメニューは以下の通りでした。

・アミューズ：牡蠣のグラタン、鯖のスモークシューファルシ、ホタルイカのブルスケッタ、焼きナスのムース

1番薄味の焼きナスのムースからお召し上がりくださいとの事でしたので、言われた通りにしてみました。
滑らかなムースですが味は焼きナスで不思議な料理でした。

ホタルイカのブルスケッタホタルイカと菜の花をカリカリのパンに載せた春らしい味でした。
牡蠣のグラタンはキャベツの細切りと牡蠣にピリ辛のソースをかけて器ごと焼いてあり、牡蠣も美味しかったですが柔らかく蒸し焼きにされた春キャベツも美味しったです。

アミューズで1番気に入ったのは鯖のスモークシューファルシです。
スモークした鯖にサワークリームのようなソースを載せてシュー皮で挟んであり、スパークリングワインのおつまみに最高でした。

・前菜：魚介と春野菜のあおさゼリー仕立て

前回も前菜は魚介と野菜のサラダで、大変美味しかった記憶かあるのですが、今回も同様に素晴らしかったです。
新玉葱、アイスプラント等の野菜と、サーモン、帆立、甘海老？等の魚介を和えて、青さ入りの緩めのゼリーとイクラが散らしてあります。
野菜がどれも素晴らしく、それだけでいただいても美味しいのですが、魚介やあおさのゼリーと合わさるとお互いが一層引き立ちました。

・スープ：ビーツのポタージュ or クラムチャウダー

スープは2種類から選べましたが、ビーツのポタージュは前回いただいたので、今回はクラムチャウダーにしました。
千葉県産の蛤を使用との事でしたが、今が旬の蛤の出汁を活かす為かクリーム等は控えめであっさりしたスープですが、蛤の旨味が充分に引き出されていました。
具は細かく刻んだ蛤、人参、じゃがいも等で、具の蛤は出汁を取ったものとは別なのか、クニュクニュとした歯応えも良く美味しかったです。

・魚料理：ヤガラとカワハギのポワレブイヤベース仕立て

ヤガラとカワハギをポワレして、オレンジ白菜、分葱、素揚げした黒キャベツ等の野菜と一緒にブイヤベース仕立てのスープの様なソースに浸かっています。
ヤガラとカワハギはいずれも白身魚ですが、絶妙な火の入れ具合でホクホクに仕上がっており非常に美味しく、また香辛料とトマトのブイヤベースソースともよく合いました。

・肉料理：仔牛の骨付きロースのロティ、霧降高原豚肩ロースのグリル

仔牛の肉は外側はカリッと中は柔らかく焼いてあり非常に美味しかったです。
骨付き肉は手で持って食べてくださいとの事でしたので、言われた通りにして骨ぎわの1番美味しいところを残さずいただきました。

霧降高原豚はこちらの得意な食材なのでしょうか、前回はジャンボニンニクのソースでいただき大変美味しかったのですが、
今回はマスタードのソースで、これも非常に美味しいかったです。
仔牛肉と豚肉を同じソースでいただいたのですがどちらにもよく合いました。

・デザート：ポンカンのクリームブリュレ、越谷苺のジェラート、バスクチーズケーキ、抹茶とホワイトチョコのテリーヌ
・コーヒー or 紅茶 or ハーブティー

デザートは前回に続いてクリームブリュレがありましたが、これも得意メニューなのでしょうか。
前回のルバーブのクリームブリュレは珍しいうに大変美味しかったですが、ポンカンは珍しさはあるものの、味はこちらのデザートにしては普通でした。

バスクチーズケーキ、抹茶とホワイトチョコのテリーヌも美味しかったですが、1番美味しかったのは旬の越谷苺を使ったジェラートです。
添えられた苺自体が非常に美味しかったのですが、ジェラートにした時のクリームや甘さと苺の酸味のバランスが非常に良く美味しかったです。

飲み物は、喉が乾いていたので最初に埼玉の地ビールCOEDOの瑠璃をいただき、その後は2,000円でスパークリング、白、赤の3杯がいただけるアルコールペアリングのセットをいただきました。
ワインの銘柄等はよく分かりませんが、その日の料理に合わせて出していただけるので満足度は非常に高いです。

魚料理、肉料理が2種類ずつ出てくるフルコースとワイン3杯で7,500円ですから、驚きのコストパフォーマンスです。
素晴らしい料理の味、古民家の落ち着ける和の雰囲気、親しみの持てる接客で、今回も非常に満足できました。
これからも定期的に行こうと思います。

北越谷にあるフレンチレストランです。

近所に住んでいるので、いつか行ってみようと思っていたのですが、家族の記念日に初めて行ってみました。

お店の場所は、東武スカイツリーライン北越谷駅から徒歩10分程度です。
駅の西口を出てロータリーの左斜め前方に伸びる大通りを真っ直ぐ進み、スーパーのライフを通り過ぎて暫くして元荒川の少し手前を左手に入ってすぐです。

お店は山形から移設してきたと言う古民家を使った一軒家のレストランで、外見は目立たない落ち着いた雰囲気です。
店内も古民家調の落ち着いた内装で、インテリアや小物もお洒落でした。
コロナ対策で席数を減らしているようで、当日のお客さんは3組でしたが、普段でも20人も入ればいっぱいになりそうな小さなレストランです。

ディナーに行ったのですが、ディナーのコースは5,000円フルコースと4,500円のスモールポーションフルコースの2種類のみとの事で、初めてだったので予約時に5,000円のコースをお願いしました。
因みにランチは2,500円と3,500円のコースがあるようです。

この日いただいたディナーコースは以下の通りでした。

・前菜　トマトとバジルのガスパチョ、やまめのムニエル、ホワイトアスパラのブラマンジェ、フォアグラのシューファルシ

冷たくてさっぱりしたガスパチョが夏らしい前菜で美味しかったです。
やまめは中に香草を詰めて丸ごと焼いてあり、癖が無く柔らかく頭から丸ごといだだきました。
滑らかなブラマンジェとフォアグラのムースを挟んだ一口サイズのシューファルシも美味しかったです。

・サラダ　魚介と冬瓜のサラダ

柔らかく煮て冷やした冬瓜に、海老、帆立、サーモン、白身魚等を合わせて、たっぷりの香草でサラダ仕立てにしてイクラとトンブリが散らしてありました。
とろっとして冷たい冬瓜と魚介に、程よい苦味や辛味を感じる香草の風味とトンブリのプチプチした食感が合わさって素晴らしい一皿でした。
今回、1番印象に残ったのはこのサラダでした。

・スープ　ゴールドビーツのポタージュ

普通のビーツは赤い色をしていますが、ゴールドビーツと言うだけあってオレンジがかった乳白色のポタージュでした。
普通のビーツ程に比べて甘さは少なく、コーンポタージュなどに比べても優しく穏やかな味のスープでした。

・魚料理　カワハギのポワレ、ヤガラとヤングコーンのシガレット

ヤガラはヤングコーンと一緒に春巻の皮のようなもので巻いて焼いてありました。
2種類の魚の食感の違いが面白かったのです。
カレー風味のズッキーニのソースも、少し苦味があり夏らしくスパイシーで美味しかったです

・肉料理　乙女牛カイノミのグリル、霧降高原豚肩ロースのグリル

千葉産の乙女牛のカイノミはバラ肉の一部との事ですが、赤身とサシのバランスが良くジューシーで美味しかったです。
赤ワインソースでしっかりと王道の味です。

栃木県日光の霜降高原豚も脂が乗って柔らかく美味しかったです。
ソースは地元越谷産のジャンボニンニクのソースと言う事でしたが、普通のニンニクのようや臭いや刺激はなく穏やかな風味で、脂の乗った肩ロースとよく合いました。

付け合わせの野菜のグリル（人参、玉ねぎ、蕪、インゲン他）も旨味が凝縮されていて美味しかったです。

・デザート　ルバーブのクリームブリュレ、焙じ茶のパンナコッタ、キャロットとシナモンのケーキ　クリームチーズと胡桃添え、青梅と蜂蜜のグラニテ　
・コーヒー/紅茶/ハーブティー

甘く酸っぱく煮込んだルバーブが入ったクリームブリュレやキャロットのケーキが印象に残りました。
焙じ茶の香ばしさと滑らかな食感のパンナコッタも美味しく、爽やかな梅のシャーベットは口をさっぱりリフレッシュさせてくれました。

飲み物は、ワインがグラス600円〜ボトル4,000円〜とかなりリーズナブルな品揃えで、埼玉の地ビール「COEDO」や越谷の日本酒「越谷の宿」等もありました。

2,000円で料理に合わせたグラスワイン3杯付いてくるアルコールペアリングセットがあったのでそれを注文してみました。
ワインには詳しくありませんが、すっきりしたスパークリング、カベルネブランとシャルドネのすっきり辛口の白、メルローの赤の3杯が出てきて、どれも料理によく合って美味しかったです。

料理は全般的に野菜の使い方が素晴らしく、サラダの冬瓜や各種ハーブ、スープのゴールドビーツ、豚肉のソースのジャンボニンニク、グリルの付け合わせの焼き野菜、デザートのルバーブやキャロット等、種類も豊富で印象的でした。
野菜だけでなく、5,000円のコースにも関わらず、魚料理、肉料理ともに2種の料理の組み合わせになっており、ボリュームや満足感も申し分ありませんでした。

サービス面はややカジュアルで高級レストランとは違いますが、住宅街のレストランらしく親しみが持てて好印象でした。
テーブルに置いてあったランプがお洒落で素敵だったので、聞いてみると色々教えてくれたりもしました。

お支払いはコース5,000円+アルコールペアリング2,000円=税込7,700円でしたが、この内容で1人8,000円以下は驚愕のコストパフォーマンスです。
サービスや雰囲気は値段相応かもしれませんが、料理やグラスワインは２倍の値段でも驚かないクオリティの高さです。

このお店が近所にあって良かったです。
これからも季節毎に通いたいお店です。