5回
2017/08 訪問
素材の力と組み合わせの妙と
夏のレフェル。
今回もランチで、食べ友さん達と訪問。
コースは一万円のみ。
当日の内容は以下になります。
*ハロー〜 毛蟹、ピーマン、茴香/かぼすと日本酒
*アップルパイのように #29〜 雲丹、穴子、海苔
*夏〜 鮎をうるかの香りで、枝豆、米酢、芋茎
*定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*マイグレーション〜 とうもろこしの冷たいスープと発酵乳、モーレネグロ
*森のむこうに/狩りの記憶〜 夏鹿のロティとムール貝、茗荷、茄子、大葉、青梅
*木陰の涼〜 メロン、ヨーグルト、朴の葉、カフェ
*お薄 & World peace
*小菓子
今回は、夏のスペシャリテである鮎が目当てだったのですが、さすがに美味しい。
とはいえ、鮎もメインの鹿も、少し気になった点があったかな(後述)。
最近ずっとシェフが不在がちなのが影響してるのかは不明ですが、ここ2回ほどは以前の完璧さがわずかに影を潜めてる気が。
ただ居心地の良さは相変わらずで、料理のレベルはそれでも都内のフレンチでもトップクラスだし、満足度がとても高いことは変わりがない。
今後も通い続けることは必至。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の詳細です。
*ハロー〜 毛蟹、ピーマン、茴香/かぼすと日本酒
下に赤ピーマンのムース、シェリーと醤油の層を挟んで、上にウイキョウの泡。
赤ピーマンムースの甘みと毛ガニの甘みが良い相性で、蟹臭さをウイキョウが和らげ、シェリービネガーは蟹の甘みを引き出す。
素直に美味しい。
かぼすと日本酒のソルベも、さっぱりして美味しかった。
*アップルパイのように #29〜 雲丹、穴子、海苔
アツアツ♪
海苔の風味が濃くて、旨みがたっぷり詰まったアップルパイ。
*夏〜 鮎をうるかの香りで、枝豆、米酢、芋茎
最初に、アイスフィルトレーションによる鮎のコンソメ。
雑味が無い綺麗な味で、さすがの美味しさ。
今年の夏は数か所で鮎のコンソメを頂きましたが、別格の美味しさ。
次に料理が出てきます。
鮎は、半身と頭はフライパンで素焼きにし、半身は笹の葉で蒸し焼き。
少しうるかの香りが強くて、鮎の繊細さを損なっていたかな。
ただ、枝豆のソースがそれを和らげる優しさで、合わせて食べると美味しい。
この辺りの計算が、ここのスゴイところ。
笹の葉で蒸した方は、とても柔らくてしっとり。
この火入れは相変わらず見事。
また、揚げ焼きの方は香ばしく、もう少し頭がカリッとしていても良いかな?と思うものの、素直に美味しい。
*定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
夏場のこの時期だけの青森野辺地産の蕪。
瑞々しさが素晴らしく、夏場にしては甘味が濃くて、でも辛みも適度にあり、そのバランスによる味の立体感・奥深さが素晴らしい(去年の感想をほぼコピペ・・・)。
まさに逸品。
*マイグレーション〜 とうもろこしの冷たいスープと発酵乳、モーレネグロ
モーレネグロというのはメキシコの郷土料理(調味料)で、こちらではカカオにハーブ・トウガラシなど30種類以上を使ってます。
とうもろこしのスープ自体は、割合オーソドックスな味わい。
がっ、これを混ぜると深みが出て、とても美味しい。
とうもろこしの甘さを、少しの辛さが際立たせ、ハーブの香りは奥行きを与え、カカオがキレを与える。素晴らしいな。
あ、サワークリームも付いてましたが、これは無くても・・(汗)。
*森のむこうに/狩りの記憶〜 夏鹿のロティとムール貝、茗荷、茄子、大葉、青梅
夏鹿をロティし、ムール貝のピュレ、大葉を鹿の間と上に。
狩りで森の中に隠れる鹿をイメージしたそう。
あっさりとした鹿肉にコクを出すためのムール貝の旨みがやや強くて、繊細な鹿の風味を少し損なう感。
まあ、これはこの方がコクがあって良いと言う人もいそうなので、本当に好みですが、
鹿は、あえてか、ムンと香るような野性味があります。結構好み。
これを大葉が和らげてくれて良いのですが、大葉の方が少し強くて、鹿の風味を超えてる感。
*木陰の涼〜 メロン、ヨーグルト、朴の葉、カフェ
朴葉のアイスにヨーグルトピュレ、コーヒー味のスポンジ。
上にスライスした夕張メロンをたっぷり。
ヨーグルトやメロンのさっぱりとした甘みが美味しい。
朴葉のアイスは少し香ばしくて、全体の甘さの中で良いアクセントになってました。
またサービスの方が言ってたように、花紫蘇が何気に効いてて、全体に香りに依る立体感ある清涼を出してます。
*お薄 & World peace&小菓子
以上です。
2017/09/07 更新
2017/05 訪問
素材の力と組み合わせの妙と
春のレフェル。
ランチは、3種類(10000円1種と7000円2種)あったコースを1種類(10000円)に絞り、より高みを目指す方向。
個人的には、大賛成。
当日の料理は、以下になります。
*アミューズ 鳩、伊勢海老、豆と紫蘇
*アミューズ アップルパイのように #28〜 蛍烏賊、茴香、虎杖
*市井の山居〜 あいなめの乳清ポシェと山菜たち、山椒ラヴィゴット、マッシュルーム&ブラックオリーブ
*定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*温もり〜 新玉葱のスープ、川俣シャモと月山筍、発酵クリームと甘海老のカラメル
*遺産〜 白金豚を薪火で、蕗の薹とブルーチーズ二世古空、あおさのりと春キャベツ
*陽だまりの縁側〜 ”ビワ・マンジェ”と甘酒のムース、抹茶ケック、品川萩の花のアイス
*お薄 & World peace 小菓子
今回も素晴らしかったです。
特に良かったのは、この日から出した新作だという、鳩と豆を使ったアミューズ(通称:鳩が豆鉄砲を食らった的アミューズ)。
レフェル定番の、ジュレやムースに魚介と泡を合わせたものですが、従来の野菜系のムース・ジュレと違い、下が鳩のコンソメジュレ。旨みが濃厚な鳩のジュレに、伊勢海老や豆の甘みが非常に合う。定番のアミューズが、一段レベルが上がった印象。
常に進化を続けるレフェルらしさに感動を覚える。
また、鳩が豆鉄砲というエスプリにも、感動・・・かどうかは控えます。(^-^;
また、コースを絞った結果、ディナー(か7000円のランチコースの前菜)で定番のアップルパイを、ランチ10000円のコースにも出すようになりました。お値段据え置きで、従来より1品増える形。
そのアップルパイは、vol.28。その数字は、お店の歴史を伝える数。
蛍烏賊の肝の旨みがパイの熱で活性化され、茴香(ういきょう)の爽やかさや虎杖(イタドリ)の酸味が、蛍烏賊の魚介の臭いを拭い去り、まったりとした旨みが残る形。
まるで、上質な烏賊の塩辛みたいな味(あれっ?あんまり美味しそうな感じがしないかも??でも、美味しいですよ)。
必ず出る蕪の料理は、冬の名残の甘みを主体に、夏の辛みを余韻に残す春らしい味。
複雑みがあって、5月の蕪も美味しいな。
新玉ねぎのスープも美味しかった。
新玉ねぎの甘みに軍鶏の出汁の旨みが加わったスープは、単独でも美味しい。
それに、発酵クリームの酸味とまろやかさ、さらに甘エビのカラメルの旨みと香りが加わると、複雑玄妙な味となり、さらに素晴らしい。
甘エビのカラメルが加わることで、その甘みや香ばしさが、玉ねぎの甘さに複雑みを与え、その香ばしさで味にグッと締まりが出るんです。こういう工夫が素晴らしいな。
また、軍鶏のしっとり加減にも驚愕。固いイメージがある軍鶏肉ですが、旨みがありつつ柔らかくて、ほんとしっとり。これも素晴らしい。
メインは、レフェルでは初めての豚料理。
しっとりと仕上がった豚は、脂の甘みと身の旨みのバランスが良い。
ふきのとうの苦みやブルーチーズの塩気・旨みが加わることで、それらの要素がより立体的になる。
また、薪火による微かな燻香も、豚の脂身からクドサを除いて甘みだけを残す形。
此方で出る鳩や鹿・鴨などの赤身系に比べると少し印象が弱いですが、それでも美味しいです。
デセールは、ビワを使った料理。
さらに、レモンの酸味、甘酒のムースのコク、抹茶ケックの苦み、品川萩の花のアイスの香りと、複雑さある組み合わせ。
今回は、その組み合わせがいつもよりはツボではなかったですが、美味しいことは美味しい。
ということで、今回も大満足。
美味しかったー。
サービスは、相変わらず心地よい。
あ、ノンアルコールのペアリングを久しぶりに頼みましたが、いまいちツボではなく・・。
初夏の昼間に、温かいドリンクが複数なのと、料理と同じ要素を組み合わせたペアリングなので、少しくどくなりマリアージュの妙をあまり感じられないというか・・。
連れのワインのチョイスは良かったです。
ご馳走様でしたー。
2017/06/03 更新
2017/01 訪問
素材の力を極限まで昇華
冬のレフェル。
前回訪問時に、こちらの冬のスペシャリテである鴨の話で盛り上がってその場で予約。
いつも通り、おでかけ(1万円)のコース。
内容は、以下になります。
*一献 日本酒と白ワインの温かいカクテル
*厳冬の候〜ぼたんえび、ビーツ、みかん、にごり酒
*雪見〜甘鯛の乳清ポシェ、根セロリ、オリーブオイル
*定点〜蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*寒さとともに〜毛蟹とさつまいものスープ、鱈の白子と猪のキャラメル、塩漬けレモン
*囲炉裏の暖〜天然網取り真鴨を薪で、ソース・アバ、ホタテと焼き海苔のジュ、椎茸、縮みほうれん草
*溶け合う〜熟成栗と山ぶどうのモンブラン、ブルーチーズのメレンゲ、ラムアイスクリーム
*お薄 & World peace
*小菓子
相変わらず、素晴らしいです。
鴨はさすが網取り。
コクがあって、香りも高い。
薪の香りも程よくて、鴨の香りに深みを与える。
なお通常は養殖の鴨のようですが、前述の鴨の話をした際に天然の網取り鴨の話が出たので、用意してくれたとか。
その心遣いが嬉しい。
また、甘鯛のポシェにも驚愕。
甘鯛を一晩乳清に漬けることで、まとった少しの酸味が身の甘みを引き出し、身の水分も軽く抜けてしっとり仕上がる。
すごいです。
食材の力を極限まで引き出す調理への研究心と技術には、唸る他ない。
サービスも、通っていることもありますが、とても心地よく素晴らしい。
今年も通うと思います。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の詳細です。
*一献
白ワインと日本酒の温かいカクテル。
とても寒い時期だったので、その温かさがとても嬉しい。
*厳冬の候〜ぼたんえび、ビーツ、みかん、にごり酒
ビーツの香りがとても良いことに、まず驚く。
ディルの泡も、存在感がすごくある。
素材の力や香りを生き生きと引き出す技術には、相変わらず驚嘆。
牡丹海老は山葵の風味にし、牡丹海老の甘みを引き出しつつ、ディルの泡の爽やかさやビーツの土臭い甘さとの調和を図る。
甘さをビーツと牡丹海老、その甘さを浮かび上がらせる爽やかさを山葵とディル。異なる甘さと爽やかさを合わせて、味にグラデーションを付けるのがとても良いな。
*雪見〜甘鯛の乳清ポシェ、根セロリ、オリーブオイル
甘鯛はうろこをサクサクに仕上げるのが定番ですが、あえて身の美味しさに焦点を当て、うろこを除いたそう。
乳清に一晩漬けて、その酸味で甘鯛の甘みを引き立て、75℃の乳清で3分間ポシェ(茹でる)し、しっとりと仕上がる。
そのしっとり加減も素晴らしい。
根セロリの軽い苦みが、やはり甘鯛の甘さを浮かび上がらせ、オリーブオイルの爽やかさはその甘さと良い対比。
甘鯛の出汁もソースとなっており、旨みに深みを与える。
かなり感動モノの皿。
*定点〜蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
定番。
冬の蕪はさすがに甘くて、とても美味しい。
夏の瑞々しさも良いですが、この甘みと旨みにしみじみ。
*寒さとともに〜毛蟹とさつまいものスープ、鱈の白子と猪のキャラメル、塩漬けレモン
鱈の白子はフリットにしており、熱々。
白子の旨みとサツマイモの甘さ、毛ガニの甘み、イノシシのキャラメル(黒糖を加えたイノシシの出汁を煮詰める)の甘さと旨み、色々な甘さと旨みのグラデーション。
さつまいもの甘みが少し出過ぎている感があったものの、さすがの美味しさ。
特に、イノシシのキャラメルをまとった毛ガニの味の深さに感動。
*囲炉裏の暖〜天然網取り真鴨を薪で、ソース・アバ、ホタテと焼き海苔のジュ、椎茸、縮みほうれん草
千葉の天然網取り鴨。
味がとても深くて、コクがある。網取りらしい艶めかしさのある香りにも、うっとり。
薪の香りも、その香りと良いハーモニー。
最初に薪の香ばしさと懐かしさが来て、その後の網取り鴨の艶めかしい香りがぐっと来る。
皮目は、サクサクに仕上られるよう細かい切れ目が入れられ、かつ身まで切らないように、手術用のメスを使っているとか。
すごい発想。ほんとサクサクです。
鴨のアバ(内臓)を使ったソースは重くならず滑らかでコクがあり、さらに帆立と焼きのりのジュが異なる旨みを与えて、味の複雑さに拍車。
超悶絶ものの美味しさ。
*溶け合う〜熟成栗と山ぶどうのモンブラン、ブルーチーズのメレンゲ、ラムアイスクリーム
熟成した栗は、味に深みがある。
シャーベットにした山ぶどうの酸味、メレンゲにしたブルーチーズの塩気が、モンブランの甘さやコックリ感を引き出すとか。
成程、その通り。
ラムのアイスクリームも、さすがの美味しさ。
*お薄 & World peace
*小菓子
*コーヒー
コーヒーを出すようになったのですね。
ケニアの豆を使っているとかで、その酸味が食後には心地よい。
以上です。
2017/02/06 更新
2016/11 訪問
楽しさと驚きに満ちたレストラン
【2016年11月訪問】
相変わらず人気のこちら。
オープンテーブルか食べログで2か月先までのネット予約が可能なのですが、休日ランチはなかなか空いてない。
がっ、ある日ふと本サイトを見たら、1か月先の祝日ランチが空いてるっ!
思わずポチッとして訪問。
久しぶりの秋晴れが気持ち良い。
(ただ、逆に光の加減で写真はイマイチでした・・・)
今回もお出かけコース(10000円)をお願いしました。
内容は以下になります。
*覚醒~
セップ茸、かわはぎ、九条葱
*初秋に~
鱧の揚げ焼きと乳酸発酵させたコールラビ、ビーツ、山山椒のオイル
*定点~
蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*ゆるやかに~
冷たい枝豆のスープ、猪のジュレ、伊勢海老、雲丹、レモンバーム
*美しい秋に囲まれて~
ヴァンデ産の鳩の炙り焼きと浅蜊のジュ、里芋、ポロネギ、トレビスの枯葉、アバのアクセントで
*結婚~
山羊乳のティラミスとナガノパープル、紫いも、マクヴァンデュジュラ、マリーゴールドの花と葉と
*お薄 & World peace
相変わらず、素晴らしい。
なんといっても、鳩ですよ。
とても香ばしい香りをまとい、さすがの火入れ。
柔らかくてジューシー。
アバ(内臓)を使ったソースにも悶絶。
また、アサリのジュ(出汁)も鳩にすごく合っていて驚き。
それ以外も、アミューズのセップ茸の香りに感動し、鱧の火入れに感嘆し、蕪のジューシーさに目を細め、枝豆のスープのこっくり感に唸り、山羊乳のティラミスの創造性に拍手。
サービスは相変わらずスキのない心地よさだし、幸せな時間を過ごしました。
冬は鴨(国内の網獲り)を出す予定とのことで、その場で予約を入れ帰途に。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の詳細です。
最初に、ボジョレーの赤ワインと日本酒のカクテルが、まずは一献ということで出されます。
なんか、ほっと一息つけますな。
*覚醒~
セップ茸、かわはぎ、九条葱
左の器は、下にセップ茸のピュレ、上に葱の泡。間にカワハギのタルタル。
セップ茸がとても香り高い。葱の香味と良い対比。
カワハギの旨みがその間をつなぎ、そのグラデーションが楽しい。
右の器は、リードという蜂蜜のお酒とリンゴジュースの、液体窒素で凍らせたソルベ。
さっぱり♪
*初秋に~
鱧の揚げ焼きと乳酸発酵させたコールラビ、ビーツ、山山椒のオイル
鱧は肉厚。
そして、骨切りが上手。
焼き方も、表面カリカリで中はジューシー。
乳酸発酵により酸味を持ったコールラビという蕪みたいなものが、鱧の脂を上手く切ってくれ、最後まで飽かずに食べられる。
山山椒のオイルも、良いアクセントに。
ビーツと鱧の相性は普通な感じかな。
*定点~
蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
夏限定の野辺地蕪が、まだありましたっ!
相変わらずジューシー。
甘さと少しの苦みがタマラない。
*ゆるやかに~
冷たい枝豆のスープ、猪のジュレ、伊勢海老、雲丹、レモンバーム
枝豆のスープには少し鰹出汁を入れてるそうで、そのためこっくりとした甘さの中にも軽さが出てる。
その甘みに対し、猪のジュレが旨みを、伊勢海老と雲丹が甘みを層状に重ね、レモンバームの香気が全体を引き締める。
素直に美味しい。
生江シェフは滅多にスープは作らないそうですが、かなりの感動モノ。
ちなみに、シラー・メルロー・カベルネソーヴィニョンがセパージュのシリア産ワインと合わせましたが、意外にもその超スパイシーな風味が、スープの甘みを余韻として長く残し、新鮮なマリアージュでした。
*美しい秋に囲まれて~
ヴァンデ産の鳩の炙り焼きと浅蜊のジュ、里芋、ポロネギ、トレビスの枯葉、アバのアクセントで
もうね。感涙にむせびましたよ。
エトフェの鳩は火入れが素晴らしく、アサリのジュの旨みと非常にあってる。
鳩は内臓が美味しいのですが、その内臓のソースは軽やかながらコクがあり、これまた鳩の身肉と相性抜群。
枯葉のように茶色に火入れしたトレビス(チコリ)の苦みが、良いアクセント。
言葉が見つからない美味しさ。
*結婚~
山羊乳のティラミスとナガノパープル、紫いも、マクヴァンデュジュラ、マリーゴールドの花と葉と
マスカルポーネの代わりに山羊乳のミルクとチーズを使い、上にココアパウダーの変わりに葡萄のパウダー、生の葡萄(ナガノパープル)や紫芋のピュレ、マクヴァンデュジュラというデザートワインのジュレを添え、横に山羊乳ヨーグルトのソルベ。
山羊乳の少し癖があるミルクの味わいと、ブランデーっぽい香りのマクヴァンデュジュラのジュレは、大人味という点で良い相性。
生の葡萄の甘さが、その箸休め。
こういうのも楽しいですな。
*お薄 & World peace 小菓子
定番的ですが、味は少し変えてあったりして、最後まで楽しく頂けました。
以上です。
【2016年8月訪問】
鮎目当てで訪問。
今回もおでかけコース(10000円)。
当日の内容は以下になります。
*白ワインと日本酒のフローズンカクテル
*鱧、南瓜、バジル、すだち
*’16の夏〜 生き生きと焼いた鮎をそのコンソメと、自家製うるかとマッシュルーム、とうもろこし、クレソン、山山椒
*定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*とある池〜 スッポンと葱の冷たいジュ、アーティーチョーク、蓴菜、枝豆、雲丹、金蓮花
*焚き火の香り〜 蝦夷鹿の鞍下肉を薪で焼いて、帆立貝のムスリーヌ、赤ピーマンの炭化ピュレ、赤紫蘇、空芯菜
*真夏の果実〜 梅と桃、夏のハーブのジュレと軽いショコラブランのムース
*お薄 & World peace
*小菓子
暑い中を~ということで、まずは少量のフローズンカクテル(日本酒の風味が豊か)のサービスで涼を取らせてくれる。
料理は、アミューズからして素晴らしい。
南瓜のピュレの甘味、バジルの泡の香り、梅肉の酸味、鱧の旨み、どれも突出しておらず、非常にバランスが良い。
別容器のスダチと日本酒のソルベが、その感動をさわやかに鎮める。
鮎も名物だけあります。
最初に鮎のコンソメ。雑味がなくて澄んでおり、鮎の旨みを凝縮したような豊かな旨味。
鮎を使った出汁を凍らせて、そのあとに融点付近を保ち、ぽたぽたとしずくが落ちるのを待つ。
浸透圧による融点の差により、最後は氷(水)が残り(氷は捨てます)、その分垂れたしずくは成分が凝縮してるという、アイスフィルトレーションという技法だそうです。
むーん、まさに科学。分子ガストロノミーっすな。
そのあとに、鮎のご本尊登場。
頭は素揚げに、骨付きの身はうるかを塗って焼き、フィレは笹の葉に包んでせいろ蒸し。
肝のソースに、米酢を少し。米酢の使い方がとても良い。前面に出さずに鮎の旨みを引き出す加減。
頭はサクサク。そのままで香ばしく美味しい。
うるかを塗った骨付きの身は、品の良いうるかのコクが良いな。身はほくほく感ありつつ、骨はちゃんとサクサクで、この焼き方も見事で感動。
せいろ蒸しのフィレは、その柔らかさとふっくら・しっとり感が素晴らしい。
また生と抽出液を固めたパウダーとして使ってる山椒が非常に効果的。
鮎の味を邪魔しない程度に品よく、でも存在感あるようにバランスよく添え、そのセンスは見事。
ちなみに鮎は養殖ですが、以前生江シェフが、フレンチは養殖鮎の方が合うと言っていて(多分香りと脂の観点)、その通りかと。
定番の蕪にもびっくり。
時期による蕪の味の変化を楽しんで貰うため、調理法も盛り付けも変えず、必ず出て来る料理。
がっ、今回はいつもより瑞々しさが格段に違いつつ、夏場にしては甘味が濃くて、でも辛みも適度にあり、そのバランスによる味の立体感・奥深さが素晴らしい。
いやっ、これっ、いつもと格段にレベルが違う。
支配人の青島さんに、「調理法変えないと言ってるけど、今回変えてません??」と思わず聞きました。
すると「変えてません。でも実は、7月・8月の2か月だけは、産地が違う蕪を使ってます。」と、ドヤ顔で言われました(^^ゞ
いつもは千葉・東庄産ですが、この時期限定で青森・野辺地産のものを使っているそう。
なんでも、植物が水を活発に吸い上げる夜中に収穫をするそうで、そのため瑞々しいのだとか。
へーーーーー。
生粋の千葉県民な私ですが、蕪は青森に軍配を上げます。
すっぽんの出汁ジュレを使った料理は、その品の良い旨みとアーティチョークのほくほくした甘味がとても合う。
少し似た風味の枝豆のピュレでグラデーションを付けてるのも見事。
蝦夷鹿も相変わらずの神火入れ。
下に敷いた帆立のムースリーヌは旨みが素晴らしく、淡白な夏鹿に旨みを与える。
赤ピーマンを焦がしてピュレにしたものは、その軽い苦みが鹿の旨みに輪郭を与える。
赤紫蘇の軽い酸味と甘みも同様。
デザートは、桃の甘さと梅の酸味で爽やかに。
ただ、これは料理の素晴らしさに比べるとやや普通か。
顔を覚えてもらっている分サービスも心地よく、またワインも今回はとても良かった。
大満足。
ご馳走様でしたー。
【2016年2月訪問】
またもやランチで訪問。
この時期のスペシャリテである鴨が目当てだったのですが、フランスの鶏インフルの影響で、九州の赤牛になってました。
なので、いつものおでかけコース(10000円)ではなくて、7000円のコースにしました。
2種類あるうち、海と大地が出会う場所へというコースを選択、当日の料理は以下になります。
*アミューズ ぼたん海老、雲丹、カリフラワー / みかん、ビール
*とっても寒い日~ 鱈の白子のポワレ、マッシュルームと春菊のスープ、加賀蓮根、むかご、かぼす
*定点〜蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*冬の寒さの喜び~ホロホロ鶏を炭火で、大根のソテとそのジュ、シャントレル茸、みる貝、わさび菜
*心も体も温まる~ショコラノワールのモワルーと寺田本家懐古酒のアイスクリーム、バナナ、伊予柑のソース、ピモンデスプレット
*お薄 & World peace
アミューズのカリフラワーのピュレが美味しかったな。
白子のポワレは、ポワレ自体は火が入り過ぎでイマイチ。
マッシュルームのスープは、滋味深い一方で軽さもあり、美味しかった。
定番の蕪は、冬なので甘みが良い。
ホロホロ鶏はさすがの火入れ。塩麹や甘酒を使った軽いけど旨みあるソースが美味。それで煮た大根のソテも美味。
デセールはフォンダンショコラ。切った時、もう少しトロッと流れ出すと嬉しいかも。とはいえ、味自体は甘みと苦みのバランスが良くて美味しい。
全体的に美味しいけど、前回には遠く及ばず。
やはりここのランチは、スペシャリテを凝縮したおでかけコースを頼むべきだと痛感。
とはいえ、そこそこには満足。
いちおう点数はそのままで。
会自体はすごく楽しかった。
ご馳走様でしたー。
*訪問回数が多くレビューが長くなったので、今回のアップに伴い昔のレビューは一部削除しました。
【2015年10月訪問】
リニューアルしたレフェルヴェソンス。
ランチで訪問しました。
行き始めたころと違い、週末のランチは超予約困難になってるんですね。
リニューアルした店内は、以前よりシックで落ち着いた雰囲気。
天井には木を張っていたりして、和を取り入れているとか。
コースのお値段は少し上がって、10000円(おでかけ)と7000円2種類の合計3コース。
おでかけを頼みました。
当日の料理は以下になります。
*極東のテロワール 鮑、黒大根、紫蘇の花 / すだち、お酒
*あたまからしっぽまで 鱧のお出汁 & 鱧のグリエ、南瓜、胡瓜、ヴィネーグルレデュイ、山椒
*定点 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*カルチャー フォワグラのナチュレルとマスカット、コンブチャ漬けセロリ、麹発酵乳、蜂蜜酒のジュレ、ライムとミント
*美しい農村風景 ヴァンデ産鳩の炙り焼きと内臓のソース、葱のコンソメ、スペルト小麦、花びら茸
*シュクレサレの一解釈 無花果、白味噌とホワイトチョコレートのムース、青柚子、ココナッツミルク
*お薄
アミューズでは紫蘇を効果的に使って、鮑の旨みと黒大根の甘みを上手く引きだしてた。
鱧はその出汁の余韻が、力強さで鱧の素材力を極限まで高めてくれる一方、山椒がくどすぎないよう上手く抑えてくれる。
定番の蕪は気のせいか以前より瑞々しくなっており、溢れる蕪のエキスは素材の力に溢れてる。
フォアグラは食感の滑らかさと脂の軽さは信じがたい程。ちなみにカルチャーは文化の他に培養と言う意味もあり、シェフが育てている発酵食品が効果的に使われています。
そして白眉は鳩!驚愕の美味しさ。
内臓のソースが軽やかながらコクがあって素晴らしい。
そしてまた、葱のコンソメが鳩にとても合ってる。
鴨葱ならぬ鳩葱の相性に感服。
鳩そのものも火入れが的確で、鳩の旨み・香りが完璧に閉じ込められてる。
鳩好きとしては、感涙にむせぶほど。
生涯一番の鳩。
前回鹿で感動しましたが、今回も同様。
デザートにも感動。
イチジクに対し、白味噌のムースを使ってる。
日本料理でも、イチジクの白味噌餡掛けとかありますが、そういう発想。
そして流石に合ってる。
青ゆずもそういう意味で非常に効果的。
そこへホワイトチョコやココナッツミルクパウダーを合わせていて、それらもきちんと調和しているところが非凡。
それらにより、きちんとデザートになってるし。
最後はお茶を点ててくれたのはびっくり。
しかもちゃんとした作法で。
お茶かなり良いものを使ってます。
内装もそうでしたが料理も、より和を意識したものになってました。
その和の要素は、和の素材を効果的にアクセントにしているところが特徴。
一方で和の概念、つまり素材の力を引き出して生かすというところも、より進化してました。
独自の哲学に基づく、日本におけるフレンチの再構築。
フロリレージュの川手シェフも和を意識した方向へとチェンジしましたが、生江シェフが今のところはずっと先を歩いている感じ。
ほんと感動します。
サービスも感じが良くなっていました。
またすぐに伺う機会があるので楽しみ。
ご馳走さまでしたー。
【2012年5月訪問】
マイレビュアーの方々がこぞって行かれて絶賛されているお店。
遅まきながら、連れとランチで伺いましたーー!!
西麻布の裏手に店はあります。
入り口には緑があって、シックなエントランス。
店内からも、緑が見えて良いですね。
ちなみに、店名のレフェルヴェソンスというには泡を意味していて、壁や絨毯、料理にまで泡を意識したモノが使われています。
その泡には、活性化する、元気にするという意味があるとか。
こちらでの楽しい時間を過ごして、それが活力に繋がり、世の中が活性化していけばという願いが込められているそう。
こちら、ランチは4800円が2種と、スペシャリテを凝縮したという7500円の1種。
どーせならということで、7500円のコースをお願いしました。
○アミューズ
ホタルイカのムース レモンタイムの泡
ホタルイカのムースの上に、立川産の独活を忍ばせ、さらにレモンタイム(ハーブ)の泡。
横には、-198℃の液体窒素で凍らせた同じくレモンタイムのシャーベット。
レモンタイムが、ホタルイカの臭みを良い具合に消してくれます。
独活の香りも一役。
ただ、それでもホタルイカの臭みがちょっと・・。
スモークとかして旨味をもっと純化させて欲しい気もしましたが、まずまず美味しい一皿。
何より、泡にダイブするイカという見た目が楽しいし♪
○アイナメの低速調理とアサリのピュレ、オリーブオイルのエミュルション、
菜の花 酸味のある葉たち
低速調理って、火を入れては保温庫で休ませるを繰り返すそう。
肉では用いる手法ですが、魚では珍しいですかね。
で、そのアイナメはふるふるのぷりんぷりん。
今まで食べた事が無いような食感!
刺身よりみずみずしいアイナメ。
しかも、火を通すことで旨味が活性化されてます。
いやー、びっくり♪
そして、アサリのピュレがさらに旨味を与えます。
オゼイユ オキザリスといった酸味のある葉が良いアクセント。
海の豊穣を喚起させる一皿。
かんどー!
○丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルション、
ハモンイベリコ&ブリオッシュ
4時間掛けてローストした蕪を、バターを塗って焼き上げるそう。
切ると湯気と水分がジュワッと溢れる、溢れる・・。
ローストして甘みが出るのかと思っていたのですが、それ程甘みはなくて、蕪のエキスをそのまま頂くような感じ。
ローストしたのに生の蕪よりみずみずしい不思議な蕪。
そのままだと甘みは少ないですが、ハモンイベリコと一緒に頂くと、その塩気が蕪の甘みを引き出してくれ美味しい♪
○海と大地と~
フォワグラのナチュラルと昆布のピュレ、
日向夏、マスカルポーネ、ピスタチオ、セルフィーユ
塩のみでマリネしたフォワグラは、柔らかくトロけます。
フォワグラ特有の癖も無くて、フォワグラの旨味だけが純粋に存在するような軽やかさ。
びっくりするくらい素材が生きた味。
添えられたソース類も、昆布はいまいちピンと来なかったですが、マスカルポーネの甘みがすごく合っていました。
日向夏の酸味も、後口を爽やかにしてくれイイ感じ。
ピスタチオの香ばしさも良いアクセント。
旨いわー♪
これにも感動。
○春の匂い~
オーストラリア産仔羊ロース肉ロティとそのジュ&トマトのコンフィチュール
ほろ苦いフキノトウとブロッコリーのピュレ、新玉葱、胡椒草
皿の上に春が踊ってます♪
春が旬の仔羊は、とっても柔らかい♪
そしてジューシーです♪
それに、ほろ苦いフキノトウのピュレがとても良く合います。
春の香り♪
仔羊は草の香りがするので、こういう草っぽいソースって良く合いますね。
そこに春の味覚の特徴である苦みを持ってくるセンスが良いです。
で、付け合わせの新玉葱がとっても甘い。とろけるくらいに甘い。
ふきのとうの苦みと良い対比。
素晴らしいです。
○春の畑に日が沈む~ 苺とルバーブのコンポテ、
新生姜とフロマージュブランのアイスクリーム、牛乳の泡を焼いて
真ん中のセンベイみたいなのは、牛乳と苺を焼いたモノだそうです。
沈む夕陽をイメージしているとか。
これが素晴らしかったです。
口に入れるとシュッと溶けて、イチゴミルクの味が口中に広がります。
この食感と趣向にもびっくり。
アイスクリームと苺とルバーブは普通に美味しく。
○小菓子
杏のゼリー、チュッパチャプス(通称:パチパチくん)、バラのマカロンなど
詳しくは書きませんが最後の小菓子も、驚きと楽しさ・美味しさに満ちたものでした。
○ハーブティー
マーロウとレモングラスを使ったハーブティー。
初めの一杯はブルーですが、2杯目は薄紅に変わります。
家内はそのマーロウの特性(レモンを入れるとブルーが赤に変わる)を知っていて、2杯目を入れる前からその趣向を言いやがった・・・。
可愛げないなー。
まー、でも、会話の無くなった夫婦の(汗)、話題作りにはなりましたよ♪
最後まで楽しませてくれる店です。
サービスもグランメゾン級で素晴らしいです。
緊張を強いない親しみのある中にも、行き届いた目配りと心配り。
説明も的確だし、レストランで過ごす時間を心から楽しめました。
ということで、料理に色々な驚きが詰まったお店。
それが、見た目のサプライズとかではなくて、食感や味など、食べた時のサプライズに満ちています。
本当に素晴らしい。
個人的に現代フレンチって、見た目のサプライズほどは味にサプライズを感じられないことが往々にあって、人気店の某Aや某Fもそれ程高い評価は付けていないのですが(スイマセン)、ここは本当の意味で料理に驚きと感動がありました。
楽しさもあって、素晴らしいです。
☆満点ですが、それ以上を付けたいくらい。
此方を薦めて下さった、森のコロちゃんさんや葡萄党幹事長さん、えこだねこさん、またレビューしてくださった全ての方々に深く感謝します♪
2016/12/08 更新
秋のレフェル。
秋は鳩がメイン。
鳩好きとしては、行くしかない。
通されたのは、円形の半個室の席。
メインダイニングと、かなり隔絶された感じで、プライベート感が高い。
コース1万円のみで、この日の料理は以下になります。
*ハロー〜 秋刀魚、ビーツ/マスカットとすだち
*アップルパイのように #30〜かさご、ラルド、黒トリュフ
*生命力〜 鱧の炭焼きと洋梨、大根、山椒と白味噌、赤ワイン酢の煮詰め
*定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
*陰と露〜 牛たんと木の子たちの南瓜スープ、発酵乳とはしばみオイル
*紅い空、紫の海〜 鳩を稲藁で炙って、その内臓のソース、生姜のきいた北寄貝、賀茂茄子、紫蘇の花
*スタッカート〜 ぶどうたちとほうじ茶のアイスクリーム、モスカートダスティのジュレ、ベルヴェーヌとブルーチーズのムース、金木犀の花
*お薄 & World peace&小菓子
前回に比べると、味のバランスも良くて、全体的に美味しかったです。
鱧とスープが、特に良かった。
ただ、以前のような研ぎ澄まされた完成度に比べると、美味しさや精緻さよりも遊び心に振った感のある料理となってますかね。
春は豚、夏は鮎と鹿、秋は鱧と鳩、冬は鴨と、季節ごとのメイン食材を固定し、毎年少しずつ調理を変えていく此方の手法自体に、少し難しさがあるのかも。
それはそれで楽しいのですが、鳩なら2年前の方が・・とか、鮎なら去年の方が・・とか、毎年行ってるとどうしても比べてしまう。
レシピを変えるという行為の結果、さらに良くなるとは限らないので。
もちろん十分に美味しくはあるのだけど、感動はあまりなくなってきたというか。
ほんと難しい。
サービスは、いつも担当してくれてたシキさんがボンヌターブルに異動になり、寂しさも。
もちろん、サービス自体は素晴らしいのですが、個人的にはシキさんのサービスが好きだったので。
そんなこんなで、通うの少しお休みすると思います。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の詳細です。
*ハロー〜 秋刀魚、ビーツ/マスカットとすだち
秋刀魚は生で、下にビーツのムースと上に生姜の泡。
ビーツの甘さと土臭さに、秋刀魚の旨みが合ってました。
生姜が出過ぎてないのも良いな。
*アップルパイのように #30〜かさご、ラルド、黒トリュフ
アツアツ。
齧ると、黒トリュフの香りがふわん♪
ラルド(豚の背脂)のコクをカサゴが受け止め、まとまりがある味。
*生命力〜 鱧の炭焼きと洋梨、大根、山椒と白味噌、赤ワイン酢の煮詰め
これはとても美味しかった。
鱧は、軽く湯通しした後、皮目に沿って油を流し、パリッとさせる。
その後、炭の上に直接置いて、炭の香りを付ける。
その通りに、皮目がパリッとしつつ、身はほっくりで甘い。
洋梨のねっとりとした甘は、鱧の香ばしさと良い対比。
赤ワインビネガーのコクと酸が、やはり鱧の旨みを引き出す。
網で獲った鱧をイメージして、酢でマリネした大根を周囲に巻いてるのですが、それはあまり合わなかった感が・・。酸をまとった大根の爽やかさと水分が、鱧の香ばしさや甘みを削いでる感じで。
爽やかさを与えるには、赤ワインビネガーのソースと山椒で十分な感じです。
なので、ぐるぐる巻いてる大根を外して鱧を食べ、後に後口をリフレッシュする意味で大根を食べると美味しい。
*定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
寒くなってきて、甘みが乗ってきた蕪。
でも、まだ辛みも残っていて、その複雑みが嬉しい。
*陰と露〜 牛たんと木の子たちの南瓜スープ、発酵乳とはしばみオイル
南瓜のスープの甘み、牛タンのコク、キノコの旨み、発酵乳の爽やかさと甘みと、色々な旨みや甘みが絡み合い、でもバランスが取れてる。
まさに、レフェルの真骨頂。
それを、はしばみオイルの香ばしさが引き締める。
秀逸な皿。
*紅い空、紫の海〜 鳩を稲藁で炙って、その内臓のソース、生姜のきいた北寄貝、賀茂茄子、紫蘇の花
ヴァンデの鳩。
少し燻香が強過ぎて、鳩の香りを損なっていたのは残念。
内臓のソースは思ったより上品で、その分、北寄貝のエキスで作ったソースが補完し、美味しい。
紫蘇の花の爽やかさが、燻製香がやや鼻につくのを抑え、何気にすごく良い働きをしてました。
*スタッカート〜 ぶどうたちとほうじ茶のアイスクリーム、モスカートダスティのジュレ、ベルヴェーヌとブルーチーズのムース、金木犀の花
ほうじ茶のアイスが、香ばしくて良いな。
モスカートダスティという甘口の白ワインのジュレは、ぶどうと合わないはずがなく。
ブルーチーズのムースが、ほうじ茶の健全に対して色気を運び、複雑みがある。
これもバランスが素晴らしくて、美味しい。
*お薄 & World peace&小菓子
以上です。