きゅいそんさんのマイ★ベストレストラン 2017

フレンチと日本料理中心のレストランガイド

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きゅいそん (男性・千葉県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

2017年は遠征が多かった年でした。
色々とお誘いを頂いたお陰で、京都や名古屋へ行く機会が多かったです。
とはいえ、やっぱり気に入って通っているお店に愛着が湧くのが人情で、都内のよく通ってるお店が上位になりました。
10店舗選ぶというのは本当に難しく、ベスト10以外では、にい留(名古屋)・斎華(京都)・ペリレグリーノ(東京)・イチリンハナレ(神奈川)・猪俣(埼玉)などが特に印象に残っています。

外食に対する印象では、人気店の予約がどんどん取りづらくなっていること、高級店のコースの値段がますます高くなってるなということ。
ここ2~3年感じていることですが、2017年はますます拍車が掛かって来てた感。
飲食店バブルと表現する方がいますが、本当にそういう感じ。
正直、少しついていけなくなって来てる感があります。
はじけるのかまだまだ膨らむのか、少し遠巻きに見つめようかな?と思うこの頃です。

また久しぶりにベテランシェフのお店へ行ったら、やっぱり良かったというのもありました。
キノシタやトレフミヤモトなど。
つい新店や話題のお店へ行きがちですが、そういう長く頑張っているお店への訪問頻度を今年は増やしたいと思ってます。

マイ★ベストレストラン

1位

エクアトゥール (麻布十番、六本木、広尾 / イノベーティブ、フレンチ)

15回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 ¥20,000~¥29,999

2024/03訪問 2024/03/11

日本最高の隠れ家レストラン

もう何十回伺ったか分からないくらいお世話になってるフレンチ。
客数を絞り、スタイリッシュな雰囲気の中、小野料理とも言われるフレンチベースながらジャンルに囚われない料理と古酒含む銘醸ワインを頂けるお店。
本サイトのフレンチ全国1位。
定期訪問です。

六本木ヒルズから7~8分歩いたマンションの2Fにあり、カウンター6席と6名用の個室が一つ。
コースは28000円(税・サ別)。
この日の内容は、以下になります。

*香住のズワイガニ カリフラワーのピュレ コンソメのジュレ 蟹味噌と蟹の卵 甲殻類のソース
*スミイカのフリット 唐墨掛け 蛤 ふきと雲丹をソース替わりに ジャガイモのピュレ
*鮑と海老芋のフラン 鮑の肝のソース
*真鯛と筍のミルフィーユ仕立て ビネグレットトリュフ
*オマール海老 ハンバーグ ブリオッシュ フォンドボーのソース ベアルネーズソース トマトのコンフィ
*フォアグラの炭火焼き 大根 コンソメ
*マナガツオのポワレ 春菊のソース タコ 山クラゲ
*ラカン産鳩のポワレ 赤ワインのソース
*オリーブオイルで和えた麺 数の子 キャビア
*イチゴ 黒糖のアイス パートフィロ 黒蜜 黒トリュフ
*カフェ カヌレ

いつもより、少しシンプルというか素材一つ一つの役割が明確で、まとまりがより高くなってる感。
味付けも優しい感じで、とても美味しかった。
重ねる要素を少し絞ったことで、後味が綺麗になった感もある。
もともと、色々な味を重ね合わせてもバランスが取れているのが小野シェフの才であり真骨頂ですが、少し要素を絞ったことでより研ぎ澄まされた感が出てるような。
白眉はフォアグラ大根ですかね。
初代料理の鉄人である石鍋裕氏が流行らせ、一時は色々なレストランで見ましたが、最近はあまり見ない料理。エクアでは、フォアグラを炭火で焼くことで脂感を和らげ、輪郭がしっかりとしたとても美味しいコンソメを合わせる。
結果、コンソメ・大根・フォアグラという3つの要素のバランスが非常に良くて、まとまりがあり美味しい。コンソメの旨みに大根の甘み、フォアグラの甘みと旨みの均衡が素晴らしい。
鮑と海老芋のフランも、鮑の旨みに海老芋の甘さが非常にマッチしてた。

ハマグリの皿は、ハマグリや雲丹の磯の香りにふきの香りが非常に合っていて、その組み合わせにも感銘を受ける。

真鯛と筍のミルフィーユ仕立ても、ヴィネグレットの酸味が出過ぎていず、筍の甘みや鯛の旨みを引きだしつつ酸が気にならない塩梅の良さ。

火入れも良くて、鳩は滑らかでシルキーな仕上がりになっており、妖艶という言葉がぴったり。

などなど、今回はいつにも増して素晴らしい仕上がりでした。

マダムのチョイスするワインは、好みを知って貰ってるというのもありますが、これまた素晴らしい。
1982年(40年近く前!)のブルゴーニュ(ポマール)を出してくれたり。
まだまだ果実味が残り、エレガントと十分な輪郭を持っているのに感銘を受ける。
こういうワインをグラスで出すレストランは、さすがに他にはない。

また、今回もとても嬉しいサプライズがあったり、心温まる佳店。
今後もずっと通い続けたいと心から思う。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の感想を少し追記。

*香住のズワイガニ カリフラワーのピュレ コンソメのジュレ 蟹味噌と蟹の卵 甲殻類のソース

ズワイガニは甘みが十分で、カリフラワーのピュレの甘みで奥行きが。
コンソメの旨みに蟹味噌の旨みも加わり、美味しくないわけがないという・・・。
とはいえ、ちゃんとバランスが取れてるのが良いところ。

*スミイカのフリット 唐墨掛け 蛤 ふきと雲丹をソース替わりに ジャガイモのピュレ

前述の通り。
スミイカは甘い。
ハマグリは少し貝の香りがあり、それがフキとすごく合ってる。雲丹も同様。

*鮑と海老芋のフラン 鮑の肝のソース

前述の通り。
鮑の肝の軽い苦みと鮑の旨みを楽しんでいると、海老芋の甘みが不意に顔を出す。
その各要素の対比が楽しい皿。

*真鯛と筍のミルフィーユ仕立て ビネグレットトリュフ

真鯛は新鮮ながら旨みが十分。
筍は少しだけ渋みがあるものの甘みも十分あって、それらをビネグレットの柔らかな酸味が上手く引き出してる。酸味が穏やかなのが、素晴らしいと思う。大抵は、酸の要素が強いので。

*オマール海老 ハンバーグ ブリオッシュ フォンドボーのソース ベアルネーズソース トマトのコンフィ

オマールとハンバーグが意外にも合ってる。
品の良さと良い意味でジャンクな感じが共存してる皿。

*フォアグラの炭火焼き 大根 コンソメ

前述の通り。

*マナガツオのポワレ 春菊のソース タコ 山クラゲ

マナガツオは、ちょっと西京焼きっぽい。
春菊のソースは柔らかな風味で、マナガツオの風味を邪魔しない。
タコと山クラゲの食感のレベルが合っていて、食べていて面白かった。

*ラカン産鳩のポワレ 赤ワインのソース?

仔羊・牛肉・蝦夷鹿・鳩からの選択。
前述の通り、火入れが素晴らしい。
妖艶としか言えない・・。
悶絶。

*オリーブオイルで和えた麺 数の子 キャビア

数の子とキャビアの塩気で麺を頂く。
結果、塩気は控えめながら小麦の甘さを十分味わえる。
これも引いた良さが出てると思う。

*イチゴ 黒糖のアイス パートフィロ 黒蜜 黒トリュフ

デザートは3種から選べるのですが、こちらをチョイス。
素直に美味しい。黒糖と黒トリュフが意外に相性良し。

*カフェ カヌレ

以上です。
フレンチ部門日本一の此方。
定期訪問です。
夜は2部制で早い回は18時スタート。

この日の内容は以下になります。

*雲丹 ムール貝 クリームソース コブミカンの香り
*穴子のフリット 牛蒡のピュレ カレーオイル 木の芽
*毛ガニ 蟹味噌 トラザメのフカヒレ ポン酢風味のコンソメ 穂紫蘇 とびっこ
*ノドグロのポワレ ナンコツのガレット ナス ポルチーニのソテー タプナードソース
*炙り戻りガツオ キャビア エシャロット スモークした卵黄とフォン・ド・ボーのソース
*タラバガニのヴァプール ゆり根のピュレ ブールブランソース トマト風味 
*とらふぐ白子 黒鮑 魚介出汁のリゾット イクラ あられ
*フランス産仔羊のロースト ジュのソース
*鶏ブイヨンスープ 麺 秋トリュフ
*マスカルポーネ ナタデココ フランボワーズのソルベ 文旦 ハチミツ 黒トリュフ
*カフェ カヌレ

やっぱり素晴らしいなと思う。
色々と重ね合わせているのだけれど、焦点がしっかりとしてる。
何より良いのは、和や中華の素材を使ってもベースのソースやフォンはフレンチで、そのレベルが高い。なので、外さないし、どの皿もとても美味しい。
今回は少し塩が強いかな?と思う皿もありましたが、素材の質が高くて力強い分、それでもバランスは崩れない。
ワインが素晴らしいので、それも合ってると言えるし。
それにしても、毎回よく色々と手を変え品を変え、工夫した皿を出してくるものだと思う。

ワインはもう、神掛かっているというか、これをグラスで出してよいのか?的な銘醸ワインや古酒のオンパレード。すごいですよ。好みも分かってくれてるのも嬉しい。

サービスは、いつものスマートなサービスに加え、今回とっても嬉しいサプライズがあり(詳述は控えます)。好きなレストランに通い続けることの意義を改めて感じる。

大満足です。幸せ。

ご馳走様でしたー。

*雲丹 ムール貝 クリームソース コブミカンの香り

雲丹の甘みとムール貝の旨みが素晴らしい。
クリームソースがそれらの磯の香りを包み込み、コブミカンの香りがそれらの輪郭を浮かび上がらせる。美味しい。

*穴子のフリット 牛蒡のピュレ カレーオイル 木の芽

穴子はサクッと揚がってます。
穴子のわずかに泥っぽさのある香りと牛蒡の土の香りが親和性。
カレーオイルや木の芽を用いることで、前述の土系の香りは穴子の旨みを引き立たせる役割に。
手堅く美味しい皿。
あ、フレンチでカレーの風味を加えることは割合あります。

*毛ガニ 蟹味噌 トラザメのフカヒレ ポン酢風味のコンソメ 穂紫蘇 とびっこ

誰が食べても美味しいでしょ♪的な皿。
カニの旨みとフカヒレの食感、とびっこのプチプチ感が良い具合にハーモニー。
小野シェフのコンソメはいつも素晴らしく、でも今回は風味を少し抑えて蟹とのバランスをちゃんと取ってる。

*ノドグロのポワレ ナンコツのガレット ナス ポルチーニのソテー タプナードソース

ノドグロの脂感に合わせたのでしょうが、個人的には少し塩が強かった。
油と相性が良い茄子を合わせ、ノドグロの脂感と相反するナンコツのガレットを合わせることで、全体をくどくないようにまとめる。ポルチーニのソテーは個人的にもう少しあっさり仕上げても良いような気もしましたが、ポルチーニ自体はノドグロに合ってました。

*炙り戻りガツオ キャビア エシャロット スモークした卵黄とフォン・ド・ボーのソース

これはある意味スゴイ。
戻り鰹にしては脂の乗りが比較的軽いものを選び、濃厚な卵黄とフォン・ド・ボーのソースを合わせる。キャビアの塩気がアクセント。
日本料理の黄身醤油という概念を、フレンチの技法に変えて出す発想がスゴイ。
刺身にはそりゃー合うし、誰が食べても美味しいと思う皿かと。
黄身醤油より奥行きがあるし。
脂が乗り過ぎてない鰹を選んでるのもポイントかと。

*タラバガニのヴァプール ゆり根のピュレ ブールブランソース トマト風味 

良い具合に蒸されたタラバガニは甘い。
ゆり根の甘さと親和性があるし、白ワイン(多分)やトマトの酸味がそれらの甘さに輪郭を与える形。
これまた美味しくないわけがないという。

*とらふぐ白子 黒鮑 魚介出汁のリゾット イクラ あられ

魚介出汁は比較的あっさり。
米も粒をはっきり残した形。
贅沢なお茶漬け風味で、これまた面白いし、コースの流れ的にもこの感じは良いな。

*フランス産仔羊のロースト ジュのソース

牛・鶏・鳩・仔羊からの選択。
鳩好きなのでいつも鳩なのですが、珍しく鳩以外を頼む。
その仔羊は、好みですが少し火入れが深めかな。
美味しいですけどね。
で、連れの鳩を頂いて、浮気したことを反省した次第・・・。

*鶏ブイヨンスープ 麺 秋トリュフ

滋味深い鶏ブイヨンスープ。
高次元でホッとする味。

*マスカルポーネ ナタデココ フランボワーズのソルベ 文旦 ハチミツ 黒トリュフ

ハチミツの風味がとにかく濃厚。
マスカルポーネの甘み、ナタデココの食感と爽やかさ、フランボワーズの酸味、文旦の苦みと酸味、蜂蜜の甘みと、色々な味や食感が次々に顔を出し、素直に楽しい。

以上です。
4か月ぶりに定期訪問。
ずっと日曜のお昼に伺っていたのですが、ランチをやらなくなったようなので、久し振りにディナーで訪問。
夜は2回転で、18時か20時45分スタート。

コースは、27000円。
当日の内容は、以下になります。

*トマト風味コンソメの冷製フラン 雲丹 たたきオクラ じゅんさい とびっこ
*明日葉とコーンのフリット 山盛り黒トリュフ 塩
*和牛ザブトンと白海老のタルタル 米とイカ墨のピュレ キャビア 島海苔 菊花 穂紫蘇
*鮑のヴァプール 賀茂茄子 フォアグラと西京味噌のソース 花紫蘇 柚子
*毛ガニと蟹ミソ アメリケーヌ風味のコンソメ 根セロリのピュレ とびっこ
*スッポンの炭火焼き 鶏のブイヨン オニオン ベーコン ケッパー
*ハタのヴァプール 自家製メンマ 豆鼓 ヒュメ・ド・ポワソンとポン酢 茗荷 九条葱
*ラカン産鳩 サルミソース
*温製麺 フカヒレ ほうれん草 実山椒
*ブルーチーズのパートフィロ包み アングレーズソース ハチミツとトリュフのアイス ラム酒風味
*カフェ カヌレ

相変わらず、美味しい。
結構力技みたいな皿もあるけど、多くの皿が色々と重ねながらもきちんとまとまっているのは、さすがとしか言いようがない。
日本料理で使用するような食材や調味料を多く使うせいか和っぽいという意見もありますが、ベースはやっぱりフレンチで、ソースの美味しさには感服する。
あ、明日葉とコーンのフリットだけは、トリュフを合わせようとも天ぷら??という感がどうしても・・。
いずれにせよ、きちんと着地点を考えて合わせているから、無理がないんだろうなと。
それと、馴染み深い和の素材を用いるからこそ、色々と組みあわせても違和感なくまとまるのだろうなとも思ってます。
また、そういう素材を重ねた皿も多い中で、メインは非常にシンプルかつ王道フレンチっぽいところも良い。
そのシンプルなメインもすごく美味しいし。
やっぱり小野シェフは才能があります。

ワインは相変わらず、どこにそんなストックが??というような貴重なものを出してくれる。
ここまでワインが充実してるフレンチは、そうはない。
価格も、内容を考えれば良心的ですしね。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*トマト風味コンソメの冷製フラン 雲丹 たたきオクラ じゅんさい とびっこ

トマトの風味はそこまで強くはなくて、手堅く美味しい。
雲丹がとっても美味しくて、その甘みにフランの旨みと軽い酸味があってる。
ジュンサイやたたきオクラも夏らしくて良いな。
この辺りは、融通無碍な小野シェフの真骨頂。

*明日葉とコーンのフリット 山盛り黒トリュフ 塩

サクサクよりはカリカリ系に揚げたフリット。
前述のように天ぷらっぽい。
山盛りのトリュフは嬉しいものの、コース内で出す順番含め、やや理解が難しい皿。

*和牛ザブトンと白海老のタルタル 米とイカ墨のピュレ キャビア 島海苔 菊花 穂紫蘇

これはむっちゃ美味しい。
米の甘みに白海老の甘みが重なり、ザブトンの脂の甘みも含めて奥行きを与えてる。
キャビアの塩気がそれらの甘みを引き出し、ザブトンの旨みが追い打ち。
穂紫蘇や島海苔の香りが全体に輪郭を与えて、まとまりがある。

*鮑のヴァプール 賀茂茄子 フォアグラと西京味噌のソース 花紫蘇 柚子

小野シェフのフォアグラと西京味噌のソースは、いつも悶絶。
フォアグラに甘い味が合うのは鉄板ですが、西京味噌の甘みがめっちゃ合う。
味噌の旨みに鮑の旨み、賀茂茄子の甘みにソースの甘みが混然一体。

*毛ガニと蟹ミソ アメリケーヌ風味のコンソメ 根セロリのピュレ とびっこ

毛ガニ感がたっぷりで、とても美味しい。
甲殻類の風味タップリのコンソメが蟹の旨みと重奏を奏でる。
根セロりのピュレの甘さは、蟹の甘さと親和性。
この皿も美味しい。

*スッポンの炭火焼き 鶏のブイヨン オニオン ベーコン ケッパー

スッポンは炭の香りをまとって、美味しい。
ただ、ベーコンやケッパーはスッポン同様強い素材なので、ややスッポンとケンカしてる感・・。
まあ、メイン素材自体が美味しいので・・。

*ハタのヴァプール 自家製メンマ 豆鼓 ヒュメ・ド・ポワソンとポン酢 茗荷 九条葱

ハタは手堅く美味しい。
中華と和が混在しつつも、ヒュメ・ド・ポワソン(魚の出汁ソース)がフレンチとして全体をまとめる。

*ラカン産鳩 サルミソース

和牛・ルーアン鴨・フランス産仔羊からの選択。
火入れもソースも最高。
相変わらず悶絶の旨さ。

*温製麺 フカヒレ ほうれん草 実山椒

スープが美味しい。実山椒の爽やかさが嬉しい。

*ブルーチーズのパートフィロ包み アングレーズソース ハチミツとトリュフのアイス ラム酒風味

3種ほどから選ぶ。
ブルーチーズがめっちゃ主張してます。
その強い塩気と香りは、トリュフの香りと合わさり妖艶。
アングレーズソースや蜂蜜のネットリ系?甘みも合ってる。
全体的にラム酒の風が支配的で、前述の要素も加わり、大人仕様のデセール。

*カフェ カヌレ

カフェラテを選べるのが嬉しい。

以上です。

以上です。
2018年最初のエクア。
今回もランチです。

コース21000円かな。
この日の内容は以下になります。

*和牛ざぶとん 米のピュレ キャビアとあん肝のスモーク
*フカヒレのスープ仕立て 黒トリュフ風味
*タラバガニ 焦がしアンチョビバターソース 縮みほうれん草
*オマール海老のフラン 塩鱈のソース
*喉黒と筍のミルフィーユ仕立て 芹のアクセント 黒トリュフのビネグレットソース 
*トラフグの白子 牛の小腸(マルチョウ) 白味噌と木の芽のスープ仕立て
*海老芋のフリット 鮑添え 独活のソース 柚子風味
*雲丹と青さ海苔の冷製パスタ
*ルーアン鴨のロースト 牛蒡のソース
*キルシュのアイス バラのジュレ 苺とラズベリー 黒トリュフ蜂蜜 パートブリック
*カフェ カヌレ

今回は、今までで一番良かったかも。
完成度が半端ない。
異次元というか。
元々高かった素材の質がさらに上がった感があるし、素材の組み合わせ、素材の火入れとどれも素晴らしかった。
冬らしいコクのある旨みたっぷりの料理ながら、和的な要素も入り、キレもある。
雑味が少ないのにも感歎。すごく丁寧に作ってます。
また、フラン(茶碗蒸し)はトロトロに仕上げるなど、食べ手が喜ぶ調理をきちんと施してる。
さすがとしか言いようがなかったです。

マダムの選ぶワインは、相変わらずとても美味しい。
好みを把握してくれてるのは、嬉しいですよ。

ということで、6点を付けたいくらいの満足度。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の感想を少し。


和牛のザブトンは、脂の甘みと米の甘みが親和性を持ち、キャビアとあん肝がコクを。
フカヒレのスープ仕立ては、スープがとても美味しい。コンソメをベースに鶏ガラや干し貝柱他、かなり色々な素材を使い、複雑かつ玄妙な味。
タラバガニは、ふわふわに仕上げる火入れに唸る。

オマール海老のフランは、トロトロ♪
オマールの出汁も素晴らしいし、塩鱈ソースとの相性には驚愕。

喉黒と筍のミルフィーユ仕立ては、レアレアな喉黒の旨みがタマラナイ。
脂がかなり乗ってるのですが、ビネグレットソースとセリが、良い具合に脂感を切ってくれる。

トラフグの白子は、トロトロに煮込まれた蕪の優しさと白子の旨みとの対比に唸る。
白味噌スープの甘みは蕪の甘みと親和性。
小腸がすごく美味しくて、ビックリ。旨みが半端ない。
鮑とかのいわゆる高級素材だけではなくて、こういうものまでも美味しいのが、此方のスゴさの一端でもあります。

海老芋のフリットは、その肌理の細やかさと甘みに悶絶。
柚子のアクセントも、コースの中で良い箸休め的な。

雲丹と青さ海苔の冷製カッペリーニは、雲丹の甘みに悶絶。
すごく美味しい。

ルーアン鴨のローストは、とても柔らかく仕上がってる。
コクがあって、これまた悶絶級。
牛蒡のソース(ピュレ)も、意外に合ってました。

デザートは3種から。
サクランボのお酒であるキルシュの香りとバラの香りで、とても華やか。
苺などベリーの酸味が、コクのある味が続いたコースの〆には嬉しい。

以上です。

カゲロウを挟んで、久しぶりのエクア。
再開後はランチの料金を値上げし、ドリンク2杯が付いて21000円(税・サ別)。
夜と同じ料理内容・料金で、ランチはドリンク2杯分がお得な形です。
まあ、今までが異常に安過ぎました。
値上げ後も、内容考えれば十分安い。

で、当日の内容は、以下になります(料理名は勝手に付けてます)。

*茸の葛玉 銀杏 トリッパ アラビアータソース
*伊勢海老のタルタル コンソメジュレ 雲丹 甲殻類のソース
*秋刀魚と焼き茄子 ジャガイモのエスプーマ マリネしたトリュフ
*鱧の湯引き 和牛カタサンカクの炙り
*ズワイガニのフラン 白味噌とフォアグラのソース
*蒸し鮑の胡麻ソース和え もち米と三つ葉 いくら
*クエの直火焼き フカヒレのスープ 青梗菜と焦がし葱
*キャビア麺 なめこ ヤマト芋 ミル貝
*ラカン産鳩のロースト 内臓のソース
*焼きモンブラン ラム酒のアイス
*カフェ カヌレ

なんと10皿。
夜と同じコースは、超お腹いっぱいになりますな。
満腹・満足・幸せ♪みたいな。

中華と和を合わせたようなフカヒレのスープで唸り、しっかりフレンチな鳩のロースト・内臓のソースに悶絶し、クリアな味のコンソメジュレに丁寧さを見る、相変わらず素晴らしい小野料理。
フレンチをベースに、それに留まらない独自の世界観は唯一無二。
それが、ますます昇華してる感。

チャーミングなマダムの接客とワインの品揃え・チョイスの素晴らしさも最高峰。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*茸の葛玉 銀杏 トリッパ イカ墨 アラビアータソース

マッシュルームとかをペーストにし、葛でもちっとまとめた品。
茸っぽさはそれ程でもですが、サクサクに仕上げたトリッパと茸玉のモチモチ感との対比が楽しい。

*伊勢海老のタルタル コンソメジュレ 雲丹 甲殻類のソース

相変わらず、丁寧に仕上げた小野シェフのコンソメは美味しい。
伊勢海老はレアで、甘い。
雲丹の甘さ、ソースのコクとも相まって、とても美味しい。

*秋刀魚と焼き茄子 ジャガイモのエスプーマ マリネしたトリュフ

レアな秋刀魚の魚臭さを焼き茄子の香ばしさが和らげ、鮑の肝ソースがコクを。
マリネしたトリュフの酸味が、全体を引き締める。
ジャガイモのエスプーマとコンテチーズが全体を包み込む感じで、色々な変化と調和が楽しい。

*鱧の湯引き 和牛カタサンカクの炙り

オニオンやフォン・ド・ボーを使った甘いソースが、和牛に合ってます。
鱧は骨切りも良くて、さすがです。
レアな火入れも良い。
柚子胡椒を少し使っているのかな。
そのわずかな辛さが、全体を何気に引き締める。

*ズワイガニのフラン 白味噌とフォアグラのソース

フランがトロトロで美味しい。
白味噌とフォアグラのソースは結構濃厚。
シャサーニュモンラッシェが、このソースにすごく合ってました。

*蒸し鮑の胡麻ソース和え もち米と三つ葉 いくら

大振りでゴロゴロの鮑。
柔らかく蒸されていて、美味しい。
胡麻との相性も、意外に良かった。
いくらは、皮が薄くて上質。

*クエの直火焼き フカヒレのスープ 青梗菜と焦がし葱

これも素晴らしい。
手羽や昆布、帆立のヒモなどで出汁を取ったスープに、焼いたクエを具として入れてます。
フカヒレも少し入れて、食感のアクセント。
スープが、とても美味しい。
鰹だしと白湯みたいな味かと思って聞いたら、鰹節は使ってないという・・(汗)
そういう風味がしたんだけどなぁ。
クエは、やや火の通りが深かったかな。

*キャビア麺 なめこ ヤマト芋 ミル貝

これはスゴイ。
カッペリーニを使った?、さっぱりとした冷製の麺。
スープが、少し甘くて旨みがたっぷり。
美味しいな。

*ラカン産鳩のロースト 内臓のソース

牛肉・シャラン鴨・蝦夷鹿・鳩からの選択。
シャラン鴨と迷ったのですが、やはりここは鳩で。
火入れが素晴らしく、内臓のソースも美味しい。
悶絶しながら食べてました。
その表情を、マダムに見られて「幸せそう」と言われるという(汗)

*焼きモンブラン ラム酒のアイス

マロンペーストをパートフィロみたいな生地で包んで焼いた、温かいオーモニエール仕立て。
メニュー名から想像する、斜め上を行ってました(汗)
冷たいラム酒のアイスと温かいマロンペーストとの対比、また芳醇な香りに悶絶♪

*カフェ カヌレ

以上です。
今年3回目の訪問。

当日の料理は、以下になります。

*伊勢海老 コンソメジュレ キャビア
*フォアグラのムース アンズのピュレ ほおずき 
*和牛ざぶとん 白エビ 米のピュレ 雲丹 海苔のチップス
*マナガツオの炭火焼き 大葉とあしたばのフリット
*鮑 賀茂茄子 肝と木の芽のソース
*ラカン産鳩の炭火焼き フォアグラとサルミのソース
*わらび餅 ピスタチオのアイス ピスタチオとメレンゲのクランブル 黒蜜

今回も素晴らしかった。

生の伊勢海老の甘みとコンソメジュレのコクが重奏を奏でる皿は、トマトエキスの酸味が全体を引き締め、余韻が長い。
小野シェフのコンソメは、ほんと美味しいです。

フォアグラのムースは、軽い仕上がり。
アンズのピュレには、コブミカン(タイ料理で使われるバイマックル)も入れ、アンズの甘酸っぱさに爽やかな風味を。
これにより、軽く仕上げたフォアグラムースとバランスが取れる。
アーモンドのクランブルは、その香ばしさが、アクセントとしてフォアグラに重みを与え、一皿の中で強弱を。

和牛のざぶとんは、軽い火入れでとても柔らかい。
味付けは甘しょっぱい、少し焼肉のタレちっく。でも、品は良いのですが。
米を合わせることで、焼肉にご飯という鉄板の?組み合わせを指向しているのかな?
そこへ白エビや雲丹の甘みが加わることで、甘さに奥行きとコク、品が出る仕掛け。

マナガツオの炭火焼きは、脂が乗ってる。
これは割合あっさりした仕上がりで、前の牛肉がやや濃い系なだけに、メリハリがついて良いな。

鮑がこの日の白眉。
肝と木の芽を使ったバターソースは、バランスがすごく良くて、バターの風味がかなりあるのにクドクない。
木の芽の力と、もしかしたら白ワインを上手く使っているのかも。肝の風味も出過ぎずにバランスが良い。
鮑のコクと、賀茂茄子の甘さの対比も良かった。

ラカン産の鳩は、香りと旨みがたっぷり。
火入れが神!
フォアグラとサルミのソースは、もう悶絶ものの美味しさ。
あ、鳩のビジュアルにコーフンして、いきなり食べ始め、写真撮り忘れてることに途中で気づきました(汗)。

デザートは、なんとわらび餅!これまた美味しい。黒蜜との相性は、完璧ですな。

最後にカフェとカヌレを頂いて、〆。

ワインは、Savigny-Lès-Beauneの1998年が、熟成感があってたおやかながら、残照のような奥深い陰影があって、良かった。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。
またまた訪問。

この日の料理は以下(一部テキトーにつけてます)。

*蛤のポシェ 赤雲丹とお米のピュレ 春トリュフ
*イイダコとスミイカのブレゼ ゆるやかなコンソメのジュレ 塩辛ソース 芽葱と青ゆず
*毛ガニをブリオッシュに乗せて ベアルネーズソース キャビア
*オマールエビと和牛ハラミ フォン・ド・ボーと赤ワイン、エシャロットのソース 花山椒
*喉黒の直火焼き スッポンと地鶏のスープ仕立て 青さ海苔 大葉 木の芽 フキ
*黒アワビ 肝のソース 筍 ワカメ
*シャラン鴨 赤ワインとフォン・ド・ボーのソース
*ヘーゼルナッツのパルフェ ダークチェリーのアイス 練乳のアイス ピスタチオのソース キャラメルソース トリュフチョコ 
*カフェ カヌレ

相変わらず、素晴らしいです。
色々な食材を用いながら、皿の中で調和とバランスを保つ感覚がとにかく素晴らしい。
また調理も、鮑はすごく柔らかくてしっとりとした食感で驚きだったり、古典的なソースであるべアルネーズソースが非常に秀逸なのにも感服。
また、何気なく添えたフキなどの地味な素材が、とんでもなく美味しかったりする。
とても幸せ。

ワインは、今回特に赤が素晴らしかった。
シャトーネナンは力強いながら旨みたっぷりで、鮑に合ってました。
鮑の肝の旨みがシャトーネナンの旨みと呼応し、力強いタンニンは鮑の肝の磯っぽさを繊細に変え、余韻が綺麗。
ニュイ・サンジョルジュは、タンニンが少ない分、鮑の肝の磯臭さが余韻の中にどうしても残る。
一方、ニュイ・サンジョルジュは、シャラン鴨の鉄分を含んだ少し野生の風味にピノの官能的な香りがマッチ。
ああ、幸せ。

相変わらずこちらは、自分にとって最高のレストラン。
幸せ感に包まれながら、お店を後に。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*蛤のポシェ 赤雲丹とお米のピュレ 春トリュフ

蛤は、砂糖や醤油などで作った煮切りで煮ることで、甘い味。
その結果、貝臭さが無くなり、蛤の旨みがビシッと決まってます。
お米のピュレがその甘さを和らげ、赤雲丹の甘さは蛤とは別の甘みで奥行きを。
トリュフと貝の香りは、ともに官能的な部分があるので、合いますな。

*イイダコとスミイカのブレゼ ゆるやかなコンソメのジュレ 塩辛ソース 芽葱と青ゆず

コンソメが相変わらず秀逸。
スミイカのワタ??から作った塩辛のソースは、さすがに合います。
青ゆずの香りが、非常に良いアクセント。
今回のイイダコは、前回と違い、ややしっかり感を残しており、旨みもある。

*毛ガニをブリオッシュに乗せて ベアルネーズソース キャビア

古典的なソースであるベアルネーズソース。その出来が秀逸なのに驚き。
乳化の具合が良くて、酢と卵黄、澄ましバター、エストラゴンのバランスも素晴らしい。
くどさや酸が立った感じが無くて、でもコクがある。
ここまで素晴らしいベアルネーズソースはなかなか無いし、こういう古典的ソースをキチッと作れる技術にも脱帽。
このソース、簡単なようでいて、完璧に作るのは非常に難しいのです。

*オマールエビと和牛ハラミ フォン・ド・ボーと赤ワイン、エシャロットのソース 花山椒

和牛ハラミのしっとりとした火入れ加減が素晴らしい。
花山椒は香り抑え目で、まだ走りな感じですかね。
シャクシャクな食感が嬉しいな。

*喉黒の直火焼き スッポンと地鶏のスープ仕立て 青さ海苔 大葉 木の芽 フキ

喉黒は、麴などを使ったタレを浸けて焼いてるとかで、喉黒の旨みをタレの旨みが浮き立たせてる。
スープは強すぎず繊細な風味が嬉しい。
で、驚いたのがフキ。
シャキシャキで香りが高くて、とても美味しい。
シェフにそのことを言ったら、「私もずっとそう思いながら出してます」と盛り上がりました。

*黒アワビ 肝のソース 筍 ワカメ

鮑がとても柔らかい。
どのくらい蒸してるか聞いたら、かなり短い。
これが過ぎるとまた固くなり、さらに時間を掛ければまた柔らかくなるそう。
短い分、旨みが逃げないので、感動的な美味しさですよ。
また、産地に依る妙もあるそう。
研究してますな。

*シャラン鴨 赤ワインとフォン・ド・ボーのソース

鳥インフルエンザの影響でシャラン鴨はずっと入ってないので(禁輸)、久々に食べることが出来ました。
嬉しい。
なんでも、無くなる前に買い集めて、家の中が鴨だらけだそう。
その努力に脱帽。
エトフェ(窒息)の感じが良くて、ソースも鴨の旨みを浮き立たせ、非常に美味しい。
皮目をサクッと香ばしく焼きあがているのも、美味しさに一役。

*ヘーゼルナッツのパルフェ ダークチェリーのアイス 練乳のアイス ピスタチオのソース キャラメルソース トリュフチョコ 

メチャクチャ手が込んでる。
トリュフチョコの柔らかさに驚いたり、練乳アイスの優しさに和んだり、ヘーゼルナッツの香ばしい香りにうっとりしながら終幕。

*カフェ カヌレ

以上です。

【まとめ】

訪問回数が多いので、概要をまとめています。

*ロケーション

六本木の駅から少し歩いたところにあります。六本木ヒルズから歩いて5分少々でしょうか。
入り口のところに店名が小さく掲げられているのみで、隠れ家的。

*店内

とてもおしゃれ。
カウンターが6席と個室(6名まで)が一つ。
シェフが掛かれた絵も掛かり、席間はかなりゆとりがあって椅子の座り心地も良く、素敵な空間。
一度に3組までとプライベート感も高い。
マダムとシェフの二人体制だったのですが、少し前に若い方が厨房手伝いで一人入りました。

*料理

お任せコースのみ(料理は一部プリフィクスだったりもします)。
色々な素材を多層的に重ねつつ、でもバランスを失わない、天才的な料理。
とても繊細で、手間もすごく掛かってる。
日本の素材も積極的に使い、意外な組み合わせに驚きと喜びがあったりも。
唯一無二の高みにある小野シェフの料理は個人的に最高峰。
ちなみに原価率は相当高そうで、いつも恐縮しきりです。(汗)

*ワイン

マダムのセレクトが素晴らしい。
貴重な銘醸ワインを中心に、感激もののセレクトです。
ここまで素晴らしいものをグラスで出してくれるレストランは、他に知らないかな。
通えば、好みにあったものを出してくれたりも。
下戸な自分ですが、つい飲み過ぎる・・。

*サービス

美しいマダムのサービスは、スマートで気が利いたもの。
プライベート感が高いので、温かみも。
リラックスも出来る感じもあって、すごく居心地が良い。
なお料理の出は、大変手が掛かっていてほぼシェフ一人で料理を作っているにも関わらず、スムーズ。そういうところもすごいなと思う。

ということで、個人的に断トツに好きなレストラン。
幸せ感が半端ない。
マダムとシェフに感謝しきりで、ずっとお付き合いさせて頂けたらと切に願う。

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で、今回の訪問。

2か月ぶりのエクア。
ランチです。

当日の内容は以下。

*ズワイガニのフラン 雲丹添え
*イイダコを柔らかく煮て コンソメとシジミ出汁のジュレ キャビア セリ 柚子のヴィネグレット
*金目鯛のミキュイ スモークした白子のソース 菜の花 自家製唐墨
*和牛肩ロースの炙り タケノコと平貝包み トリュフソース
*フグ白子の炭火焼き オマール海老 アメリケーヌソース
*ラカン産鳩 サルミソース
*レモンのマカロン ストロベリーアイス マンゴー・カルダモン・紅茶のソース
*カフェラテ カヌレ

今回も素晴らしかった。
ズワイガニのフランは、蟹が上質なのかとても甘い。蟹味噌とのバランスも良いな。
美味しくないわけがない皿。

イイダコは、その柔らかさに驚愕。とろけるように柔らかい。ここまで柔らかい蛸は食べたことないかも。
シジミ出汁と合わせたコンソメの味も、品が良く綺麗な味で旨みが濃く、そこへセリの軽い苦みと香りがアクセントになり、美味しい。

金目鯛は、その半生な火入れが素晴らしい。白子のスモーク感が金目鯛独特の癖を和らげ、旨みのハーモニーを奏でる。
菜の花の苦みが旨みの洪水をリセットさせ、カリカリな金目鯛の皮の香ばしさも良いアクセントに。

和牛の皿は、トリュフがどっさり。官能的な香りにうっとり。
和牛の脂の甘みにタケノコのシンプルな甘み、平貝の淡白な旨みが良い対比になっていて、さすがの美味しさ。

河豚白子はトロトロ♪シェフのアメリケーヌソースは綺麗な味で、とても好き。

メインは好きなラカン産の鳩。
今回はいつにも増して火入れも良くて、鳩の香りがすごく立ってた。
悶絶しながら食べてました。
軽めのサルミソースは、鳩の香りを邪魔せずに良いわき役的な。

デセールは、鉄板的な美味しさ。カルダモンが、エキゾチックな香りで良かったな。

ワインは、レオヴィルバルトン1997年が、熟成感ありつつシルキーで思いのほかエレガントさもあり、とても良かった。
ムルソーは、蜂蜜香がたまらん。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。


久しぶりにディナーで訪問。
当日の料理は以下になります。

*アミューズ1 金柑のフォアグラ詰め
*アミューズ2 香箱蟹・松葉ガニとコンソメのジュレ、甲殻類のソース
*アミューズ3 金目鯛のミキュイ ボラ白子のスモークソース 唐墨添え
*前菜1    オマール海老のポワレ フカヒレソース アルバ産白トリュフ
*前菜2    河豚白子直火焼き 青さ海苔のソース 海老芋のフリット
*前菜3    牡蠣とサーロインの炭火?焼き キャビアと自家製メンマ添え
*魚料理    伊勢海老のポワレ(ポシェだったかも??) 蕪の海老ツミレ射込み クリームチーズと白味噌のソース 
*パスタ    冷製カッペリーニ ブイヤベース仕立て 真鯛と蛸のラグー
*肉料理    琵琶湖網取り鴨のロースト エシャロットのソース
*デセール   フォンダンマロン 

全部で10皿!
すごいですな。
高級素材もふんだんに使われ、手がとても込んだ料理。
唐墨やさらにはメンマまで自家製なのだから、恐れ入ります。
そのメンマは、半年も掛けて熟成させてるらしい。
ちょっとした付け合わせにそこまでとは、料理へのすごい情熱。
本当に頭が下がります。


今回特に良かったのは、金目鯛のミキュイ。
レアに仕上げた金目鯛と、ボラのスモークした白子のソースを合わせるところが非凡。
金目鯛は独特の香りがあるので、それにスモークしたクリーミーなボラの白子を合わせることで、その香りを抑えつつ品の良い旨みが出る。
さらにボラの卵巣(唐墨)を添えて、違う旨みを。
唐墨は、普通焼酎に漬けてから干すそうですが、日本酒とワインを合わせたものに漬けているとか。
その分、風味が穏やかというか品の良い仕上がり。
塩気も抑え目だし。
ボラの白子は初めてで、唐墨と合わせるには成程それは理にかなっており、その発想がすごいなと。

伊勢海老と合わせるクリームチーズと白味噌のソースも、白味噌の旨み・甘みのレベルが伊勢海老の旨み・甘みとマッチして感歎。
クリームチーズも同様です。さらに言うと、味噌とチーズという発酵系の食材を合わせるので、ソースにまとまり感がある。

その前にオマールの皿も出ました。フカヒレソースに白トリュフを合わせてる。
オマールの方が、伊勢海老より少し香りが強く甘みより旨みが特徴なので、フカヒレソースに白トリュフという華やか系を合わせることで、違う印象の海老料理になる。
そういう素材の微妙な違いで、アプローチを変える発想の見事さと楽しさ。

最初の金柑にフォアグラを詰めたものも良かったな。
金柑は比較的苦みのある柑橘ですが、その苦みがフォアグラの軽い苦みとマッチして親和性がある。
それにより、フォアグラの脂の甘さが浮かび上がる。

網取りの鴨は、その肉質を楽しむために軽めかつ甘めのソース。
これだけは、個人的にもう少ししっかりしたソースでも良いかな。
もちろん十分美味しいですが。

他の皿も、ほんと素晴らしかった。

ワインも、素晴らしいものをとてもリーズナブルに頂ける。
高いお値段を出してヴィンテージものを仕入れるのではなくて、リリース時に仕入れて寝かせてくれてるマダムのお陰です。
本当に感謝。

幸せな年末。

ご馳走様でしたー。

【まとめ】

訪問回数が多くなりレビューが長くなったので、昔の訪問レビューを一部削除し、まとめを掲載しました。
(最新訪問レビューは、下記の2016年11月です。)

*ロケーション

六本木の駅から少し歩いたところにあります。六本木ヒルズから歩いて5分少々でしょうか。
入り口のところに店名が小さく掲げられているのみで、隠れ家的。

*店内

とてもおしゃれ。
カウンターが6席と個室(6名まで)が一つ。
シェフが掛かれた絵も掛かり、席間はかなりゆとりがあって椅子の座り心地も良く、素敵な空間。
一度に3組までとプライベート感も高い。
マダムとシェフの二人体制だったのですが、少し前に若い方が厨房手伝いで一人入りました。

*料理

お任せコースのみ(料理は一部プリフィクスだったりもします)。
色々な素材を多層的に重ねつつ、でもバランスを失わない、天才的な料理。
とても繊細で、手間もすごく掛かってる。
日本の素材も積極的に使い、意外な組み合わせに驚きと喜びがあったりも。
唯一無二の高みにある小野シェフの料理は個人的に最高峰。
ちなみに原価率は相当高そうで、いつも恐縮しきりです。(汗)

*ワイン

マダムのセレクトが素晴らしい。
貴重な銘醸ワインを中心に、感激もののセレクトです。
ここまで素晴らしいものをグラスで出してくれるレストランは、他に知らないかな。
通えば、好みにあったものを出してくれたりも。
下戸な自分ですが、つい飲み過ぎる・・。

*サービス

美しいマダムのサービスは、スマートで気が利いたもの。
プライベート感が高いので、温かみも。
リラックスも出来る感じもあって、すごく居心地が良い。
なお料理の出は、大変手が掛かっていてほぼシェフ一人で料理を作っているにも関わらず、スムーズ。そういうところもすごいなと思う。

ということで、個人的に断トツに好きなレストラン。
幸せ感が半端ない。
マダムとシェフに感謝しきりで、ずっとお付き合いさせて頂けたらと切に願う。

【2016年11月訪問】

カゲロウを挟んで、久しぶりのエクアトゥール。
今回もランチで。
ランチは、12000円に値上がりし、シャンパーニュも付かなくなったようです。
今までのランチが異様に安かったといえるので、ある意味少し是正された形。

当日の料理は以下になります。

*鮑のヴァプール 青さ海苔のソース イクラ添え
*ズワイガニ 甲殻類のソース コンソメのジュレ 穂紫蘇 キャビア
*鱧とザブトンの直火焼き 松茸添え はちみつとシェリービネガー・生姜のソース
*オマールエビのポワレ コブミカンオイル 白ワインとモンサンミッシェルのムール貝のソース
*サワラ 牡蠣 フォアグラ ほうれん草とフュメ・ド・ポワソンのソース
*ラカン産鳩のロースト 内臓のソース
*洋ナシと杏仁豆腐 ベルベーヌのジュレ レモングラスとペリエのソルベ フランボワーズのクランブル
*カフェ カヌレ

値上げしたけど、それ以上に素材の質も上がってます。
値上げと聞いて、適正価格に是正するのかと思いきや、原価をさらに掛けて、全く是正されてないことが判明。(爆)
料理自体は、さらに素材を生かす方向。ソースとの調和も見事。
さらに満足度が高くなりました。

ワインは、相変わらず素晴らしい。
白ではムルソー、赤ではシャトー ・ソシアンドマレが良かったな。
ムルソーは特徴である蜂蜜のようなニュアンスがとても出ていた。
ソシアンドマレはボルドーの良ヴィンテージである1996年。
長熟で知られるソシアンドマレ。
しかも良ヴィンテージということで飲み頃までには時間が掛かりますが、20年の年を経て、エレガントで奥深い味になってました。
めちゃくちゃ感動しました。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*鮑のヴァプール 青さ海苔のソース イクラ添え

鮑が柔らかい。自家製のイクラが秀逸で、青さ海苔の磯の香りや鮑の旨みにコクをプラス。
全体の塩味と旨みのバランスがとても素晴らしい。
最初から悶絶。

*ズワイガニ 甲殻類のソース コンソメのジュレ 穂紫蘇 キャビア

ズワイガニがたっぷり♪
コンソメのジュレがすごく美味。雑味がなくて澄んだ味ながら、奥行きがある。
たっぷりのキャビアも、その塩気がズワイガニの旨みを引き出す。
穂紫蘇がすごく効果的に全体を引き締めてました。
フレンチに穂紫蘇という発想が素晴らしい。

*鱧とザブトンの直火焼き 松茸添え はちみつとシェリービネガー・生姜のソース

短角牛のザブトンと片面だけ炙ってます。
鱧の骨切りも上手で、鱧とザブトンの脂の具合が調和がとれていて、少しインパクトあるソースはそれらの脂へのアクセント。
素材の組み合わせとそれをまとめるソースの選択が素晴らしいな。

*オマールエビのポワレ コブミカンオイル 白ワインとモンサンミッシェルのムール貝のソース

エスニックでよく使われるコブミカン。
少し苦みのある柑橘で、オマールやモンサンミッシェルのムール貝という素材の旨みを浮かび上がらせる。
白ワインのソースは、その酸味で同じく素材に輪郭を与える。

*サワラ 牡蠣 フォアグラ ほうれん草とフュメ・ド・ポワソンのソース

さっぱりとした魚の出汁のソース。
フォアグラの脂を、そのさっぱりとした旨みが受け止める。
ほうれん草の青みと少しの苦みもそれらの素材に輪郭を与える。

*ラカン産鳩のロースト 内臓のソース

少し燻製を掛けたラカン産の鳩。
鳩はラカンが一番好きなので、嬉しい。
さすがに火入れと、コクのある内臓のソースに悶絶しました。
鳩は、内臓がすごく美味しいので。
付け合わせがなく、シンプルに鳩のみを持ってきたところが、鳩好きの心を射抜きます。(笑)

*洋ナシと杏仁豆腐 ベルベーヌのジュレ レモングラスとペリエのソルベ フランボワーズのクランブル

すごく手が込んでる。
洋ナシはマスカットでコンポートしてるとか。
洋ナシの甘み・杏仁豆腐の甘みを、レモングラスのソルベでさっぱりとさせ、ベルベーヌ(ハーブ)の香りが後口をさらに爽やかに。
フランボワーズのクランブルも同様。
酸味を強調せずにさっぱりとさせつつ、甘みもきちんと押さえているところがスゴイ。

*カフェ カヌレ

定番で〆。

今回も、とても幸せ♪


【2016年6月訪問】

またまた訪問。
カゲロウの営業を始める直前。

当日の料理は以下になります。

*冬瓜 雲丹 ジュンサイ コンソメジュレ掛け

相変わらずコンソメが上品。
その上品なコンソメが、冬瓜・雲丹・ジュンサイという和の食材にとても合ってる。

*鮑とあおさ海苔のフリット

鮑が柔らかい。
あおさ海苔の磯の香りが鮑の香りとさすがに合ってますな。
肝を使ったソースも上品。

*水ダコのブレゼ 烏賊墨のソース ハーブを和えたホワイトアスパラ 魚介のチュイル キャビアルージュ

水ダコ、大きい。
柔らかく煮込まれています。
烏賊墨のソースも旨みが品良く、蛸の旨みとレベルが合ってる。
ハーブを和えたホワイトアスパラが甘みと爽やかさが同居して良かったな。
ライムの爽やかさは蛸の旨みを引き出してました。
魚介のチュイルは珍しいですが、旨みがあって美味しかった。

*オマールエビのポワレ フカヒレ 白ワインのソース

オマールの火入れが的確でとても美味しい。
中はレアで甘みを、外は熱で旨みを活性化。
白ワインのソースも妙に美味しくて、それがトロリとしたフカヒレに絡んでタマラない。
やりすぎなくらい乗った(笑)サマートリュフの香りにもうっとり。

*スミイカのソテー 賀茂茄子のグリエ 西京味噌とフォアグラのソース

スミイカは細かく包丁を入れることで、柔らかくかつ旨みがある。
ソースがとても美味しい。
フォアグラの香りはしつつも重くなく、西京味噌の甘みもフォアグラに合ってる。
フォアグラには甘い味が合いますからね。
合わせる素材が淡白なスミイカややはり甘みある茄子というのも良く考えられた相性。
スミイカはソースを重くし過ぎずソースの美味しさを存分に味わえる。
茄子はその甘みがやはりソ―スと相性良し。

*ラカン産鳩 サルミソース

前回の訪問時にシェフと、「鳩はやっぱりラカン産!」と盛り上がったので、今回用意してくれました。感謝。
火入れはさすがで、コク・香りがとても良い。
サルミソースも含め、感動の美味しさ。
鳩好きにとって至福。

*青りんごのソルベ 桂花陳酒のジュレ パッションフルーツのソース ヨーグルト

リンゴ型の器が可愛い。
ポイントはパッションフルーツの酸味が出過ぎていないこと。
ヨーグルト・青りんご・パッションフルーツそれぞれの酸味がバランス良い。
桂花陳酒の甘さは、それらを上手くつないでくれます。

*マンゴーのブリュレ ミルクのアイス ココアとココナッツのクランブル フランボワーズのクリスプ ルバーブ

宮崎産だったかな。
マンゴーがとても甘い。
ミルクアイスもとても美味しい。
ココアの軽い苦みやフランボワーズの軽い酸味がアクセントとなり、それらの甘みをさらに楽しませてくれる。

ワインは、今回も大満足。
1998年のシャトー・ド・フューザルが熟成感が素晴らしかった。
ソーヴィニョンブランのハーブっぽさが和らぎ、蜂蜜と軽いリンゴの香り。
ピノの同じ作り手で畑違い飲み比べも楽しかった。
下戸ですが、相変わらず飲み過ぎてしまいます(汗)
好みを熟知してくれてるのも楽しい。

2組限定のカウンターですが、この日のもう一組は先日会ったばかりの知り合いのレビュアーさん。
世の中狭いです。
がっ、その分とても楽しく、それにも感謝。

相変わらずとても幸せなひと時。

ご馳走様でしたー。


【2016年4月訪問】

桜が満開の頃に訪れたこの日の料理は以下です。

*アミューズ 大トロ炙りと花わさびのタルタル、富山白エビとあおさ海苔、自家製ノリチップ

白海老の甘みと大トロの脂の甘み、異なる甘みを花わさびが引き締める。
多めに入ったノリチップの香りも良いな。

*アミューズ 濃縮したコンソメでマリネしたホタルイカとフォアグラカルパッチョ、山椒パウダー

お寿司みたいな造形。
下に米で作った糊のようなものも敷いてあり、面白い。

*前菜 タイラガイのミキュイ、京都タケノコと菜の花、エシャロットコンフィと柚子風味白ワインソース キャビアルージュとノワール

平貝の火入れが的確で、貝の甘みが引き出されてます。柚子風味の白ワインソースは穏やかで少しの甘みと酸味、筍と平貝の甘みにあってる。

*前菜 天然エビ入りベーコンで巻いたインカの目覚めのロースト、燻製オマール海老、オニオンソテーとグリーンピース、ヴィネグレットエルブ
甲殻類ソース


燻製にしたオマールの香りとジャガイモ(インカの目覚め)のほっくり感が相性良し。

*お魚 マナガツオ直火焼き、ツブガイとウドの軽いソース、トコブシロティ、アワビ肝ソース

マナガツオは火入れがやはり良い。
アワビの肝のソースも滑らかでコクがあり美味しい。

*お肉 琵琶湖天然網捕り鴨(1か月半熟成)のロースト、赤ワインエシャロットソース

プリプリで弾力のある鴨。
禁漁間際に獲ったものを熟成させており、この時期にジビエを頂けるとは感涙。

*デザート ライチとピンクグレープフルーツのコンポート、ヴェルベーヌジュレ、ホワイトチョコとバラのコンフィ、ライムとこぶみかんオイル

ミントのジュレの爽やかさ、薔薇の泡の香り、ライチの甘み、ピンクグレープフルーツの穏やかな酸味、ホワイトチョコの甘みとコク、こぶみかんオイルのエキゾチックさが渾然一体で、このバランス感覚が小野シェフの真骨頂。

*デザート 塩ティラミスのカネロニ仕立てショコラクランブルとバナナクランブル、チョコレートクリームとシェルトリューズのアイス

相変わらず複雑で、でもバランスが取れてるデセール。シェルトリューズは、苦みある薬草のリキュールですがそんなに強くしてないのがポイント。

今回も大満足。
ワインも素晴らしかった。
ワインは好みを覚えて頂いていて、好きな感じのワインをマダムが的確にチョイスしてくれる。
幸せ。
ご馳走様でしたー。

【2016年2月訪問】

バレンタインデーに訪問。
ランチです。

泡から始まる当日の料理は以下。

*フォアグラのフラン

旬の黒トリュフがたっぷり♪
フランもふわっとしつつ滑らか。
根セロリの土臭さが黒トリュフの香りと合っていて、初手から素晴らしい。

*水ダコのコンソメ煮 しじみのジュレ セリのソース

コンソメで煮た水ダコは旨みがギュっと。
しじみのジュレはエキスの味がすごく濃厚で、びっくり。
全体がよく纏まっていて、これまた素晴らしい。

*金目鯛のミキュイ 燻製を掛けた白子のソース

金目鯛は軽く炙った程度で殆ど生。
燻製を掛けた白子のソースが素晴らしい。
金目鯛の脂や魚の香りを上手く緩和し、でも白子の軽やかな濃厚さが金目鯛の重みと釣り合ってる。
これらの塩気は控えめで、カラスミで塩気を調節する形。
ほんと良く出来てるなぁと唸る。

*スミイカのグリエ オマール海老と筍添え

肉厚なスミイカ。
淡白な烏賊なので、焦がしアンチョビバターのソースがとても相性が良い。
その塩気をジャガイモのエスプーマが優しく包んで、すごく美味しい。
筍もホクホクで良いな。

*鮟鱇のソテー フォアグラと牡蠣のソテー添え コンソメのソース

コンソメのソースがすごく美味しい。
鮟鱇は割合しっかりとした火入れ。
やや水っぽい鮟鱇は、火入れを若干深めにした方が旨みが凝縮するのを知る。
素材によって火入れの深さを変えてるとすれば、これも凄いな。
牡蠣も美味しかったし、フォアグラはコンソメスープに良いコクを与えてました。

*ダチョウのロースト ポワヴラードソース

なんとダチョウ。
その肉は赤身で、鹿と鴨を足してクセを無くしたような味。
なかなか美味しいです。
ポワヴラード(胡椒)が好み的には若干強かったものの、火入れも良くて、満足。

*チョコレートとマスカルポーネのムース

苺を黒トリュフでマリネしたとかで、黒トリュフも沢山入ってます。
マスカルポーネやチョコと黒トリュフが意外に合う事もハッケン。

*ピスタチオのパウンド キルシュのアイス 森苺添え ココナッツとライムのソース

キルシュというサクランボのブランデーを使ったアイスが美味しかったな。

最後は定番の美味しいカヌレ。

ワインも、私たちそれぞれの好みに合わせたものを出してくれ、泣きそうなくらい美味しい。
最後は、マダムからバレンタインのチョコまで頂き、超恐縮。

ということで今回も大満足。
幸せ過ぎる。
ほんとシェフとマダムには超感謝です。

ご馳走様でしたー。

【2015年12月訪問】

クリスマスシーズンに訪問。
入り口付近に可愛らしいクリスマスオーナメントも。

久々のディナー。
コースは少し値上がりして16800円です。
メインは、魚・肉合わせて7種ほどから好きな2種(肉2皿もOK)を選べる形。

この日の料理は以下。

*アミューズ1 白玉の大トロ巻 フロマージュ

なんと和菓子の白玉を鮪の大トロで巻いて、下にフロマージュ(モンド―ル)。上に白トリュフ。
白玉は出来立てでモチモチ♪

*アミューズ2 オマール海老のソテーと白子のフラン

葛を使って軽やかに仕上げたフラン。 
白子がトロトロ♪ 
和の食材を使って軽やかに仕立てる技が素晴らしい。

*前菜1 カワハギのカルパッチョ 柚子肝のソース 筍 セリなどを添えて

肝のソースが至福の味。筍・セリなど、一足早い春色。

*前菜2 タラバガニのポシェ ふきのとうや菜の花 タラの芽を添えて

タラバガニはとても甘い。

*前菜3 フォアグラのポワレ 豚足や豚耳、トコブシのガレット 赤ワインと根セロリのソース 黒トリュフ

ナニゲにモツ系を使う事が多い小野シェフ。フォアグラ(ある意味モツ)に、豚足・豚耳を合わせる発想が面白い。
たっぷりの黒トリュフの香りが、モツの香りをさらに妖艶に。

*メイン1 スッポンの炭火焼 ローズマリー ベーコン ケッパーのソース

驚愕の美味しさ。すっぽんといえば鍋か唐揚げがメジャー。
がっ、この炭火焼はそれを凌駕する。
骨が多いので、炭火焼は相当高い火入れの技術が要るのだと思います。
なので、あまりやる店が無いのかな?と思ったりする。
それをジューシーに、とても上手い火入れで焼いてる。
旨みが半端ないのですよ。
小野シェフの真骨頂。

*メイン2 ラカン産鳩  サルミソース

好きなラカン産の鳩。
しかもサルミソース。
幸せな味。

*デザート1 カシスとチョコレートのソルベ

濃厚。

*デザート2 苺 金柑 ヨーグルトアイス 紅茶のアイス 黒トリュフ

ワイングラスに入れられた、とても綺麗なデセール。
黒トリュフが良い味出してます。

ということで、今回も大満足。
他のお店への訪問(クリスマスうなぎとか)含め、幸せなクリスマスシーズンだった2015年。

ご馳走様でしたー。

[2015年10月訪問]

カゲロウからエクアトゥールへ戻って初の訪問。
内装はエクアトゥールに戻ってました(当たり前か・・)。

ランチで伺い、この日の内容は以下になります。

*マイタケのスープ フォアグラ ウナギ炭火焼 黒トリュフ
*牛肉のカルパッチョ 銀杏のソース フォン・ド・ボー 松茸 雲丹
*魚介類のフラン 薫香を付けたオマールエビ 白子 トリュフ
*甘鯛の鱗焼き 鮑のヴァプール 甲殻類のソース
*ルーアン鴨の炭火焼 カリフラワーと紫いものピュレ トリュフビネガー オニオンコンフィ トランペット茸
*ヨーグルト ライチのソルベ ベルベーヌのジュレ パッションフルーツ マンゴー
*黒イチジク 和三盆のアイス 水まんじゅう 黒蜜とスパイス
*カヌレ カプチーノ

今回も素晴らしかった。
マイタケのスープは、その香りと旨みが黒トリュフの香りとともにフォアグラの脂感を和らげ、甘みと旨みを増幅。
牛肉のカルパッチョは、たっぷりの松茸の香りにウニの甘み、フォン・ド・ボーの旨みが重なり恍惚の感。
魚介のフランは品の良い旨み。
甘鯛の鱗焼きはパリパリの食感が嬉しいし、甲殻類のソースも品が良い。
ルーアン鴨はコクが半端ない。
デザートはともに手が込みつつ、バランスが良い。

久々頂く小野シェフのフレンチに大満足。
次は12月。
ご馳走さまでしたー。

【2012年12月訪問】

以前より噂に聞いていた都内でも最高峰の隠れ家レストラン。
自分に縁があるとは思っていなかったのですが、お誘い頂き行って参りましたー♪(涙)

南麻布から元麻布へ12月に移転したばかりの此方。
看板も何も出ていません。
シェフとマダムの二人で切り盛りするのは6席のカウンターと同じく6席の個室。
ただし、最高でも6人くらいまでしか入れないとか。

当日は、私達のグループ6人で貸し切り。
幹事の方の配慮でカウンターに。

料理は以下。
ワインの持ち込み料含め13000円です。
ワインは、幹事の我らが葡萄党幹事長さんが持ちこんでくれましたー♪(4000円/人)

*アミューズ
毛ガニのプチタルト キャビア添え


タルトさくさく♪
毛がにの旨味とキャビアの塩気に、繊細な中にも重さが感じられるピエルソン・キュヴリエのシャンパーニュが口開けとして殊の外美味し。

*前菜 
赤穂カキとハマグリ ホッキ貝のミキュイ ホタテのブイヨンで作った海苔ジュレ 
ラングスティーヌのクリームとベルガモットのエスプーマ 黄柚子風味


個人的にこの日一番素晴らしかった皿。
とても長い料理名からして旨そうじゃないですか?!
実際、とても手間が掛かっています。

牡蠣などの海の幸はミキュイ(軽く火を通すこと)して旨味を活性化、帆立の出汁が旨味を加速させ、海苔の風味が潮の香りを運ぶ。
さらにラングスティーヌの旨味まで加わって、柑橘系のベルガモットと柚子の風味が旨味の重奏を爽やかにまとめる。
海の恵みをギュッと濃縮したような珠玉の一皿
今年頂いたフレンチレストラン全皿の中でも相当上位に入る逸品。

ピュリニーモンラッシェのキリッとしつつも華やかな味わいが、料理の重奏感をきっちりと受け止めてくれます。

*前菜
テットドフロマージュとラングスティーヌのポアレ 
ポワブロンルージュのクーリと秋トリュフ


豚のテリーヌと手長海老のポワレ。赤ピーマンのピュレと秋トリュフを添えてます。
トリュフと海老の香りが運ばれて来る時からぷわーんと♪
前の皿に比べると、素材の旨味をそのまま生かしたスッと流れるような一皿。
すっきりとしたアルザスの泡がその旨味を引き立てます。
コースの中で落ち着いた一時を演出してくれる感じ。
流れ的に素晴らしい。

*フォアグラ
鹿児島産タケノコとフォアグラのカネロニ仕立て ブルーチーズとフォアグラのソース


この時期の筍はとりわけ甘い。そこへ脂肪の甘みがあるフォワグラを合わせ、ブルーチーズの香りがアクセント。
筍のシャキシャキ感とフォアグラのトロトロ感の対比も楽しい。
合わせるのはアンリジローのラタフィア。葡萄果汁にマールを添加したその甘い味が、甘みを生かした料理ととても良い相性
グビグビいっちゃいました(汗)

*お魚
クミンをまぶした北海道産アンコウのロースト ココナッツソースとコブミカンオイル


とても身がしっかりとした鮟鱇。上質です。
クミンの香りがエキゾチック。
ココナッツソースで南国感を更に際立たせてます。
合わせるのはムルソー。ムルソーとしてはやや軽め。コブミカンオイルがそのつなぎ役ですね。

*グラニテ
5種類のベリー(いちご ブルーベリー ラズベリー ブラックベリー 黒すぐり)


ベリーの風味が濃厚なグラニテ。
その風味を湛える赤ワインを頂く前の序曲。

*お肉
ピジョンラミエのロースト 赤ワインとエシャロットのフォンダン


鳩ですよ。鳩。しかもジビエの森鳩!
幹事の方が、鳩を好きな私のためにリクエストしてくれてたそうです(涙)。
素晴らしいのが火入れ。
レアレア感が残り、とってもジューシ-♪
ソースはエシャロットを使ったややさっぱり味。
鳩の味そのものを生かすソース。

合わせるワインは畑も作り手も違う2種のジュヴレシャンベルタン。
'02と'09。どちらも素晴らしい。
ジュブレシャンベルタンらしいしっかりとしたミネラル感のある骨格に加え、'09の方はVVらしい果実味、02'は熟成感と果実味のバランスが秀逸。
酸はまろやかで練れた香り。
ミネラル感のある味わいが鉄分を感じる鳩の肉の風味と合います

料理を考えると、鳩なのでソースは内臓を使ったもう少し重い方が好みなのですが、繊細なブルゴ-ニュとの相性を考えてあえて軽めのソースにしたのだと思います。

ワインに合わせて料理を作るというこちらの店の凄みがよく分かる一品です。

*デザート
桂花陳酒のジュレ ソルベアマンド マンゴープリン 金柑といちご 
パッションフルーツのコンポート


これも手が込んでいます。
マンゴ-・金柑・苺・パッションフルーツ。
酸味を持ちつつ味わいが異なる様々な果実を合わせて複雑な爽やかさを演出し、桂花陳酒の甘みとアーモンドで重さを与える構成。
とてもバランスが良くて秀逸なデザート。

*プティフール
カヌレ クレームショコラ


普通に美味しく。

ということで、ワインと料理の素晴らしいマリアージュ。
単独よりもワインと合わせることでより素晴らしさが増す料理
味わいも複雑さと軽さを織り交ぜ、コースの流れの中での強弱もよく考えられています。
全てが夢のような物語の紡ぎ手。

そして、贅沢な空間を貸し切り、気のおけない仲間と楽しむ時間の素晴らしさ。
個人的に今年最高のレストランと言っても過言ではないかと。

少し早いとっておきのクリスマスプレゼントになりました♪
ずっと思い出に残る時間になりそう。
誘って頂いた方に大感謝です。

ご馳走様でしたー。

PS
ということで今年最高と言っても過言では無いお店を、今年最後のレビューにさせて頂きました。
こういうお店に誘って頂いてとても楽しい時間を過ごしたり、日々のレビューでのコメントのやり取りや他の方のレビューで楽しませて頂いたり、皆様のお陰で今年1年とても充実した活動を送れたことに感謝しております。
ありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。
皆様どうか良いお年をお迎え下さい♪

  • ラカン産鳩のポワレ 赤ワインのソース
  • フォアグラの炭火焼き 大根 コンソメ
  • 真鯛と筍のミルフィーユ仕立て ビネグレットトリュフ

もっと見る

2位

虎白 (飯田橋、牛込神楽坂、神楽坂 / 日本料理)

15回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2020/02訪問 2020/02/23

日本料理の新しい世界を切り開く

2020ミシュラン東京でも三ツ星だった虎白さん。
7~8年前から年に5~6回程度通っており、定期訪問です。

料理だけで3万円弱になるのかな?
この日の内容は以下になります。

*先付 車海老 白味噌仕立て
*揚物 松葉蟹クリームコロッケ キャビア
*凌ぎ すっぽん肝 おこわ
*お椀 ふぐ 白子 にゅうめん
*造り めじ鮪 酢ジュレ
*焼物 白甘鯛 春菊 ふき味噌
*酒肴1 なまこのコノワタ掛け 
*冷し物 海老芋 トリュフ
*煮物 月の輪熊みぞれ煮仕立て
*酒肴2 からすみ
*酒肴3 自家製XO醤
*食事 ブリの炊き込みご飯
*デザート 苺のアイスクリーム ラム酒のゼリー 松の実

今回もとても良かった。
松葉ガニのクリームコロッケは、蟹味噌も入れた蟹肉がたっぷりで、蟹の旨みが凝縮してる。
キャビアで目を描く遊び心も。
車海老の白味噌仕立ては、白味噌がすっきりで、白味噌の甘さが車海老の甘さを超えないので、車海老の甘さや旨みがきちんと生きてる。当然のようでいて、意外にそのバランスを保っているお店は多くない。
凌ぎは、スッポンの肝というのが珍しい。ちょっと苦みがあるけれど、コクがたまらん。

酒肴をちょこちょこ出してくれるのも嬉しい。
なまこのコノワタ掛けのコノワタは特有の磯臭さがなくてとても美味しいし、XO醤のイカの旨みも良かった。辛さ抑え目で品が良いし。
それ以外の料理も、高次元で安定的に美味しい。

サービスの良さは鉄板だし、これからも通う予定。
なお、カウンターは結構混んでますが、テーブル席なら初めてでも予約は比較的取れるかと思います。

ご馳走様でしたー。

ミシュラン三ツ星にして本サイトの評価も非常に高い此方。
定期訪問です。

この日の内容は、以下。

*先付 鳥取産松茸のすり流し 銀杏
*揚物 松茸の春巻き
*凌ぎ 青森産モクズガニ キャビア 飯蒸し
*お椀 兵庫(天橋立)産天然うなぎの真丈
*造り トラフグの焼き霜 あん肝 酢ジュレ
*焼物 クエ 福井産天然舞茸 クリームトリュフソース
*強肴 焦がし茄子 鱈の白子の餡 菊花
*煮物 車海老 蕪 春菊 白味噌仕立て
*留肴 玉子サンド 白トリュフ
*食事 松茸ご飯 ナメコの味噌汁 香の物
*甘味 ピオーネのソルベ ラム酒のゼリー クリームチーズのソース 揚げ湯葉

いつにも増して素晴らしかった。
さらに進化してる感。
ベースは和ながら、その範疇を超えた料理を出してくる。

素材の持ち味を生かしつつ、そのポテンシャルを最大に引き出す。
その引き出し方が実に緻密だし、研究してる。
火の入れ方とか、時間は秒単位、温度も一度ごとにコントロールして決めるみたいな。
そういうお店はありますが、意外と食べた際に説得力がなかったりする(個人的感想です)。
こちらは研究とその実行がちゃんと美味しさに結実してると思う。
松茸のすり流しは、今年色々なお店で頂いた松茸料理の中で断トツに美味しかった。
春巻もそうで、普通行われる焼きや揚げ(フライや天ぷら)よりも松茸の本質を生かしてた。
つまり松茸は香りが命で、香の元は揮発成分ですから、熱を掛けた方がより香りが立つ。
それを、アツアツのすり流しや春巻にすることで、非常に香りが立つし、それが最後まで続く。
既成概念を打ち破り、従来の調理の上をいく発想に感動。
素晴らしいです。
また、今回初めて頂いた鰻の真丈は素晴らしかったのですが、3年掛けてやっと出せるものになったそうで、その努力に敬服。
それに合わせて出汁もコントロールしてたり、緻密。
素材選びも、めっちゃ美味しい特別らしい天然舞茸やこういう店ではあまり使わないモクズガニなどやはり努力を怠らない。
名声を得ても、それに甘んじることがない。

小泉さんとの会話も楽しく、ずっと通いたい名店。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の感想を追記です。

松茸のすり流しは、松茸の香りが濃厚。
かなりの量を入れてるそうで、葛とか入れてないのに、松茸によって少しドロッとしてるくらい。
貝柱や鶏の出汁で旨みをつけ、松茸の香りと一緒に頂く幸せ感は半端ない。
もう少し旨みを引いても良い気もするが、銀杏の苦みを合わせると丁度良い。
この辺りの計算がニクイ。

続く松茸の春巻きは、アツアツでこれまた松茸の香りが凝縮されてる。
春巻にすることで香りが封じ込められ、齧るとぶわっと香るのが良いな。
また、あっさりとした餡は松茸の味を邪魔しないし、ジューシーさが封じ込められる。
前述のように、松茸の本質を生かし、さらに昇華した料理2品には唸るしかなかった。

凌ぎのモクズガニは、上海ガニの近縁種ですが、上海ガニに比べるとあっさり。
でも、そういう珍しいものを頂けるのは嬉しい。

ウナギの真丈は白眉。
炭の香りをまとった天然の鰻は、脂感が適度でとても美味しい。
ウナギの良さだけが凝縮してる感じ。
前述のように3年掛けて出せるものが出来たそうで、実際素晴らしいです。
吸い地も鰹節を多めにして少し酸味を効かせることで、鰻の脂をうまく切ってる。

トラフグの焼き霜は、旨みが素晴らしい。
淡白な河豚にコクを出すためにあん肝を合わせるのですが、河豚より風味が強いので、もう少し抑え目でも良いような。
ジュレは淡白な河豚に合わせるためにいつもより酸味を抑えていて、とても良かった。

焼物のクエは、少し蒸してもいるそうで、もっちりとした食感。
福井の天然舞茸がめっちゃ美味しい。
特別なものだそうで、感動。炭の香りも良いし。

強肴は少し焦がした茄子の苦みと甘み、白子の旨みのハーモニーが良い。
これは旨みを前面に出し過ぎておらず、その品の良さが嬉しい。

煮物は高温で油通しした車海老の甘さに唸る。
スープも薄味で嬉しい。
カブの甘みと白味噌の甘みも合ってる。

玉子サンドに白トリュフを合わせたものは、和ではないけど単純に美味しい。
出した理由を聞いたけど、単純に玉子サンドが好きだからとかw

松茸ご飯は、最後に生の松茸を混ぜて火を通すことで香りが上がる。
素直に美味しい。

デザートは、ソルベが葡萄の味が凝縮してて良かった。

以上です。

3か月ぶりの定期訪問。
神楽坂にあるミシュラン三ツ星の日本料理店。

この日の内容は、以下になります。

*先付 雲丹 ふかひれ 焼き茄子
*揚物 鮎 トリュフソース
*凌ぎ 海鰻 海苔巻き 梅
*お椀 帆立真丈 おくら
*造り 太刀魚藁燻し 酢ジュレ
*中皿 鱧の木の芽落とし 万願寺唐辛子 
*焼物 きじはた 牛蒡餅 赤味噌 芽葱
*冷し物 玉蜀黍寄せ キャビア
*煮物 鮑 賀茂茄子 じゅんさい
*食事 ますのすけと新生姜の炊き込みご飯
*甘味 黒蜜寒天寄せ トリュフと焼きバナナのアイスクリーム

相変わらず、素晴らしいです。
とにかく調理について色々と研究し、素材の持つ力を最上級に引き上げる。
もちろん素材も良いですしね。
驚愕したのは、玉蜀黍寄せ。
玉蜀黍を丸ごと茹でて寒天寄せに。
頂くと、まさに玉蜀黍のそのものというか、エッセンスが凝縮してる感じ。
それだけでも甘いのですが、キャビアと頂くと、その塩気でさらに甘みが立つ。
感動でした。

先付の雲丹は、松川さんでも使っている貴重な由良うにで、品の良い甘みが嬉しい。
焼き茄子の甘さとも良い相性。
あ、薬味(あさつき)は、ちょっと邪魔だったかもですが。

揚げ物の鮎は、この時期名物のダイブ鮎w
アツアツの鮎のほろ苦さとトリュフを入れ出汁でのばしたクリームソースの甘さが良い対比。

凌ぎに使うのは、天然鰻でも貴重な海鰻。泥臭さが無くてとても美味しいのですが、希少なので入手困難。それをこだわって、ずっと入手してるそう。さすがです。
その焼き方も適切で、仄かに忍ばせた梅も良い感じ。

お椀の吸い地も、薄味ながら以前のように行きすぎず、繊細で美味しい。
名物のつなぎを使わない真丈は帆立。帆立の甘みが存分に生きているものの、これは真丈でなくても良かったかも。
とはいえ、お椀としてはかなり美味しい。

造りの太刀魚も質が良くて、脂の乗りがタマラン。

鱧の木の芽落としは、骨切りの程度は普通なものの(少しだけ骨を感じる)、鱧の骨と昆布から取る出汁が滋味深くて美味しい。木の芽の量も多すぎず、適切。

焼物のキジハタは、しっとりとした旨みが乗ってる。
少し甘い赤味噌との相性も良いな。

玉蜀黍寄せは、前述のとおり。

煮物は、賀茂茄子のトロトロ加減に悶絶。
甘みが引き出されていて、美味しい。
鮑も旨みが乗ってます。

ますのすけ(キングサーモン)と新生姜のご飯は、手堅い美味しさ。

甘味は、バナナを皮ごと焼くことで甘みをさらに引き出し、トリュフを合わせたアイスクリーム。
こういう所もすごいなと。

ドリンクだと、ウーロン茶がすごく良かった。
嶺頭単叢という品種の水出し。
マスカットのような香りがして、甘さがありながらもすっきり。
素晴らしいです。
これに行きつくまで、相当な種類のお茶を試したそう。
またその淹れ方も、いきなり水出しにするのではなく、お湯で雑味を取り除いてから水出しにするとか。
市販のお茶(ロイヤルブルーティーとか高級水出し茶)に頼らず、自ら研究して素晴らしいノンアルドリンクを考える姿勢もすごいなと。

ずっと通っていることもありますが、店主の小泉さんとの会話も楽しい。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。
変らず定期的に通ってます。
ただ最近はだいぶ混んできて、土曜のカウンターは半年先くらいまで埋まってる感じ。

GWに入ったこの日、翌日から此方は休みに入るとかで、平成最後の営業日に伺う形になりました。
この日の内容は、以下になります。

*先付 芹とフカヒレの胡麻和え 温泉玉子 生のうるい 
*揚物 穴子の西京揚げ からすみ
*凌ぎ 大間の雲丹 ホタルイカの酒盗漬け炙り 海苔 もち米
*お椀 のどぐろ真丈
*造り 神戸牛のしゃぶしゃぶ 酢ジュレ
*箸休め のれそれ キャビア 美味出汁
*焼物 甘鯛 フキ味噌 花山椒
*強肴 昆布出汁で軽く火を通したあわび 肝のソース 菜の花
*煮物 あいなめ 筍 花山椒 
*食事 鰻と花山椒の炊き込みご飯 赤出汁 香の物
*甘味 抹茶ムース 桜のソルベ 道明寺揚げ

今回もとても良かった。
白眉だったのは、鮑。
昆布出汁に数十秒?潜らせた鮑は、磯の香りを残しつつ、生より柔らかい。
すごく新鮮な食感であり、食べ方。
素晴らしいです。

造りには、魚の刺身ではなくて、軽ーく火を通した神戸牛。
結構脂が乗ってるので、酢ジュレがとても合う。
お造りだから魚でなくてはならないという概念を飛び越えた発想に唸る。

穴子を西京味噌に3時間漬けてから揚げた穴子も良かった。
個人的に、脂が乗った穴子を揚げた料理(穴子の天ぷら)は、脂感が強くなって苦手なことが多い。
西京味噌に漬けることで、その脂感が和らぎ、穴子のホクホク感が出る感じになり美味しい。
唐墨も、その塩気が揚げ物にすごく合ってた。

それ以外も、さすがの美味しさ。
凌ぎの雲丹は甘く、その甘さとホタルイカ酒盗漬けの旨みが合わさるととても奥行きのある味になる。

お椀の真丈は、相変わらず感動もの。
つなぎを使わないため、風味の濃厚さが素晴らしい。
吸い地も、脂が乗った穴子とバランスを取るため、鰹節を強くしてちゃんとバランスを取ってる。
甘鯛も、苦み穏やかなフキ味噌との相性がとても良かった。
煮物は、筍がすごく美味しかった。エグミがなくて、ほっくり。今シーズン一番の筍。

甘味も、道明寺粉を揚げてあられ状にしたものは、普通のあられよりも軽い食感で、ムースの柔らかさとバランスが取れてる。あられの強い食感は、他の食材と合わないと感じることが多いので、こういう所も素晴らしいな。

ということで、今回も大満足。
ご馳走様でしたー。

今年初めての虎白。
丁度冬と春の境目のような時期で、両方の食材を楽しめました。
当日の料理は、以下になります。
お酒を少し(2合程度)頂いて、一人25000円ほどです。

*先付 猪の焼き浸し
*揚物 松葉蟹のクリームコロッケ 天然ふきのとう
*凌ぎ 唐墨とうずらの温泉玉子 おこわ
*お椀 河豚のにゅうめん
*刺身 のどぐろのジュレ掛け
*焼物 諸子の煮びたし
*つまみ あん肝
*強肴 とらふぐの白子
*煮物 甘鯛 筍 ねぎ
*食事 トリュフ風味クリームソース掛けご飯
*甘味 うすい豆餡 ブランデーゼリー 白胡麻ソース

今回も大満足。
河豚のにゅうめんとか、出汁でゆっくり火を入れた白子とか、高いレベルの新作が出て来るのが楽しい。
他店でもある松葉ガニのクリームコロッケも、蟹味噌を入れることでホワイトソースに負けないコクを出しており、生涯で一番のクリームコロッケ。
常に研究を怠らず、高みを目指す姿勢には、本当に感服します。
素材も良くて、例えば全くエグミのない筍の甘さに感歎。諸子も美味しかった。

そして、相変わらず小泉さんの接客はとても良い。

お酒も、とても美味しい。
限定だという風の森のトロッとした旨さには唸った。
それ用に3日掛けて作る、ふぐヒレを使ったふぐヒレ冷酒の香ばしさにも唸ったり。

ほんと此方は心地よいな。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細を少し。

*先付 猪の焼き浸し

猪の焼き浸しは、ややしっかり目の味ながら品の良さを失っておらず、分かりやすくも美味しい。
猪肉が力強いので、そういうしっかり目の味付の方がバランスが取れる感じでもあります。

*揚物 松葉蟹のクリームコロッケ 天然ふきのとう

松葉蟹のコロッケは、蟹の身の方がソースよりも断然多いそうで、美味しい。
出汁を入れてるのか、ソースの脂肪分や甘みが強すぎないので、蟹の甘みを邪魔しない。
そして、蟹味噌でコクを出すことで、さらに蟹の存在感や旨みが立ってる。
天然のふきのとうの優しい苦みは、コロッケの甘みや旨みを引き立てる。

*凌ぎ 唐墨とうずらの温泉玉子 おこわ

優しい味で、イノシシ・松葉ガニとややはっきり系の味が続いた後だけに、その優しさが嬉しい。

*お椀 河豚のにゅうめん

久し振りに真丈以外のお椀。
すっぽんと河豚の出汁が出た吸い地がとても美味しい。
身も心も温まる佳品。

*刺身 のどぐろのジュレ掛け

たっぷりと脂が乗ったのどぐろを軽く炙ることで、皮目の脂が溶けてとても美味しい。
ただ、お造りの味付は、そろそろジュレ掛け以外の形でも良いかな??

*焼物 諸子の煮びたし

諸子の苦みが良い感じ♪

*つまみ あん肝

臭みがなくて、旨みたっぷりのあん肝。
70℃(だったかな)でゆっくり火入れすることで、この旨みが出るのだとか。

*強肴 とらふぐの白子

60℃の出汁に浸けて、ゆっくり火入れ。
トロッとしていながら雑味がなくて、ピュアな旨み。
感動。

*煮物 甘鯛 筍 ねぎ

葱と筍の甘さに唸る。

*食事 トリュフ風味クリームソース掛けご飯

出汁でのばしたクリームソースはあっさりで、ご飯ととても合う。
悶絶級の美味しさ。
よく魚に合わせて出してくれるトリュフクリームソースですが、ご飯にこれ程合うとは驚きです。

*甘味 うすい豆餡 ブランデーゼリー 白胡麻ソース

鉄板の美味しさ。

以上です。



今年もミシュラン三ツ星♪
今年最後の虎白さん。

当日の料理は以下になります。

*先付 海老芋 すっぽん餡
*揚物 鴨藁燻し 銀杏
*凌ぎ 香箱蟹の飯蒸し
*お椀 松葉蟹真丈
*造り 平目肝和え
*強肴 柴山産松葉蟹の炙り
*焼物 鰆 牛蒡 トリュフソース
*冷し物 喉黒 焼き茄子
*煮物 聖護院蕪と白子のすり流し
*食事 穴子と牛蒡の炊き込みご飯
*デザート マスカルポーネ 焼アーモンド ブランデー寒天

今回も大満足・感動の連続。

先付の海老芋は、裏ごししてからまとめ、スッポンの餡を。
結構しっかりとした味付け。
もう少し薄い方が好みですが、今の時期は最初にこういうしっかりとした味もありな気も。
体が温まる。
スッポンの旨みも嬉しい。

鴨の藁燻しは、少し燻製の香りが強すぎるかな?と思うものの、柔らかくてまずまず美味しい。
とはいえ、揚げる必要があったのかは・・。この日、唯一もう一つかなぁと思った品。

香箱蟹の飯蒸しは、鉄板の美味しさ。
香箱蟹は温かい方が美味しいなぁとしみじみ思いながら、悶絶。

今の時期に出してくれる松葉蟹の真丈は、蟹の旨みがギュッとして悶絶。
何度頂いても、毎回感動。

平目の肝和えは、70℃で火を入れたあん肝の臭みがない旨さに悶絶。
酢ジュレの柔らかい味も良いな。

松葉蟹の炙りは、なんの味も付けずに。
そういうところが、小泉さんらしい。
その甘さに悶絶。

焼物の鰆は、スペシャリテのトリュフソース。
トリュフの香りが良いな。
ミルク風味のソースとの相性もすごく良い。
鰆はやや淡白なものを使っていて、それがソースと合ってる。

冷し物の喉黒は、熟成の加減が良い。
喉黒もたっぷり脂が乗って、美味しい。

煮物の蕪と白子のすり流しは白眉。
蕪の優しさに白子の旨みが加わり、でも味はあくまで優しく。
まさに此方の真骨頂で、感動。
具の椎茸も旨みが半端ない。
出汁醤油で焼いて、旨味を上手く引き出してる。
湯葉の優しさは、すり流しと柔らかなグラデーション。

穴子と牛蒡の炊き込みご飯は、生の牛蒡を最後に入れて蒸らしたとかで、牛蒡の香りがすごく良い。

デザートはティラミス風。
ブランデー寒天のすっきりしつつも芳醇な味と、マスカルポーネの甘みある濃厚さがとても良い相性。お互いを引き立てる。

それ以外にも、塩加減控えめでめっちゃ美味しい唐墨をちょっと出してくれたり、味見でフォアグラと出汁を合わせたスープ(上品でコクがある)を出してくれたり、イノシシのバラ肉を炙ったものとか、ちょっとしたサービスもすごく嬉しいし、楽しい。

ご馳走様でしたー。


 
訪問回数が多くなったので、まとめておきます。

神楽坂にあるミシュラン三ツ星の日本料理店。
同じくミシュラン三ツ星の神楽坂 石かわの姉妹店。

30代半ばの小泉料理長は、石かわとは違う独自の世界を切り開いてます。
和以外の食材(トリュフなど)を用いたり、火の入れ方や香りの付け方など色々と創意工夫をし、でも和食の域を決して外れることなく、素材の美味しさを最大限に引き出す。
出汁などの味付けは控えめで品がある。
酸味の付け方も強くなくて上品。
唯一無二とも言える個性を持ち、新しい和食の世界を拓いてます。
何度通っても感動がある稀有な凄みを持つ店。

サービスもとても優秀。
店主の小泉さんの接客が何より素晴らしい。
店内も高級感があります。
それでいてお値段はコースで2万円くらいと、昨今の高級日本料理屋さんとしては高くはない。
素晴らしいです。

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4か月ぶりに訪問。

当日の料理は、以下になります。

*先付  トリュフとユリ根すり流し うずらの温泉玉子
*揚物  子持ち鮎笹燻し 銀杏 
*凌ぎ  鱧と松茸の飯蒸し 
*お椀  金目鯛の真丈
*お造り 平目のあん肝和え 酢ジュレ
*お造り しめ鯖
*焼物  くえ 白胡麻豆腐 山椒味噌
*冷し物 鮑 焼き茄子 雲丹 肝ソース
*煮物  のど黒 小松菜
*食事  牛しゃぶと松茸の炊き込みご飯
*デザート 焦がし砂糖のアイスクリーム 焼き胡桃 松の実 ラム酒のソース

今回も素晴らしかった。
つなぎを使わない真丈が、相変わらず絶品。
金目鯛の旨みが濃くて、炭の香りがとても良いアクセント。
ごく薄味の吸い地とのバランスも良い。

鱧と松茸を使った飯蒸しは、出汁を昆布とカツオだしだけでなくて、貝柱や鶏なども使いつつ、上品に仕上げた餡を張ってます。
松茸の土瓶蒸しの出汁みたいに、色々な旨みが溶け込んでいる味を目指したのだとか。
実際とても複雑な味で、悶絶。

琵琶湖の子持ち鮎は、稚アユのような大きさながら、しっかり子を持っています。
すごくカリッサクッと揚げつつ、卵はしっとり。
美味しいな。
熟成酢や醤油・出汁などを使ったツケたれも秀逸。

お造りの平目にまぶしたあん肝は、70℃でゆっくり火入れ。
そのため、しっとりしつつも脂っぽさがなくて、ふわっとした食感。

焼き物のクエは、強火で一気に焼いてるとかで、キュッとしまった食感。
脂が乗ったクエだからこそ、この高温の調理が生きる。
そういう素材を見極めて、適切な調理を施すところが小泉さんのスゴイところ。

冷やしものの鮑は、旨みがギュっとして、これまた悶絶。
肝ソースの上品さにも唸る。

白眉は、松茸と牛しゃぶしゃぶのご飯。
松茸ご飯に、生の牛肉を入れ、かき混ぜてご飯の熱で牛肉に火を通す。
一方、脂が乗った牛肉なので、熱で溶けた脂でご飯がコーティングされ、甘みとコクが出る。
入れる牛肉の量は〇〇gと、研究の結果厳密に決まっているそうです。
確かに、多くてもくどくなるので、実際にバランスの見事さに唸りました。

ということで、今回も大満足。
以前に比べ、予約が取りにくくなってるのがツラいのですが、通い続けることは間違いないです。

ご馳走様でしたー。
訪問回数が多くなったので、まとめておきます。

神楽坂にあるミシュラン三ツ星の日本料理店。
同じくミシュラン三ツ星の神楽坂 石かわの姉妹店。

30代半ばの小泉料理長は、石かわとは違う独自の世界を切り開いてます。
和以外の食材(トリュフなど)を用いたり、火の入れ方や香りの付け方など色々と創意工夫をし、でも和食の域を決して外れることなく、素材の美味しさを最大限に引き出す。
出汁などの味付けは控えめで品がある。
酸味の付け方も強くなくて上品。
唯一無二とも言える個性を持ち、新しい和食の世界を拓いてます。
何度通っても感動がある稀有な凄みを持つ店。

サービスもとても優秀。
店主の小泉さんの接客が何より素晴らしい。
店内も高級感があります。
それでいてお値段はコースで2万円以下と、昨今の高級日本料理屋さんとしては高くはない。
素晴らしいです。

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少し間が開いて、4か月ぶりの虎白さん。
当日の料理は、以下になります。

*先付  鮑 雲丹
*揚物  鮎 トリュフ
*凌ぎ  のど黒蒸し寿司
*お椀  渡り蟹真丈
*造り  太刀魚藁燻し 酢ジュレ
*焼物  鱧 玉蜀黍
*冷し物 牛 絹かわ茄子
*煮物  鰻 夏野菜
*お食事 スッポンの炊き込みご飯
*デザート メロンの氷 蓮餅 最中 カラメルゼリー

今回も、素晴らしかった。

先付は、雲丹の甘さにあさり出汁の旨みが加わり、その甘さと旨みのハーモニーに悶絶。
蒸し鮑の旨みは、逆に箸休め的とさえ言える、贅沢感。

定番のダイビング鮎(通称)は、アツアツ。鮎の肝の苦みと、ミルク風味トリュフソースの甘さ・芳醇さとの対比が楽しい。
喉黒の蒸し寿司は、喉黒の脂がトロける♪炭火で焼いてるので、香ばしさも良い。

お椀は、やはりこちらの白眉。薄味に仕上げた吸い地が完璧。一時期薄すぎましたが、今は完璧かな。つなぎを使わない真丈の美味しさはいわずもがな。

お造りは、太刀魚が非常に脂が乗っていて美味しい。酢ジュレも酸味が柔らかで、太刀魚の脂感を優しく受け止めてくれる。
鱧は皮目から軽く火を入れており、その旨みの引き出し方が素晴らしい。
煮物の鰻のトロトロ加減にも、ウナった。

スッポンの炊き込みご飯は、もうねぇ。言葉は要らない感じです。
デザートは、鉄板の美味しさだし。

大満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*先付 鮑 雲丹

昆布と鰹節の出汁に、あさりの出汁も加え、ゆずやスダチで酸味を付け、雲丹やじゅんさいをあしらう。
そこへ蒸し鮑という贅沢。
前述のように、雲丹の甘みに出汁の旨みが絡み、柑橘の酸味がその後口にキレをもたらし、蒸し鮑の旨みが箸休め。
最初から、悶絶。

*揚物  鮎 トリュフ

名物、ダイビング鮎。
鮎はカラっと揚がっていて、アツアツ。ミルクベースのトリュフソースもアツアツ。
活けの鮎は、肝の苦みが心地よく、それをトリュフソースの甘みが優しく包む。
虎白の夏の風物詩ですね。

*凌ぎ  のど黒蒸し寿司

喉黒は、脂がトロトロ。
その脂を、酢飯の酸が切ってくれる。
個人的には、酢飯の酢がもう少し柔らかくても良いかなーと思うものの、とにかく喉黒の上手さにヤラレタ。

*お椀  渡り蟹真丈

吸い地は薄味で、ややしっかり目の真丈と合わせるとドンピシャ。
完璧とも言えます。
ただただ唸る。
真丈は、渡り蟹の内子も入れており、素直に美味しい。

*造り  太刀魚藁燻し 酢ジュレ

太刀魚は、脂が乗ってます。
軽く藁で燻した香ばしさが、その脂感にキレを出す。
酢ジュレは、酸味が穏やかで、太刀魚の脂感とバランスが取れ、これまた悶絶。

*焼物  鱧 玉蜀黍

鱧は、皮を柔らかくするために、75℃のお湯に15秒程浸けて、湯通し。
それから捌いて、皮だけに軽く火を通す。
身の旨みが逃げずに、素晴らしい旨み。
こういう工夫は、まさに真骨頂。
玉蜀黍のキューブ(おろして固め、醤油でつけ焼き)の甘さにも、悶絶。

*冷し物 牛 絹かわ茄子

牛は、低温で火入れしており、とても柔らかい。
熟成した酢を使っていて、その深い酸味が、牛の旨みを持ち上げる。
生の実山椒の清涼感も嬉しいな。
茄子の甘みにも、感嘆。

*煮物  鰻 夏野菜

鰻が、トロトロでほんとトロける。
脂も良い感じに乗っていて、これまたウナる。
愛知(一色かな)からお越しになったうな様だとか。

*お食事 スッポンの炊き込みご飯

スッポンを焼いて出汁を取り、その出汁でご飯を炊いて、さらに身を細かく切って乗せる。
その旨みと米の甘みが合わせるのだから、言葉不要の美味しさ。

*デザート メロンの氷 蓮餅 最中 カラメルゼリー

蓮粉を使ったという餅は、わらび餅のように伸びる。
蓮餅の特徴は、冷えても弾力を失わないところなのだとか。
確かにメロンの氷と合わせても、よく伸びて食感が良い。
蓮餅には黒糖も入れていて、素直に美味しい。
千切った最中のパリパリな食感と、弾力ある餅との対比も楽しい。

以上です。
3か月ぶりに訪問。
当日の料理は以下になります。

*先付け 喉黒の酒蒸し
*揚物  煮穴子 牛蒡
*お凌ぎ 焼白子飯蒸し
*お椀  穴子真丈 芽蕪
*お造り 平目 あん肝和え
*進肴  あおりいか刺身 このこ
*焼物  すっぽん 玉ねぎ餅
*冷し物 牛 トリュフ
*煮物  松葉蟹うす葛煮
*お食事 ブリの炊き込みご飯
*デザート 黒蜜寒天 ラムソース ブランデーシャーベット

ついに、皆さん絶賛の穴子真丈を頂きましたっ!
で、想像以上にすごかった。
穴子のコクが何とも素晴らしく、言葉に出来ない美味しさ。
旨みの洪水で、穴子でありがちな魚臭さは一切なし。
期待値は相当でしたが、それを軽く上回る凄さ。
感動です。

で、それ以外も素晴らしかった。

喉黒の酒蒸しは、驚くほどしっとり。
品の良い脂の甘みとしっとりとした身の旨みが溶け合い、感動の美味。
焼き茄子の香ばしさも、その旨みに良いアクセント。

煮穴子の揚げ物にもビックリ。
穴子をじっくりと時間を掛けて煮て、普通の天ぷら粉ではその柔らかさで衣がまとまらないということで、コーンスターチと小麦粉を混ぜたもので、フリットのようにして揚げてる。
カリッとした香ばしい薄衣を齧った途端、とろける柔らかさと旨みを持った穴子の味が押し寄せる。
添えた、出汁を含ませてから揚げた牛蒡も美味しかったな。

天然虎河豚の白子を使った飯蒸しは、醤油を少し塗ってから焼いており、とろりとした旨みがタマラナイ。

焼物のすっぽんは、20分ほど掛けてじっくりと火入れをしているそうで、旨みが凝縮。
これにも感動しました。
添えた玉ねぎ餅も、玉ねぎの甘みが非常に引き出されていて、感動。

冷し物の牛も、低温で火入れしており、ねっとりとした旨みに卵醤油の旨みも加わり妖艶。
さらにトリュフの官能的な香りまで加わり、悶絶。
原木椎茸の旨みも素晴らしい。

松葉蟹のうす葛煮は、蕪に感動。
とても柔らかくとろけるように煮えていて、でも形を崩さず、繊維を全く感じない。
大きい蕪の芯の部分だけを使っているとか。

ブリの炊き込みご飯は、生姜の香りでスッキリ。

デザートは鉄板の美味しさ。山椒粉を少しだけ散らしていて、甘みの中にしびれる爽やかさがあって、面白い試み。

そんなこんなで、今回も大満足。
これだけ通って、毎回新鮮な感動があるのがスゴイです。

ご馳走様でしたー。

訪問回数が多くなったので、まとめておきます。

神楽坂にあるミシュラン三ツ星の日本料理店。
同じくミシュラン三ツ星の神楽坂 石かわの姉妹店。
三ツ星とはいえ、すごく予約が困難ではない。

30代半ばの小泉料理長は、石かわとは違う独自の世界を切り開いてます。
和以外の食材(トリュフなど)を用いたり、火の入れ方や香りの付け方など色々と創意工夫をし、でも和食の域を決して外れることなく、素材の美味しさを最大限に引き出す。
出汁などの味付けは控えめで品がある。
酸味の付け方も強くなくて上品。
唯一無二とも言える和食の進化形。
何度通っても感動がある稀有な凄みを持つ店。

サービスもとても優秀。
店主の小泉さんの接客が何より素晴らしい。
店内も高級感があります。
それでいてお値段はコースで2万円以下と、昨今の高級日本料理屋さんとしては高くはない。
素晴らしいです。

【2016年11月訪問】

今回は、蟹尽くしコースを頂きました。
あまり喧伝していないそうですが、依頼されればやるそうで、シーズン中は一日に一組くらいの注文があるとか。
蟹なので料金はさすがにして、25000円~30000円くらいの時価と聞きました。
今回は、30000円(税・サ別)だったかと思われます。
二人で日本酒を1合とビール1杯、ウーロン茶2杯を頂き、合計72000円ほど。
当日の内容は以下になります。

*先付 蒸し香箱蟹
*揚物 甘鯛 銀杏
*お凌ぎ 香箱蟹飯蒸し
*お椀 松葉ガニ真丈
*活け蟹 刺身 炙り蟹 茹で蟹
*焼物 甲羅味噌焼き
*煮物 蕪 白味噌
*サービス 唐墨
*お食事 松葉蟹 香箱蟹ご飯
*デザート 小豆 松の実 ココナッツソース

まずは、生きてる蟹がお出迎え。
柴山漁港の1.3kg。
なかなか立派です。
蟹は、その見せ蟹(お出迎え蟹)以外も使い、計一人1匹相当。
それ以外に香箱蟹も出て、蟹度は相当高い。
もう目一杯、蟹におぼれることが出来ます。w

その蟹料理は、虎白らしい上品な味付けで蟹の旨みが生きてる。
蟹そのものは、質が良いものの、極上とまではいかない。
やや甘みが足りないというか。
お値段が、蟹尽くしとしてはややリーズナブルですし。
ただそれを、素材を生かし美味しさを引き出した調理で素晴らしいものに仕立ててる。
蟹酢などは、一流店でも酢が強くて蟹の味を殺いでるところがありますが、さすがにこちらは品が良くて、蟹の味を邪魔しない。
そういうところが嬉しい。
なお虎白さんでは、同じ蟹尽くしでも毎シーズン少しずつ内容(調理法含め)を変えてるそう。
調理法も色々と研究しているとか。

庶民なので、こういう蟹尽くしは冬の福井で食べたくらいですが、非常に楽しかった。
お値段的にはそうそう行けないですが、シーズンに1回くらいは楽しみたいかも。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*先付 蒸し香箱蟹

温かい状態で提供。
香箱蟹は冷たい状態で出すところも多いですが、温かい方が蟹の甘みが出ると思うので、嬉しい。
この辺りは、さすが抜かりがない。
上に薄味の出汁餡を掛けてます。
その出汁餡は、生姜とお酢をほんの少しだけ利かせていて、非常に上品。
蟹の旨みを邪魔せず、昇華する。
こういう風に素材の味を引き出すのは、ほんと上手です。

*揚物 甘鯛 銀杏

この日、唯一蟹以外の料理。
うろこがサクサクで美味しい。

*お凌ぎ 香箱蟹飯蒸し

絶品。
蟹の甲羅から取った出汁に、松葉ガニと香箱蟹の身、蟹子などを合わせ、下に蒸したもち米。
ご飯よりも蟹の量が多い。(笑)
これも品の良い味で、たっぷりの蟹の旨みが生きてるし、蟹の甲羅の出汁の強さが蟹の身の味の強さとバランスが取れている。
なので、蟹の旨みがどとーのように押し寄せつつ、品が良い。

*お椀 松葉ガニ真丈

これも絶品でした。
前回、吸い地が少しだけ薄味すぎると書きましたが、今回はドンピシャ。
最初は薄く感じますが、蟹真丈の旨みが徐々に吸い地に出てバランスが取れてきて、最後は凄みさえ感じた。
今年、全日本料理店で一番感動した吸い地。
感動で泣きそうになりました(笑)

*活け蟹 炙り蟹 茹で蟹

最初の活け蟹を使い、まずは刺身。
とは言っても、出汁に10秒程度くぐらせ、熱で旨みを活性化。
甘みはもう一つな感じもありましたが、美味しいことは美味しい。
なおスダチと、とても品が良い酢ジュレが出され、好みで使ってくださいと。
個人的には、かなり薄味とはいえ酢ジュレだとその旨みが少し蟹の甘みには邪魔で、スダチを絞るだけで十分でした。

次に炙り蟹(焼き蟹)。殻を外した蟹を、そのまま炭火で軽く炙ります。
生より、蟹の旨み・甘みが出る。
なので、これは酢ジュレが合ってた。
なお、焼き蟹は大抵殻を付けて焼きますが、殻を外して軽く炙る方が美味しいことを、研究して発見したそう。
オリジナル(多分)とか。すごいな。

そのあとは、茹でガニ。
足やツメ、本体の下部分など。
甘くて、美味しい。特に爪が良かったな。

*焼物 甲羅蟹味噌焼き

甲羅の上に蟹味噌を乗せ、その上に蟹の身をたっぷり。
身は軽く出汁を合わせ、柚子を微かに振ってる。
で、それを蟹味噌と合わせると、もう至福以外の何物でもない。
甲羅で焼くことで、香ばしさというか、香りが立って、さらに味が昇華するのです。
悶絶しながら食べてました。

*煮物 蕪 白味噌

これが素晴らしい。
蟹の甲羅で取った出汁に白味噌を合わせた汁に、柔らかく煮た蕪や長ネギ・壬生菜を入れてる。
蟹の身を入れるとかせず、蟹の甲羅の旨みと香りで野菜を美味しく食べさせるというのが、品が良くて唸った。
こういう場合、どうしても蟹の身を入れたくなるものなのですが。
まさに引き算の美学。

*唐墨

サービスで、6日前に漬けたばかりという唐墨を出してくれました。
これが、普通のカラスミより塩分控えめで、でもコクがあって、悶絶。

*お食事 松葉蟹 香箱蟹ご飯

松葉蟹や香箱蟹の身や蟹子を混ぜた炊き込みご飯。
並んだ甲羅が可愛い。
蟹がたっぷりで、これにも悶絶。

*デザート 小豆 松の実 ココナッツソース

安定の美味ですな。
蟹は使ってないです。w

以上です。

訪問回数が多くなったので、まとめておきます。

神楽坂にあるミシュラン三ツ星の日本料理店。
同じくミシュラン三ツ星の神楽坂 石かわの姉妹店。
三ツ星とはいえ、すごく予約が困難ではない。

30代半ばの小泉料理長は、石かわとは違う独自の世界を切り開いてます。
和以外の食材(トリュフなど)を用いたり、火の入れ方や香りの付け方など色々と創意工夫をし、でも和食の域を決して外れることなく、素材の美味しさを最大限に引き出す。
出汁などの味付けは控えめで品がある。
酸味の付け方も強くなくて上品。
唯一無二とも言える和食の進化形。
何度通っても感動がある稀有な凄みを持つ店。

サービスもとても優秀。
店主の小泉さんの接客が何より素晴らしい。
店内も高級感があります。
それでいてお値段は17000円と、昨今の高級日本料理屋さんとしてはそれほど高くない。
素晴らしいです。

【2016年10月訪問】

またまた訪問。
食べ友さん達とカウンター。

今回のメニューは以下。

*先付 穴子炙り 白芋茎
*揚物 鰻 新銀杏
*蒸物 のど黒 西京漬け
*お椀 太刀魚真丈
*お造り くえ 鯖
*生松茸(サービス)
*焼物 金目鯛 玉ねぎ
*冷し物 牛 雲丹
*焼き松茸(サービス)
*煮物 甘鯛 賀茂茄子
*お食事 秋鮭の炊き込みご飯 いくら
*デザート 抹茶ムース ブランデーシャーベット 焦がし砂糖ソース


最近、ますます素材を生かす味付けになってきました。
とても品がある料理に仕上がっており、逆にその淡味は好き嫌いが若干分かれる可能性が。
個人的には好きですが、それでももう少しだけ塩気がある方が、素材がより生きる気がしてます。
数年前からだんだん薄味になってきて、去年くらいがべストで、今は少し行き過ぎてるかも。
とはいえ、40才前にして、円熟ささえ感じる小泉さん。
すごいな。

揚げ物の鰻は、コーンスターチの衣とかで、サクサクで薄衣。
揚げた鰻も美味しいものです。
のど黒の西京漬けは漬け方が軽く、飯蒸しにして丁度良い塩梅。
のど黒の脂の甘みと西京味噌の甘みがすごく合ってる。
太刀魚真丈は絶品。
脂が乗った太刀魚の真丈は、高貴な旨みと甘み。
吸地がとても薄味で、真丈と合わせてまとまってくる味付け。
悪くはないですが、お椀は吸地自体を楽しみたい気持ちもあるかな。
冷し物の牛は、軽く火を通して旨みを活性化しつつ、塩昆布の塩気で旨みを引き出す。
これも、塩昆布の塩気がもう少しだけあった方が、肉の旨みがより生きると思う。
去年も同じ料理を頂きましたが、去年くらいの味付け(それでも薄味です)の方が良いというか。
鮭の炊き込みご飯は、いくらを添えるのですが、いくらは出汁に漬けただけのもので、薄味。
炊き込みご飯なら塩気があるので、いくらそのものの味を味わうためにそうしているとか。
なんか、色々とスゴイです。

ご馳走様でしたー。
次は、蟹のコースを頂きますっ!

2016年7月訪問時の料理は以下です。

*先付 蒸し鮑 肝ソース 葛切 柚子のジュレ
*揚物 天竜川産鮎の揚げ物 トリュフソース
*凌ぎ もち米のスッポン餡かけ
*お椀 喉黒の真丈 
*お造り 生のハモ 75℃で12秒湯通ししてから骨切りしたもの
*焼物 甘鯛の松笠焼き 牛蒡のキューブ
*強肴 牛タン すりごまと柚子のソース きぬかわ茄子 赤万願寺唐辛子 明礬未使用雲丹
*煮物 穴子 冬瓜 スナップエンドウ
*食事 金目鯛と小松菜軸の炊き込みご飯 赤出汁 香の物
*甘味 ラム酒のジュレ 黒糖寒天 宮崎産マンゴーのソース ミルクアイス 揚げ湯葉

鮑は肝のソースがすごく上品。
柚子のジュレも利き過ぎていないのが良い。
鮎の揚げ物は素直に美味しい。
ミルキーなトリュフソースにダイブする姿もキュートだし。(^^)
すっぽんを使った凌ぎは、餡がとても美味しい。もち米の炊き方も上手。
喉黒の真丈は、脂が乗っていて、炭で焼いた香りが良い。悶絶の美味しさ。
吸い地が、喉黒から旨みが出る分、すごく薄味かつ出汁も控えめにしてるのが素晴らしい。
真丈と合わせると適度な味になるのです。
甘鯛の松笠焼きは。脂が乗ってる品質が良い甘鯛。焼き方も素晴らしい。
牛タンは、普通に美味しい感じ
穴子はとろとろ♪煮た後に軽く揚げることで、とても柔らかくなるそう。この辺りの調理はほんと見事。
金目鯛の炊き込みご飯は、炭で焼いた香りが何とも言えず芳しい。
甘味は、砂糖を加えてないのにとても甘いマンゴーのソースが秀逸。さすが宮崎産マンゴー。

ということで、今回も大満足。
ご馳走様でしたー。

2016年4月訪問時の料理は以下。

*先付 ほたるいか うるい
蕗の薹のジュレの苦みとホタルイカのコクがあってる。
蛍烏賊は生のものを軽く火を通しているので、肝の臭みも無くて軽やか。
出汁も美味しくて、飲み干しました。

*揚物 稚鮎 こごみ
活けの稚鮎。活けなので香りも良くて、品の良い苦みがタマリマセン。
この風味は活けならでは。

*凌ぎ 尾崎牛 飯蒸し
低温で火を通した尾崎牛は、旨みがすごい。
昆布と原木椎茸も合わせているので猶更。
感動です。

*お椀 車海老真丈
つなぎを使わない、何度頂いても感動的な真丈。
去年も同じくらいの時期に車海老の真丈を頂きましたが、それより甘みが濃くてとても美味しい。
その旨を伝えると、つなぎを使わない作り方は同じものの、去年は小ぶりで活けとそうではないものを使い、海老味噌でコクを出していたとのこと。
今回は活けのみで大ぶりな分、海老味噌をやや控え、身の甘みをより生かす感じにしたそう。
大きさで甘みは変わるようです。
さすがですと小泉さんに感心され、少し嬉しい(笑)

*お造り 桜マスの炙り
きれいな脂。
ありがちなマス臭さがなくて、すごく美味しい。
軽くたたきにしているのも、甘みが立って良い。

*焼物 ノドグロの西京焼き 牛蒡
脂の乗ったノドグロを、サッと西京味噌につけ、焼いたもの。
西京味噌につけた時間が短いので、風味を感じさせつつ上品。
なお、魚は金目鯛やサワラなど、どれが西京味噌に合うか色々試してノドグロにたどり着いたそう。
定番の鰆含め他だと、ふっくら感など微妙にイマイチなんだとか。
そのこだわりが凄い。

*冷し物 筍 蛤
筍のほっくり感がとても良い。
65℃で軽く火を入れた蛤は独特の匂いが出ていました。
こちらで、むっ?と思った食材があったのは、超久しぶり。
それだけ、今回含めいつもスゴイのですが。

*煮物 すっぽん 花山椒
生のすっぽんを炭火で焼いて、その出汁を使った汁の上にたっぷりの花山椒。
贅沢です。
すっぽんの旨みと香ばしさ、花山椒の爽やかなしびれ感がいいな。

*お食事 鮑の炊き込みご飯
肝を裏ごししたソースも付いてきて、美味しい。

*デザート 抹茶のムース
相変わらず素晴らしく美味しいデザート。

今回も大満足。
これだけ通っても毎回感動があることの凄さ。
幸せ感が本当に半端ないです。

ご馳走さまでしたー。

【2016年1月訪問】

またまた訪問。
ミシュランで三ツ星を取ってからは初めて。
三ツ星ですごい人気になっているかと思いきや、予約困難とかではないそう。
それでも、(元々そうなのですが)相当先まで埋まってはいます。

この日の料理は以下。

*先付 海老芋 白味噌
裏ごししてからまとめた海老芋の甘みと食感が素晴らしい。

*揚物 甘鯛 銀杏
甘鯛のウロコがパリッと香ばしくて良いな。

*凌ぎ のど黒 飯蒸し
脂の乗り具合が程よくて美味しい。

*お椀 松葉蟹真丈
つなぎを使わない、何度頂いても感動的な真丈。
今回の蟹は津居山産。好きな産地です。

*お造り かわはぎ
肝を裏ごししたものと酢ジュレの相性が抜群。

*焼物 鰆 蓮根餅 トリュフ
こちらの定番的美味しさ。

*冷し物 金目鯛 椎茸
椎茸の旨みが素晴らし過ぎる。感動。
あ、金目鯛ももちろん美味しいです。

*煮物 車海老 筍 聖護院蕪
筍はほっくりしてます。わずかにエグミがあったのが少し残念。

*お食事 穴子の炊き込みご飯
穴子の脂とご飯の相性は素晴らしいですな。

*デザート 焦がし砂糖アイス ラムソース 湯葉

今回も大満足。
松葉蟹の真丈はほんと素晴らしい。
日本料理が高騰している昨今、これで15000円は驚異的。

ご馳走さまでしたー


【2015年10月訪問】

またまた訪問。

今回の料理は以下になります。

*先付  毛蟹
*揚物  鰻 銀杏
*凌ぎ  鯖寿司
*お椀  金目鯛真丈 松茸
*お造り 鯛
*焼物  のど黒 牛蒡
*冷物  和牛 椎茸 トリュフ
*煮物  甘鯛 胡麻豆腐
*箸休め 松茸の軸
*食事  太刀魚炊き込みご飯
*デザート 無花果 白味噌のソース ブランデーゼリー


今回も素晴らしかった。
つなぎを使わない真丈は金目鯛バージョン。
脂が乗った金目の旨みが凝縮されてる。

愛知は矢作川で獲れた天然鰻の揚げ物も見事。
炭火で焼いてから揚げることで適度に脂が落ち、揚げても油っこくならずに水分が上手く抜け、旨みが濃くなる。
和牛も秀逸。60℃の出汁で熱を加えることで、タンパクが凝固せずに艶めかしい食感と旨みが引き出される。和えた塩昆布の塩梅も見事。
白眉はサービスで出してくれた松茸の軸。軽く炙ってから、包丁を使わず手で細かく割くことで、甘みが出るとか。
実際、甘みを感じられる。松茸にこんな甘みがあることに驚き。しかも包丁で割いた場合はこの味が出ないのだとか。
不思議かつ感動。

そういうことで、何回来ても感動があるお店
素晴らしいです。
ご馳走さまでしたー。


【2015年7月訪問】

またまた訪問。
2~3か月に一回のペースですかね(なので毎回はアップしてないです)。

今回の料理は以下。

*先付 車海老 白芋茎 胡麻酢
*揚物 若鮎 蓮根餅 トリュフソース
*凌ぎ 白いか雲丹和え
*お椀 のどぐろ真丈
*お造り 金目鯛炙り
*焼き物 まながつお 茄子 山椒味噌
*冷し物 桃 じゅんさい トマトのすり流し
*煮物  牛タン 胡麻豆腐 冬瓜
*お食事 穴子の焼き込みご飯
*デザート マンゴーシャーベット ブランデー寒天寄せ ラムムース

特に素晴らしかったのはお椀。
のどぐろをツナギを使わず真丈にしたものがすこぶる美味。
炭で焼いてからまとめているとかで、炭の香りが脂の乗ったのどぐろの味のアクセントとなっている。
焼いた白身魚をツナギを使わずまとめるって、すごい技だなーと。

お造りに使うスダチのジュレも、だんだん優しい酸味になって来てるのも嬉しい。

当然次の予約も入れて帰途に。
ご馳走さまでしたー。


【2015年4月】

またまた訪問。
カウンターで。
この日の料理は以下。

*先付 雲丹 白胡麻豆腐 ふきのとう餡

炒らずに生の白胡麻を使って作ったトロトロの白胡麻豆腐。甘くて素晴らしい。
雲丹の甘みとも相性良し。ふきのとう餡の苦みと良い対比。

*揚物 稚鮎 行者ニンニク

稚鮎は活けのものを使ってます。泳いでいるところを見せてくれました。
可愛いのですが、食欲には勝てません。
活けのせいで香りが素晴らしい。
揚げ方も良い。
行者ニンニクは季節ものとはいえ、味が強すぎてやや余計かな。

*凌ぎ 蛍烏賊飯蒸し

蛍烏賊がとても美味しい。
臭みが全く無くて。
さっと油にくぐらせているとか。
旨みが活性化されてます。

*お椀 車エビの真丈

つなぎを使わず、エビの身と頭の部分にあるミソを使った真丈。
海老の旨みがとても良く出ている。
個人的には冬の蟹を使った真丈の方が好きだけど、十分素晴らしい品。

*お造り 金目鯛炙り

金目鯛は脂が乗っていて美味。炙ることで旨みが昇華してます。
酢ジュレの酸味も尖らず円やかで、金目鯛の旨みを引き立てる。 

*焼物 桜鱒 花山椒 白味噌仕立て

白味噌のソースが旨みがあって鱒の味に奥行き。
花山椒も質が良いもので、その爽やかな辛みが白味噌の風味や鱒の脂への良いアクセント。
花山椒はほんとスグレモノです。

*冷やし物 蛤 ウド こごみ

蛤が大粒で美味しい。
黄身酢も円やか♪
数の子のプチプチ食感も楽しい。

*煮物 相並 筍 新玉ねぎ 水蓮菜

アイナメはほろっとして脂が乗っている。
筍もほっくりして美味しい。
丹波の白子筍だそうです。
水連菜のシャキシャキ感が良い箸休め。

*食事 和牛と春野菜の炊き込みご飯

ふきなど春野菜がたっぷり♪
和牛は具というより春野菜にコクを与える役目。
春の香り満載でしたっ!

*デザート 抹茶ムース ブランデーシャーベット 焦がし砂糖ソース

相変わらず美味しいデザート。最後まで満足。

ということで、今回も堪能させて頂きました!
とても細かい仕事をしていて、どれも珠玉の品々。
さすがです。
次回の予約を入れて帰途に。
ご馳走さまでしたー。

【2015年2月訪問】
またまた訪問。
12月にも行っていますが、書くのをすっかり忘れてました(汗)。
最近は2か月に1回くらいのペースで通ってます。

今回の料理は以下。

*先付 海老芋 芥子味噌

上にカラスミ。
海老芋が滑らか♪
温かい芥子味噌で、心も体も温まる。
あったかいんだからぁ~♪って感じ。

*揚げ物 煮穴子 牛蒡

穴子を出汁で煮た後、揚げてます。
煮ることで穴子の油っぽさが抑えられ、穴子の旨さと揚げたことによる旨みの凝縮が秀逸。
牛蒡の土臭さも穴子の風味に合います。

*凌ぎ 焼きスッポン 飯蒸し

スッポンは鍋で頂くことが多いですが、焼いたものもスッポンの旨みが活性化され美味。

*お椀 松葉蟹真丈

何度頂いても感動の旨さ。
つなぎを使わず松葉蟹の身と味噌だけで固めた真丈。
蟹の旨さが濃厚です。
カニみその旨みと蟹身の甘さが半端ない。

*お造り カワハギ 肝和え

ポン酢ジュレを掛けて。
肝が甘い。
出汁に漬けているとか。
そのせいで肝の臭みが取れて、旨みが昇華されてます。
美味しい♪

*焼物 サワラ 菜の花 トリュフソース

前回も頂いたサワラですが、今回は定番のトリュフソース。
トリュフは旬の黒トリュフなので、香り濃厚。
サワラの焼き加減も素晴らしい。

*冷やし物 車海老 白胡麻豆腐 霙掛け

車エビがとても甘い♪
炒ってない生の胡麻から作るという胡麻豆腐は、胡麻の風味が品良く、もちふわの食感も素晴らしい品。
何度か頂いてますが、この胡麻豆腐はかなり好き。

*煮物 蔵王鴨 筍 葱 春菊

合鴨ですが、風味は結構あります。
出汁の加減も良くて、感度まではいかないもののちゃんと美味しい。

*海老味噌

サービス。40匹分の海老から取ったとか。
濃厚で旨い♪

*食事 帆立と空豆の炊き込みご飯

空豆は初夏が旬のイメージですが、意外に2月頃も美味しい。
帆立の甘みと空豆のホクホクした甘み、異なる甘みがハーモニーを奏でる逸品。

*デザート 苺シャーベット 黒糖寒天 最中 ラムソース

組み合わせはここの定番ですが、最中というのは初めて。
その最中の皮がパリパリで美味しい。
聞いたら、最中の皮を専門に作っている方から仕入れているとか。
細かいところまで手を抜いてないです。

という事で今回も満足。
次回の予約を入れて帰途に。

ご馳走さまでしたー。

【2014年10月訪問】

久しぶりに訪問。
去年の12月も訪問していますが、レビューしてないですね(汗)
当日の料理は以下になります。(コース17000円)

*とうもろこしのすり流し トリュフソース

甘いとうもろこしのすり流しに、名物のトリュフソース。
芳しい香りと甘さの協演。

*鰻の揚げ物

鰻を焼いてから蒸して、さらに揚げた物。
さっくりとした食感がとても気持ち良い。
脂の乗った魚を揚げた物(穴子の天ぷらとか)って、くどく感じて苦手なのですが、これは品良く美味しい。
蒸して脂を落としている分、軽い仕上がりになっているのが良い。

*鮑とうにの飯蒸し

2時間蒸したという鮑はとても柔らかい。
飯蒸しの炊き加減がとても良く、米の甘みと雲丹の甘み、鮑の旨味が混然一体。

*すっぽんのお椀 胡麻豆腐

胡麻豆腐は、とってもふんわりとした仕上がりで秀逸。
生姜の効いたすっぽんのお椀の滋味と胡麻豆腐の甘みの対比がイイ感じ。

*太刀魚の焼霜

太刀魚は脂の乗りも程良く、橙を使ったポン酢ジュレは淡白な太刀魚に合わせ、酢加減を控え目にしているとか。
魚によって酢加減を変える細かい技に脱帽。

*鯖の海苔ソース掛け

鯖は、脂の乗りが非常に綺麗で均一。美味しい鯖です。3日くらい熟成させているとか。

*のどぐろの焼き物

皮目が香ばしい。
添えられた蕪は、油でコーティングして火入れする事で、蕪の瑞々しさ損なうことが無くて、甘みが生きてます。
掛けてある田楽味噌は、甘さが品良く蕪の甘みをちゃんと生かしているのが良い。

*鴨ロース

鴨は60℃の低温でで火入れをしているため、柔らかい。
笹で炙って香りを付けており、その清々しさが鴨のクセに対しアクセントに。
合わせた白胡麻のソースは、その香ばしさと隠し味の白味噌の甘みが鴨のコクを昇華します。

*生の松茸

国産でも飛び抜けて値が高い丹波産の松茸を生で。
採って翌日くらいまでじゃないと、生では食べられないとか。
香りと甘みがあって、生の松茸の美味しさにビックリ。

*甘鯛の真丈

蒸し物は甘鯛の真丈。つなぎを使ってないという真丈は、ふわふわで甘鯛の旨味を凝縮したような味。
これも秀逸。

*鱧の焼き込みご飯

揚げた鱧に香味野菜をたっぷり混ぜたご飯。
鱧のカリカリ感と香味野菜の香りがマッチ。
ただ、最後に来て揚げ物を使ったご飯派やや重たく感じたのも事実。

*デザート

栗、チーズのソース、黒糖寒天、上に洋酒のシャーベット。
栗の甘み、チーズのコク、寒天の上品な甘み、洋酒の深み。
上手くバランスが取れたこれもさすがの品。

ということで今回も大満足。
次回の予約を入れ帰途に。
ご馳走さまでしたー。


【2013年6月訪問】

神楽坂在住の姐さんを中心としたオフ会で再訪。
この日の料理(13000円のコース)は以下。

*先付け 生湯葉 長芋 雲丹
*揚げ物 稚鮎 笹燻し
*しのぎ  鯵飯蒸し
*お椀   ばい貝 白ごま豆腐 花山椒
*お造り 金目鯛炙り ポン酢ジュレ掛け
*焼き物 太刀魚と新玉葱の炭焼き トリュフソース
*冷し物 牛たん 車海老 白ずいき すだち
*煮物  穴子 水蓮菜 カブ
*食事  甘鯛 うすい豆 炊き込みご飯  
*デザート 抹茶ムース ラム酒のシャーベット カラメルソース

特に美味しかったのは、お椀と焼き物、煮物。

お椀の白ごま豆腐は、胡麻の風味が香り高く、あり得ないくらいモチモチで滑らかな食感が素晴らしい。
その甘みに、花山椒がとても良いアクセント。
ばい貝のシコシコ食感も良い対比。

焼き物のトリュフソースは此方の定番ですが、何度頂いても美味しい。
牛乳を使ったクリームソースとトリュフの香りが非常に相性良し。
焼いた太刀魚の香ばしさと柔らかな味が、ソースの旨味にも合っている。

煮物の穴子はとてもトロトロ♪
その濃厚な味に負けないよう、出汁をあえて少し濃いめにしているのもさすが。

一方、稚鮎の揚げ物は、笹で燻して香りを付けているのですが、ややそれが強かったような。
稚鮎ですから、もう少し抑えめでも良いかな。
アイデア自体は素晴らしい。

また今回、季節柄か酸味を使ったものが多く、酸味は印象に残りやすい分、それを入れた皿が続くとやや単調に感じます。
なので、流れ的にもうひとつな印象も。

そんなこんなで、前回秋に伺った際の神モード(文句無く満点)に比べると、今回はやや印象薄し。
☆4.2くらい。
今までを合わせて☆4.7にしました。
季節やカウンターかなどで、やはり印象は変わりますね。

お酒は、バッカスな方がいてくれたお陰で、リーズナブルに満足なものを頂けました。
ここ、お酒はちょっと高めです。

そして、会自体は大盛り上がり。
他のお客さんに申し訳なかったかな?と思うくらい。
すっげー楽しかったです。(一部、攻め足りない方もいたようですが・・)
ご一緒して頂いた方に感謝。

美味しく楽しい、とても幸せな一夜。

ご馳走さまでしたー。


【2012年10月訪問】

秋は和食!
ということで、久し振りにこちらへ訪問。
13000円、15000円、17000円のうち、15000円のコースにしました。
席はカウンター。

当日の料理は以下です。

*松茸のすり流し

焼いた松茸をすり下ろして出汁と合わせ、さらに薄切りにした松茸を沢山入れてます。
薄く切ることで、温かい出汁に入れたとき香りがより立つのだとか。
松茸の香りと旨味が信じられないくらいふくよかで、言葉を失うくらい陶然とした品。

*甘鯛の揚げ物

甘鯛を高温で揚げて皮目をパリッとさせ、笹で燻して香りを付けた品。
昆布を混ぜた塩で頂きます。
甘鯛がとてもふっくらしていて、皮目のサクサク感も素晴らしい
笹の香りも芳しく、昆布を入れた塩は塩気がまろやかで魚の旨味が引き立つ。
これも素晴らしい。

*鴨のおこわ

60℃の米油でゆっくり火を入れた鴨は、とても柔らかくジューシー
米を食べて育った鴨は、下の餅米や米油との相性も良いとかで、なる程素晴らしく美味しい。
上に乗せたごぼうの土の香りが、また良く合います。

*鮑と雲丹豆腐のお椀

ふるんとした食感の豆腐は雲丹の味が濃く蒸した鮑と柔らかさの競演、上に乗せた2色の万願寺唐辛子も彩り良く、それがとても美味しい出汁と相まって、これも陶然とした品。

*しめ鯖のお造り

3日寝かせて旨味を増した鯖を軽く締め、焼きのりを出汁で伸ばして葛でとろみをつけたソースで頂きます。
鯖、脂が乗ってうまー♪
海苔の香ばしさが、青魚特有のクセを和らげてくれるのも良し。

*太刀魚の炭火焼き 白味噌とトリュフ仕立て

太刀魚は脂が乗ってトロけます。ここまで旨い太刀魚って食べたことないな。
白味噌はトリュフ片を予め入れて味を馴染ませ、さらにスライスしたトリュフを掛けてます。
中にはうずらの温泉卵。
炭で焼いた香ばしい太刀魚の脂と身の旨味、妖艶なトリュフの香り、白味噌の塩気、温泉卵の旨味とコク。
素晴らしい小宇宙。
これも唸りました。

*あん肝 酸味のあるジュレと

72℃の出汁で熱を入れたあん肝はふわっとしつつねっとりとした食感
正月に某三つ星和食でスペシャリテと言って出されたあん肝を、遥かに凌駕してます。
熱を入れる方法については、温度を変えたり、湯煎にしたり、真空調理したり色々試行錯誤を重ねたそう。
結果、前述の方法に行き着いたのだとか。72℃じゃないとダメなんですって。
この方法・温度だと、出汁の中にあん肝の脂も浮かばず、旨味がぎゅっと閉じ込められるのだとか。
実際、味が濃くて素晴らしい食感。素晴らし過ぎる。
上に掛けた酸味の利いたジュレとの相性も良く、これも極上の逸品

*蟹真丈

他の材料を使わず毛蟹の身だけを使って作った真丈。
つなぎも蟹なので、味が濃い
出汁には焼いた茄子を卸して入れ、さらに焼き茄子をそえてます。
茄子の旨味がよく出ていて、春菊がアクセント。
これも旨いな-。

*ご飯

穴子ご飯かいくらご飯の選択。
連れと一つづつ頂きました。
穴子はとても柔らかく、いくらご飯もさすがに旨い。
米も旨し。赤出汁も良い濃さで、美味しい。
とても幸せ♪

*デザート

リンゴのソルベにカルヴァドスを入れたジュレとソースを合わせた品。
なる程、カルヴァドスはリンゴから作る蒸留酒ですから、合います。
大人味のデザート。

ということで、素晴らしかったです。
素晴らし過ぎる。
頂きながら、陶然として何度ため息を付いたことか。(連れにも指摘された。恥。)

素材の力をどこまで引き出せるかを、究極まで追い求めた料理。
足し算の料理とは違う、和食の本質を踏まえた上で新しい可能性を見せてくれるかのような料理。
1年振りに訪問して、さらに高い次元になってました。それも驚くほどの高みに。

感服という言葉以外ありません。
☆7つくらい付けたい。(笑)
連れも全く同意見。
美味しかったねー♪感動だねー♪を二人で何度も繰り返しながらの帰ったのでした。

ご馳走様ですー♪


【2011年12月訪問】

連れが相当気にいっており、行きたいと言うので再訪。
8時に予約が入っているお客の前までならOKと言うことで、5時に伺いました。
この辺りの融通は嬉しいです。

今回は、カウンター。
色々話が聞けて良いですね。
今の料金は、13000円、15000円、17000円の3種。
15000円のコースを頂きました。

*すっぽんの茶碗蒸し

生姜を少し効かせた餡に、すっぽん、蓮根、椎茸などを入れた物。
下には、とても滑らかでふるふるの茶碗蒸し。
野菜は、葱油の香りを移しているそう。

コクのあるスッポンと茶碗蒸しの柔らか玉子風味が好対照で、アツアツハフハフと頂いて幸せ。
お腹も心も落ち着く温かさ。

*みすじ肉のカツ

みすじは、牛の肩の部分の赤身肉。
トリュフ、しいたけ、まいたけと軽く酢を合わせたソースで頂きます。
みすじは肉の旨味が濃厚で、ジューシー。揚げることにより旨味がぎゅっと!
ソースは、トリュフの香りがぷわんとして、そこを酢が引き締め、とても合います。
あー、美味しい♪

*香箱蟹のジュレ掛け

蟹は富山さん。漁期が短い香箱蟹。
下には餅米。
味噌の旨味、内子(卵)の濃厚さ、身の甘み。
ジュレ出汁が、旨味を増幅。
至福。

*トラフグのひれのスープ

トラフグのヒレは、3日間掛けて炙ってあるそう。
そのぐらいゆっくりやらないと、苦みや逆に生臭みが出るのだそう。
それを聞いて納得。
ふぐ料理屋さんのヒレ酒って生臭く感じる事が多く、美味しさがあまり理解できなかったのです。
なるほどねー。
これは、滋味深いスープにヒレの香ばしさが加わり、大変美味しい。
中に入っている蕪も柔らかくて、味が染みてます。

*氷見の寒ブリのお造り

脂が乗った氷見の寒ブリに、鰹節などからとった出汁のジュレが掛かってます。
ジュレにはアサツキやミョウガも混ざっていて、爽やかに頂けました!

*筍のつけ焼き 

鹿児島の筍がもう出回っているそう。
この時期の筍はエグミがないそうで、実際ほっくりしており、とても美味しい。
牛乳で作ったソースは柔らかな甘さで、筍の甘みと合っています。
トリュフが香り、ほっくり素朴な筍の食感に艶やかさと土の香りを!
添えられた海老芋も大変美味しかった。

*厚岸の牡蠣 海苔のソース

牡蠣の上に、海苔を出汁で伸ばしたソースが。
牡蠣と海苔。海の香りのハーモニー。
添えられた大根、ユズ、胡瓜、キクラゲがさっぱり感も与えてくれます。

*金目鯛の白味噌仕立て

スープ状の白味噌は、豆板醤が入っていて、ちょいピリ辛。
生姜の風味が引き締めて。
脂の乗った金目鯛とよく合っています。
セリや蕪、花びら茸が名脇役。

*トリュフ雑炊

シメのご飯は、トリュフ雑炊か白子雑炊。
私はトリュフ雑炊、連れは白子雑炊。

トリュフ雑炊は、官能的な香りが漂って美味しい。
出汁もしっかりしてます。
白子雑炊は、とろとろでした!

*苺のシャーベット ラム酒にジュレ掛け

甘い苺に、ラム酒のジュレが絡んで、さっぱりしつつも濃厚。
最後までインパクトがあります。

ということで、今回も満足。
相変わらず非常に手間を掛けて色々工夫しており、その姿勢は流石です。
訪問時期が前回と同じ冬で、似たような料理・食材ではあるものの、色々手を変え、しかもさらに進化しているような。
今度は、夏に伺おうと思います♪


【2011年2月訪問】
2月の土曜日、シルク・ドゥ・ソレイユのクーザを見に行きました。
原点回帰というのがテーマらしく、ストーリー的な要素を控え目にして、(昔のサーカスのような)アーティストの人間離れした技を存分に見せる事を主体にしたらしいです。
そのコンセプトはちゃんと表現されていて、連れも去年より良かったと言ってました。

で、その後伺ったのが此方です。
最初はくろぎに行くつもりで、この日の3ヶ月ほど前に電話をしたのですが満席とのこと(すげー)。
ガックリして、日が近くなってからどっかフレンチを考えるかー と思っていました。
しかし行く日の2週間ほど前に、森のコロちゃんさんがくろぎの再訪レビューをあっぷ。
非常に素直な性格の私としてはそれを見て、やっぱ日本人は和食だよなーとあっさり方針変更。←単に何も考えて無いのでは?というスルドイ突っ込みは無しの方向でお願いします。
ダメもとで同じくらい評価の高い此方に電話をすると、先約の予約時間までに終了するならOKとの事なので行って来ました!
意外と狙い目かも知れません。

料理は17000円と13000円のコースがあるのですが、13000円のコースを選択しました。

当日の内容です。
なお、お品書はなく料理の内容を丁寧に説明してくれます。
なので、名前は勝手に付けてます。

*牡蠣と蛤の蕪みぞれ掛け

ひゃー出汁が良い感じ。ぐいぐい来る感じは無くて、スッと引いた中で静かに微笑んでいるような。
牡蠣と蛤の取り合わせも素敵です。冬と春の出会い。

*すっぽんの春巻き

熱々のとろとろを頂きます。噛むとすっぽんのお出汁を湛えた旨みの濃い餡がトロ~♪
とろとろの餡に蓮根の歯応えの対比も良い感じ。

*焼き帆立の飯蒸し 海苔のソース

帆立を炙って甘みを出し、海苔のソースを掛ける事で香りとコクを与えてます。
御飯と海苔。日本人で良かった・・・。

*ふぐのヒレのスープ

旨みがとにかくスゴイ。
貝柱で出汁を取っているようですが、ムチャクチャ旨味が出てます。
こういう場合、旨味に負けないよう塩を強めにして台無しにする店もありますが、そんな事ないです。
炙ったふぐのヒレの香ばしさを加えることで、奥行きが出るし塩も控え目に出来るとの計算でしょうか。
最高ですーーーー。

*氷見産寒ブリのお造り

氷見のブリだーーーーー。
サラッと溶ける上品な脂。
流石ですーー。

*甘エビと堀川ごぼう他のミルクソース掛けトリュフ風味

これすごい・・・。言葉を失いました。
運ばれて来た時から、トリュフの香りがぷわーんと。
で、それがミルクの優しい甘さと匂いに絡んで、何とも官能的。
そこへ、とろんとした甘エビの甘さや堀川ごぼうの土臭さが加わるともう・・・。
それでも和食の範疇にきちんと収まっており、素晴らしいです。

*和牛のたたき 黄身酢掛け

これも美味しい。
和牛を炙った香ばしさと黄身酢のまったりとした味がよくマッチしてます。
振りかけた塩昆布の旨味と塩気がとても良いアクセント。

*松葉蟹と筍のあんかけ

お出汁が素晴らしい。
松葉蟹も良いですが、一緒に入っている筍がホックリして美味しい。

*ふぐの唐揚げとたけのこの御飯

最後に来て唐揚げは個人的にはちょっと重い。
ふぐの唐揚げ自体も、イマイチな気が。
味噌汁が大変美味しく、具の油揚げも良かったのですが、ふぐの唐揚げと揚げ物で被る点も・・・。
まあ、全品が素晴らしいと言う訳にはいきませんよね。

*わらび餅

デザートもウマーー。
きな粉のソースにラム酒のゼリーが添えられており、ラム酒の甘さ・複雑さときな粉の香ばしさが、わらび餅のシンプルな味と絶妙にマッチ。
何より素晴らしかったのは、黒豆。炊き具合といい、甘さといい、白眉!

サービスも、料理長の小泉さん始めとても丁寧で目配りも行き届いており、非常に心地よく過ごせました。

評判どおり素晴らしかったです。
もっと創作がかっているのかな?と行く前は思っていたのですが、和食の基本線を外さず非常に丁寧につくり、さらにそこへ色々な創意工夫を織り交ぜる感じ。その工夫も、ちゃんと考えられたものだし。
創作和食ではなく、和食の進化系です。
これは高評価も頷けます。
いやー、感動しました。

くろぎが取れなかったのを全く後悔させてくれなかった事に感謝しながら、店を後にしました。
あー、幸せ♪

  • 冷し物 海老芋 トリュフ
  • 造り めじ鮪 酢ジュレ
  • 揚物 松葉蟹クリームコロッケ キャビア 顔がっ!

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3位

銀座 しのはら (銀座一丁目、銀座、東銀座 / 日本料理)

18回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2020/01訪問 2020/01/30

華のある料理と接客 [祝 2020食べログGOLD]

今年最初のしのはらさん。
2020年の本サイトAwardでもGOLDを獲得。
定期訪問です。

当日の内容は以下。

*香煎茶
*座付 小芋と小豆の白味噌椀
*前菜 蝦夷アワビと車エビ 子持ち昆布の柚子釜 土佐酢ジュレ 千枚漬け 芽甘草
*お椀 うずらの丸 
*造り 三厩のまぐろ 淡路の鯛
*凌ぎ カラスミ餅
*八寸 スモークサーモン砧巻 青干しぜんまい 慈姑松風 ナマコとコノワタ 雲子酒塩煮 玉子真丈 蛸の柔らか煮 海老芋の唐揚げ 鴨ロースと芹のお浸し 黒豆 ちしゃとう 他
*マグロとべったら漬けの海苔巻き
*あんぽ柿とウイスキージュレ入りフォアグラ最中 
*進肴 河豚白子の炭火焼き(追加料理 4000円) 
*焼物 ホンモロコ スッポンつけ焼き 
*煮物替わり 伊勢海老と蛤の鍋
*食事 松葉ガニの炊き込みご飯
*食事 伊勢海老出汁のにゅうめん
*甘味 紅白きんとん 
*抹茶

相変わらず大充実。
正月料理も入り、大きな伊勢海老の鍋など、新春に相応しいラインナップ。
お椀にうずらの丸を入れたものは、吸い地をいつもより昆布を控えめにするなど、細かな調整も忘れない。
特に美味しかったのは、伊勢海老出汁のにゅうめん。
伊勢海老の殻で2番出汁を取ってるとかで、エビカニ臭さみないなものがなくてクリアで上品な味。でも、香りはちゃんとあるという。
座付きの小芋の白味噌仕立てなど、地味な料理もちゃんと美味しく、ますます美味しくなってます。
ちょっと気になったのは、伊勢海老と蛤の鍋で、ハマグリが火が通り過ぎて少し旨みが抜けていた感があったくらいですかね。
それ以外は、どれもほんと美味しかった。
今年も通うことになるかと思う。

ご馳走様でしたー。
ミシュラン2020で二つ星に昇格し、本サイトでの評価も非常に高い人気割烹。
定期訪問。
当日の内容は以下になります。

*先付 雲丹豆腐 雲子 ボタン海老 割り醤油と酢橘のジュレ
*お椀 帆立貝の真丈 蕪 バチコ
*造り 淡路産鯛昆布〆 カラスミ巻き
*凌ぎ 毛ガニの焼き柚子釜 ナメコみぞれ煮 すし飯
*焼物 すっぽんのつけ焼き
*八寸 焼きイチジクの胡麻味噌掛け なまこのコノワタ掛け 渡り蟹とイクラ 柿なます アマゴ南蛮漬け 庄内麩のモッツァレラチーズ射込み ほうれん草と松茸のお浸し トマトに黄身酢 フォアグラ最中 など   
*炊合せ 海老芋 巻湯葉 穴子 菊菜 柚子
*強肴 焼き松葉蟹(オプション 4500円)
*揚物 琵琶湖の天然鰻の唐揚げ
*煮物替わり 合鴨とキノコの鍋
*食事 秋鮭と栗とサツマイモとむかごと蓮根の炊き込みご飯 雑炊 香の物
*甘味 栗きんとん
*抹茶

前回は1か月前で、その間に秋の深まりを感じる食材へと移り変わってます。
子持ち鮎や松茸・ハモは姿を消し(松茸は今回も少しだけ使われてましたが添え物的)、いよいよ冬の王者である松葉蟹が登場。
他にも海老芋やむかごなど晩秋の食材が。
今の時期に香箱ガニを使わないのは個人的に少し残念なものの、それでも全体的には季節感が満載で大満足。
食材が力強い分少し味付も強めでしたが、その分バランスは取れており、それも満足度に繋がる。
食材も、松葉蟹の甘さに悶絶した。

劇場型の接客がクローズアップされることも多いですが、とても真摯に料理と向き合われており、進化してます。古い料理を伝承したり季節の行事を重んじることも、日本の文化を大切にするという意味で敬服している。
ミシュラン、ようやくわかって来たか!とファンとしては思ったり(上から目線で申し訳ない)。
今年最後の訪問ですが、満腹・満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の感想を少し追記です。

先付の雲丹豆腐は先月も頂きましたが、雲丹の風味が濃厚で美味しい。
割醤油のジュレの酢橘の爽やかさが雲丹の濃厚と良い対比。
今回は雲子を添えてるのが、季節の移ろいを感じる。

お椀の出汁は、珍しく鰹節が強め。具の蕪を昆布で炊いてるので、バランスを取るために吸い地は鰹節を強めにしたとのこと。なるほどー。

お造りは、新唐墨を鯛で巻いて食べる。
新しい発想かと思ったら、昔からある方法だそう。
新しいので生感がある唐墨が、軽さと深みが同居して、とても美味しい。
鯛とのバランスも良かった。

凌ぎの柚子釜は白眉。
柚子釜を焼くことで香りが立ち、炭の香りというか香ばしさも同時に。
ナメコも温まることで旨みが出るし、蟹臭さも前述の香ばしさが良い具合に消してくれ、具合が良い。素晴らしいな。

八寸は、丁寧に作っているのがよく分かる。
お浸しとか地味めの料理が美味しいのが良いな。

鰻の唐揚げは、思ったよりもクドクなくて、甘しょっぱいタレと相まって印象に残る味。
美味しい。

鍋は、つゆがやや濃いかな?と思ったものの、飲まずに具への味付と考えれば丁度良い。
鴨は滋味深いですな。

ご飯は秋の食材が満載。ホックリ系が多い中で、シャキッとした蓮根が何気に良い働きをしてました。これがなかったら、少しボヤけた感じになってたかもなので。

栗きんとんは栗の風味が濃厚で旨し。

抹茶は苦みが強めで少し好みとは異なるものの、力強い料理の後としては合ってる感。

以上です。
言わずと知れた銀座の名店。
この10月で早くも銀座移転後3周年。
常連の方にお誘い頂き、2か月ぶりの訪問。
当日の内容は以下になります。

*先付 雲丹豆腐 牡丹海老 割醤油ジュレ 酢橘
*お椀 東寺湯葉 蓮根 岩手産松茸 鯛
*造り 塩釜産まぐろ 塩締め平目
*凌ぎ いくら 菊のお浸し 菱蟹 銀杏 飯蒸し
*揚物 子持ち鮎唐揚げ
*八寸 いちじく味噌焼き 戻り鰹 玉子真丈 小肌の酢おろし和え 鴨ロース 甘酢トマトに黄身酢 紫頭巾(枝豆) サーモン長芋巻き 蓮根酢漬け 石川芋味噌射込み エリンギ 海老芋唐揚げ ポルチーニのフライ
*中皿 フォアグラ最中 あんぽ柿 ウイスキージュレ
*焼物 すっぽんのつけ焼き
*留肴 岩手産松茸の炭火焼き
*煮物代わり 鱧と松茸の鍋
*食事 鰻の唐揚げご飯 にゅうめん
*甘味 栗きんとん

今回も素晴らしかった。
先付の雲丹豆腐は、雲丹の風味が濃厚。それを柑橘が爽やかに締め、割醤油のジュレも行き過ぎずにウニや牡丹海老の甘みを持ち上げる。
お椀は、まったりとしたコクのある吸い地で、秋冬仕様。夏よりも醤油を多めに使うのだとか。
湯葉の甘みと吸い地がすごく合ってる。

お造りは、鮪も美味しかったけど、平目を塩で〆たのがとても美味しかった。
旨みが良い具合に引き出されていて。臭みが出そうだけれど、出てないのが素晴らしい。
昆布〆のイメージで、昆布の塩分濃度と同じくらいの濃度にして〆ているのだとか。

凌ぎは菱蟹の甘みと旨みにイクラの濃厚が加わり、それをもち米が受け止める。菊がさっぱりと良いアクセントになっていて、これも素直に美味しい。

子持ち鮎の唐揚げは、子の火の通り具合が良かったし、揚げることで成長した鮎を骨まで丸ごと食べられます。カリサクで、全く固さがない。そのいう意味で揚げ具合も見事。

八寸は相変わらず手が込んでいて、どれもしみじみとする美味しさ。
海老芋の唐揚げはねっとりとして美味しいし、ポルチーニのフライも傘がトロッとして良かった。

フォアグラ最中は、ウイスキーのジュレを忍ばす新たな工夫。
深みが出て、美味しい。

スッポンのつけ焼きは安定した美味しさ。結構濃い目の味付ですが、スッポンが力強いのでバランスが取れてる。

松茸の炭火焼きは、めっちゃ大きな松茸を焼いて切り分け。これまたトロトロな傘の部分が美味しい。前日採れだそうで、新鮮な分香りも当然良い。

鱧と松茸の鍋は、鱧が火の通り過ぎでパサついていたのが結構残念かも。
松茸の出汁が出ていて、汁は少し濃い目なものの美味しいです。

ウナギの唐揚げご飯は、濃厚な風味で少しヘビーですが、インパクトのある〆ではあります。
これはこれで印象に残りやすい料理で、良かった。タレが結構濃厚なのも、鰻の唐揚げという力強い素材とバランスが取れてる。ご飯と一緒なので、その分ご飯も進む感じだし。
最後は汁に卵を入れた優しい味のにゅうめんで〆るのも嬉しい。
栗きんとんもきちんと美味しく、最後まで大満足。

3年経って名声を得ても、未だ色々研究して進化を止めてないです。
一方で、東寺湯葉とか昔からの料理もきちんと伝承してるし、季節ごとの日本の行事を料理に織り込むなど日本の伝統を守る姿勢に何より感服してます。

劇場型の接客がクローズアップされることも多いですが、とても真摯に料理と日々向き合ってるのが、食べるととても良く分かる。
完成度は以前よりとても高くなってるし。
お弟子さんも成長してますしね。

こういう仕事に対する姿勢には、ほんと頭が下がります(わが身を振り返ると恥ずかしい限り)。

会も楽しくて、とても良い時間を過ごせました。
大感謝。

ご馳走様でしたー。

言わずと知れた超人気和食店。
少し間が開きましたが、定期訪問です。

お盆も過ぎた時期、中秋の名月に因みウサギを象った器を使った先付からスタート。
全体の内容は、以下になります。

*先付 湯葉豆腐 牡丹海老 岩手の雲丹
*凌ぎ 白海老の紹興酒漬け 山口の赤雲丹 酢飯
*お椀 薄葛仕立て 冬瓜 鮑 白きくらげ ずいき
*造り 淡路産鱧の焼き霜 境港の鮪 淡路の鯛
*焼物 琵琶湖と四万十川の鮎食べ比べ
*八寸 いちじく胡麻和え 玉子真丈 さつまいも サーモンの長芋射込み 小芋の大徳寺納豆射込み 鴨ロース 賀茂茄子の煮びたし シャインマスカット白和え エリンギ唐煮 蓮根 蛸柔らか煮 トマトの甘酢漬け黄身乗せ
*箸休め とうもろこしを三種の調理で(生・焼き・揚げ)
*中皿 フォアグラ最中 パッションフルーツのジャム 
*強肴 琵琶湖の天然鰻 蒲焼
*揚物 伊那牛?ヒレカツ(追加注文)
*煮物 スッポンの鍋
*食事 鮎ご飯 雑炊
*甘味 水羊羹
*抹茶

今回も大満足。

伊那牛?のヒレカツの柔らかさにうなり、絶妙に少しだけ(6分)蒸しを入れた鰻の皮と身の食感の一体感にうなり、スッポンの濃厚にうなる。
一番の白眉は鱧。かなり骨の固い鱧だったようで、篠原さんがすごく苦心しながら切ってた。その鱧は、口に入れればほろっとくずれて旨みが溢れ、固いという骨が全く障らない。感動しました。

またお椀は、夏場では意外にも薄葛仕立て。
これは、夏場は冷たいものを取りがちで体を温めた方が良いからとか。なるほど。
ほんと心がこもってます。

鰻が少し焦げていたり、鮎ご飯の鮎はもう少し大振りな方がワタの苦みが少なくてご飯と相性が良いかも??(合ってるかは不明)などと思ったりはしましたが、個人的に気になったのはそれくらいで全体としての完成度はさすがとしか言いようがない。

接客はいつもながら素晴らしく、今回も癒された。
今後も通い続けたい名店。
ご馳走様でしたー。
だいたい隔月くらいの頻度で訪問。
今や本サイトにおいて、全国全ジャンル1位ですから、スゴイ。
GW真っただ中に伺った際の献立は以下になります。

*先付 紫雲丹 赤貝 平目と蛤の出汁のジュレ
*お椀 毛ガニ真丈 生ばちこ ホワイトアスパラ
*造り 鮪 平目 牡丹海老 烏賊
*凌ぎ 河豚白子の蒸し寿司 葉山葵
*花山椒1 焼き筍
*八寸  玉子真丈 赤蒟蒻 ホタルイカ藁燻し 蛸桜煮 酢蓮根 スナップエンドウの塩ウニ射込み 筍の木の芽和え 稚鮎炭火焼き 平目笹巻 鮑 鰹刺身ヅケ 
フォアグラ最中(マンゴーピュレ入り) 本鮪中落とべったら漬けの海苔巻き
*花山椒2 河豚白子炭火焼き
*花山椒3 鰻蒲焼 花山椒(他のお客さんは、スッポンのつけ焼き)。
*箸休め 蕎麦 山菜
*花山椒4 蛤の鍋 生ヒジキ 花山椒
*花山椒5 シャトーブリアン
*食事  新生姜の炊き込みご飯 伊勢海老とフカヒレの餡かけ
*甘味  よもぎ金団 
*抹茶 

とても良かった。
実は、この前の月に他の方からお誘い頂き伺っているのですが、2週間くらいしか変わらなかったこともあり、それとほぼ一緒の献立。
それでも、前回と味の濃さが違って(今回の方が薄味で)、今回の方が自分にとっては超好みでした。特にお椀の吸い地は、薄味で澄んでいて感動した。
色々な味の好みのお客さんが同席してる中で、どこに合わせるかは中々難しいみたいですね。でも、味の好みを把握した上でそういう調整をきちんとするのが、篠原さんの良さだなぁと改めて思った次第。
全体的に、この日は素材と味付のバランスがすごく良いのと、素材も前回に勝るとも劣らずとても良かったこともあり、ほぼ同じ献立でも大満足。美味しいものは、何度食べても美味しいし。

それと、新しく届いた包丁で切ったお造りを頂いたのですが、その切れ味に驚愕。
断面の滑らかさが半端ない。包丁一つでここまで美味しくなるんですね。もちろん、それを生かす腕があってこそですが。

季節的に花山椒を使った皿が多く、それを使う皿はもうちょっと少なくても良いかな?とは思うものの、それでも色々な素材に合わせて花山椒を頂くのは、とても楽しかったし勉強になった。やはり鰻が一番合うというのと、意外にも蛤出汁が濃厚な蛤鍋も、花山椒は合ってました。あとは鉄板ですが肉かな。白子は、少し白子が負けてる感。筍も、筍の甘みに対して少し強い気が。とはいえ、それはそれで十ニ分に美味しかったのですが。

素材は、ほんと良い。筍は甘く、シャトーブリアンは脂が強すぎずに肌理が細かくて柔らかく、生ヒジキの美味しさも半端ない。河豚白子も立派で、今回は薄めの味付が白子の旨みを存分に引き出してた。天然の鰻も、脂の乗りと旨みのバランスが良かった。ちゃんと鰻の小骨を、一本一本丁寧に取っているんですよね。
お造りの烏賊の甘さにも感動。包丁の切込みがすごく細かいというのも、あるのでしょうが。
鰹も、滑らかで綺麗な味でありながら官能的でもあり、蠱惑的。

箸休めの蕎麦も良かったな。

そんなこんなで、今回も幸せ♪

ご馳走様でしたー。
2018年初のしのはらさん。
今回は昔から篠原さんを知ってる、みつごとうさんご夫妻にお誘い頂き、訪問。
年が明けて間もないということで、正月の名残を映した料理を頂きました。
当日の料理は、以下になります。

*先付 鯛と大徳寺納豆 車海老 赤貝 芽甘草 すだち割醤油
*お椀 鶉丸 粟麩 雑煮仕立て
*造り 大間マグロ 平目(5日熟成・当日〆2種) 伊勢海老  さわら炙り
*凌ぎ 雲子の蒸し寿司 チーズ 銀餡
*八寸 玉子真丈 くわい松風 たらばがに毟り スコティッシュサーモンの砧巻き 白魚唐墨掛け 金柑ジュレ ぜんまい 根芹と京揚げの煮びたし うどやチシャトウで餅花を模したもの 自然薯磯部揚げ フォアグラ最中 ホンモロコ焼き 鮪とべったら漬けの海苔巻き
*焼物 すっぽん 青首鴨 菜の花揚げ浸し 蕪
*鍋物 ツキノワグマ イノシシ 葱・根菜など
*食事 焼きずわいがに(新潟)の炊き込みご飯 雑炊 香の物
*甘味 つくね芋・百合根・黄身の金団

相変わらず素晴らしいです。
正月の続きのような華やかさ。
料理自体は、さらに洗練されて来ている感。
華やかさの中にも繊細さが垣間見られ、美味しい。
焼物に添えた菜の花の揚げびたしがとても美味しかったりするなど、細部にも手を抜いてないです。
東京に出て1年少々で、東京を席巻しり食べログゴールドを取ったのも納得。

先付は、目出度く鶴の器に乗せて。
鯛を大徳寺納豆の塩気で食べさせるのは、晴れ着を汚さぬように醤油を使わない昔の仕事だとか。
そういう伝統を大切にしているところも良いな。

お椀は、骨も少し入れたウズラの丸(つくねみたいなもの)。
少し入れた山椒の風味が心地よい。
粟麩を餅に見立てた雑煮仕立てで、昆布主体で透明感のある出汁が心地よい。

お造りの伊勢海老の甘さにも唸る。
平目は、あえてフレッシュなものと熟成させたものを食べ比べ。
さすがに熟成させた方が、旨みが濃い。
鮪は藤田水産のもので、その柔らかさが相変わらず素晴らしい。
藁で?炙った鰆は、香りがとても品良くて、その加減にも感心。

凌ぎの雲子の蒸し寿司は、濃厚な白子の旨みと少しのチーズのコクを、柚子釜の爽やかさで輪郭を与える。ご飯との相性も良くて、とても美味しい。

八寸の盛り付けは、いつ見ても感動。
今回はまさに正月らしさ満載。
お腹がはち切れんばかりの太った大きな諸子の旨みに唸り、根芹の京揚げの煮びたしの洗練と素朴が同居した美味に感歎。玉子真丈のふわふわ感も相変わらず好き。

すっぽんのつけ焼きは、鉄板の美味しさで、ジューシーさがタマラナイ。
鴨の火入れも良い感じ。

鍋ものは、手堅く美味しい。特にイノシシが美味しかった。

最後は、大きなズワイガニを焼いて、身をほぐしてご飯に絡めたもの。
さらに黄身を垂らして。美味しくないわけがないという。
雑炊も、以前より優しい風味になりました。

金団もふわっとして美味しい。
金団、どんどん美味しくなってきてるような。

会も、みつごとうさん夫妻の会話がとても楽しく、ツレと行くのとも違う貴重な体験でした。
さすが篠原さんを昔から知ってるだけはあって、実に和やかに楽しく会話が進むのですよ。
篠原さんとともにカウンターを一体となって盛り上げる技術の見事さと楽しさに悶絶しました。
大感謝。(^-^)

ご馳走様でしたー。

銀座へ進出して1年。
本サイトでも非常に評判が高く、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。
ミシュランで星も取りました。
まずは順当に一つ星ですが、やがてステップアップしていくはず。
今年6回目の訪問で、当日頂いた料理は以下。

*香煎茶
*先付 雲丹 ぼたん海老 玉子豆腐 蝦夷アワビ 菊菜 とんぶり 土佐酢ジュレ
*お椀 シラカワ(白甘鯛) 蕪 柚子
*造り 大間鮪 あおりいか トラフグ 紅葉鯛
*凌ぎ つと蒸し 穴子 銀杏 栗
*八寸 玉子真丈 海老芋唐揚げ いちじく胡麻タレ掛け サーモンキャビア 伊勢海老なます
    水口かんぴょう 上海ガニとほうれん草のお浸し あんぽ柿とフォアグラの最中
    鮪べったら海苔巻き
*強肴 雲子 白トリュフ
*焼物 子持ち鮎塩焼き 蝦夷鹿タレ焼き
*鍋物 猪 茸色々
*食事 毛ガニコロッケご飯 スッポン出汁のふかひれ餡かけご飯 雑炊
*甘味 栗きんとん
*抹茶 

今回も素晴らしかった。
前回より少し味は濃いように感じたけれども、季節のものをたんまり贅沢に頂けて満足度は非常に高い。
この一年で華やかさに品が備わってきて、少し波はあるもののどんどん進化しています。

先付けの皿は、玉子豆腐がとても滑らかで、牡丹海老の甘さに唸る。何気に、菊菜やとんぶりが非常に美味しい。軽くつけた下味が、素材の滋味を引き出してる。こういう細かい仕事が素晴らしいな。

お椀は、吸い地が少し濃い目だったかな。それと鰹が強め。
ただシラカワが、甘鯛としてはありえないような脂の乗りで非常に美味しく、それとバランスを取るために少し濃い目にしたのかもですが。とにかく、こういうシラカワもあるんだーと驚嘆。

お造りは、安定の美味しさ。相変わらず鮪が美味しいのと、今の時期の鯛は本当に美味しい。
とらふぐは、まずまずな感じ。

つと蒸しは、穴子がふわっとして、おこわの美味しさにも唸る。炊き加減が絶妙。
つと(藁づと)って、作るところ自体が希少なので、いつまで食べられるか分からないそう。

八寸は、相変わらず圧巻。
海老芋が旨し。

雲子は、白トリュフが贅沢。
雲子もとろとろ。

子持ち鮎は、大きいのに頭もカリッ焼けつつ、子はしっとりなのが素晴らしい。
この焼きの技術はかなり感動。
蝦夷鹿は、タレがとても美味しい。しかも鹿は、ドライエイジングしてるそう。
成程、だから旨みが濃いんだ。

猪と茸の鍋は、猪がとても美味しい。
原種に近い猪だそうで、旨みがとても濃いのですよ。
茸の旨みとイノシシの脂の旨みが溶け出た汁も美味しい。

ご飯は、驚きのコロッケご飯。
毛蟹90%以上というコロッケを、ほぐして入れる。
油を少しまとった衣が、ご飯にコクを与える。
そこに蟹の甘み加わるのだから、タマラン。
さらに、蟹味噌と玉子で作ったタレまで掛けて、さらにコク。
2杯目は、定番の餡かけ。
そして最後は、そのご飯に前述の猪と茸の鍋の汁を使って作った雑炊を。
これがとても美味しい。鍋の汁単独だと少し濃い目ながら、ご飯と合わさるとすごく良い感じ。

篠原さんの接客も、相変わらず素晴らしい。
客全体を巻き込むような接客の妙には、唸ります。

ほんと楽しく幸せな時間。

ご馳走様でしたー。



今や銀座の全ジャンルで1位に。
滋賀から銀座に進出して1年も経たないのですから、スゴイです。
2か月ぶりに訪問。

当日の料理は、以下になります。

*先付 鮑 オマールブルー 唐津赤ウニ 胡麻豆腐 出汁ジュレ 叩きおくら
*お椀 銀杏のすり流し のどぐろ
*造り 大間マグロ赤身 淡路の鯛 瀬戸内カマス 青森石垣貝
*凌ぎ スッポンの焼き粥 あわび 車海老 柑橘
*八寸 
*揚物 琵琶マスのフライ 毛ガニのタルタル キャビア
*焼物 活鮎の炭火焼き すっぽんつけ焼き 
*煮物 いちじく胡麻味噌焼き
*鍋物 淡路鱧のしゃぶしゃぶ 飛騨牛のすき焼き仕立て
*食事 岩手松茸ご飯 トリュフ玉子ご飯 雑炊
*甘味 麦焦がし羹
*抹茶

今までで一番良かったというか、さらに違うステージに上がられた感。
華やかさがありながら、余韻が綺麗で品の良さを感じられるようになりました。
インパクトがありながら、透明感を感じるとも言えるような。

薄味になったというのはあるのですが、それだけではない感じ。
もう感動の連続でしたよ。
今迄ももちろん美味しかったのですが、今回はそれと比べても別格な印象。
実際、何度か頂いたすっぽんの焼き粥なんかも、出色の出来。
聞けば、マイナーチェンジをしてるそうです。
ここまで人気がありながら、常に研究・研鑽を怠らない姿勢がすごいな。
それと、築地でのルートがより充実したことにより、素材の質も高くなってます。
この内容でこの値段は、本当にお得。

サービスはもちろん、素晴らしい。
ただ、良い意味で以前より少し落ち着いた感じになったかな。
それも、料理の落ち着きというか透明感に繋がっているのかも。

文句なく満点にさせて頂きます。

人気はますます上がって、予約も難しくなって来てますが、通い続けたい。

ご馳走さまでしたー。

以下、料理の詳細です。

*先付 鮑 オマールブルー 唐津赤ウニ 胡麻豆腐 出汁ジュレ 叩きおくら

オマールブルーですよ。めっちゃ高価な。
それも甘くて美味しかったですが、赤ウニがめっさ美味しい。
出汁ジュレは出過ぎていず、素材の甘さや旨みを良い具合に浮かび上がらせる。

*お椀 銀杏のすり流し のどぐろ

この出汁が素晴らしかった。
銀杏の風味は思ったより抑え目で、出汁がとにかく綺麗。
銀杏の苦みを何故かあまり感じないのが、スゴイ。

*造り 大間マグロ赤身 淡路の鯛 瀬戸内カマス 青森石垣貝

大間のマグロの季節なんですね。
前回訪問時の鮪より美味しく、季節の移り変わりを感じる。
カマスが、脂が乗っていて美味しかった。
鯛も、夏場の難しい時期ながら、旨みたっぷり♪

*凌ぎ スッポンの焼き粥 あわび 車海老 柑橘

柑橘を用いることで、旨みにキレが出て、余韻が綺麗になります。
旨み一辺倒じゃないところが、素晴らしい。
その柑橘も、抑制が効いていて、その塩梅がとても良い。
それにより、素材の旨みを邪魔しない。

*八寸 

鈴虫を入れる虫かごや桔梗やススキなど秋の植物をあしらって、風情あります。

戻りガツオ叩き・蛸柔らか煮・玉子真丈・大徳寺麩黄身酢掛け・石川芋大徳寺納豆射こみ・枝豆紹興酒漬け・丸十甘煮・渡り蟹と菊と(なんだか忘れたけど)青菜のお浸し。
乗り切らない分として、鮎の風干し・鰻のから揚げ。さらにマンゴー入りフォアグラ最中。
追い打ち的に、鮪のハラカミとべったらの山葵和え海苔巻までも。

蛸の柔らか煮と玉子真丈には、いつも感動。
鮎の風干しが、パリッとした風味と凝縮した鮎の身の甘さの対比に悶絶。
鮪のハラカミは、脂がかなり乗っていたので、あえてべったらと合わせてさっぱり感を出したそう。
素材を見て調理を考えるところは、さすがです。

*揚物 琵琶マスのフライ 毛ガニのタルタル キャビア

これはタルタルがイマイチ好みではなかったものの、琵琶マスはさすがに美味しい。

*焼物 活鮎の炭火焼き すっぽんつけ焼き 

鮎、すごく風味がある。
9月でも落ちてない(抱卵してない)とかで、脂が乗り過ぎず香りも良いし。
とても美味しい鮎でした。
スッポンは手堅くも超絶美味。

*煮物 いちじく胡麻味噌焼き

スペシャリテだそう。
ものすごく柔らかい。
皮を剥くのも大変そうな。
熱によって、トロッとした無花果の甘さがさらに引き出された感。

*鍋物 淡路鱧のしゃぶしゃぶ 飛騨牛のすき焼き仕立て

出汁をあえて控えめにしているそう。
それにより、鱧の身の旨みが出汁に溶け込みつつ、身にも出汁が入るのだとか。
で、その出汁は、綺麗な味で、これまためっちゃ美味しい。

*食事 岩手松茸ご飯 飛騨牛とトリュフご飯 雑炊

早くも国産の松茸っ!
さらに、A5の飛騨牛と玉子・トリュフのご飯までっ!
嬉しい以外の何物でもない。
この値段で、ほんと素晴らしい。

*甘味 麦焦がし羹

とろとろの食感と素朴な風味が郷愁を呼ぶ。

*抹茶

以上です。
滋賀で名声を博し、去年の10月に銀座に移転するやさらに大人気となった割烹。
今や、本サイトの日本料理ジャンルで全国3位になってます。
銀座界隈の全ジャンル総合一位でもあり、一年足らずで銀座のNo.1になった恰好。

先月に引き続き、訪問。
当日の料理は、以下になります。

*先付 玉子豆腐 青森天然じゅんさい 牡丹海老 雲丹 まだか鮑
*お椀 薄葛仕立て 毛蟹真丈 ばちこ
*造り まこがれい 鱧の落とし(キャビアと鱧の子乗せ) あおりいか
*凌ぎ 煮鮑 スッポンスープで炊いたおかゆ
*八寸 一寸豆のこのわた掛け 庄内麩のチーズ博多 鰻の木の芽和え どじょうのから揚げ 車海老うま煮 シュガートマトに黄身酢 フォアグラ最中 いのししバラ肉 玉子真丈 ヤマモモワイン煮 とうもろこしのかき揚げ 岩もずく酢の物 おかひじきお浸し 鮪とべったら漬けの手巻き寿司
*箸休め 焼き茄子と生うにの胡麻餡かけ
*焼物  岐阜・馬瀬川の鮎 滋賀・愛知川の鮎 食べ比べ
*鍋   スッポンとふかひれ スッポンスープ
*煮物  芋蛸南京
*食事  鮎ご飯 飛騨牛しぐれ煮 香の物 鮎ご飯出汁茶漬け スッポンとフカヒレの餡かけご飯
*甘味  あじさい金団
*抹茶

今回も大満足。
前回から1か月しか経ってないため、食材的にはそれ程変わらないものの、それでもちゃんと変化はあって、楽しめた。
それに、美味しいものって、何度食べても美味しい。

先付けで、玉子豆腐の優しい甘さと雲丹の旨みある甘さのハーモニーに唸るところから始まる。
前回と同じながら、マダカアワビが添えられているなど、少しの変化が楽しいな。

お椀は、他の人は前回と同じおくらのすり流し椀でしたが、私たちだけ変えてくれました。
ばちこの磯の香りが少し吸い地の繊細さ損なっていたものの、毛蟹感たっぷりの真丈含め、素直に美味しい。

お造りの鱧の落としが秀逸。淡路の鱧だそうですが、濃厚な旨みがあって非常に美味しい。
氷で〆てないのと骨切りが上手なので、鱧自体が良い上にその旨みが逃げない。
あおりいかの甘さにも、唸る。
まこがれいは、旬がやや過ぎた感じというか、前回の方が良かったかな。

凌ぎは前回と同じで、またまた悶絶。

八寸は、イノシシが美味しかったな。この季節は個体差が大きいとかで、ダメなものは返してしまい、良いものだけを貰うそうです。鰻は琵琶湖の天然もの。美味しい。
玉子真丈のほわほわ加減にも、毎回感動。
フォアグラ最中に添えるのは、今回もマンゴーピュレですが、国産のマンゴーを半分は蜂蜜に漬け、半分は生にレモンを絞り、甘さと酸味の対比を際立たせる工夫をしてる。細かいところも考えてます。
それ以外も、もちろん美味しい。

焼き茄子と生雲丹は、焼き茄子の香ばしさ雲丹のトロッとした味が、同じ要素を持つ生胡麻ペーストにすごく合ってる。

鮎の食べ比べは、流れが速い馬瀬川の鮎は旨みが濃くてインパクトある味、一方琵琶湖に近いゆるやかな流れの愛知川の鮎は、身の繊維が柔らかくて、内包する旨みが奥から出て来る繊細な風味。
驚くほど風味が違い、甲乙付け難いものの、愛知川の鮎の方が好みでした。

スッポンとフカヒレのスープは、滋味深い。
鮎ご飯は、素直に嬉しい。

サービスも相変わらず秀逸。
(詳しくは書きませんが)私は全く何とも思わなかったのですが、篠原さんなりにあっ!と思ったことがあったそうで、恐縮するほど気を遣って頂きました。
プロとして自分に厳しい人だなーと、正反対の私は敬服することしきり。
それ以外の話も色々と楽しくさせて頂き、ほんと良いお店。

今回も大満足。
次は秋口。
ご馳走様でしたー。
4回目のしのはらさん。

今回は食べ友さんにお誘い頂き、訪問。
当日の料理は、以下になります。

*先付 玉子豆腐 じゅんさい 牡丹海老
*お椀 おくらのすり流し 毛蟹真丈 梅肉
*造り 釜石本鮪 宮城まこがれい 五島列島あおりいか
*凌ぎ 蒸しあわび スッポンスープで炊いたおかゆ
*八寸 一寸豆のこのわた掛け 庄内麩のチーズ射込み スッポンのから揚げ どじょうのから揚げ 車海老うま煮 菜の花胡麻よごし 穴子 蛸の柔らか煮 シュガートマトに黄身酢 フォアグラ最中 いのししバラ肉 など
*焼物  安曇川の鮎 琵琶湖のうなぎ
*揚物  舞鶴産鳥貝のフライ
*強肴  蒸鮑と生鮑、鱧の鍋
*煮物  石川芋と茄子 いんげん豆
*食事  新生姜の炊き込みご飯 フカヒレ入りスッポンスープの餡かけ 雑炊 香の物 飛騨牛のしぐれ煮
*甘味  あじさい金団
*抹茶

今回も素晴らしかったです。
前回より、少し味付けが繊細になった感。
より好みな感じになりました。
とはいえ、華のある料理という特徴は変わらず。

先付けのじゅんさいは、珍しい天然物。
出汁酢の酢加減が穏やかで、玉子豆腐の優しい味を邪魔しないのが良いな。
雲丹の甘さにも驚愕。

お椀は、今までで一番薄味だったかも。
すり流しということもあるのか、これまでちょっと強めだった昆布の風味が控えめで、より洗練された感。
おくらでとろみをつけた吸い地に、蟹真丈の旨みが溶け出し、とても美味しい。

造りは、まこがれいに悶絶。
少し水分を抜いてるそうで、旨みが半端ない。

凌ぎは、スッポンのスープで炊いたおかゆが、これまた旨みが素晴らしくて悶絶。
蒸し鮑も柔らかい。

八寸は、相変わらず盛り付けが綺麗。
夏越しの大祓にちなんだ茅の輪くぐりを模した飾りもあり、そういう日本の伝統を感じられるところがまた良い。
料理自体で言うと、スッポンのから揚げがとても美味しかった。蛸の柔らか煮は、安定感ある美味しさ。
フォアグラ最中は、マンゴーを合わせて。
フォアグラは、今までより少し水っぽい感じですが、鳥インフルの影響でヨーロッパ産が入らずにカナダ産を使っているからとか。これは仕方ないかな。

焼物のうなぎは、皮ぎしの脂がトロッとして、大変美味しい。
活けの鮎は、はらわたの苦みがたまらない。
活けならではの、香り。
なお、焼物を2種は、季節ものの鮎がまだ小さく味が大人しいため、あえて鰻を一緒に盛って、皿の満足度を高めているそう。
考えてますなぁ。

鳥貝のフライも素晴らしかった。滅茶苦茶ジューシーで、噛んだ途端に旨みのある汁がジュワッと。

鮑と鱧の鍋は、それらの旨みが溶け出したスープがとても美味しい。
鮑そのものは、蒸した方が生より旨みが凝縮して美味しいそうなのですが、生の鮑じゃないと鍋の汁に旨みが出ないということで、あえて生の鮑も使うそう。
で、実際、前述のようにスープがとても美味しいのです。
鱧の骨切りも上手だった。

ご飯は、新生姜のご飯。
生姜の量を控えめにすることで、米の旨みをちゃんと味わえるようにしてるのが良いな。
その辺りのバランス感覚は、天性のものかも。

ということで、今回も大満足。
接客も相変わらず素晴らしいし、ほんと良いお店。
開店して半年以上経って、ますます良くなってる感。

ご馳走様でしたー。


 
滋賀で名を馳せ、銀座へ進出したしのはらさん。
3か月ぶり、3回目の訪問。

当日の料理は以下になります。

*先付  伊勢海老・本ミル貝・雲丹・わらび・ウド・茗荷・キャビアの加減酢ジュレ掛け
*お椀  帆立真丈 ばちこ 片栗の花
*造り  津軽の本鮪 明石の針烏賊 スダチ塩 出汁醤油
*造り  下北産紫雲丹 紹興酒漬け牡丹海老
*凌ぎ  青森産蝦夷アワビ 肝を和えた飯蒸し
*八寸  琵琶湖小鮎・干しゼンマイ・ホタルイカ・木の芽和え・フキのコノワタ掛け・鯛の子旨煮・車海老・蛸柔らか煮・ホタルイカの藁燻し・庄内麩のチーズ射込み・ふきのとうの天ぷらの金山寺味噌射込み・鮒寿司
*中皿  干し柿とフォアグラの最中
*煮物  穴子とわらび、熊本産筍の大原木
*焼物  大分産すっぽんのつけ焼き ホワイトアスパラガス
*鍋物  いのししと熊の鍋 花山椒
*食事  筍ご飯 スッポンスープとフカヒレ餡掛け 雑炊
*甘味  桜きんとん
*抹茶

今回も大充実。
豪華食材を、これでもかーと繰り出す怒涛の攻め。
一方で、蝦夷アワビは真空調理を施し鮑自身の水分で蒸すことで、柔らかくて非常にコクがある仕上がりなど細かい作業も怠りなし。
お造りの本鮪だけは、今の季節はイマイチとかで冬の津軽海峡のものを瞬間冷凍したものでしたが、瞬間冷凍とはいえ、水っぽさは隠せない。でも、その必ずしも生に拘らない、柔軟な姿勢は好感。
牡丹海老は紹興酒に漬けて、その甘みに深みを与えたりもしてる。
スッポンの焼き加減も、相変わらずとても良くてジューシー。
添えたホワイトアスパラは、フランスのロワール産。
ホワイトアスパラは、日本産よりフランス産の方が、香りと苦みが強めで春らしい味が出る。
日本料理のお店なのに日本産に拘らず、食材の本質を見極めた選び方が見事。
お椀は、昆布の風味が強め。もう少し薄めでも良いですが、これはこれで帆立真丈の甘みには合ってる。
八寸の豪華さはいわずもがな。特に、ホタルイカの藁蒸しに感心しました。
季節感があって、どれもきちんと手を掛けていて、この八寸は本当に素晴らしい。
フォアグラ最中は安心感のある美味しさ。前回より、少しフォアグラの風味に力強さがあり、美味しかった。
また、早くも花山椒を頂けたのも嬉しかったですかね。
鍋のつゆは濃い目なのですが、風味が強い花山椒とバランスが取れてる。
そう思って聞いたら、それをちゃんと計算して濃い目のツユにしてるとか。
全体的にしっかり目の味ですが、調理が的確で食材とのバランスが取れていて、薄味好みの自分でもとても美味しい。

そんなこんなで、今回も大満足。
気配りと楽しさが行き届いたしのはらさんの接客も、相変わらず素晴らしい。
この後も、通いまくる予定。

ご馳走様でしたー。
12月に伺い、間をおかず新年早々訪問。
今度は連れと。

篠原さんも覚えていてくれ、嬉しい。
当日の料理は以下になります。

*香煎茶
*先付 雲丹 子持ち昆布 蝦夷アワビ 赤座海老 胡麻豆腐 岩茸 ちしゃとう 大根 土佐酢ジュレ
*お椀 蟹真丈 神馬草(ホンダワラ) 
*造り 大間マグロ 針烏賊 伊勢海老藁燻しキャビア乗せ 酢塩 土佐醤油 昆布醤油ゼリー 
*凌ぎ 雲子飯蒸し 銀餡
*八寸 蛸柔らか煮 富田林産海老芋から揚げ 酢蓮根 才巻海老素揚げ のし梅 玉子真丈 子持ち昆布 青首鴨ロースト ふぐの白子和え 穴子 能登茶振りナマコ 蕗のコノワタ掛け ホンモロコ炭火焼き
*中皿 あんぽ柿のフォアグラ最中
*焼物 すっぽんのつけ焼き
*煮物替わり 熊鍋
*食事 白甘鯛ご飯 湯葉餡かけご飯 熊のスープの搔き玉雑炊 ふかひれとすっぽんのエンぺラ・フカヒレのおかゆ
*甘味 きんとん(曙)

今回も素晴らしかった。
前回と食材的には被る料理が多かったのですが、それでも結構アプローチが違っているし、美味しいものは何度食べても飽きないし、感動するなーと実感。
接客も相変わらず素晴らしい。

この日は常連さんがいないこと含め、前回より少し静か目な雰囲気だったのですが、それでも心温まる雰囲気は変わらず。
またまた予約を入れて帰途に。また他のお客さんも皆さんそうしてました。
1月の初めで5月までほぼ埋まっている状況で、今後さらに予約困難になるのは明らか。
東京に来てくれたことに、ほんと感謝。

ご馳走様でしたー。

ということで、点数を上げました。
そのうち満点を付けそうな・・。

以下、料理の詳細です。

*先付 雲丹 子持ち昆布 蝦夷アワビ 赤座海老 胡麻豆腐 岩茸 ちしゃとう 大根 土佐酢ジュレ

前回同様、贅沢な先付。
胡麻豆腐がとてもモチモチ。
雲丹がとても甘くて美味しい。

*お椀 蟹真丈 神馬草(ホンダワラ) 

昆布と鮪節で出汁を取った吸い地。昆布の旨みが濃いしっかり目の出汁。
鰹節を使ってないので、酸味によるキレを抑えた仕様になってます。
そのため、マッタリ感とコク濃厚な出汁が、いかにも冬らしい。
なお出汁の取り方は、季節や椀種によって変えるそうで、鰹節100%のこともあるとか。
蟹真丈はつなぎを殆ど使わず、カニ感たっぷり。

*造り 大間マグロ 針烏賊 伊勢海老藁燻しキャビア乗せ 酢塩 土佐醤油 昆布醤油ゼリー 

大間の鮪は、今回もフジタ水産のもの。
柔らかさは前回ほどではないものの、旨みがとても濃くて、香りも良い。素晴らしいな。
また、伊勢海老の上に乗せたキャビアが感動するほど美味しい。
ベルギー産とのことですが、塩気が抑え目で魚卵の旨みがたっぷり。キャビアでここまで感動したのは、初めて。

某超高級日本料理店でも魚介の上にキャビアを乗せますが、そのキャビアより個人的には断然美味しかった。

*凌ぎ 雲子飯蒸し 銀餡

これまた悶絶。
柚子釜に入れた雲子(タラの白子)と銀餡、蒸した米をリゾットのように混ぜて食べる。
白子のコクと銀餡の旨み、米の甘みのバランスが非常に良くて、そこへ柚子の香気がふわっとし、前述の濃厚な旨みに品を与える。
ほんと品が良いながら素晴らしい旨みで、これにも感動。

*八寸 蛸柔らか煮 富田林産海老芋から揚げ 酢蓮根 才巻海老素揚げ のし梅 玉子真丈 子持ち昆布 青首鴨ロースト ふぐの白子和え 穴子 能登茶振りナマコ 蕗のコノワタ掛け ホンモロコ炭火焼き

本諸子は見たこともないくらい大振り。抱卵していて、卵の旨みにまたまた悶絶。
富田林産の海老芋は、肌理が細かくてクリーミー。
蛸も前回よりきちんと柔らかく、才巻の旨みにも驚く。
それ以外もとても美味しい。

*中皿 あんぽ柿のフォアグラ最中

前回と一緒。フォアグラは2番出汁で炊いて裏ごしし、軽い味にしてるそう。
今回は、作り方は同じでしょうが前回より軽めの味。
もう少し濃厚でも良いかな。
米粉を使った最中は相変わらずサクサク。

*焼物 すっぽんのつけ焼き

焼き具合がとても良い。
噛むと旨みがジュワッと。
すっぽん特有の臭みもなくて、冬のすっぽんは美味しいですな。

*煮物替わり 熊鍋

前回同様、熊の出汁が溶け込んだスープにとろみを加えたもので煮た熊鍋。
今回は、スープに熊の出汁が凄く出ていて濃厚な風味。それでも臭みはなくて、これまた唸る。

*食事 白甘鯛ご飯 湯葉餡かけご飯 熊のスープの搔き玉雑炊 ふかひれとすっぽんのエンぺラ・フカヒレのおじや

高級魚、白甘鯛の炊き込みご飯。
炊き方は関西風に柔らかい。もう少し固めの方が好みだな。
その後、湯葉餡かけご飯、熊のスープを使った掻き玉雑炊、さらにはその熊のスープでスッポンのエンペラ(脇のゼラチン豊富な部位)を炊き、それでさらにフカヒレを炊いたものをあわせたおじやと結局、4種類のご飯を頂きました。
もう贅沢の極み。

*甘味 きんとん(曙)

前回同様、つくね芋と卵・ゆり根を合わせた餡を用いた和菓子。
今回は、正月らしく金団で。さっぱりとした甘みが特徴の、しのはらさんの和菓子。
個人的にはもっとしっかりとした甘さのものが好みですが、これはこれで品が良くてアリかなとも思う。

*抹茶

以上です。
滋賀にありながら、全国から食通が駆けつけるということで有名なしのはら。
残念ながら私は伺う機会がなかったのですが、銀座へ移転したとのことで急ぎ訪問。
とはいえ既に多くの食べ友さんが訪れており、皆さんほんと早い。
予約した時点(10月初め)では1か月ちょっと先まで埋まっているとのことでしたが、訪問時点では4~5か月先まで埋まっているとのこと。
あっという間に人気沸騰で、実際訪れるとそれも納得の感。

銀座2丁目にあるビルの地下1F。
文房具で有名な伊東屋の近くですね。

入ると11席くらいあるカウンター。
席間がそこそこ広いのが、ありがたい。
さすがに店内は綺麗です。

コースは、税・サ込で23000円(かな??)。
最近の高級和食の中では、まずまず良心的。

当日の料理は以下になります。

*香煎茶
*先付 柚子釜 能登セコ蟹(香箱蟹) 雲丹 子持ち昆布 蝦夷アワビ 牡丹海老 土佐酢
*お椀 すっぽん 近江蕪 胡麻豆腐
*凌ぎ 柴山松葉蟹 あん肝 飯蒸し
*造り 平目 氷見寒ブリ藁焼き 大間マグロ 針烏賊 いぶりがっこ 昆布醤油ゼリー ちり酢 酢塩
*八寸 蛸柔らか煮 富田林産海老芋から揚げ 蓮根 才巻海老素揚げ 小肌とラ・フランス 玉子真丈 大徳寺麩芥子黄身寿司 鴨のつけ焼き 柿・大根などの胡麻和え 穴子
*中皿 あんぽ柿のフォアグラ最中
*焼物 白甘鯛の幽庵焼き
*蒸物 雲子 トリュフ
*煮物替わり 熊鍋
*食事 蟹ご飯 ふかひれ餡 雑炊
*甘味 

むちゃくちゃ贅沢。
高級食材をこれでもかー!と繰り出してくる、華やかな料理
食材自体の質も、お値段の関係で最高ではないものの、なかなか吟味されてます。
フォアグラ最中や、ご飯を手を変え3膳出すなど、色々工夫を凝らして、とにかく楽しんで食べて貰おうという気持ちが伝わる料理。
ほんと楽しいです。
味付けは、割合しっかり。
輪郭がくっきりとしつつも、濃すぎる程ではない。
華やかさの中に丁寧さも感じる。
良い意味で万人受けするというか、誰もが素晴らしいと思うような料理ではないでしょうか。

また、大将の人柄も魅力。
この日は、偶々ほぼ全員が一斉スタートということもあり、客全員を巻き込んでの食材説明やその他やりとりは、大爆笑や感心の連続。
初対面の客同士も自然と会話するような、店全体が一体となった楽しさを作り出す技術に感服。
これは天性のものですね。

都内で、ここまでの接客と雰囲気づくりの見事さは、個人的にはくらいしか知らないし、それを凌ぐかと。
また、違う時間(少し遅い)にスタートした唯一の組は、初訪問と思われるおひとり様だったのですが、その方にも取り残され感がないようきちんと気を遣ってる。
素晴らしいです。

人気が出るのは必然です。
行った人は、皆さん次の予約を入れて帰るし。
私もそう。(笑)
そのうち、1年先まで満席とかの超超予約困難店になりそうな気がする。

すごいお店が東京に来てくれたものです。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*先付 柚子釜 能登セコ蟹(香箱蟹) 雲丹 子持ち昆布 蝦夷アワビ 牡丹海老 土佐酢

冬の旨みが詰まった豪華食材を、これでもかーと盛り込んだ柚子釜。
土佐酢は強すぎることもなく、それぞれの素材の良さをきちんと浮かび上がらせる。
食べ進むうちに、色々なスター食材が次々と現れる楽しさ。

*お椀 すっぽん 近江蕪 胡麻豆腐

生姜が優しいのが良いな。
胡麻豆腐も滑らかで、炒ってないのでクリーミー。実に丁寧に作ってます。
出汁はすっぽんと昆布、鮪節。しっかりしつつも、旨みが強すぎず、優しさも感じる。
蕪がその出汁を受けとめて、バランスが良い。

*凌ぎ 柴山松葉蟹 あん肝 飯蒸し

あん肝を裏ごしした上に柴山の松葉蟹を乗せた、贅沢な飯蒸し。
蟹の質は高くはないというか、旨み・甘みはそれ程ではないものの、あん肝を加えてそれを補うというか、贅沢な味にしてるのが工夫ですな。

*造り 平目 氷見寒ブリ藁焼き 大間マグロ 針烏賊 いぶりがっこ 昆布醤油ゼリー ちり酢 酢塩

寒ブリを藁で炙ったものは、その香りがブリの脂感を和らげて美味しかった。
いぶりがっこも添えられて、そのスモーキーさが藁の香りと合ってたし。
大間の鮪の柔らかさに驚愕。聞けば、NHKのプロフェッショナルにも出たフジタ水産の鮪で、感じたように柔らかくて旨みがあるマグロが特徴とか。
なるほどー。その分、鮪の香りはやや控えめだったかな。
針烏賊は、細かく包丁を入れており、甘い。
昆布〆した平目も旨みが素晴らしいです。
このお値段なので、それぞれはすごく質が高いとは言えないですが、工夫してとても美味しくしてることが素晴らしい。
非常に高いコース値段にして高い素材を入れてそのまま出すより、こういう方が心を打たれる。

*八寸 蛸柔らか煮 富田林産海老芋から揚げ 蓮根 才巻海老素揚げ 小肌とラ・フランス 玉子真丈 大徳寺麩芥子黄身寿司 鴨のつけ焼き 柿・大根などの胡麻和え 穴子

海老芋は、最高級の富田林産。肌理が細かいのが特徴。
小肌とラ・フランスの相性も驚き。ラ・フランスのねっとりとした甘さが、小肌のシャープな旨みを優しく包む。
鴨も旨みが濃くて美味しかったな。
蛸も、とても柔らかい。

*中皿 あんぽ柿のフォアグラ最中

あんぽ柿の糖の甘さとフォアグラの脂の甘さがとても相性が良い。
フォアグラにフルーツを合わせることは多いですが、柿のような酸味のない果物の方が合うと思うんですよね。
最中のパリパリ感も嬉しい。

*焼物 白甘鯛の幽庵焼き

甘鯛の中でも最高級の白。
それ程濃くないのが嬉しい。

*蒸物 雲子 トリュフ

贅沢。ただ、雲子はやや蒸しが深くて、ポソッと。
トリュフとの相性はそれ程良さを感じず。
雲子の少しのクセを、トリュフの香りが助長する感じ。
とはいえ、贅沢です。

*煮物替わり 熊鍋

これが絶品。
良い熊が入ったとかで、ツユは比較的シンプルに仕上げてる。
直前に行った比良山荘では蜂蜜を入れて甘めにするが、こちらはすっきり。
その熊は、比良山荘の脂の甘さを味わうものと違い、赤身の旨みを味わう。
出汁にとろみをつけることで、旨みが逃げないのだとか。へえーーー。
少し牛肉にも似たテイスト。
熊の出汁が出たツユで頂くセリも素晴らしい美味しさ。

*食事 蟹ご飯 ふかひれ餡 玉子とじ雑炊

蟹ご飯♪
それを、最初はそのままで、次はフカヒレ餡を掛けて、次は熊鍋のつゆを使った雑炊を卵とじに。
最後は少し舌が疲れる感じもありましたが、手を変え品を変え楽しませてくれる心意気は嬉しい。

*甘味

山茶花を象った和菓子。
ユリ根や玉子、つくね芋などを使った、さっぱり目の和菓子。

*抹茶

以上です。

PS:今年のレビューは、これが最後になります。一年間お付き合い頂き、ありがとうございました。
  来年もよろしくお願いします。
  良いお年をお迎えください。

  • 八寸
  • 焼物 ホンモロコ スッポンつけ焼き
  • 食事 松葉ガニの炊き込みご飯

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4位

(外苑前、国立競技場、表参道 / 創作料理)

15回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2019/12訪問 2020/01/11

頂くのは、温かいおもてなしの心

クリスマスシーズンに今年最後の傳。
今年もミシュラン二つ星を維持、世界ベストレストラン50でも日本最高位の11位のお店。

コース15000円。
この日の内容は、以下になります。

*海老芋の揚げ物
*蕪 白子のシチュー
*香箱蟹入り傳タッキー 
*戻りガツオとクエのヅケ
*サワラの塩焼き
*傳サラダ
*金目鯛(うろ覚え)の粕汁
*桜エビのご飯
*ココナッツムース 黒糖ゼリー 柿

前回も書いたけど、しみじみ美味しい。
ミシュランで星を取ってる和食系のお店の中では異色的に、最近流行りの高級素材合戦に参加せず、心和む料理を出してくれる貴重なお店。
高級素材のオンパレードも良いですが、こういう料理も実に良い。
出汁を含ませて蕪を炊いたものに、白子の優しいコクのスープを合わせたシチューとかホッとします。海老芋の揚げ物も、ホクホクと甘くて美味しい。
そして、戻り鰹の美味しさにも素直に悶絶だし、鰆の塩焼きの絶妙な火入れにも唸る。
高級和食店でもそれらの素材は出ますが、メインどころではない。
でも此方はそれらを上手く使って、心に沁みる料理を出してくれる。
白眉は傳サラダ。色々な野菜を調理法を変えて仕上げ、ヘルシーで美味しい料理に仕立ててくれる。
店主の長谷川さんが昔から掲げている「究極の家庭料理」という言葉が、個人的には、最近の世情を踏まえると実に心に響くようになった。
好みは分かれるかと思いますし、誰にでも勧められるお店ではないのは変わりませんが、やっぱり自分には大切なお店。

そして、料理に合わせた女将さんのオリジナルティーも実に秀逸。
スパイスなんかを合わせながらも、それらの抑制が効いてバランスが良く、まとまりがある。
大体が、フレーバーを合わせるとその要素が強く出ることが多いですからね。
お酒が好きな方には、ノリコさんが合わせてくれる日本酒も秀逸かと。

そして何といっても、本サイトでも世界ベストレストランでも賞をもらったホスピタリティには、本当に癒される。

2019年も感謝。
ご馳走様でしたー。


6月に発表された今年の世界ベストレストランで11位とさらに躍進し、日本最高位を保っている傳(ベスト50位以内の日本のレストランは、他にNARISAWAだけ)。
定期訪問です。
厨房はまた外国から複数研修に来ているし、お客も外国の方が結構いて、相変わらずインターナショナル。
店主の長谷川さんも、毎月海外での仕事が入っているそう。
とはいえコース15000円と、お店の人気を考えれば今時良心的な価格。

で、この日の内容は以下になります。

*穴子 アスパラ菜 の揚げ物
*たっぷり松茸掛け茶碗蒸し
*傳タッキー 天然黒舞茸入りおこわ射込み
*ブリのお造り ポン酢醤油とたっぷりの薬味とともに
*鰻の蒲焼 ナス 
*傳サラダ
*合鴨と冬瓜の煮物椀
*いくらご飯
*黒いちじくのソルベ 梨 シャインマスカット ラム酒ゼリー クリーム

その世界的な評価を考えると意外というか、先鋭さは無くて、季節の素材を慈しみながら仕上げた料理。
毎回書いてますが、分かりやすい高級素材が出て来るわけではないし、味もブレがあったりします。
なので、誰にでも勧められるお店ではないし、合わない人も多いかも。
とはいえ素材の質は良いし、その仕上げ方も最近は安定感とまとまりがある。
個人的には、ブレも逆に楽しく、それ含め全体としてほっこりするというか、とっても癒される。
あ、料理のひとつひとつには、とっても手間を掛けてますし、技術は高いです。
例えば傳サラダは、何十種類の素材ごとに味付や調理法が違います。
茶碗蒸しもトロトロで、松茸とのバランスもすごく良い。
鰻も皮パリパリで身はしっとり、タレもキリッとしていて鰻の味を引き立てる。
煮物椀も、吸い地のすっきり感が見事だし、いくらご飯のいくらの味付も深みがある。
デザートも、ラム酒の香りが利いて、とっても美味しい。

なお、ドリンクは、お酒も良いものを揃えていますが、飲めない方には女将さんのお茶が超おススメ。
厳選したお茶(中国や台湾のお茶含む)にスパイスやハーブを合わせたりして、とても複雑で、でもまとまりがあって料理にちゃんと合う味になってる。
それを何種類も。どれもスゴイですよ。
都内のノンアルドリンクで、最高峰だと思う。
お酒が充実してるお店は多々あれど、下戸にも感動するようなドリンクを出してくれるのはレア。
そいうところも嬉しい。

高級素材のオンパレードで人気を博す店が多い昨今においては、こういうお店は貴重とさえ言えるし、食後感が何だかとても良い。
究極の家庭料理などと言われてたりしましたが、その方向でさらに進化してる感が。
もうね、ほんとホッとするんですよ。
その印象を料理やドリンクと共に支えるのは、チーム傳と言われるお店の皆さんのホスピタリティ。
それはお客さんの誰もが感じることで、前述の世界ベストレストランの特別賞として、「アート・オブ・ホスピタリティー賞」も受賞してます。
本サイトのアワードで、初代ベストホスピタリティ賞も受賞してましたよね。

いずれにせよ、個人的に色々なお店に行きますが、此方は「帰って来たー」感がある。
気負って美味しいものを食べに行くぞーという感じではないのですが、でも妙にワクワク感とホッとする感があるというか。

ずっと通い続けると思うお店。
ご馳走様でしたー。


外苑前駅から歩いて10分ほど。
アジアベストレストラン2位で、世界でも17位で、お客さんは外国の方も多いインターナショナルなお店。
定期訪問してます。
ずっと連れとしか行ったことなかったのだけれど、今回は食べ友さん達と。

今回頂いたものは、以下。

*傳最中
*オクラと焼き茄子の出汁あんかけ
*傳タッキー(とうもろこし入り)
*ヒラスズキのヅケ 梅肉
*鮎の一夜干し 鮎のパテ
*畑の様子
*牛ほほ肉と冬瓜の煮物 葛餡掛け
*しらすご飯
*ルバーブとすいかのデザート ラム酒の香り

今回も満足。
高級素材を使うわけではなく、地味ながら良い素材を使い、ほっとする味に仕上げる。
一口食べて感動的に美味しいというより、しみじみと美味しい料理。
心がこもった温もりを感じる料理というか。
好みは分かれるとほんと思いますけどね。
冒険もするので、当たり外れはあるし。
人に勧めづらい店ではあります。
ただ、アジアベストレストランでもベストホスピタリティー賞をとったホスピタリティーの素晴らしさも含め、じんわりと心温まって帰れる個人的に貴重なお店。

あ、ドリンクだと、女将さんお手製のお茶の数々は素晴らしいです。
スパイスやハーブなどを効果的に使い、めっちゃ美味しい味に仕立ててる。

ということで、会も楽しく満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の感想です。

超久し振りに頂いた傳最中は、めっちゃ美味しい。
フォアグラのテリーヌはその香りが深くて、いぶりがっこのスモーキーさが癖を和らげ、あんぽ柿の甘さがフォアグラの脂の甘さにめっちゃ合う。最中の香ばしさが良いアクセント。

オクラと焼茄子の餡かけは、とろとろのオクラと出汁餡が絡んで、そこへ焼き茄子の香ばしさと旨みが追い打ち。これもしみじみ美味しい。

傳タッキーは、今回はおこわに合わせるのはとうもろこし。
夏らしいけど、鶏にトウモロコシ・おこわだと、少し味が単調・・・。

ヒラスズキのヅケは、旨みが良いな。
傳では、魚は最近話題の静岡はサスエ鮮魚店のものを使ってます。
あ、季節ということで添えた梅肉との相性はイマイチな気も・・。

鮎の一夜干しは、開きで。干すことで鮎の旨みが凝縮してる。頭の焼き加減が良くて、パリパリなのも嬉しい。普通の塩焼きも良いけど、これはこれでとても美味しかった。
鮎のパテは濃厚な味で、お酒のアテにぴったり。美味しい。

畑の様子はこちらの定番。ドレッシングを使わず、野菜ごとに味をつけ、塩昆布とごま油で整える。
野菜ごとに味付けを変える手間は、美味しさに見事に結実してる。

牛ほほ肉と冬瓜の煮物は、牛ほほがめちゃめちゃ柔らかい。
牛ほほ肉は、脂を抜いて出汁を入れるみたいなイメージの調理だそう。
ホントじんわりと美味しい。

しらすご飯も、しらすの塩気と薄い出汁で炊いたご飯の甘みと旨みが絶妙にマッチして、めちゃくちゃ美味しい。しあわせ。

デザートは、ラム酒の香りがとっても効いてる大人味。
この風味だと西瓜よりマンゴー(や桃)のが良いのかな?などと思いつつも、とても美味しい。

ご馳走さまでしたー。
定期訪問。

外苑前駅から歩いて10分ほど。
アジアベストレストラン2位で、世界でも17位で、お客さんは外国の方も多いインターナショナルなお店。3月に情熱大陸にも出たみたいだけど、見逃した・・。

料理はお任せで、15000円(多分)。

今回の料理は、以下になります。

*タラの芽の揚げ物
*ホワイトアスパラと温泉玉子 出汁
*傳タッキー
*鰹のヅケ 海苔ソース
*鰆の焼物 山菜などの春野菜添え
*傳サラダ
*天然の山菜餡かけ 牛肉
*ホタルイカの炊き込みご飯
*ココナッツムース 日向夏 ラム酒ジュレ 黒糖ゼリー

いわゆる高級素材とかに拘らず、旬のものを工夫して出すのが此方の大きな特徴。
最後の煮物椀は、富士山麓で採った天然の山菜が10種類ほども!
ここまで山菜をたっぷりと、都内で頂けること自体がとても稀有。その山菜の苦みを緩和するために、少し甘く味付けした柔らかい牛肉を忍ばせるところがニクイ。
そして、きちんと美味しい。
感動的な美味しさというよりは、しみじみ美味しいタイプ。
基礎的な技術もしっかりしていて、タラの芽なんかもカラっと揚がってる。
素材も良いものを使ってますしね。

色々な試みがあるので、完成度は時々で差があったりしますが、最近は安定してると思う。
お値段も、お店のネームバリューが上がっても据え置きで、今やとってもリーズナブル。
何より本サイトのアワードで、初代ベストホスピタリティ賞を受賞し、アジアベストレストランでも同様の賞を貰っているサービスの卓越さは素晴らしい。
まさにおもてなしの精神に溢れています。

高級素材が出ないこと含め、好みが分かれるお店だとつくづく思いますが、こういうアプローチをするお店は他には無く、その遊び心含め個人的にはとても好き。

そんなこんなで、今回も満足。
ご馳走さまでしたー。

以下、料理について少し。

最初のタラの芽は、これって芽?ってくらい大きい。
ほっくりした甘み・旨みに少しのほろ苦さが加わり、シンプルだけどとても美味しい。

ホワイトアスパラは、アスパラを縦に薄く切って出汁と玉子を絡めて食べる、傳風カルボナーラとも言える品。これまた、アスパラの微かな苦みと甘みが、温泉玉子のトローりとした旨みや甘みに合ってる。

傳タッキーは、中は枝豆入りおこわ。
素直に美味しい。

鰹のヅケは、旨みがたっぷり。とても美味しいし、彩も綺麗。
海苔ソースの磯の香りと旨みが、鰹の艶めかしさととっても相性が良かった。

鰆の焼物(出汁で煮てから焼く)は、最初少し塩が強いかな?と思ったのですが、素揚げしたこしあぶら、ウドの煮たものなどと一緒に食べると丁度良い。
これも素直に美味しい。

傳サラダは、素材ごとに調理を変えていて、とても手間が掛かってる。
そして、どの野菜も力強いパワーを持ってる。

前述の天然の山菜の餡かけは、優しい風味。野蒜・行者ニンニク・うるい・しどけ・わらび・花山椒・セリ・筍・コゴミなどなど(全部は覚えきれず・・)。

最後のホタルイカの炊き込みご飯は、ホタルイカのワタの風味が濃厚。
とても美味しい。
季節ということもあるのでしょうが、香の物に厚切りの生姜を添えているので、その濃厚さが口直しされ、飽きずに食べられる。そういう工夫もさすが。

デザートはラム酒の風味がたっぷりで、柑橘のきつすぎない甘さとココナッツムースの甘さと非常に相性が良かった。これも素直に美味しい。

お酒は、いつものり子さんが選んでくれ、料理との相性がとても良い。
すっきりとした夏酒、フルーティーな風の森や而今などを楽しみました。

以上です。
イブの夜に、ミシュラン二つ星に復帰した傳のクリスマスパーティーに行って来ました♪
傳には、海外含む色々な出自の料理人の方(この時は、和食・イタリアン・中華など)が研修に来るのですが、その方々が自分が作りたい料理を出すという企画。

入ると、まずは光る真っ赤なお鼻をつけた長谷川さん、トナカイやサンタの衣装を来たスタッフたち。
客も全員が常連で、和やかな雰囲気の中一斉スタート。
なおインターナショナルな傳なので、常連と言えどもオーストラリアやマレーシアの方など海外からの方も複数。
途中、プレゼント交換もあったり、お店全体が一体になった楽しい会。
神保町の旧店舗でファンクラブを切り盛りしている姐さん(望月さん)と久しぶりにお会いも出来、それも嬉しい。
飲み物も、二人で丁度4万円でした。

当日の内容は、以下になります。

*前菜盛り合わせ(イカの塩辛・カポナータ・ブリを炊いたもの・椎茸とユリ根の白和え・芽キャベツと湯葉の中華風)
*海老真丈のしば漬け入りおこわ射込み
*傳タッキー 〇ンタッキーアレンジバージョン
*牛すね肉と蕪の煮物
*根菜の温野菜サラダ
*とろとろな玉ねぎ チーズ フォカッチャ
*あんこうのどぶ汁
*鳩のロースト 中華風
*どぶ汁の雑炊
*イギリス伝統のクリスマスケーキ??

まずは、中華・イタリア・和食の前菜盛り合わせからスタート。
烏賊の塩辛が、スッキリと上品ながらお酒が進む味で、とても美味しかった。
芽キャベツと湯葉の中華風も、やっぱり品が良くて美味しかったな。
他は手堅く美味しい。

海老真丈は、姐さんのスペシャリテですが、今回は射込みバージョンで、中に柴漬け入りおこわ。
傳タッキーの向こうを張る感じ。揚げ物の中にご飯は、すごく合う。柴漬けの爽やかさも、揚げ物に合ってるし。

傳タッキーは、通常は中に色々な具と合わせたおこわを入れるのですが、今回は何も入れず、〇ンタッキーのオマージュバージョン。箱も、〇ンタッキーのオリジナルを使ってます。
クリスマスは、やっぱり〇ンタッキーですよね。
で、その傳タッキーは、出汁に少し浸けてから揚げてるそうで、しっとりとした肉質がジューシーで素晴らしい。so good♪
味付は、海苔や胡麻などをまぶしたふりかけ風。
ちょっとジャンクな感じもあり、お酒が進みます。

意外にしっかりとした肉質だったすね肉や色とりどりの根菜の温野菜は、手堅い美味しさ。

3日間掛けてとろとろに火を入れた玉ねぎは、玉ねぎの甘みがスゴイ。
まさにとろける美味しさ。

長谷川さん作のあんこうのどぶ汁は、味噌味で、あん肝をたっぷり汁に入れてる。
あんこうがすごくプリプリで、とっても美味しかった。
あんこう鍋は、あまり美味しいと思ったことはないのですが、さすがミシュラン二つ星のどぶ汁です。

メインは、鳩の中華風。
茨城の鳩に火を入れて、甘みある醤油味の中華タレに浸けたもの。
これが超絶品っ!
鳩の香りがとてもよくて、やや濃い目のタレながら丸ごとの調理なので鳩の風味はすごく生きており、しっとり。
もう悶絶しながら食べてました。
前回伺った時に、鳩をリクエストしたのに、赤坂離宮出身のにーやんが応えてくれた形。
感動でした。

その後に、お客さんとお店のスタッフ全員でのくじ引きによるプレゼント交換会を経て、食事はどぶ汁を使った雑炊。

そして最後は、ジョイちゃん(香港)がイギリスで修行をしていた時に覚えた、お酒をたっぷり使った焼き菓子。それにソルベを添えて。

延々4時間以上にも及んだ楽しいクリスマスパーティー。
傳の魅力がいっぱい詰まった会でした♪
良いクリスマスイブだったな♪

スタッフや同席してくれたお客さんに感謝。

ご馳走様でしたー。



祝、ミシュラン二つ星復帰♪

移転して6回目の傳。
移転して1年弱ですから、思ったより来てる・・。
この日はいつもよりは外人の方が少ないものの、それでも数組。
カウンターで隣に座った方は、ポーランドの人でした。

で、この日の料理は以下になります。

*本ししゃもの揚げ物
*白子豆腐の餡かけ
*傳タッキー
*金目鯛とモクアジの刺身 海苔餡
*ブリの煮物 
*傳サラダ
*出来立て唐墨(サービス)
*鱈と聖護院蕪の粕汁
*銀鱈の炊き込みご飯
*クリームチーズと洋梨 コアントローのジュレ

こちらで本ししゃもを頂くと、今年も終わりが近いなぁと感じる。
骨まで柔らかく、滋味たっぷりな本ししゃも。
白子豆腐は、とろとろ♪クリーミーさがタマラン。
傳タッキーは、黒米や松の実・クコの実・朝鮮人参などが入った参鶏湯(サムゲタン)仕様。
初代傳タッキーの仕様で、素直に美味しい。
モクアジは初めて食べましたが、鯵の仲間ながらマアジとはかなり違う味。
青魚っぽくなくて、品が良くて旨みがスゴイ。感動的な味。
金目鯛は3日寝かせたとかで、脂が甘い。
傳サラダは、相変わらずほんと手が込んでる。それぞれの野菜に仕事を施しており、サラダの最高峰だと思う。
唐墨は、今年の出来立てを。ねっとりで美味しい♪
粕汁は、フレッシュな酒粕を使っているとかで、クリアな風味。くじらの出汁も入れてるそうで、旨みが複雑。美味しいです。
白眉は、銀鱈の炊き込みご飯。銀鱈が、めちゃくちゃ大きい。
えっ?岩?みたいな。
で、これが感動的に美味しい。
タレが美味しくて、銀鱈の脂と旨みとご飯が合わさると、トロけるような食感と味。
大事なことなので繰り返しますが、ほんとトロけるのですよ。
色々な炊き込みご飯を出す此方ですが(偶に失敗もある)、名作の一つだと思う。
デザートは、コアントローの風味が少し強いかな?と思うものの、クリームチーズの甘みと合ってました。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。


あ、特徴的なお店かと思うので、最後に概要を書いておきます。

ミシュラン二つ星で、2017アジアベストレストラン50にも選ばれています(日本はカンテサンス・NARISAWAなど10店のみ選定されてる)。
本サイトでの評価も高い。
国内や海外のスターシェフが来ることも多いですし、海外の有名店から研修に来ることも多い。
また海外に招かれることも多く、国際的に活躍しています(nomaと一緒に仕事したりもしてます)。
料理はコース15000円くらい。少し飲んで、20000円少々。
パーソナルな接客が素晴らしく、とても心温まるお店。これが最大の特徴。
お酒もとても充実していて、珍しいものや季節感あるもの含め、的確なチョイスで美味しいお酒を提供してくれます。
日本料理の技法がベースなものの、洋の要素も取り入れたりします。
毎回工夫を凝らした料理を頂けるので、何が出てくるのが楽しみです。
スペシャリテは、傳タッキーとフォアグラ最中。
調理法含め遊び心が随所に見られ、いわゆる高級食材はあまり使われません。
色々と挑戦するので、ブレもあります。
なので、それも含め楽しめる人向きだし、初回はすごく期待して行くと、コース構成含め、あれっ?と思う可能性が高いかも。
誰にでも勧めやすいタイプのお店では決してないです。好みはかなり分かれるかと思います。
私も積極的には勧めません(^^ゞ
ただ、その分個性があるので、ハマれば大好きなお店になる可能性も。
通うごとに好きになっていくタイプのお店かも知れません。
私は大好きで、とても大切なお店です。
最年少でミシュラン三ツ星を取ったというベルギーのHertog Jan。
ベルギーでは、まさにスター扱いの有名人だとか。
そのコラボディナー(2日間限定)の案内をお店から頂き、訪問。

伺うと、お店の前でねじり鉢巻きの長谷川さん(傳のオーナーシェフ)が炭を熾している最中。
何やら、楽しそうな雰囲気っす。

この日は一斉スタートで、客は全員が常連さんみたい。
またコラボディナーと言いつつも、実際に料理を作るのは殆どHertog JanのGertシェフ。
長谷川さんは、コーディネーター&案内役&焼方的な。

料理ですが、「Hertog Janが普段出している料理とは違う、家庭的なものを。」と長谷川さんがリクエストしたそう。
究極の家庭料理とも言われることがある、傳らしいリクエスト。
このコラボは、共に料理を作るというより、そのコンセプトや日本的素材の提案などを傳が受け持ち、それを料理にするのがGertシェフという感じですかね。

当日のメニューは、以下になります。
フリーの飲み物込で、25000円。

*ムール貝 フライドポテト
*クリスピートースト
*セビーチェ ブリ
*スチームパン 豚のバラ
*イベリコ コロッケ
*クリスピー鴨サラダ
*土鍋パスタ イカ
*カラメル パイ

料理は、まさに家庭的というか、賄い的。
大皿に盛られたものを、お客さんが取り分ける形だし。
でも、ミシュラン三ツ星シェフ自身が作る賄いですから、まことに贅沢。
三ツ星レストランなどの場合、シェフ自身は自ら料理を作ることはなかったりするので猶更。
そして賄いというには、とても手が込んでます。
この2日間しか頂けない、一期一会の料理だなぁとつくづく感じる。

前述のようなコンセプトのためか、味付けはどれもしっかり目。
酸味ある料理は酸味が強めだし、味が濃い料理は結構濃い。
マヨネーズ系のジャンクなソースもあったり。
また辛み(七味)も結構使ってる。
好みかと言われると、ちょっと違う。
高級食材も使われない。
鴨サラダは、鴨のコンフィというビストロ料理に野菜を合わせたものだったり。
シェフの技術料を別にして、一般的な意味でのCPは低めかも。
でも、長谷川さんのコーディネートが素晴らしく、お店と客が一体となっていたとても楽しいイベント。
笑いや拍手が絶えない。
知らない隣の席の人同士も、話が弾むような。
大皿を他のお客さんと取り分けるので、猶更。
途中、フロリレージュの川手さんが陣中見舞いに来たりするハプニングもあったり(傳の後はフロリとコラボを行う)。
味の方向性が必ずしも好みではなくても、料理自体がありきたりではないのも楽しい。

和やかで幸せ感に満ちた雰囲気の中で頂く食事は、好みを超えて格別。
まさに傳の真骨頂みたいなのを、すごく感じた夜でした。
ほんと楽しかった。

ご馳走様でしたー。



夏の傳。
今回も、厨房も客層もインターナショナル。
心尽くしの可愛い箸帯に出迎えられ、頂いた料理は以下になります。

*鱧のフライ
*天然鰻の白焼き
*とうもろこしのすりながし
*傳タッキー
*かつおと金目鯛のお造り
*蝦夷鹿の焼物
*あん肝ムース
*畑の様子
*牛頬肉の煮物椀
*穴子揚げご飯 赤出汁 香の物
*ココナッツムースとアマレットのジュレ 桃

今回も大満足。
移転後、一番良かったかも。
半年経って、新しいお店やスタッフも落ち着いてきたのかな。
素材も、ちょうど海外のイベントに呼ばれて店休に入る直前とかで、大盤振る舞い?だったし。

鱧のフライは、身がみっしりと詰まっていて、しっとりな揚げ具合が素晴らしい。

天然鰻の白焼きは4日寝かせてるとかで、旨みがたっぷり。
皮がパリッとした焼き具合も良かった。

とうもろこしのすり流しは、ピュアホワイトとピーターコーンの2種のとうもろこしのピュレを、茶碗蒸しの上に。
ピュアホワイトがとても甘く、ピーターコーンは甘いながら野菜らしい風味があってコクがある。
その下に出汁たっぷりでトロトロの茶碗蒸しの旨みが重なり、悶絶もの。

傳タッキーは茶豆を使い、夏らしくさっぱり目。

かつおと金目鯛のお造りは、金目鯛が脂が乗っていて、美味しかったな。

蝦夷鹿の焼物は、普通に美味しく。

あん肝ムースは、甘い味付けでコクがあり、傳の新しいスペシャリテと言えるかも。
お酒が進んで困ります。

畑の様子は、素材ごとに調理・味付を変えて仕上げたサラダの最高峰。
出汁を含ませたズッキーニが、トロトロで美味しかった。
それと、ジャガイモがホクホク♪

牛頬肉の煮物は、頬肉がとても柔らかい。
トロトロで、少し濃い目の出汁に良く馴染む。
めっちゃ美味しかった。

穴子のご飯は、大きな揚げた穴子をほぐして頂きます。
衣の香ばしさと穴子の脂の旨みが、ご飯の甘みと重なり、美味しい。
2杯目は、出汁茶漬けにしてくれ、これも美味しかったな。

デザートは、ココナッツの甘さとアマレットの芳醇さが、相性が良かった。
合わさると桃のニュアンスが少し出て、添えた桃と合ってました。

ということで、ますます充実の傳。
ほんと楽しいお店です。

ご馳走様でしたー。
訪問回数が多くなったので、最初にまとめを。

ミシュラン一つ星で、2017アジアベストレストラン50にも選ばれています(日本はカンテサンス・NARISAWAなど10店のみ選定されてる)。
本サイトでの評価も高い。
国内や海外のスターシェフが来ることも多いですし、海外の有名店から研修に来ることも多い。
また海外に招かれることも多く、国際的に活躍しています(nomaと一緒に仕事したりもしてます)。
料理はコース15000円くらい。少し飲んで、20000円少々。
パーソナルな接客が素晴らしく、とても心温まるお店。これが最大の特徴。
お酒もとても充実していて、珍しいものや季節感あるもの含め、的確なチョイスで美味しいお酒を提供してくれます。
日本料理の技法がベースなものの、フレンチ的な要素も取り入れてる。
毎回工夫を凝らした料理を頂けるので、何が出てくるのが楽しみです。
スペシャリテは、傳タッキーとフォアグラ最中。
調理法含め遊び心が随所に見られ、いわゆる高級食材はあまり使われません。
色々と挑戦するので、ブレもあります。
なので、それも含め楽しめる人向きだし、初回はすごく期待して行くと、コース構成含め、あれっ?と思う可能性が高いかも。
誰にでも勧めやすいタイプのお店では決してないです。好みはかなり分かれるかと思います。
私も積極的には勧めません(^^ゞ
ただ、その分個性があるので、ハマれば大好きなお店になる可能性も。
通うごとに好きになっていくタイプのお店かも知れません。
私は大好きで、とても大切なお店です。

今回は、移転して3回目の訪問。

相変わらず、客の半分くらいが外国の方。
英語が飛び交う店内は、インターナショナルな雰囲気。

で、またまた可愛い箸帯がお出迎え。
こういうパーソナルなサービスに、いつも心癒される。

料理は、いつもながら丁寧でほっとする感じ。
でも、色々な工夫が隠れていて、美味しい。
高級素材は出ないこと含め、合わない人は合わないタイプの料理だし、やり過ぎ?と思うものもありますが、それはそれで素直に楽しい。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*あおりいかの素揚げ

あおりいかを叩いて、つなぎを使わずに団子状にし、まとめたもの。
味付けはしていないとのことで、好みで塩を付けます。
もう置かれただけで烏賊の香りがぷわーんとして、食べると烏賊の旨みが口中に広がる。
これは美味しい。

*アスパラガス豆腐 ヅケにした雲丹乗せ

アスパラガスを裏ごしして、葛でまとめた豆腐。
これも、アスパラガスの香りと味が濃い。
ヅケにした雲丹は、アスパラガスの甘みと対をなす甘み。
複雑で美味しい。

*傳タッキー

竹の子と木の芽入りおこわを仕込んだ傳タッキー。
いつもながら、美味しい。

*鯵のお造り

6日間(だったかな)寝かせた鯵のお造り。
旨みが濃くて、ねっとりした風味がたまらん。

*金華豚のチャーシュー

金華豚を出汁で煮て、薄切りにしたチャーシュー仕立て。
しっとりとして、旨みたっぷり。
美味しいな。
上には行者にんにくで、香りが良い。
また、手前のふきのとう味噌も良かった、苦みが抑え目で、豚の脂の甘さを邪魔しない。

*畑の様子

相変わらず、素材ごとに調理を変えていて、手間が掛かってます。
ホワイトアスパラなど春の素材と、オクラなどの夏の素材が同居し、初夏なんだなぁと思う。

*鴨の煮物椀

鴨肉に薄く葛をまとわせて、治部煮風にした煮物椀。
芹を散らし、柚子の香りも漂わせて。
鴨は丁度良い火入れ加減。
吸い地はもう少し薄味が好みですが、これはこれで。
芹の風味が良いな。

*釜上げシラスの炊き込みご飯 赤出汁 香の物

ご飯は2種。
まずは、釜上げシラスの炊き込みご飯。
味が薄く付いていて、シラスの素朴と良い相性。
ルッコラの花芽をたっぷりと散らしており、その軽い苦みが春の風情。

*花山椒とサーロイン・わらびの炊き込みご飯

花山椒に相性が良い牛肉を合わせ、箸休め的にわらび。
雑穀も少し入れて炊いたご飯。
個人的には、雑穀は少量でも味が強すぎるので不要かな?と思うのと、味付けも濃かったのですが、それでも美味しくないわけがないという・・・。
隣の外人さんは、絶賛してました。

*黒いちじくと木の芽味噌

生の黒いちじくとそのソルベの上に、木の芽味噌ソース。
意外に相性が良かったです。
黒いちじくのねっとりとした風味に、木の芽味噌の爽やかさと味噌のまったり感がマッチしているんですよね。

以上です。
移転してから2回目の傳。
サンペレグリノ主催のアジアベストレストランの順位も11位に上がり、新設のアート オブ ホスピタリティ賞も同時に受賞。
ずっと掲げているレビュータイトルどおりの素晴らしいホスピタリティが、名実ともに世界的に認められた形。
もちろん、料理も美味しいです。
それもあり、有名シェフ含む海外からのお客さんが非常に多い。
この日も、4割くらいは海外の方だったかも。
あ、厨房にも、世界から研修生が来ます。

こちらは、お任せ15000円のみ。
お酒を少し頂いて、20000円くらいかと。
まずは、しろたんとマリーンズの絵がかいてある箸帯でおもてなし。
こういうパーソナルなおもてなしが、こちらが人気の所以でもあります。

当日の料理は、以下になります。

*ふきのとうと白身魚すり身の揚げ物 水菜の菜の花
*春キャベツとスミイカ 鮪の酒盗ソース ほうれん草のピュレ
*傳タッキー 梅の咲く頃バージョン
*熟成厚切り平目のヅケ
*鮪の味噌和え(おつまみ)
*和牛のロースト 出汁を含ませて
*畑の様子
*沢煮椀 傳バージョン
*筍ご飯 赤出汁 香の物
*いちご 白いんげんと山芋の餡 ココナッツソースとラム酒 レモネード(新種のみかん)

変わらず、和食をベースにした創造性に富んだ唯一無二の料理。
最近やや濃い目に感じていた味付けも、今回はやや薄くなり、とても良かった。

ふきのとうの苦みとホウボウなど白身魚の旨み、ユリ根の甘みがハーモニーを奏でる揚げ物。

キャベツの甘さに恍惚とし、150℃の低温(揚げ物にしては)でサッと油通ししたスミイカの甘みと旨みに目を細める。
鮪の塩辛ペーストの塩気と旨みに酒が進み、ほうれん草ピュレの甘みにも感歎。

スペシャリテの傳タッキーは、花咲く梅の小枝を飾り、傳タッキーの中には小梅と紫蘇を入れて季節感を映したもの。
揚げた鶏手羽のコクと、もち米の甘みに、梅の爽やかさが輪郭を与える。

厚切りの平目は、4日間熟成させ、ねっとりとした旨みがタマらない。

ちょっとしたおつまみを出してくれるのも、嬉しい。
下戸ですが、お酒が美味しいこともあり、つい飲んじゃいます(汗)

和牛のローストは、出汁を含ませており、旨みが深い。
脂の甘さと出汁の旨み、赤身部分の旨みが多重的に層をなす。
添えられた野菜も味が濃い。

畑の様子は、野菜の種類ごとに調理を変えており、ほんと手が込んでる。
そして、どれもとても美味しい。

小さく切った豚の脂の燻製でコクを出して、野菜の細切りを入れた沢煮椀の傳バージョンは、しみじみする美味しさ。

筍ご飯は、筍を高温で揚げることで、ほっくり感と甘みがとても引き出されてる。
ふきのとうの雄しべ部分とあおさを使った赤出汁も、その微かな苦みが品が良いし、筍ご飯の甘みを引き立てる。

甘味は、レモネードという名前の新種のみかんが面白かったな。
微かな苦みが全体の甘みを引き立てる。

お酒は、好きな而今を用意してくれり、ののさんという銘柄の兵庫のお酒は口当たりが非常に柔らかで料理とのマッチングに驚いたり、楽しい。

ホスピタリティは、いわずもがな。
以前のカウンターの一体感に比べて、厨房と通路分距離がある現在の形にまだ慣れない自分がいますが、それも通ううちに解決すると思ってます。

今回も温かな気持ちで店を後に。
点数、少し上げました。

ご馳走様でしたー。



神保町から外苑前に移転した人気の創作和食店。
オープンから10日程経った頃(丁度クリスマス近くの頃)に訪問。
移転前からずっと通ってるお店です。

以下、訪問回数(移転前含む)が多くなったことによるこちらのまとめ。

ミシュラン一つ星で、2016アジアベストレストラン50にも選ばれています(日本はカンテサンス・NARISAWAなど10店のみ選定されてる)。
本サイトでの評価も高い(移転により今は点数リセット)。
国内や海外のスターシェフが来ることも多いですし、海外の有名店から研修に来ることも多い(今回伺った時は、ファットダックから研修に来てました)。
また海外に招かれることも多く、国際的に活躍しています(nomaと一緒に仕事したりもしてます)。
料理はコース15000円くらい。
パーソナルな接客が素晴らしく、とても心温まるお店。これが最大の特徴。
お酒もとても充実していて、珍しいものや季節感あるもの含め、的確なチョイスで美味しいお酒を提供してくれます。
日本料理の技法がベースなものの、フレンチ的な要素も取り入れてる。
毎回工夫を凝らした料理を頂けるので、何が出てくるのが楽しみです。
スペシャリテは、傳タッキーとフォアグラ最中。
調理法含め遊び心が随所に見られ、いわゆる高級食材はあまり使われません。
色々と挑戦するので、ブレもあります。
なので、それも含め楽しめる人向きだし、初回はすごく期待して行くと、コース構成含め、あれっ?と思う可能性が高いかも。
誰にでも勧めやすいタイプのお店では決してないです。好みはかなり分かれるかと思います。
私も積極的には勧めません(^^ゞ
ただ、その分個性があるので、ハマれば大好きなお店になる可能性も。
通うごとに好きになっていくタイプのお店かも知れません。
私は大好きで、とても大切なお店です。

で、その移転後の傳。

ルゴロワというフレンチの跡地にオープン。
外苑前駅から徒歩10分くらいでしょうか。
外苑西通り沿いにあります。
ガラス張りで、外に温かい灯りが漏れてる。
なお、住所は地下1Fとなってますが、実際は道路から少し階段を上がる形。

中は、意外にもカウンターではなく、オープンキッチンの横に通路を隔てて細長いテーブルを置いた造り。
長いテーブルの中の方はキッチンを向いて座り、端の方だけ向かい合わせに座ります。
その外側にテーブルが2卓。
個室も一つあり、4人くらいが入れます。
以前のような二階建てではなく、ワンフロア。

厨房は通路を隔てた位置で接してない分、調理中は少し話がしづらいですが、長谷川さんは積極的にフロアに来てくれるし、以前は2F担当の女将さんもいるし、これはこれで良い感じ。

この日の料理は以下。

*白子のコロッケ
*筍 海老芋 出汁浸し
*傳タッキー
*6日熟成ブリのヅケ
*牛ほほ肉の煮込み キヌア
*あん肝ペースト
*畑の様子
*蕪・鴨・葱の煮物
*桜エビご飯 香箱蟹ご飯 赤出汁 香の物
*ココナッツのムース 黒蜜寒天 日向夏
*チョコムース(だったかな)

料理の方は、移転しても変わらないです。
最近は、ご飯を2種類出すのが定番みたい。

白子のコロッケは、とてもクリーミーなのにクリームや牛乳を使っていないとか。
白子を葛で溶いたものを揚げてるそうです。びっくりの出来栄え。
筍はほっくりとしていて、甘い。
傳タッキーは、葱入りおこわが入ってました。クリスマス仕様が楽しい。
ブリは6日感熟成により、ねっとり。微かに熟成香というか魚臭さが出てしまったいましたが、旨みもたっぷり。
牛ほほ肉の煮込みは、柔らかく煮えてます。牛すじ煮込みの上品バージョン。スーパーフードのキヌアをまぶしていて、ほほ肉のねっとり感とキヌアの香ばしいプチプチ感の対比がとても良い。この組み合わせを考えることに感服。
畑の様子は、相変わらず手が込んでる。野菜ごとに味付けを変えるその手間に頭が下がる。
煮物は手堅く美味しい。
桜エビのご飯は高温で揚げているので香ばしく、香箱蟹ご飯は美味しくないわけがないという。
それを合い盛りにしてくれるのも、楽しい。

サービスは、もう言うまでもなく温かい。

レストラン業界の格言である、「美味しかったと言って帰った客はまた来るとは限らないが、楽しかったと言って帰った客は必ずまた来る」を、地で行くお店。
手前味噌で大変恐縮ですが、このレビューの表題は結構的確な表現だと思ってます(汗)
もちろん、美味しさも十分ではあります。

なお以前は満点付けてましたが、新店ということで期待値込めて少し上げる余地を残しました。

ここは通い続けると思う。
ご馳走様でしたー。

  • 傳サラダ
  • 鰆の塩焼き
  • 傳タッキー クリスマスバージョン

もっと見る

5位

レストランエール (銀座、東銀座、有楽町 / フレンチ)

10回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥8,000~¥9,999

2019/07訪問 2019/08/06

きっと好きになる

銀座EXITメルサにあるイノベーティブフレンチ。
定期訪問です。

9月から少しコース内容を変えるとのことで、それをいち早く頂きました。
今はコース8000円ですが、それを機に10000円にする予定だそう。
特徴は、アミューズをコース仕立て(前菜・魚・肉・デセール)にしてるところ。
それ以降は、今までと同じ流れ。
当日のメニューは、以下になります。

*六味
*アミューズ どんこ饅頭
*アミューズ 赤座海老 煎り酒とピスタチオ 甘酒のピュレ
*アミューズ うずら炭火焼き トリュフ風味
*アミューズ フォアグラ マロンクリーム カカオ風味
*前菜 エール
*前菜 鮎炭火焼き 鮎塩での胡瓜浅漬けと肝のリエット ハーブの泡 大葉
*魚料理 マナガツオのスープ仕立て 茄子のコンソメ シェリービネガー トマト ケッパー
*肉料理 牛タン 白バイ貝 エノキ フヌイユ レモンコンフィ セミドライトマト
*アヴァンデセール ヨーグルトソルベ バジルのジュレ アンニンの泡 ライチ
*グランデセール パイナップルのムース パッションフルーツ クレームダンジュ ホワイトチョコミントのアイス
*小菓子 カフェ

ますます素晴らしくなってます。
つか、シェフの変態度が増してる。
鮎に使う塩は、鮎の骨で出汁を取って塩に含ませた鮎塩だそうです。
そしてそれが、素晴らしく美味しいという。
ピュレに使う甘酒なんかも自家製です。
そして全体を通して、一皿の中に色々な味を入れ込み、バランス良く仕上げるセンスは流石とか言いようがない。
めっちゃ手を掛けてる。
そして、それだけ一皿の手間を掛けながら、アミューズをコース仕立てにしてさらに皿数を増やすという暴挙。
Mですな。

まずは、塩味・甘味・苦味・酸味・旨味・辛味という六味を湯に溶いたスープからスタート。
凝ってます。
そして4品が順に出て来るアミューズとなるのですが、どれも手が込んでる。
量はべつにして、普通の料理と同じくらい手間を掛けてます。
やっぱり変態かっ!
そして美味しい。
特に、うずらにトリュフを纏わせた品は、トリュフの香りが半端なくて、悶絶。
アミューズ4品以降は、今までと流れは一緒。
エールか野菜のパフェで、エールを選びましたが、これもやっぱり手が込んでいて美味しい。
そしてもう一皿の前菜は、鮎。鮎のリエット詰めた胡瓜が、悶絶級に美味しい。
前述の鮎塩で浅漬けにしてるのですが、鮎の旨みに溢れる。
魚はスープ仕立てなのですが、茄子の甘みとシェリービネガーの酸味を生かしたスープがマナガツオの旨みを引き立てて、これまた美味しい。酸味が強すぎないのが良い。
肉は、牛タン・エノキ・バイ貝の食感のレベル感に唸る。
デセールも安心の美味しさ。

ワインペアリング(ディナーだと8000円)も、王道の寄り添う系ながら実に的確で、感銘を受ける。
(通っているというのもありますが)サービスもとても良いし、居心地が良い。
個人的に通っていて一番楽しいフレンチ。
次はどういう手で来るのだろう?というワクワク感に満ちてる。
お値段もリーズナブルですしね。

今回もシェフの変態度に大満足(褒めてます)。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*六味

前述のように塩味・甘味・苦味・酸味・旨味・辛味を湛えたジュレをカップの底に置き、丹沢の水を沸かした湯を注ぐ。ジュレが湯に溶けて、それぞれの味が順に、もしくは混じり合って顔を出すという。六味はそれぞれ色々な素材から取ってるのですが、酸味はこの日はトマト。他の五味はここではあえて詳しくは書きません。

*アミューズ どんこ饅頭

椎茸のみじん切りや餡を詰めて、饅頭に。
噛むと椎茸のエキスがジュワっ!
さらに、こちらに合わせたシャンパーニュを頂くと、旨みがさらに何倍にも。
めっちゃスゴイ。

*アミューズ 赤座海老 煎り酒とピスタチオ 甘酒のピュレ

赤座海老は、ほぼ生。
甘みが素晴らしいです。
ピスタチオの香ばしさが良いアクセントで、マンゴーの酸味も海老の甘味を引き立てる。
甘酒のピュレは少しもっさりしていて相性がもうひとつな気もしましたが、海老の甘みが十分生きた皿。

*アミューズ うずら炭火焼き トリュフ風味

これが悶絶っ!
うずらは照り焼きっぽくしていて、中におこわを詰め、ジュ・ド・トリュフのソースを絡めてる。
上にはトリュフソースで煮卵にしたうずらの卵。
トリュフの香りが半端ないし、照り焼きの甘みとの相性も良い。
とても美味しかった。

*アミューズ フォアグラ マロンクリーム カカオ風味

フォアグラのテリーヌを薄く削り、マロンクリームと合わせ、モンブラン風に。
カカオの香ばしさとカシスの酸味で全体を引き締める趣向。
これも美味しいけど、以前の名物だったフォアグラのソフトクリームには及ばない感・・。
マロンクリームにフォアグラを合わせると、少しぼやける気が・・。

*前菜 エール

夏ということで、とうもろこし推し。
とうもろこしのアイス・ジュレ・ひげ・ポップコーン。
他にはトマトのフラン。
ズワイガニや帆立。ビーツ、さらにはガリ!
ソースはビーツとサワークリーム。
これまたとても美味しかった。
とうもろこしの甘みを、トマトのフランの酸味が持ち上げ、帆立の燻香はとうもろこしの甘みに輪郭を与える。ズワイガニや帆立の甘みは、とうもろこしと性質の違う甘みで全体に奥行き。
ビーツの甘みやサワークリームの酸味も効果的。
そして、ガリが非常に良いアクセントにもなってる。
シェフのバランス感覚に基づく非常に手が込みつつもまとまりがある佳品。

*前菜 鮎炭火焼き 鮎塩での胡瓜浅漬けと肝のリエット ハーブの泡 大葉

変態シェフの面目躍如。
前述のように、鮎塩で浅漬けにした胡瓜と鮎肝のリエットを合わせた品が素晴らしく美味しい。
鮎の身自体も、頭がカリッとしていて身はふっくら。
大葉も良いアクセントになっていて、鮎の新しい世界。

*魚料理 マナガツオのスープ仕立て 茄子のコンソメ シェリービネガー トマト ケッパー

マナガツオは5日間寝かせたとかで、旨みが素晴らしい。脂の乗り具合も良かったし。
前述のように、スープの程よい甘みと酸味が、魚の旨みを引き立ててる。
これまたとても美味しかった。

*肉料理 牛タン 白バイ貝 エノキ フヌイユ レモンコンフィ セミドライトマト

牛タンは、低温での火入れを何度も繰り返すことで、サクサクの食感。
エノキや白バイ貝ののシャキシャキ食感と合っていて、面白い。
レモンのコンフィの酸味が牛タンの旨みを引き立てるし、甘みは牛タンの脂の甘みと親和性。
フヌイユの香りも、全体を引き締めて輪郭を与えるのに役立ってる。
悶絶まではいかないものの、素直に美味しい。

*アヴァンデセール ヨーグルトソルベ バジルのジュレ アンニンの泡 ライチ

スペシャリテ。
バジルの香りとヨーグルトソルベの酸味が、アンニンの香ばしさで引き立ち、ライチの甘さで癒される。どの要素も強くはなくてバランスが取れており、美味しい。

*グランデセール パイナップルのムース パッションフルーツ クレームダンジュ ホワイトチョコミントのアイス

夏らしくさっぱり。
でも酸味が強すぎないのが嬉しい。
これも、チョコミントながらミントが穏やかだったり、パッションフルーツの酸味も強くないなど、バランスが取れていて、とても美味しい。

*小菓子 カフェ

どら焼きやカルメ焼きを模したものは、面白く頂きました。
蕎麦の実を入れたジュレは、アプリコットの優しい甘さが良かった。
とはいえ、小菓子は普通に美味しい感じ。

以上です。
レビューしてないけど、定期的に伺ってる此方。
銀座4丁目の交差点に程近いEXITMELSAの8Fにあります。
久しぶりに会う食べ友さんと。

ディナーは8000円のコース1本。
当日の内容は、以下になります。

*ヤングコーン
*フルーツトマト
*馬肉
*月光(百合根)
*野菜のパフェ
*水蛸 豚トロ 自家製甘酒 麹味噌 フォアグラ
*黒鮑 モリーユ茸 筍
*ホロホロ鳥 鶏白湯 トリュフ 柚子パスタ
*sasaki seedsの胡麻 
*薔薇 ライチ アニス 苺
*小菓子 カフェ

神掛かってた前回ほどではないにしろ、今回も素晴らしかった。
素材感がたっぷりで、組み合わせの妙が面白い。
水蛸にトントロを合わせた料理は、トントロの食感と水蛸の食感が合っていて、トントロの濃厚を水ダコが和らげ、水ダコとは反対にフォアグラのテリーヌが全体に艶を与える。自家製の甘酒がトントロの脂の甘さと調和し、サワークリームの仄かな甘みも同様。一方サワークリームの酸味は全体を引き締め、自家製チリソースは甘味へのアクセントとなる辛みを与える。グレープフルーツによる少しの苦みでさらに複雑性。とはいえグレープフルーツは、前述の素材が持つ酸味と甘みも持っているので、全体がまとまる。色々な味の要素を色々な素材でつなぐことで、全体が品よくまとまるというか。よく考えられています。

ホロホロ鳥も良かった。
旨みがありながら、柔らかさが半端ないっ!
鶏白湯スープも品が良くて、柚子のパスタを合わせるのも見事。
黒鮑の皿は、この中では異色なクラシカル仕様。
でも、きちんと美味しい。
などなど、今回も工夫と手間を凝らした料理の数々を堪能しました。
これで8000円は、さすがとしか言いようがない。

サービスも、林支配人のサービスは相変わらず素晴らしく、ワインのペアリングもリーズナブルながらレベルが高い。

食べ友さんとの会話も楽しく、平成最後の外食でしたが、それに相応しいものでした。
幸せ♪

以下、料理の詳細です。

*ヤングコーン

ヤングコーンに火を通し、塩で。
シンプル。ちょっと青臭かったけど、まあスタートなので・・・。

*フルーツトマト

フルーツトマトにトマトのジュレ、コンブチャのソルベ。
酸味が鮮烈。
まずまず。

*馬肉

これは素晴らしかった。
ほぼ生の馬肉は旨みがたっぷり。そこへたまり醤油と赤ワインで作ったソース、ミルクのソース。
上にトリュフ。馬肉の旨みと雲丹の旨み、馬肉の脂部分の甘みとミルクの甘み、馬肉の香りとトリュフの香りが混然一体。とにかく美味しい。ミルクを合わせているのがポイントで、良く考えられています。また、前のトマトの皿は、皿単体としてはそこそこですが、その酸味はこの皿の旨みや甘みを際立たせるのに一役買っており、その流れに唸る。

*月光(百合根)

月光という百合根をムニエルに。雲丹のソースを合わせて。
牛のジャーキーを添えて。
百合根がめっちゃ甘くて、ほくほくで驚愕。美味しいです。
その甘みに雲丹の甘みを合わせて、奥行きを出してます。
燻香が結構あるジャーキーは、バランス的にやや強い気もしましたが、アクセントにはなる。

*野菜のパフェ

エールとともに、此方の定番。
中身が色々変わります。
今回は、パースニップ(さとう人参)のアイスに、岩もずくのフリット、桜エビ、各種スプラウト他色々な野菜を使ってます。
素直に美味しい。

*水蛸 豚トロ 自家製甘酒 麹味噌 フォアグラ

甘酒と麹味噌のソースを塗った豚トロを焼いて、上に水蛸。
さらにフォアグラテリーヌと芹も乗せて。グレープフルーツ。
サワークリームのソース、自家製チリソース。
詳細は、前述のとおり。

*黒鮑 モリーユ茸 筍

ちょっとクラシカルなテイスト。
鮑が柔らかくて、素直に美味しい。

*ホロホロ鳥 鶏白湯 トリュフ 柚子パスタ

ホロホロ鳥の柔らかさに感動。
鶏白湯は少しあっさり目の仕上がりで、ホロホロ鳥の旨みを超えることなく、コクを与えてる。
花山椒の香りと刺激も良いアクセント。
柚子のパスタは、面白い試み。箸休めとして上手く機能してました。
口をリフレッシュさせるのに、調味料として使うよりも効果的な感じ。

*sasaki seedsの胡麻 

オリーブオイルのアイス、胡麻の菓子、柑橘のジュレ。
胡麻の濃厚さが嬉しい。

*薔薇 ライチ アニス 苺

薔薇とライチのパルフェ。
薔薇の香りが華やかで、ライチの香りと合います。
アニスの香りは、その華やかさに官能を与える感じ。
まさに心華やぐデセール。

*小菓子 カフェ

小菓子とは言えない、チョコのパフェ。抹茶のマカロンなど。
これらもきちんと美味しい。
ここのところ、年末か年始はエールへ行くことが恒例になってます。
2017年最後の外食ディナーで訪問。

コースは11月から、お任せ8000円(税・サ10%別)と少しだけ値上がり。
その分、品数・内容ともにパワーアップ。
なお、野菜のパフェをエールにすると+1000円。

当日の内容は以下になります。

*お出迎えの花束
*バーニャカウダ
*ラビオリ
*DNA
*エール
*四万十鰻 スウィートポテト カフェモカ
*仙台 キチジ ブイヤベース
*口直しのカクテル
*新潟 真鴨 宮崎 金柑
*お米のデザート(サービス)
*新潟 ルレクチェ オリーブオイル アールグレイ
*お茶菓子 

4月に伺った際、試行的に頂いた料理が、いよいよ正式なメニューとして供されました。
がっ、内容は、その時よりさらに完成度が高くなってた。
結果、1200円お値段は上がったものの、満足度はそれ以上アップ(点数も上げました)。
素晴らしかったです。

最初のお出迎えから唸る。
花束からフラワーボックスに変わっていて、メチャクチャ綺麗。
そこに置いた小さな野菜のチップスは、野菜の味が凝縮していて感動。
続くバーニャカウダも、4月と同じミニチュア野菜を使いながら、見た目・味ともにさらに良くなってました。
エールも手の込み方がさらに上がってたし、メインに狩猟の真鴨を使うなど、素材の充実度も高くなってる。
皿数が増えて、楽しみも長く続く。
見た目・味ともに、すごい完成度と充実度です。
変態シェフの面目躍如的マニアックさ。
ホント好き。

サービスは、ソムリエの若山さんが抜け、代わりの方(原田さん)は不在でしたが、原田さんが選んだペアリングでオーナーの林さんがサービスしてくれます。
そのワインのチョイスも良かった。
変態的な若山さんに比べ、ある意味王道というか、料理と似たニュアンスの美味しいワインをきちっと出す感じ。
安心感あって素直に唸るペアリング(7000円)というか。

ますます素晴らしくなっていくエール。
そして、ますます好きになってく感じ。
レフェルを抜いて、いわゆるモダンフレンチで一番好きかも(エクアはモダンフレンチとも違うので除外するとしてです)。
銀座の真ん中で、このお値段と言うのも超良心的だし。

素敵な2017年最後のディナーとなり、お店に感謝。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*お出迎えの花束

ジャガイモ(シャドークイーン)のチップス、またその出汁のチップス、ビーツをチップスにしたもの。
出汁のチップスの方は、透明でクリスタルな見た目。
味付けはわずかな塩のみ。
とても綺麗なフラワーボックスに入ってきます。
小さな欠片みたいなチップスですが、素材(野菜)の味が凝縮してる。
前回、12時間火をかけて作っているとか言ってましたが、この小さな欠片にこれだけ手を掛けるのには、ほんと感心します。そして、それが味に結実してるところも。

*バーニャカウダ

小蕪を開けると、中に小さな野菜たち。
メチャクチャ可愛い。綺麗の次は可愛さで心を奪います。
前回はスプーンの上にナスタチウムを敷き、その上に置いてましたが、今回の方が驚きがある。
そして、それをバーニャカウダソースに付けて頂きます。
蕪の甘みが嬉しく、バーニャカウダソースの優しい甘みとコクが、蕪や野菜の甘みに合ってます。
美味しい。

*ラビオリ

葛粉で作ったラビオリに、水蛸の吸盤・リコッタチーズ・菜の花・キクラゲ・セミドライトマトなどを入れて、ピスタチオのソース・バニラの泡と共に頂きます。
蛸の吸盤のコクとトマトの酸味、菜の花の微かな辛みと苦み、それぞれが混じり合い、それをピスタチオの香ばしさとバニラの泡の優しさが包む。変化する味がすごく楽しい。

*DNA

ヤリイカとアンディーブのスライスをヴァンブランのムース?で団子状にまとめ、ホエーのグラニテ、マスタードマヨネーズのソースで頂く。
これは普通に美味しい感じでしたかね。
ヤリイカの旨みとヴァンブランの酸味が、良い具合でした。

*エール

エールが進化してました。
グラスの中は、栗のフラン、トマトのジュレ、人参のグラッセ、柑橘(べニマドンナ)のキャビアジュレ、オマール海老、オマールの出汁他。
人参のチュイルの上には、40℃で火入れした卵、さらに黒トリュフ。
卵が濃厚、そのコクがオマールの甘みと重なり、とても美味しい。栗や人参の甘さも重奏を奏でる。
柑橘のジュレがそれを引き締め、トマトのジュレの酸味と甘みが全体をつなぐ。
複雑で万華鏡のように変わる変化が、とても楽しい。
それにしても、手が込んでます♪
変態の名を欲しいままにしそうな山本シェフ(褒めてます)。

*四万十鰻 スウィートポテト カフェモカ

鰻を蒲焼にして、紫芋のスイートポテトと合わせる。
上に菊の花。
ペコリーノチーズ、マカダミアナッツ、エスプレッソとミルク?の泡で頂きます。
少しポテトの風味が重くて、蒲焼の風味が若干希薄。
これは個人的(ウナ好き的)にもうひとつだったかも。

*仙台 キチジ ブイヤベース

キチジ(キンキ)を炭火で焼いて、ブイヤベースソース、ルイユソースで頂ます。
鉄板の美味しさに頬が緩む。
キチジはプリプリだし、ブイヤベースソースは上品な味で美味しい。
添えたケーパーなどの酸味がそれを引き締めて、旨みたっぷりながらもキレがある料理に仕上がってます。
美味しい。

*口直しのカクテル

冬のスペシャリテである雪国という口直し。
杏仁のエスプーマ、ヨーグルトのソルベ、バジルのジュレにキウイの球体。
さっぱり感がとても良くて、口直しに最適。
しかも、めっちゃ手が込んでいて、美味しい。
口直しって、大抵は1~2種類の素材を使ったグラニテの場合が多いですが、ここまで手を掛けることに驚愕。
ほんと変態(しつこいようですが、褒めてます)。

*新潟 真鴨 宮崎 金柑

狩猟のマガモを、金柑を使ったビガラードソースで頂ます。
砂肝やレバーも添えて。
火入れも良くて、さすがに美味しい。
ソースはサルミソースで頂く方が好みではありますが、柑橘を煮詰めたビガラードソースも鴨には合いますな。

*お米のデザート(サービス)

口直しの雪国は以前出してるので、違うデザートも・・ということで出してくれました。
黒龍(福井のお酒)を用いたアイス。
それに米のおこげなども添えて。
アイスはほんとお酒の味。
さっぱりとします。

*新潟 ルレクチェ オリーブオイル アールグレイ

メープルのアイスの上に、薄切りにした後に軽く炙った洋梨のルレクチェを被せ、オリーブオイル(サルトス)のシフォンケーキ、さらにアールグレイのムース。
メープルや洋梨などのまったりした甘さのある素材に対し、オリーブオイルのハーブのような爽やかな香りがすごく良いアクセントになってる。
これも素晴らしいです。

*お茶菓子 

最後は、ガナッシュとホワイトチョコのムースの小菓子。
濃厚な甘さ。
これも見た目が綺麗。
最後まで素晴らしかった。

以上です。



夏だ!野菜だ!エールの野菜パフェだ! と分かりやすい思考回路により、3か月ぶりに訪問。
とはいえ、夏に限らず季節ごとに行ってるのですが・・。
まあ、その辺りはあまり気にしないでください。(^^ゞ

前回行った際、これから出そうと思ってるという従来と違う組み立てのコースを頂いたのですが、実際に出すのはもう少し先になるとか。
で、従来と同じ組み立てのコースを頂きました。
6800円のお任せ1本は、変わらず。
それに、+1200円でパスタ料理が頂けるというので、それも。
当日の内容は、以下になります。

*アミューズ 烏賊を使った3種のアミューズ
*野菜のパフェ
*地鶏 鹿 猪のパテとプラムのタルト
*手打ちパスタ 鮎の炭火焼き 茄子(+1200円で追加)
*太刀魚の炭火焼き エストラゴン風味のブールブランソース 茶豆
*モモヒート
*仔牛のロースト 赤ワインソース ラタトゥイユ モンサンミッシェルのムール貝のミネラル
*デセール エキゾチック
*小菓子 カフェ

相変わらず、手が込んでます。
一方で、太刀魚の料理は、比較的シンプルになっており、足し引きの変化も楽しめました。

肉料理などに、珍しくもやや完成し切れてない面がありましたが、総じて楽しく美味しい。
特に、鹿などを使ったパテの皿は、絶品でした。
モモヒートも、とても良かった。

そして、ワイン。
いつも、若山さんが色々と考えて出してくれるペアリング(5500円)が、とても楽しい(私は、連れのを少し貰う形)。
連れによると、マリアージュという点で、今回は4勝・1負・3引き分けだとか(詳細は後述)。
私も同感。
マリアージュを感じさせてくれるペアリングはそう無いので、これはすごく素晴らしい。
思いもかけないものを出してくれるし。
ただ、残念なことに若山さんは8月いっぱいで退社され、別の店に移るそう。
ファンの方、行くなら早めにです。

ということで、マネージャーの林さん含め、素晴らしい料理と接客で、今回も大満足。
これで二人で3万円しないのだから、素晴らしいです。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*アミューズ 烏賊を使った3種のアミューズ

ヤリイカ(剣先烏賊)を、塩辛・イカ墨おこげ・イカ墨ベニエと3種の調理で提供してくれたアミューズ。
塩辛は、そんなに塩は強くなくて、旨みが素晴らしい。うずらのスモークが、旨味の重奏となるし、塩分を和らげ、非常に美味しい。
イカ墨のおこげは、忍ばせたレモンコンフィの風味が絶妙。出過ぎずに全体を引き締め、旨みに立体感を与える。この辺りのさじ加減には、唸るほかない。スライスした白イカやキャビアの旨みも重なり、これも美味しい。
イカ墨のベニエは、生もずくを合わせて、中に雲丹も入れ、磯の風味。変化があって、良いな。

合わせたワインは、夏ということで爽やかな酸味ありつつ、フルーティーさがあるタイプのブラン・ド・ブラン(RMです)。その酸味が、レモンを忍ばせたイカ墨のおこげに非常に合ってました。
一方イカ墨のベニエには、その磯の風味が上記のシャンパーニュだと、磯臭さを増強し、いまいち。
と思っていたら、そこへシェリー酒を出してくれ、こちらは磯の風味を旨みに変える感じで、非常に良かった。
この辺りのペアリングの妙には、感服しました。
心にくいですし、ここまで出来るソムリエは少ないと思う。

*野菜のパフェ

とうもろこしを主軸にしたパフェでした。
焼きトウモロコシのアイス、ごぼうのフリット、赤キャベツのムース、ヤングコーン、ブロッコリー、新蓮根、焼き甘長とうがらし他。さらには、渡り蟹やその内子、車エビを合わせることで、甘みと旨みのハーモニーが。

合わせたワインは、辛口のアルザス リースリング。
甘み・コクのあるパフェということで、少しの甘みと(コクを良い意味で切って軽くしてくれる)酸味を持つワインを持ってきたとか。
合ってましたが、もう少し甘みがある方が、甘みあるとうもろこしとの一体感があるような気も。
少し、ワインの酸味が浮いてる感が(うるさくて申し訳ないです、まあ個人的な好みですので・・)。

*地鶏 鹿 猪のパテとプラムのタルト

この皿は、非常に素晴らしかった。
パテはとても濃厚で、香りが素晴らしい。
プラムやヨーグルト、ホエー(乳清)のマイクロビーズの酸味や甘みが、パテの野性味や旨みをフワッと持ち上げる。
ヘーゼルナッツのパウダーの香ばしさが、それらをまとめつつ際立たせる役割で、良いアクセント。
滑らかなパテと、下に敷いたサクサクのカダイフの食感との対比も素晴らしい。

合わせたワインは日本のもので、ブドウではなくカリンを使ったもの。
結構甘く、でも適度な酸味が、ヨーグルトやプラムの酸味と甘みと非常にレベルが合ってる。
こういうパテにはジャムを合わせることが多いですが、そういうニュアンスがあるので、前述のプラムなどと同様、パテのコクや旨み・香りをフワッと持ち上げる。
この組み合わせには、感動しました。

*手打ちパスタ 鮎の炭火焼き 茄子(+1200円で追加)

茄子を練り込んだパスタに、炭火焼の鮎やじゅんさいを合わせ、紫人参などを使った爽やかなソースで。
セミドライトマトの酸味が、全体を引き締める。
鮎が、香ばしくてとても美味しい。パスタは普通な感じで。

合わせたワインは、珍しいカベルネフラン100%のワイン。
結構苦みがあって、炭火焼の香ばしさを、焦げの苦みに変えてしまう感じがあった。
焼き茄子に対しても、炭火焼鮎に対しても。
繊細な鮎やパスタの風味に対しても、ワインの味自体が強すぎる。
若山さんには珍しく、ちょっと失敗気味。
ただ、こういうチャレンジングなところが若山さんの良さで、無難に合わせてくるより遥かに楽しい。

*太刀魚の炭火焼き エストラゴン風味のブールブランソース 茶豆

太刀魚は脂が乗っていて、身も厚く、素晴らしい質。
炭火の焼き具合も良くて、口にいれるとフワッと溶ける。
王道のブールブランソースも、さすがに合ってます。

合わせるワインは、ジュラの白ワイン。
フルーティーでミネラル感もあり、太刀魚の旨みを持ちあげてくれる。
ソーヴィニヨンブランとか、もう少しハーブの風味が香る方がエストラゴンとの相性が良くないかな?とは思うものの、それは合わせてみないとだし、これはこれで十分美味しい。

*モモヒート

桃のエスプーマ、砂糖漬けにしたミントを使ったモヒート、生の桃など。
エスプーマがとても甘い。驚いたことに、桃の甘さだけとか。
モヒートの爽やかさと桃の甘さとのバランスも良くて、とても美味しい。

*仔牛のロースト 赤ワインソース ラタトゥイユ モンサンミッシェルのムール貝のミネラル

北海道の仔牛は、繊細な味。
赤ワインソースは、それに合わせるにはやや強い。
スパイスが入ったラタトゥイユも同様。
火入れも少し深いかな。
それらを指摘したら、他のお客さんには仔羊なのですが、前回仔羊を食べているので仔牛にしたとか。
うーん、なら、ソースやガルニは変えた方が・・・とも思うし、そうでないなら仔羊で良かったと思う。

合わせるワインは、シャトー・ヌフ・デュ・パフ。
果実味豊かで、仔牛に合わせるにはやや強いかな。
ピノとかの方が良いような気も。
でも、ワイン自体が美味しいので、これはこれで。

*デセール エキゾチック

パッションフルーツのソース、パンぺルデュ、マンゴーなどを合わせたもの。
普通に美味しく。
連れが頂いた、ランチに出してるグリオットチェリー・カンパリのジュレなどを使ったデセールが、非常に秀逸。
少しの苦みが、チェリーの甘みを持ち上げる。
チェリーはわずかに苦みのニュアンスがあるので、猶更。
これらに合わせて出してくれたワインも、非常に合ってました。

*小菓子 カフェ

以上です。
3か月ぶりのエール。
食べ友さん達と訪問。
リーズナブルなお値段ながら、手間を掛けた美しい料理と素晴らしいワインペアリング、気が利いたサービスという三拍子揃ったお店。
しかも、銀座という便利な場所が嬉しい。

実は5月からコースメニューを少し変更する予定だそうで、それを先取りして出してくれました。
レビューをやってると色々なお店へ行きたくなりますが、やっぱり好きな店へ通うのがレストラン通いの王道だとよなーと改めて思う。まあ、そう言いながら、色々なお店へ行きたくなるのは止められないけれど。
その変更は、今の7皿構成を10皿構成にし、再生をテーマに掲げたもの。
再構築の料理なども考えているのだと思われる。
料金は、据え置き(6800円)か値上げか決めてないそう。

当日の料理は以下になります。

*お出迎え 花束で出迎え 塩のみのシンプルな味付けで。
*アミューズ ミニチュアな素材 
*アミューズ 2種のフォアグラを旬とともに
*スペシャリテ エール
*前菜   筍と鳥取産黒アワビ ハリ烏賊のティエド
*魚料理  桜の葉でマリネした喉黒のポワレ アメリケーヌソースと空豆のソース
*口直し  ヨーグルト・杏仁・バジル・キウイフルーツ
*肉料理  仔羊のロースト ベリーのソース ビーツのパウダー
*デザート ファーブルトンの再構築 液体窒素で凍らせた柚子胡椒のソルベ
*お茶菓子
*カフェ

見た目というか演出が、今まで以上に凝ってます。
また、手間も大変掛かってる。
お出迎えという野菜のチップスは、その小さな薄片を作るのに12時間掛けているそう。
で、見た目の薄さに期待せずに食べると、その濃厚さに驚かされたり。
とにかく、楽しいです。
一皿に盛られる要素も多く、どれもが完璧の組み合わせというつもりはないですが、中には驚くような発見も。
とにかく、毎回どのような手で来るのか、楽しみが尽きないお店。
食への好奇心が強い人ほど、楽しいかも。

サービスもマネージャーの林さん含め、素晴らしい。
気が利いて、的確で、楽しい接客。
一見にも親切だし、さらに通えば通う程、パーソナルなサービスをしてくれるのが嬉しい。
ホスピタリティが非常に高くて、幸せ気分に浸れる。

銀座で、お値段リーズナブルなのも嬉しい。
もちろんそれだけに、素材がすごく高級とかはないですが、その分手間暇かけて、素材を昇華してる。

またワインが素晴らしいです。
ヘッドソムリエの若山さんは、料理に合わせ、明確な意図と理論をもってペアリングをしてくれる。
そのマリアージュの理論と探求心は、都内のフレンチレストランでも有数。
シュナンブランを使ったローヌのワインは、蜂蜜などの香りがありながら、旨みがある。
でもその旨みは、合わせた旨みが強いエールの旨みを超えることなく、旨み同士がひきつけ合ってハーモニーを見せ、でも控えな分、単独で飲むよりもドライな後口が料理の旨みの余韻を綺麗に終わらせる。
山菜を使った料理には、山葡萄を使った日本のワインを合わせて、その山菜のような野趣のある香りが素晴らしいハーモニーになっていたり。
長野のカベルネソーヴィニヨンを使ったワインは、フランスのものより柔らかでたおやかで、エレガント。
仔羊に使われていたベリーとニュアンスが似ていて非常に相性が良く、感心しました。
日本産の赤ワインとしては、出色の出来ですよ。

今回も大満足。
自分にとっては、大切なお店。
会も、とても楽しかった。
ご馳走様でしたー。

以下、当日の料理詳細です。

*お出迎え 花束で出迎え 塩のみのシンプルな味付けで

シャドークイーン・メイクイーンなどのポテトのチップスと、ドライフルーツトマト。
それをドライフラワーに乗せて、お出迎え。
女性なら、誰もが嬉しくなるようなお出迎え。
塩のみで味付け。
で、チップスは透けるくらい薄いのに、食べると素材の味が濃厚。
フルーツトマトも。
野菜の力強さを味わうとかで、実際のその力強さには唸りました。
12時間火に掛けて作っているとかで、この地味な見た目の小さな料理に膨大な手間を掛けているのがすごいな。

*アミューズ ミニチュアな素材 

マイクロトマト・ホタルイカ・トマトジュレ・ミント・キャビアライム・むくろじ大根・キャビアなどの小さな素材を、ナスタチウムの葉に盛ったもの。
これも、小さいのに野菜の香りと味が素晴らしい。
ホタルイカのコクも良いアクセントで、トマトジュレの酸味がワタの香りを和らげ全体を引き締めてる。
美味しいな。

*アミューズ 2種のフォアグラを旬とともに

春菊でコーティングしたフォアグラムースの中に、びわのピクルスを入れたもの。
ビワの甘さがフォアグラの甘さに複雑さを与え、春菊のごく軽い苦みがフォアグラの甘さを引き立てる。
もうひとつは、たけのこの里(ロッテのお菓子なのが、マリーンズファンとしては嬉しい)をモチーフにしたもの。
フォアグラをチョコでコーティングし、一番下ににクッキー生地。
ゴボウのチップスも添えて。
自分で掘り出す楽しさがあります。
ただ、チョコの風味がフォアグラより強くて、前面に出てるのが個人的には惜しい。

*スペシャリテ エール

下に、ホワイトとグリーンの2種のアスパラを合わせたアイス。
フルーツセロリや白人参のムース、さらにカリフラワーのムースなども。
チュイルの上に、雲丹、ミズダコや蟹のテリーヌ。
従来は、チュイルの上にアイスで、下に海鮮関係だったので、今までと逆の構成。
タピオカの蝶は、変わらず。
美しい。
味の方は、すごく突出したものはないですが、万華鏡のように変わる味が楽しい。
酸味や甘み、旨みがくるくると順番に顔を出す。

*前菜   筍と鳥取産黒アワビ ハリ烏賊のティエド

鮑の肝のソースに、パセリやニンニクを使ったブルゴーニュバターソース、タンポポ(ピサンリ)や筍・山菜を合わせたもの。
人肌の温度で供する、いわゆるティエドの状態で出されます。烏賊の美味しさが一番感じられる温度だとか。
山菜の苦みと肝の苦みが良いハーモニーを奏で、ブルゴーニュバターがそれと対比をなす。
烏賊や鮑の旨みに、筍の甘みが加わり、前述の苦みと合わせ複雑さを。
筍がエグミもなくて、とても美味しかったのが特に印象的。
それに、山菜や肝の苦みを抑えめにすることで、全体の調和も取れてる。
春らしい味を湛えた佳品。

*魚料理  桜の葉でマリネした喉黒のポワレ アメリケーヌソースと空豆のソース

脂が乗ったのどぐろを、桜の葉で一晩マリネし、香りを移して火入れ。
喉黒がとてもしっとりしていて、脂が乗ってるけど桜の香りが良いアクセントになり、しつこさは感じない。
その香りも、強すぎないのが良いな。
アメリケーヌソースがやや桜の香りに対して強い気もしましたが、掛ける量を調節すれば、旨みが加わり奥行きが出る。
小松菜でくるんだ桜エビのリゾットも添えられ、これも春らしい。
野蒜や菜の花などの軽い苦みも、喉黒の脂感をやんわり引き締める。

*口直し  ヨーグルト・杏仁・バジル・キウイフルーツ

やはり手が込んでる。
キウイフルーツを球体して底に。
上にバジルのジュレ。
杏仁のエスプーマ(泡)、ヨーグルトのソルベ。
ヨーグルトの酸味、杏仁の軽い甘み、キウイやバジルの爽やかさがすごく合ってる。
口直しとして、かなり良かった。

*肉料理  仔羊のロースト ベリーのソース ビーツのパウダー

フォアグラも添えてくれました。
仔羊の火入れは抜群。
柔らかくて、旨みがある。
フォアグラもトロトロで、すごく美味しい。
ビーツの土臭い素朴が、仔羊の香りを浮かび上がらせる。
ベリーのソースは仔羊の脂感を拭い、最後まで飽きさせずに楽しませてくれる。
さすがです。

*デザート ファーブルトンの再構築 液体窒素で凍らせた柚子胡椒のソルベ

ブルターニュの郷土菓子、ファーブルトンの再構築。
これも手が掛かっていますが、柚子胡椒の辛さが甘みを邪魔して、あまり好みではなく・・・。

*お茶菓子

苺の可愛いタルトが、美味しかったな。
練乳の風味がして、好み。
また、盛り付けがこれまた素晴らしい。
わざと爆発させた鉄瓶を使い、そこへ植物をあしらい、再生を表現してるとか。

*カフェ

フレッシュのハーブティー。
2016年の食べ収めはこちらにしました。
時間的都合で初めてのランチ。

本来ランチはコース4500円のようですが、お願いしたら料金を少しプラスする形で色々と組み込んでくれました。
希望や好みを察して、柔軟に対応してくれる姿勢が素晴らしい。
正月休み前の最終営業日ということでもあり、在庫一掃?出血大サービス的内容。
もちろんある程度リピートしているからなのですが、そういう意味では通い甲斐があるお店。

当日の料理は以下になります。

*アミューズ 赤い皿 ビーツ、フランボワーズ、オマール海老
*前菜1    エール
*前菜2    白子のフリット
*魚料理   真鯛のヴァプール 貝の出汁のスープ仕立て
*肉料理   イノシシのロースト そのジュとトリュフのソース 塩の雪をまとったタイム
*デセール  イチゴのショートケーキ 2種
*カフェ

とても手が込んでいるし、見た目も美しい。
マニアを越して、変態的なほど手を掛けてます。
人気店でここまで出来るのは、驚異的。
また、魚の蒸し方が上手で半端なくしっとりと仕上がっていたり、肉の火入れも相変わらず良くてジューシーだったり、基礎的なところもレベルが高い。
味が強すぎないのも、個人的には好み。ただ逆に言うと、強い濃い味が好みの方には合わない気もします。
それに加え、ショートケーキのスポンジを液体にしたりと驚きの技術も見せてくれる。
食べていて、とても楽しい。

また、ワインもとても良い。
特に料理とのペアリングに関しては、都内でも有数。

シェフソムリエの若山さんが、とにかく研究熱心。
マリアージュということを、ここまで分かりやすく説得力を持って合わせてくれるところは少ないかと。
あ、私はそれをここに書ける程の力はないので、詳細は割愛しますが(えっ?)。
ペアリングは、ランチだと4000円と値段も良心的。
若山さん以外の方も、マネージャーの林さん筆頭にサービス担当全員がソムリエ資格を持ってるので、とにかく任せて安心。

値段が値段なので、超一流の食材を使えるわけではない。
がっ、手間を掛けることや卓越した技術、値段を超えた質の高い素材、客に寄り添うサービス、選び抜いたワインなどで感動を与えてくれる。

料理の見た目の美しさがクローズアップされ勝ちで、それも特徴ではあるのですが、それ以外も素晴らしいのです。
銀座に移って1年少々、林さんと山本シェフのもと、素晴らしいチームが出来上がってるなーと感服。
一年の締め括りをここにして良かったと、心から思える料理・サービス・居心地でした。

ほんと大満足。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*アミューズ 赤い皿 ビーツ、フランボワーズ、オマール海老

アミューズとは思えない充実した皿。
で、赤一色がとても綺麗。
フランボワーズで色を付けたクスクスを敷いて、上にオマールエビ、さらにビーツのシートを被せてる。
周りにビーツのパウダーとフランボワーズのソースなど。
クスクスに染みたフランボワーズの軽い酸味がオマール海老の甘みを引き立て、ビーツの甘みはオマールの甘みと甘みのハーモニー。
甘みが出過ぎないのが良い。

*前菜1  エール

スペシャリテ。
ほんと綺麗ですね。
トップの蝶はタピオカを液体にして型に流して作るのですが、液体にするのに6時間(だったかな)もの時間を掛けてるとか。
で、下に燻製を掛けたじゃが芋(シャドークイーン)のピュレ、紫人参をビーズ状にしたもの、クロアワビやタラバガニなども加えた贅沢な皿。
見た目に反して?しっかり感のある味です。

*前菜2  白子のフリット

白子をイカ墨の衣で包んで、揚げたもの。
ブールノワゼット(焦がしバター)のソースにトマトやケッパーなどを加えたソースで。
上に黒大根。
イカ墨の衣で包んでいるので、白子がアツアツ。
嬉しい。
白子の濃厚を、トマトの少しの酸味が和らげると同時に、焦がしバターがコクを与える。
意外にもかなりまとまっています。

*魚料理   真鯛のヴァプール 昆布と貝の出汁のスープ仕立て

これが素晴らしかった。
昆布と貝で取った出汁を、メレンゲで何回も濾し、雑味を取り除く。
ヴァプール(蒸す)の技術が素晴らしく、鯛がとてもしっとり。
その鯛に、クリアな味のスープがとても合ってる。
感動しました。

*肉料理 イノシシのロースト そのジュとトリュフのソース 塩の雪をまとったタイム

此方の火入れはほんと素晴らしい。
しっとりと柔らかく、トリュフの香りも良い。
ソースはあえて控えめな塩加減。
タイムに塩の結晶をまとわせ、好みによって塩を加え調節する。
これは、薄味好きの自分にはすごく良かった。

*デセール  イチゴのショートケーキ 2種

連れは、二種のショートケーキ。液体と球体。
で、液体はびっくり。
イチゴの味がするのは驚きませんが、液体からスポンジの味がする。
液体の分、全体のまとまりも良い。
球体の方も、シャンティが軽くて香ばしいクランブルとの対比も楽しく、一緒に食べるとほんとショートケーキ。

私の方は、冬のイメージで白のショートケーキ。
周りをメレンゲで包み、中にバニラアイスとイチゴソースなど。
上に凍らせたヨーグルトアイス。
これまた楽しく美味しい。

*カフェ

以上です。
【2016年8月訪問】

久しぶりに訪問。
夏野菜が美味しい時期なので、野菜のパフェが食べたいな♪と。

ディナーコースは、変わらず6800円。
当日の料理は以下になります。

*アミューズ タルトタタン・チョコバナナ・カプレーゼ
*前菜1 野菜のパフェ
*前菜2 鴨肉 ルバーブ ビーツ ハイビスカス
*魚料理 穴子 フォアグラ マンゴー
*肉料理 仔羊の網脂(クレピネット)包み
*カクテル チャイナブルー
*デザート ティラミス
*小菓子 柑橘のタルト フィナンシェ


この値段でこの内容は、相変わらず素晴らしい。
料理も、オープン1年経って完成度がさらに上がった感。
この日は、鴨肉が絶品でした。
他も、高いレベルで美味しいし、美しい。
手も込んでる。

サービスは、いつも担当してくれるマネージャーの林さんがお休みでしたが、今回担当のシェフ ソムリエの方もすごく良かった。
ほんと素晴らしい。

ドリンクも、希少なマルゴーのサードをまたまた頂いてしまいました。
嬉しい。
売値を考えれば、そのグラスの値段も驚異的安さ。
非常に満足。
点数を少し上げました。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*アミューズ タルトタタン・チョコバナナ・カプレーゼ

タルトタタンは、ブーダンノワールとリンゴ。
チョコバナナは、バナナ風味フォアグラとチョコ。
カプレーゼはマカロン状で、現代風解釈。
ブーダンノワールのタルトタタンが、品の良い旨みでとても美味しかった。

*前菜1 野菜のパフェ

こちらのスペシャリテ。
上にトウモロコシのアイス、下にアンチョビで風味付けしたスナップエンドウやオクラ、カボチャなど。
全部で20種類の野菜たち。
アクセントにアオリイカも入っていて、そのあたりも心にくい。
トウモロコシのアイスが甘くて、さすが鉄板の美味しさ。

*前菜2 鴨肉 ルバーブ ビーツ ハイビスカス

この日の一番。
瞬間燻製にしたという鴨肉が、異様に美味しい。
薫香はそれほど強くなく、鴨肉自体の香りと絶妙にマッチして、旨みが素晴らしく引き出されてる。
あまりに旨みがあるので、ブイヨンでポシェでもしたかと思い、ほんとに燻製にしただけ?と聞いたのですが、そうだとのこと。
うーむ、スゴイ。
添えた、ハイビスカスのエスプーマの酸味、ルバーブの甘み、ビーツの土っぽい香りも、鴨肉に合ってました。

*魚料理 穴子 フォアグラ マンゴー

アナゴをソテーして、ポルト酒を煮詰めたソース・ポワレしたフォアグラ、さらにはマンゴーを添えて。
山椒の葉と、そのパウダーがアクセント。
これは鉄板的な美味しさ。
寿司でツメを合わせるように、アナゴには甘いものが合います。
煮詰めたポルト酒がその役割を担い、美味しい。
マンゴーの甘みも良い追い打ちだし、その軽い酸味はアクセントにもなる(酸味がごく穏やかなのが良いのです)。
フォアグラにアナゴは過剰かと思いましたが、山椒の葉とパウダーが効果的で、しつこく感じずに楽しめたし。
想像以上に美味しかった。

*肉料理 仔羊の網脂(クレピネット)包み

相変わらず、火入れが最高。
網脂は薄いので、脂感が上品なのも良い。
そのジュ(肉汁)を煮詰めた、ジュ・ド・アニョーも、程よいコクで良かった。

*カクテル チャイナブルー

ライチとブルーキュラソー、グレープフルーツからなるカクテル、チャイナブルー。
それをデザート仕立てに。
グレープフルーツ、ブルーキュラソーのエスプーマ、ライチのアイス。
さらに、ブルーキュラソーを液体窒素でアイスにしたものをバサッと。
さっぱりとしつつも適度な甘さと奥行き。
美味しい。

*デザート ティラミス

温冷、2種類。
温は、ホワイトチョコのムースにココアパウダー、中にもイチジクだったかな。
冷は、コーヒーの氷菓を器にして、上にいちじくのアイス。
温冷の対比が楽しく、全体のまとまりも良くて、とても美味しかった。

小菓子を頂いて、〆でした。


【2016年1月訪問】

おせちも良いけどフレンチもね♪
ということで、正月2日に連れと訪問。
商業施設の中に在るので、施設が休みの元旦以外はやってるので助かります。

同じように思う人が多いのか、この日は満席。
ネット予約を見ていても、埋まっている日が圧倒的に多く、すっかり人気店。

この日の料理(6500円)は、以下になります。

*アミューズ グージェール カプレーゼ フォアグラのソフトクリーム

私が(ビストロ間時代の)フォアグラソフトを食べたがっているという情報を、マネージャーの林さんがゲットしていて、出してくれました。
軽めだけど風味たっぷりなフォアグラソフトに、甘酸っぱいフランボワーズとイチジクの風味がとても合う。
嬉しいな。
カプレーゼは再構築。サクサクのマカロンに、トマトとバジル、モッツアレラの風味を閉じ込めて。
面白い風味。
グージェールは、セミドライトマト、うずらの卵黄、豚肉のリエット、発酵キャベツを具としていて、ドライトマトの甘み、卵黄のコク、リエットの旨み、発酵キャベツの酸味が渾然一体。

*スぺシャリテ エール(+500円)

野菜のパフェと選べる形になっており、連れが野菜のパフェを選択したこともあり、こちらを。
それは息を飲む美しさ。
エストラゴンのアイスにとまった、タピオカで作った蝶がすごく綺麗。
そして、下には雲丹のフラン、ビーツで作ったビーズ、紫キャベツ、イクラなどが入って、見た目とは裏腹に濃厚でしっかりとした味。
美味しい♪

*前菜 鱈のブランタード その白子のテリーヌ

ジャガイモと鱈のすり身で作ったブランタード、白子のテリーヌをカダイフで包んだ前菜。
カダイフが、ありがちな油っぽさもなくてサクサク。
その香ばしさと白子の濃厚さが良い対比。
中にはピンクグレープフルーツやオレンジなどの柑橘も入っていて、その酸味も良いアクセント。
焦がしバターとバルサミコで作ったソースも合ってる。
これも美味しい。

*魚料理 石川産真鯛のミキュイ トマトバターソース ラヴィゴットソース

真鯛は、ミキュイ(半生)というにはやや火が入り過ぎか。
もう少しレアに仕上げてくれると嬉しい。
真鯛自体は、前回のような魚臭さも無くて、まずまずの質。
色とりどりのトマトが個人的にツボ。

*肉料理 山形豚のロースト そのジュとポルト酒、マスタードのソース

とても良い火入れ。
ピンク色です。
脂をあまり感じない肉の旨みを味わえる部位。
軽い風味で、なかなか美味しい。
黒豆のソースが、豚と合ってるかはともかく、お正月らしくて良いな。

*アバンデセール 雪化粧 ヨーグルト 練乳 カルピス

ヨーグルトの上に練乳のアイス。
さらに液体窒素で凍らせたカルピスを注ぎます。
とても綺麗。
アナと雪の女王をモチーフにしてるとか。

*デザート 柚子のブリュレ カシスのティアラ

アバンデセールと同じく、アナと雪の女王から着想。
ストーリー性があるデザート二皿。
カシスで作ったというティアラが見事。
柚子のブリュレは酸味が豊かで、最後さっぱりとして良いな。
とはいえ、その酸味が勝ち過ぎないように、苺のクリームやチョコで甘さを出しており、バランスが素晴らしい。

*小菓子 クレームダンジュ フィナンシェ

赤スグリを添えたクレームダンジュが口当たりよく、軽やかながらコクがあって美味しかった。
ピスタチオのフィナンシェもきちんと美味しく。

ということで、前回よりもさらに良くなっている印象
精度が高くなってるし、より手も込んでいる
バランスも良い。
これでこの値段はやはり素晴らしい。

そして、今回連れがワインのペアリングを選んだので全て少しづつ試したのですが、そのセレクトに唸った。
まずは正月らしく華やかにロゼのシャンパ―ニュ。ピノノワールを使った、コクのある味が冬の時期に合ってる。
連れの野菜のパフェには、苦みなども備えた複雑な風味の白。これが色々な野菜を入れた複雑な風味のパフェとすごく合う。
前菜には、ミネラル感たっぷりの白。そのミネラル感が、カダイフにいれた柑橘と出会うと、蜂蜜のニュアンスが出て美味しい。
魚料理には、ガメイを使った赤。意外ですが、その軽やかな酸味のレベルが、ソースに使っているトマトの酸味とレベルが合っていて、連続性が出る。
最後は、シャトー・マルゴーのサード。セカンドのパヴィヨン・ルージュよりも口当たりが良くて円やかで美味しい。料理とのマリアージュというより、単独で素晴らしい。
堪能しました。
ワインは好きだけど体質的に下戸なので、こういう風に連れのワインぺリングをちょこっとづつ貰って楽しむのは良いな♪
すごく勉強になるし。

サービスは、林さんのサービスがとても優れてる。
気が利くし、ユーモアもある。
感謝ですよ。

そんなこんなで、大満足の外食初め。
ご馳走さまでしたー。

*ちょこっと点数を上げました♪

【2015年9月訪問】

恵比寿にあった人気フレンチ、ビストロ間。
ビストロを標榜し、価格帯的にもそういうお手頃さなのに、素晴らしいレストランの料理を提供してくれる店でした。
そのお店が銀座に移転したということで、オープン一週間後くらいにいそいそと訪問。
前月にビストロ間へ行っており、その時と同じメンバーで。

リニューアルしたEXIT MELSAの8F レストランフロアの一角にあります。
中はそれ程広くないですが、カフェ風な店内だったビストロ時代と違ってちゃんとしたフレンチレストランの趣き。
とはいえ商業ビルの中にあるためか照明が明るいので、シックなデート向きというより女子会向けな感じかな。

夜は6500円(税・サ別)のお任せコース一本。
2か月に1回くらい料理が変わるようですね。
当日の料理は以下になります。

*アミューズ ブリオッシュ チョコバナナ 大地のりんご

3種類とキアイが入ってます。
どれも一工夫会って見た目も可愛らしく、食べていて楽しい。

*野菜のパフェ

誰もが愛したビストロ間のスペシャリテ。
こちらでもスペシャリテとして出されます。
以前のパフェ用の器と違って、今回はサンデー風?な底が浅くて幅広な器。
紫芋のアイス、牛蒡のエキスを牛乳で抽出しビーズ状にした牛蒡のキャビア仕立て、桜海老、紫キャベツのムース、他にも色々な野菜類と以前より手が込んでます。
ただ、器の形状や野菜を大きめに切っていることもあって全体的なまとまり感が希薄になり、個々の野菜感・素材感があっぷ。
これは好みですが、以前の方が複雑でまとまりあるパフェとしての色合いが濃いながら野菜の風味もあって、驚きと言うか食べる楽しさがあり良かったかな。
とはいえ、食べながら笑みがこぼれる相変わらずの素敵さ。

*前菜 烏賊墨 タピオカ 黒ニンニクパウダー アオリイカ 帆立 メバチマグロ

これまた綺麗な皿。
烏賊墨のソースに、カリフラワーのソース、酸味あるフランボワーズのソースも添えてアクセントに。
具としては、アオリイカ、帆立、メバチマグロ、タピオカ。
烏賊墨の旨みがとても生きていて美味しい。
具材の旨みをさらに生かしてくれる感じ。
タピオカが何気に良い働きをしてる。
フランボワーズソースの酸味は烏賊墨の旨みとあまり合って無い気はしましたが、アクセントにはなってました。
全体的なまとまりはさすがですね。

*魚料理 真鯛のポワレ ビーツとトリュフのコンソメ カぺレッティー

出された際に金目鯛と言われたのですが、見ても食べても絶対金目鯛じゃない。
サービスの方に、金目じゃないと思う・・と言ったら、厨房に確認した後真鯛に訂正されました(笑)。
その真鯛はやや魚くささが出てしまってました。
前述の経緯も踏まえ、なんか使う素材に手違いがあったのかも??
まだ少し安定してない感じですかね。
ビーツとトリュフのコンソメは香り高くてなかなかでしたし、ビーツの酸味が魚の臭みを若干和らげてはいましたが・・。
うーむ。
イタリアンのシェフが勉強に来ているということで、色とりどりのカぺレッティーも添えられていました。
茹で加減は良かったです。

*カクテル シャンパーニュ 葡萄 貴腐ワイン

普通はお口直しはグラニテですが、手が込んだカクテルデザートっぽいものが。
これは嬉しい。
シャンパンのジュレや巨峰などの葡萄、貴腐ワインのムース(泡)、ぺパーミントなど使ったグラスホッパー(カクテル)要素も入れた構成.。
甘さ抑えめですっきり感がありつつもちゃんと美味しく、全体としてまとまり感も良くて口直しとして相当秀逸。
感動しました。

*肉料理 佐賀牛ロティ ジロール シャンピニオンパリ アワビタケ 畑シメジ

さすがの火入れで美味しい。
脂の乗りも程よい感じ。
鉄板の美味しさですね。

*デザート モンブラン

下に栗を使った温かいソース。フランボワーズの酸味も添えて。
上にメレンゲの棘?をまとったバニラアイス。
温冷の対比を楽しみつつ、栗とバニラという相性の良い素材を楽しむ趣向。
さらに、液体窒素で凍らせたラム酒を掛けて風味づけ。
個人的には、栗とバニラのまったり感を楽しみたいのでフランボワーズの酸味はやや余計。
とはいえ、アクセントとしてあった方が良いという意見もあり、好みかと。
その点を除けば、とても良く出来て美味しいデザート。
ラム酒って、デザートに深みをもたらしますね。

最後に、ほおずきのチョコソース フィナンシェを頂いて〆。

ということで、この凝った内容で6500円は立派の一言。
まだ若干まとまり感に欠ける面もありますが、それでも十分高レベルだし、ビストロ時代より手が込んでいて食べていて楽しい。
調理の方は半分が新人ということで、これからさらに良くなっていくと思われますし。
末恐ろしい(笑)

サービスもとても良い。
マネージャーの方は、前回ビストロ間に行った際の会話まで覚えてくれており、絶妙なトークをしてくれる。
ワイン5杯で3800円のペアリングも充実した内容で、お酒を嗜む方も満足できます。
開店祝いということで、とても良いワインを出してくれてたし。

料理の見た目も相変わらず綺麗だし、それでこのお値段ですから、ビストロ間時代以上に予約が取れなくなるかも。
行って満足しない女性(乙女心を持ったおっさん含む)はいないのではないかと思います。

再訪は確実。
ご馳走さまでしたー。

  • 鮎炭火焼き 鮎塩での胡瓜浅漬けと肝のリエット ハーブの泡 大葉
  • 牛タン 白バイ貝 エノキ フヌイユ レモンコンフィ セミドライトマト
  • エール

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6位

御料理 宮坂 (表参道、乃木坂、外苑前 / 日本料理)

7回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2020/02訪問 2020/03/01

細やかな職人芸

2020もミシュラン二つ星の宮坂さん。
いわゆる高級食材のオンパレード的派手さはないのですが、質を吟味し手を掛けて実に味わい深い味に昇華させる。
個人的にはかなり好き。
全部はレビューしてないものの季節ごとに伺ってます。
また、その繊細さが逆にウケないのか写真を撮れないせいか、予約が取りやすいのも魅力。

表参道の駅から7~8分歩いたビルの地下。
黒を基調とした格調ある空間。

料理は、税サ込みで3万円少々ではないかと思います(二人で行って少しお酒を飲んで総額7万円くらい)。
この日の内容は以下。

*先付 蓮根蒸し ぐじ 堀川牛蒡 京人参
*造り 鮪(舞鶴) 鯛(佐島)
*お椀 松葉蟹の真丈 花菜
*焼物 ノドグロの西京焼き 丹波篠山の無農薬野菜
*八寸 白魚玄米粉揚げ 鯛手毬寿司 磯つぶ貝旨煮 飯蛸煮 ナマコとモズク酢 鰆の燻し
紫雲丹と湯葉 雲子
*煮物 聖護院大根 伊勢海老のしゃぶしゃぶ
*強肴 ふぐ煮凝り ふぐ焼き霜 ふぐ皮 
*食事 近江米 鮪のヅケ 太刀魚のフライ 香の物 赤出汁
*甘味 椿餅
*抹茶
*水菓子 人参のアイス オレンジのジュレ 苺 せとか

悶絶の連続。
何気にないものが本当に美味しい。
例えば、八寸のイイダコ。生のような感じがありながら、柔らかく滋味に富む。
ナマコもそうで、生っぽい食材感なのに柔らかい(普通ナマコは生だと固いですよね)。
造りの鯛も旨みが素晴らしくて質の高さを感じる。
雲子も、ねっとりとして臭みが一切なく、最高級の質と調理。

ノドグロの西京焼きは、超悶絶級。
ノドグロを頂く機会はそこそこありますが、これは何でか分からないくらいけど無茶苦茶美味しい。 
西京味噌の味の付け方が上品ながら、ノドグロの脂の旨みとバランスが良いのかな?

最初の蓮根蒸しは、蓮根の土の香りが非常に良く出ていて、そのもっちり感とともに完成度の高さを感じる。
聖護院大根の煮物は、これまた大根の甘いを引き出しており、美味しい。
伊勢海老のしゃぶしゃぶの火の通り方も、ジャストと言える適切さで、固くならずに旨みを引きだしてる。

ふぐの煮凝りは、口に入れた途端に溶ける固さに仕上げているのも見事。

お椀の松葉蟹真丈は、かなり美味しいもののもう少し味に奥行きがあっても良いかな?とか、造りは鮪と鯛の王道ばかりではなくて、今ならサヨリとか地味だけど旬のものを使っても良いのでは?などは思いましたが、全体を通して一品一品の完成度の高さが半端ない。

また器も素晴らしく、水菓子を乗せる皿がラリックだったりします。 

サービスも非常にしっかり。

そういう訳で、今回も大満足。

ご馳走様でしたー。
表参道にある、ミシュラン二つ星にして本サイトでの評価も非常に高い日本料理店。
定期訪問です。

カウンター8席の店内は、黒い壁がシックかつ静謐な雰囲気を醸し出す。
間もなく開店して4周年になるそうで、その間絶えまぬ努力を続け名声を維持してます。
コースの値段がいくらか不明ですが、お酒を少しだけ頂いて3万5千円くらい。
非常に人気なお店ですが、予約が超困難ではないようです。
写真が禁止な点で、人気が出過ぎない方向に行ってるという噂も。

当日の料理は以下になります。
秋にしては真夏を思わせる気温の中でも、素材は秋の到来を告げてました。

*先付 クエ酒蒸し 大黒シメジ 天然舞茸 銀餡
*造り 塩釜産鮪 平目
*お椀 岩手の松茸 マナガツオ 冬瓜
*焼物 鰆 実山椒のタレ 丹波の無農薬野菜
*八寸 栗の揚げ物 新銀杏 姫さざえ旨煮 あん肝ともずく酢 平目手毬寿司 雲子 穴子煮凝り 雲丹と湯葉 蛸の湯引き?
*煮物 二子芋 ニシン 金時人参
*強肴 カワハギを肝醤油で カマスの焼物
*食事 近江米の新米 まぐろヅケ いくら 金目鯛の煮物 香の物 赤出汁
*甘味 栗きんとん
*抹茶
*水菓子 シャインマスカット 豊水梨 いちじく 次郎柿 すもものアイス ピンクグレープフルーツのジュレ 

相変わらず丁寧で、とてつもなく美味しい。
今回もうひとつかな?と思ったのは、最初のクエが蒸し過ぎか固くて旨みもやや乏しかったことくらい。
他は悶絶の連続。

造りの鮪や平目は非常に質が高く、鮪は肌理細やかな脂の乗りでとろけつつも品の良さがある。
平目も旨みがよく引き出されており、悶絶級。
お椀は吸い地が相変わらず透明感があり繊細で、マナガツオが火の入り方も良くて旨みたっぷり。
鰆は、絶品まではいかないまでも、適度の脂の乗りと絶妙な火入れで美味しい。実山椒のタレもあってます。
八寸は、雲子が特に美味しかった。処理が良いのかまったり濃厚。穴子の煮凝りのすっきりしつつもコクのある典雅な風味にも唸った。他もきちんと美味しい。
煮物は少し地味な具ですが、その滋味深さにも唸る。身欠きニシンの戻し方も良かったな。
カワハギの肝醤油は肝と醤油とのバランスが絶妙で、他店を大きく凌駕する美味しさ。
こういう何気ない品が美味しいのは、とてもスゴイ。カマスも脂の乗りがよくて美味しかった。

近江米の新米は甘みや香りが素晴らしくて、これまた悶絶。
日本人であることの幸せ感を噛みしめる。
それだけでも十分過ぎる程ですが、おかずのイクラが非常に皮が薄いことや、金目鯛の煮物の上品さ、鮪のヅケのコクなどまでも味わえるのだから素晴らし過ぎます。

今回も大満足。
ご馳走様でしたー。
定期訪問させて頂いてる此方。
夏の食材を頂きに。

当日の料理は、以下になります。

*先付 胡麻豆腐 利尻の雲丹 車海老 焼き茄子 出汁ジュレ
*造り 鮪2種(ボストン産・気仙沼産) ホシガレイ
*お椀 昆布森の毛蟹真丈 賀茂茄子
*焼物 網走のキンキ 実山椒のタレ 丹波無農薬野菜
*八寸 帆立玄米粉揚げ 姫サザエ マコガレイの粽寿司 鮑とそのジュレと湯葉 ハモの子 穴子煮凝り 白海老ともずく 鮎のテリーヌ
*煮物 淡路のハモしゃぶ 万願寺とうがらし 冬瓜
*強肴 舞鶴の鳥貝炙り キジハタ焼霜 金糸瓜 ちり酢
*食事 近江米 青森のアイナメのフライ ヅケ鮪 ちりめん山椒 香の物 赤出汁
*甘味 水羊羹 黒豆 真珠豆 レモンピール
*水菓子 国産マンゴー 無花果のアイス ピンクグレープフルーツジュレ シャインマスカット他 

宮坂さんの料理は、多少波はあるものの、どんどん素晴らしくなってます。
素材はとても良く、最高品質。
そして、実に丁寧な調理。
先付の胡麻豆腐は、ネットリモチモチ。利尻の雲丹は甘く、車海老の甘さには悶絶。少しの酸味がある優しい出汁ジュレの加減が、それらの味を絶妙に引き出してる。

造りは、安定の美味しさ。特にホシガレイの旨みには悶絶。ボストンの鮪はまずまずの美味しさで、やはり気仙沼産の鮪の方が香りが良い。

お椀は、吸い地が素晴らしい。夏ということでか、あっさりと淡麗で透明感のある味。そこにたっぷりの蟹真丈を合わせるのだから、悶絶。

焼物は鮎を期待していたのですが、雨の影響でいつも使う郡上八幡のものが入らず、キンキに。
まあ、これはこれで。穏やかな実山椒のタレが、脂感を良い具合に和らげ、美味しい。

八寸は、中をレアに仕立てた帆立が素晴らしい。甘みの品が良くて。宮坂さんの真骨頂ですね。
穴子の煮込りも、臭みが一切なくて穴子の旨みが凝縮しており、美味しい。
ハモの子は薄味で、これまたツボ。
そして、四万十の天然アユを用いて骨やワタ含め丸ごとテリーヌにしたものは、お酒に最高に合う。焼物が出なくても満足。
他の品もちゃんと美味しい。普通レベルのものは一切ないという。

鱧しゃぶは大振りで、骨切りの技術が良くて、骨が障らない。
出汁も美味しくて、これまた悶絶。

強肴は、大きな鳥貝がなかなか。連れと私ので少し違い、私の方は少し貝臭さがあったものの、連れのはメチャクチャ美味しかった。キジハタは手堅く美味しい。

此方の近江米は、相変わらず都内最高峰の美味しさ。炊き加減も良いし。
最後にフライは個人的にちょっと重いけれど、ちりめん山椒が嬉しい。
フライは要らないから、ちりめん山椒5倍くらいほしい・・・。

甘味の水羊羹は、固まってはおらずピュレ状。
小豆はもとより、中に入れた黒豆及び水晶豆含め、全体として上品に炊かれた豆の風味が際立つ。
レモンピールの存在は好みが分かれそうですが、素直に美味しい。
松川さんとは違ったアプローチで、甲乙つけがたい美味しさ。

最後は水菓子でさっぱり。

ということで、二人でお酒を軽く頂いて約7万と決して安くはないものの、満足度は高い。
次回の予約をして帰途に。

ご馳走様でしたー。

レビューしてないけど、定期的に行ってます。
表参道の駅から10分弱。
入口にはお弟子さんが立っていて、予約を告げると地下のお店へ案内してくれます。
黒の漆喰が相変わらず素晴らしいですな。

桜の時期の料理は、以下になります。

*先付 本ミル貝とタイラギ貝の炙り 花菜 銀餡
*造り 千葉産鯛 千葉勝浦242kgの鮪
*お椀 蛤真丈 胡麻豆腐 蛤出汁の潮仕立て
*焼物 桜鱒の幽庵焼き
*八寸 稚鮎玄米粉揚げ 桜鯛の手毬鮨 ふきと姫川筍煮 鯛の子とふき さより昆布〆と水菜
    うすいえんどう豆 雲丹と湯葉 もずくとつぶ貝
*中皿 京都塚原産筍 木の芽
*強肴 鮑の肝ソース掛け 毛ガニの酢ジュレ掛け
*食事 近江米 金目鯛のフライ 鮪のヅケ 香の物 赤出汁
*甘味 桜葛焼き
*抹茶
*水菓子 小玉西瓜 デコポンゼリー 苺 木の芽アイスなど

相変わらず、手間を掛けて繊細に作り込んだ料理。

先付の貝は炙ることで旨みと甘みが出て、とても美味しい。優しい味の銀餡も良いな。

お椀の潮仕立ては蛤の出汁がたっぷり。
宮坂さんの吸い地は、結構バリエーションがあります。
繊細な風味に仕立てることもあれば、旨みたっぷりのしっかりめに仕立てることも。
旨みたっぷりでも後味が綺麗なのが、素晴らしいなと思う。

お造りの鮪は山幸のものでトロける。
希望を言えば、お造りは毎回鮪と白身(鯛や平目など)が多い印象で、もう少し季節の魚を用いても良いのかな?とは思いますが。

桜鱒は、この季節は色々なお店で頂きますが、こちらのは脂が乗っていてすこぶる美味しい。
ここまでのは、なかなか無いというか。
こういうところが、宮坂さんの素晴らしさ。

手の込んだ八寸は、こちらの真骨頂とも言えます。
フキとか地味な食材がとても美味しいのが、感動的。
(それ自体にインパクトがある高級素材ではなく)こういう地味な素材を美味しく仕立てるのはとても手が掛かる仕事。そういう手間を厭わないことに掛けては、都内でも随一かも。

京都の塚原で採れた筍は、根が付いている状態。
朝取りのものを送って貰っている、いわゆるエグミのない白子筍。
ただ、頂いたのは採った翌日の夜なので、少しエグミがありました・・・。
美味しいことは美味しいけれど、最高かというと・・・。

強肴は鮑と毛ガニで、高級素材を少し出して満足感を。毛ガニの甘さに驚愕。

最後の食事は、白米というのも嬉しい。こちらの近江米は、ほんと美味しいと思います。
おかずが付いてくるのも嬉しい。魚のフライと鮪のヅケが定番。
ただ最後に来て魚のフライは、美味しいことは美味しいものの自分には少し重いので、出来れば他のものが良いな・・・と思いつつ、なかなか言うことができないまま・・(汗)。

ということで、ほんとうに繊細で手が込んだ料理。
いわゆる高級素材が次から次へ出て来るタイプの料理ではなくて、地味系含め季節を映した食材を食べさせてくれる。
その食材は非常に吟味され、質はどれも高い。
写真を撮れないこともあってか、他の食べログ日本料理上位店に比べれば、予約は取れる方なのもありがたい。
唯一、お値段が少し高いのが難点でしょうか。
お酒を少し飲んで、二人で7万円くらい。
とはいえ、満足。

ご馳走様でしたー。


2か月ぶりに訪問。
こちらの内装は、何度見ても素晴らしい。

当日の内容は、以下になります(写真は禁止)。
ちなみに、お酒を二人で2合&烏龍茶・ビール各1杯で一人三万円くらいでした。

*座付  塩香煎
*先付  九条ネギの餡かけ 筍 白甘鯛 人参 湯葉
*造り  鮪(山口と長崎) 竹岡の鯛
*お椀  桜鱒葛叩き 胡麻豆腐 柚子あられ
*焼物  のどぐろ
*箸休め 桑名蛤の茶碗蒸し
*八寸  帆立の玄米粉揚げ 堀川牛蒡蒲焼 姫サザエ旨煮 わかさぎ南蛮漬け 雲子 雲丹と湯葉 鮑ともずく
*中皿  新潟産尾長鴨炭焼き 肝のソース
*炊合せ 焼き聖護院大根 筍 ふき
*強肴  鳥取松葉蟹 宍道湖白魚 下関とらふぐ
*食事  近江米白ご飯 平目と葱のフライ 香の物 赤出汁
*甘味  椿餅
*抹茶
*水菓子 せとかのゼリー 人参アイス キウイ 苺 晩白柚

今回も、とても美味しかった。
ただ以前と比べて、少し完成度がイマイチだった感も。
最初の九条ネギは、それなりには甘いけど、もう少し葱の香味を抑えてもっと甘みを出して欲しい。
お椀の出汁は鰹節が少し勝っていて、葛叩きという吸い地を濁らせる椀種とも相まって、やや凡庸。
炊き合わせの焼き聖護院大根は、大根の甘み以上に焼いた焦げの苦みが出ていて、これももう一つ。
前回超感動した鴨も、やや火入れが深かった。
宮坂さんのスゴイところは、何気ない素材(特に野菜)からとてつもない滋味を引き出すところだと思っているので、今回はそういう地味系素材がもう一つだったのはやや残念かな。

これが偶々なのか、最近六本木ヒルズに宮坂茶寮を出した影響なのかは不明なのですが、今迄が非常に素晴らしかっただけに、少し意外でした。

とはいえ、とてもレベルが高い事には変わりがない。
のどぐろの焼き加減はとても良かったし、蛤の出汁と玉子のみで塩を加えてないという茶碗蒸しの滋味にも唸る。
お造りの鮪のシルキーさにも悶絶。
松葉蟹の甘さも良かったし、少し焼き霜にした虎河豚の旨みにも感動。
地味系では、お造りに添えた青菜の品の良い美味しさに唸ったし、わかさぎ南蛮漬けの品の良い味にも感心。
蛸の柔らさも良かった。

宮坂さんは、相変わらずとても感じが良くて、今回も良い時間を過ごしました。
とはいえ、値段が値段なので、このブレが次回(予約済)は修正されていることを願う(あくまで個人的な印象・好みですが)。

ご馳走様でしたー。
久し振りの宮坂さん。
食べ友さんにお誘い頂き、訪問。
お店の前にお弟子さんが立っていて、迎えてくれるスタイル。
そこから階段を下りて地下へ。
カウンターと個室がありますが、個室は基本的には使ってないそう(希望があれば・・ということらしいです)。
黒の漆喰を基本にした内装は、素晴らしいの一言ですな。
なお、今も変わらず写真撮影は禁止です(個室でもダメだそう)。

料理はお任せで、23000円かな。
ガス入りの水とウーロン茶1杯を頂き、支払いは29500円でした。

宮坂さんは、にこやかで相変わらず感じが良い。
当日の料理は、以下になります。

*先付  湯葉 金目鯛 銀杏 津居山産松葉蟹餡かけ
*造り  大間鮪 青森産平目 肝醤油
*煮物椀 白甘鯛 胡麻豆腐
*焼物  新潟産尾長鴨 鴨の肝ソース
*箸休め 喉黒入り茶碗蒸し 蕪すり流し
*八寸  イクラ 白バイ貝旨煮 堀川牛蒡蒲焼 かます棒寿司 鰆藁燻し 雲子 あん肝もずく
     菊菜お浸しとナマコこのわた掛け 雲丹と湯葉
*炊合せ すぐき
*強肴  津居山産松葉蟹 黄身酢 佐世保産くえ
*食事  近江米白飯 鯛と九条ネギのフライ 赤出汁 香の物
*甘味  蕎麦掻の白餡掛け 丹波黒豆 
*抹茶
*水菓子 スターフルーツ さぬきゴールド(柑橘)のジュレ掛け シャインマスカット とちおとめ 林檎のアイス

素晴らしかったです。
印象に残るのは、出汁の美味しさと丁寧な調理、素材の質の高さ。
豪華食材をガンガン出すのではなく、それらを盛り込みながら野菜などを丁寧に調理して、完成度が高い皿に仕上げる。
丹波の無農薬野菜の美味しさが相変わらず印象に残るし、高級素材の津居山の蟹や喉黒・金目鯛なども質が高くとても美味しかった。
また、偶々入ったという網取りの尾長鴨の美味しさにも悶絶。血の入り方が素晴らしく、香りが良くて、でも臭みは一切ない。その肝で作ったソースも絶品。フレンチのジビエの名店で出るものと遜色がない(マジで)。

そして出汁。
透き通るような繊細さで、奥深い。
都内の日本料理店の中でも、個人的に最高。

その出汁がベースなので、品が良く繊細な品が多い。
調味も、酢が柔らかだったりして抑制が効いてるので、それも繊細につながる。
すぐき(漬物にする蕪みたいなやつ)は、それのみを炊いただけのシンプルな皿ですが、出汁の美味しさと相まって、しみじみ和む味で感動。

そして調理の丁寧さ。
香の物の蕪にまで細かな包丁仕事を施している。
ここまでのお店はなかなか無いかと。

一方で、八寸や甘味はクリスマスを意識した盛り付けになっていて、そういうお茶目というか型にはまらない楽しさも(これはご出身の未在譲りですね。料理自体は全く違いますが)。

そういうことで、とにかく繊細で品の良い味に感動しっぱなし。
前回よりもさらに良くなってました。

再訪の予約を入れて帰途に。
ご一緒して頂いた方々に感謝。
ご馳走様でしたー。
あの超人気店未在で活躍された方が表参道に開いたお店。
出来て半年ほどですが、本サイトでの評価も高く、人気もあるようです。
和食では珍しく一人でも予約を受け付けてくれるとのことで、サクッと訪問。
2週間ほど前でも週末の予約が取れたので、人気店ながら予約困難ではないのかも。

場所は、表参道から歩いて10分弱。
根津美術館の先です。
地下1Fにありますが、予約時間前から若い衆が1Fの階段上で待っています。
店内は黒塗りの漆喰で、すごくシックかつ高級感ある雰囲気。
この設えは素晴らしい。

こちらはお任せのコース1本で、22000円~(時価)。
今回はノンアルコ―ㇽシャンパーニュ1杯と梅酒1杯を頼んで、28700円でした。
飲む方だとトータル3万円少々くらいなのかな?

ちなみにこちら、料理の撮影は禁止。
当日の料理は以下になります。

*食前酒  汲み上げ梅酒 小梅
*先付   たいらぎ貝炙り 蛸半夏生叩きオクラ 白バイ貝海苔ソース
*向付   愛媛八幡浜の鯛 噴火湾の101kg鮪 しろ菜 葉山葵 塩入柑橘果汁 昆布醤油
*煮物椀  鮑 冬瓜 汲み上げ湯葉真丈 葱
*焼物   佐島の甘鯛 丹波の無農薬野菜(マイクロ胡瓜他)
*箸休め  すり流し ゴールドラッシュ 山形アスパラガス 鰹出汁ジュレ スーパーフルーツトマト 車海老
*八寸   白烏賊ともずく ハモの子煮凝り 赤ずいき酢漬け胡麻和え 隠元と茄子の胡麻クリーム掛け 星ガレイの粽 
      利尻雲丹と汲み上げ湯葉 由良川天然歩夢のフライ 白ずいきとつる菜のお浸し つぶ貝煮
*煮物   賀茂茄子の含め煮 胡麻餡掛け
*強肴   噴火湾毛蟹 下田金目鯛炙り 金糸瓜 わかめ 土佐酢ジュレ
*食事   近江米の釜炊き白飯 香の物 赤出汁 鱧のフライ 鷹ヶ峰唐辛子のフライ
*甘味   枝豆の葛饅頭
*抹茶
*水菓子  ワンダーベリー 小玉スイカ 完熟マンゴー 巨峰 佐藤錦 シャインマスカット 白桃 グレープフルーツのゼリー
      いちじくのアイス 豆腐のソース

非常に満足。
こちらで印象に残ったのは、すごく細やかで丁寧な仕事をしている事
そして品が良い。
一方で、王道ながら少し創意も加わって、食べていて素直に楽しい。
インパクトが無いという口コミが散見され、それはその通りだと思う。
高級素材を、これでもかっ!と次々繰り出すわけではないし、全体的に味付けは控えめだし。
なので、料理にインパクトを求める人にはあまりピンと来ない店だと思う。

逆に言うとその分繊細で手が込んだ料理。
どの品も地味に見えて、何気にすごく手間を掛けてるし、精度が高い。
素材の良さを丁寧に引き出してるというか。
個人的に非常にツボ。
特に野菜が美味しいのが嬉しい。
ずいきのお浸しなどの地味な料理も実に美味しいんですよ。
野菜って、その美味しさを引き出すのは肉・魚より大変だったりしますが、こちらは実に上手い。
最近は高級素材をそのままあまり手を掛けずに出すところが人気ですが、個人的にはこういう料理を頂く方がしみじみ幸せを感じる。
ロッテファンなので、全員4番バッターみたいなチーム(料理)より、こういう方が性に合うとつくづく思った(ほんと地味好きでスイマセン)。

印象的なのは、やはり煮物椀。
吸い地が薄味ながらほのかな鰹出汁・鮪節によって、キレがあり澄んだ味わい。
最近頂いたお椀の中では、一番の吸い地。

また、向付の鯛も非常に良かった。鯛は難しい時期ですが、脂が乗って旨みもたっぷり。
鮪も香りが良くて美味しかったな。

箸休めのすり流しも素晴らしい。
とうもろこしの甘さに驚き、スーパーフルーツトマトの酸味と甘みの立体感に陶然。そして、それらが非常に滑らかなことに驚嘆。

食事は潔く白米で、その炊き加減と言い、米自体の甘みといい、これまた素晴らしい。
あえて言えば、おかずに鱧のフライと鷹ヶ峰唐辛子のフライを添えてくれたのですが、美味しいものの、普通にちりめん山椒とかが良かった。
八寸でも鮎のフライが出てるし、鮎とハモという夏の2大スター食材をともにフライにするのは、美味しくても勿体ないと思う庶民なので・・。
日本料理で揚げ物はそんなに要らないかな?というのも、あります。

とはいえ全体を通せば、前述のように感動を伴う満足感。

またサービスも良い。
ご主人の宮坂さんはきちんと話相手になってくれるし、若い衆の気配りもなかなか。
一人でも退屈しませんでした。

そんなこんなで大満足。
ご馳走様でしたー。       

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7位

SHOKUDO YArn (小松、明峰 / イノベーティブ)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/10訪問 2017/10/27

唯一無二の世界観

石川県は小松にあるイノベーティブレストラン。
本サイトでも非常に評価が高い。
レヴォとともに、北陸旅行の主目的の一つとして訪問。
シェフはエルブリで修行をし、高校の同級生の奥様も偶然エルブリでパティシェとして働いていたというから驚き。

小松駅からだと、タクシーで10分くらい。
元は撚糸工場だったという建物は、中に入ると中庭に大きなオリーブの木があって、ナチュラルな雰囲気。
厨房も見えます。
凛とした中にも温もりが感じられる空間で、素敵です。

一日三組限定で、個室に一組、中庭を挟んだ部屋に二組。
その二組の間も数メートル離れており、かなり贅沢な空間。
この日は、我々含め全組二人連れだったので、客6人で満席。
ちゃんとした料理を提供するため、あえて絞っているのだとか。
とはいえスタッフは、シェフと奥様含め見える限りで5人いましたから、すごいコダワリです。
なおそのため、日によっては予約開始日に即埋まります。

コースはお任せの13000円のみ。
なお当日は、能登の松茸を贅沢に使った皿を+3000円で出してくれるというので、それもお願い。

料理の写真は撮っても良いのですが、webにアップするのは1~2枚に留めて欲しいとのこと。
これから来る人に、先入観無しに料理を味わって欲しいからだとか。
なので、レビューでの説明自体も今回はかなり少なめに(と、手抜きの言い訳・・)。

で、当日の料理は、以下になります。

*抹ヒート+'Nerikiri'&Jamоn
*本日の突き出し(能登牛A5の牛すじ)
*とてもごまったSchiacciatina
*こ~んなプリンかい?
*玄米茶とおにくるみ
*Are you wild
*The Only WAN with not matsu only
*あ or い?
*皿だ!
*ハブたいもち
*午ぼの紅茶
*二八ソパスタ
*you don't have pre-desert
*Tirakasu
*ミニャルディーズ
*グァテマラエスプレッソ

ええと、メニュー名はほぼダジャレです。
例えば、あ or い?は、赤いかの料理('あ'か、'い'か?)。
Tirakasuは、酒粕を使ったティラミス。
それらが面白かったので、高得点を付けました(嘘)

そのメニュー名の遊び方からすると、おちゃらけた料理を想像してしまうのですが、実に論理的で自由な発想、その一方で的確な調理技術を用いて、能登を中心とした石川県の食材の素晴らしさを教えてくれる、とても素敵なお店でした。
ここへ行くために旅する価値が十二分にあったし、出来ればまた行きたいと心から思いましたよ。


前述のように詳説は避けますが、鮪節で出汁を取ったり蕎麦も打ったりするなど、洋に捕らわれず、色々な手法を用いてます。
それで、蕎麦は一捻りがありつつ蕎麦自体もちゃんと美味しいし、出汁なんかも素材に合ってる。
能登の松茸は、丸のまま焼くのと、すり下ろしたのと、薄くスライスして出汁に浮かべるという3種の供し方、それにより香りの出方が全然違うのに感心。また、合わせた真鯛真丈のふわふわ感と旨みにも唸ったり。
もちろん、エルブジ由来の分子ガストロノミーの手法も用いていて、シェフもしくは奥様がテーブル横でプレゼンテーションしながら料理を作ってくれたりもします。
それも楽しい。

素材もすごく質が良い。
石川県の素材の豊かさに、感動しました。
バイ貝なんて、滅茶苦茶瑞々しいながら濃い旨みがあって、知ってるバイ貝とは別次元。
ほんとにバイ貝かい?みたいな、驚きをもった感動。
それも、シェフが生産者の方と密接につながっているのと、客数を絞って良いものを厳選してるからかと。

そして、その素材の良さを引き出すのに、色々な手法を用いることのベースとして、何より基礎的技術が素晴らしく高い。
火入れはもとより、塩使いの巧みさにも唸りました。
シェフに依れば、わずかな塩加減(数粒単位と言ってたかな)で味が全然変わるとか。
前述のバイ貝の美味しさもそうですが、海老なんかも甘みが半端ない。
その甘みの引き出し方も、塩の加減に依るものなのだとか。
ここまで素材の味を引き出す技術には、唸るしかなかったですよ。

また料理は基本的に、料理人であるシェフか奥さまが自ら運んで、解説しながらプレゼンテーションもしてくれる。
聞けば色々と説明もしてくれ、すごく勉強になるし、感じも良い。
それも客数を絞った事に依る利点でしょうが、そのコダワリに敬服します。

もちろん、前衛的な料理ではあるし、味付の好みは人それぞれなので、誰もが美味しいと思うかは分かりません。
ただ、食に興味がある人なら、間違いなく楽しいはず。

とても印象に残った旅の夜。
ご馳走様でしたー。

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8位

茶禅華 (広尾、白金高輪、麻布十番 / 中華料理)

5回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥50,000~¥59,999 -

2019/12訪問 2020/01/13

洗練の極み

ミシュラン二つ星にして、本サイトでも評価が非常に高い中華。
好きなお店なのですが、なんだかんだでお値段が一人5万円くらい(上海ガニの季節はもっと)するのと予約が困難なので、なかなか行けない・・(泣)。
一年ぶりくらいの訪問になります。
前回、上海蟹の季節に伺ってとても良かったので、それ目当て。

麻布にあり、旧大使公邸をリノベした立派な建物を使用。
駅からはやや遠いのと、往路は坂を登るのでタクシーが便利。
ちょっと早く着いたので店の前の道路で外観写真を撮っていたら、向こうから歩いてきて声を掛けて来る人が。
ん?と思って見たら、川田シェフでした。
修行先の龍吟に年末の挨拶に行って、戻ってきたとこなのだとか。
年末の挨拶にわざわざ修行先までとは、義理堅い人ですな。
その川田シェフに導かれて、店内へ。

上海ガニのコースは3.5万円くらいの時価なのですが、この日は3.6万円(税・サ別)でした。
飲み物はティーペアリングが8000円、アルコールペアリングが13500円で、乾杯の泡は別料金。
アルコールペアリングに泡を頼むと、飲み物だけで2万円ほどになります(汗)。
とはいえ、こちらのペアリングは秀逸なので、頼むべきだとは思いますが。

で、当日の内容は以下。
*杏仁豆腐
*黄金皮蛋(黄金ピータン)
*香箱春捲(香箱蟹の春巻き)
*酔大閘蟹(上海蟹の紹興酒漬け)
*紫蘇海蜇(紫蘇を和えたクラゲ)
*雉雲呑湯(キジの雲吞スープ)
*酸辣肉圓(肉団子風酢豚)
*口直しの苺と梅干し
*鴛鴦蒸蟹(雄雌の上海ガニ蒸し)
*蟹皇魚翅(ふかひれの姿煮 上海ガニと毛ガニの餡掛け)
*上海蟹餡をリゾット仕立てに 白トリュフを掛けて
*塩炒白菜(白菜の塩炒め)
*茶禅焼鴨(天然の鴨の焼鴨)
*雲白肉(四川料理 豚バラ肉と茄子の薄切り)
*香港麺
*洋梨の金木犀ゼリー寄せ
*温冷杏仁豆腐
*棗団子

素晴らしかった。
コース内における引きと押しのバランスが絶妙で、どれも絶品。
素材の良さは言うまでもなく、繊細さを宿しながらも力強さも感じる料理。

その繊細と完成度は、一年前と比べてもさらに高みにありました。
凄みさえ感じた。
上海蟹の紹興酒漬けひとつとっても、より深みのある味になってるし、最後の麺のスープも透明感が増してる。
一方で、雲白肉みたいな比較的ポピュラーな中華も出してきて、それが絶品だったりするのも感服。
上海蟹も良かったですが、白眉は鴨ですかね。
皮がサクサクながら、身はジューシーで良い意味での野性味もある。
コクも深くて、超悶絶級でした。
フレンチのジビエも良いですが、この鴨も生涯心に残る料理と言えます。

ペアリングは、お茶にしろアルコールにしろ、実に料理に合ってる。
マリアージュを実感できるというか。
上海蟹の紹興酒漬けに上海老酒を合わせた時は、ペアリングにより蟹の甘みがふわっと浮かび上がるというように。

そしてサービスも非常に洗練かつ親切で、此方の会話も拾ってくれ、楽しい。
雰囲気の素晴らしさも相まって、都内というか全国でも最高の中華と言えます。
今年、都内は中華の当たり年で、色々な素晴らしいお店が出来たし行って感動もしましたが、ここに来るとやっぱり別格だなぁと感じる。まあ、お値段もかなり別格なのですが・・。
いずれにせよ、とっても良い年末になりました。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*杏仁豆腐

鶏の出汁のスープに杏仁豆腐を浮かべて。
薄味で、シンプルながら極めて繊細かつ滋味深い。
そして、杏仁豆腐を最初に料理として出すセンスの素晴らしさ。
こういうところが実に好み。

*黄金皮蛋(ピータン)

四川で作られている、製法が秘密だという黄金の皮蛋。
ねっとりと濃厚な味で、非常に小さいサイズで出されますが、それでも十分満足かつインパクトの味味。紅茶のジュレをまとっており、その香りと渋みが濃厚さと良い対比。

*香箱春捲(香箱蟹の春巻き)

上海ガニではなくて、香箱ガニの春巻き。
これはこれで非常に嬉しい。
蟹の旨みがギュッと。

*酔大閘蟹(上海蟹の紹興酒漬け)

雌の上海ガニを使用。
前述のように、非常に深みがある。
ねっとりとした甘みは、至福。
いままで此方でこの料理を頂いた時に感じたわずかな蟹臭さも、綺麗に取り除かれてる。
これまた悶絶級。

*紫蘇海蜇(紫蘇を和えたクラゲ)

とても大きくて肉厚なクラゲを、紫蘇とあえて爽やかに。
食感が、コリコリしつつもサクサクという、摩訶不思議な感じ。
知ってるクラゲとも違う感じで、とても面白かった。

*雉雲呑湯(キジの雲吞スープ)

こちらのスペシャリテ。
透明感がさらに増してる気が。
その繊細は素晴らしいな。

*酸辣肉圓(肉団子風酢豚)

酢豚のモダンアレンジというか。
唐辛子を豚バラ肉で巻いて球状にし、甘酸っぱい味付を施した料理。
豚の脂の甘みと唐辛子の辛みの取り合わせがすごく良い。
これも小さな佳品。

*口直しの苺と梅干し

苺が酸味と甘みのバランスが取れていて、とても美味しかった。

*鴛鴦蒸蟹(雄雌の上海ガニ蒸し)

下にオスの白子を敷いて、その上にオスの蟹肉、さらに上にメスの内子やミソ。
もう美味しくないわけがないという。
蟹肉を取ってくれてるのが嬉しい。
上海ガニって、姿蒸しのままだと、蟹肉の部分はとっても食べにくいので。

*蟹皇魚翅(ふかひれの姿煮 上海ガニと毛ガニの餡掛け)

フカヒレは青鮫のものとかで、非常に繊維が太くて肉厚。
質が素晴らしいです。
それに上海ガニと毛ガニのミックス蟹餡(白湯ベース)を掛ける。
これまた美味しくないわけがないという・・・。
悶絶もの。

*蟹餡をリゾット仕立てに 白トリュフを掛けて

上記の蟹餡に、ご飯を投入してリゾット仕立てに。
これに名残の白トリュフを掛ける。
これまた言葉不要の美味しさ。

*塩炒白菜(白菜の塩炒め)

シンプルな塩炒め。
めっちゃジューシーで、瑞々しい。
こういうシンプルな料理が、ほんと美味しい。

*茶禅焼鴨(天然の鴨の焼鴨)

これが本当に素晴らしかった。
中華の飴掛けの方法で、皮がサクサクで、身はしっとり。
野性味と洗練を合わせたような異次元のジビエ。
感動もの。

*雲白肉(四川料理 豚バラ肉と茄子の薄切り)

ポピュラーな料理で、普通は豚バラ肉に胡瓜を合わせますが、茄子で。
茄子の方が油と相性が良いですから、豚の脂の甘さと茄子の甘さが非常に合ってた。
食感というか柔らかさも茄子と豚肉は似てるので、一体感がある。胡瓜だと豚の脂に対して爽やかさは出るけど一体感は出ないので、茄子を使った発想が素晴らしい。
とはいえクドくないのは、豚が良質なこととタレが秀逸だから。
かなり量があったのですが、ぺろりと頂けました。
また、炊き立ての土鍋ご飯も持って来てくれ、これも単体で美味しく、さらに雲白肉と超絶に合うという。
これまた幸せ感一杯で、高級素材を使わなくてもここまでのものが出せることに感銘。

*香港麺

スープがクリアな味でとても繊細で、美味しい。
感動に震える級。
川田シェフの真骨頂とも言える。
蟹のペーストもついてきて、味変として入れるのも楽しい。

*洋梨の金木犀ゼリー寄せ

説明では晩白柚(柑橘)と言ってたけど、違うような・・。
素直に美味しい。

*温冷杏仁豆腐

こちらの名物である、温冷両方の杏仁豆腐。
これも素直に美味しい。

*棗団子

棗の餡を包んだ団子を、プーアール茶を浮かべて。
これまたシンプルだけど、滋味深い。

以上です。

前回伺ってとても良かったので、再訪。
中華の麻布長江と日本料理の龍吟で修行した川田さんがシェフのお店。
開店して半年ほどですが、今や1か月先まで連日満席の人気店になってます。

当日は台風が来ていたのですが、予報よりは小降りで助かりました。
そして、その影響でキャンセルがあったとかで、個室に通して頂けた。
メインダイニングほどの凝ったオサレ感はないですが、これはこれで落ち着いて良かったな。

日曜の昼は、夜と同じ18000円(税・サ10%別)のコースになります。
メインは、またしても鳩を事前にお願い。(^-^)
ドリンクは、お茶とアルコールのミックスペアリングをお願いし(9500円でした)、料理と合わせて二人で総計65,000円程。
当日の料理は、以下になります。
なお、訪問履歴などから料理内容はお客ごとにアレンジしてるそうで、前回とかなり違っていました。
実際、同じ月に行った方のレビューを見ても結構違います。
こういう配慮は嬉しい。

*茶油素麺
*白イカ青紫蘇炒め
*アカザエビ紹興酒漬け
*サンマの春巻
*雉の極上スープ 白きくらげと杏仁の香り
*スッポンを詰めた南部鶏手羽先
*食用ほおずきのシナモンシロップ漬け
*ふかひれと黒鮑の煮込み
*スジアラの焼物 葱と生姜
*鳥取 深田農園 カイラン菜の瞬間炒め
*小鳩 胸肉 台湾香辛料《馬告》焼き  腿肉 五香脆皮仕立て
*冷やし担々麺
*ココナッツとマンゴー
*杏仁豆富

前回以上に、素晴らしかった。
スペシャリテの雉のスープも。よりコクが深くなってた感。

鳩の美味しさには、相変わらず唸った。
フカヒレと鮑の煮込みは、上湯が染み込んだほぐしたフカヒレの旨みに悶絶。
姿煮も良いですが、ほぐした方が繊維の一本一本まで味が染み込み、美味しい。
こちらの繊細な味は、ほんとツボ。
中華がベースながら、味付が強すぎなくて素材感がある。
この辺りは、龍吟にいらした経験に基づくのかな。
コンセプトどおりの和魂漢才を体現しており、唯一無二。
洗練度は知ってる範囲の中華レストランで一番だし、個人的にもすごくツボ。

連れも、「幸せ♪」を連発。

また、ペアリングも素晴らしい。
お茶担当の可愛らしい女性が、実に見事なペアリングを見せてくれます。
ゴビ砂漠やウイグル自治区など中国の辺境から集めた珍しくも素晴らしいお茶の数々に唸ったし、それが料理にとても合う。
アルコールも、マリアージュに納得なものが多かった。
あまり飲めない私に対し、後半はアルコール少量とお茶を両方ペアリングで出してもくれたり。
そういう意味で、サービスもすごく良い。
説明も丁寧だし、聞けば感じ良く色々答えてくれるし。

お値段はどうしてもそこそこするものの、それを十分以上上回る素晴らしさ。
頻繁には行けないものの、定期的訪問は確実。

ご馳走様でしたー。

以下、料理とドリンクの詳細です。

〇茶油素麺

宇治の玉露を出汁に使い、青山緑水(四川のお茶)のオイルを浮かべ、極細の三輪素麺を頂く。
玉露を使っていても、お茶っぽい味はせずに品の良い出汁に、お茶の香りとごくごく軽い苦みがふわっと上がる。繊細で、とても美味しい。
お腹が落ち着いて、食事のスタートとしては最適。

*シャンパーニュ CHARLES HEIDSIECK

セパージュは、シャルドネ・ピノノワール・ピノムイエをほぼ当分。
しっかりとした重みと深みがあって、とても美味しい。
料理に合わせたというよりは、まずは美味しい泡でっ!という感じですね。

〇白イカ青紫蘇炒め

イカは細かく包丁を入れており、その分甘みが出ているし、柔らかい。
青紫蘇の清涼感も良い感じ。

*文山包種茶

青茶の一種。
少し花のような香りと清々しい味。
青紫蘇の清涼感と合ってます。

〇アカザエビ紹興酒漬け

大きな生のアカザエビを、紹興酒に軽く漬けて。
少しだけ海老くささが出てるので、もう少し漬けても良い気が。
イチリンくらいが好きなので。
ただ、散らした青柚子がそれを打ち消し、海老の甘みを引き立てる。
ほんと甘みが素晴らしいです。とても美味しい。

*古樹銀針茶

白茶の一種。柔らかな甘みと少し青草を思わせる香り。
古木から取る茶葉は、ワインのヴィエイユ・ヴィーニュ同様、成分が凝縮。
甘みが素晴らしい。
海老の甘みと青柚子の香りに少し似たニュアンスで、とても合ってる。
かなり美味しいお茶。

〇サンマの春巻

焼いた秋刀魚を肝とともに春巻きに。
端の方には梅肉を入れて、後口を爽やかに。
全面ではなくて、最後に梅肉が来るようにする配慮がニクイ。

*梅蘭茶

生プーアル茶の一種。
微かに梅のような後味があり、秋刀魚の青魚くささを和らげる。
上記のように、春巻きには梅肉は最後だけなので、途中はそれより微かな梅香のこちらで和らげる形。素晴らしい繊細さを湛えたマリアージュ。

〇雉の極上スープ 白きくらげと杏仁の香り

後味が、とても綺麗。
コクもあって、まさに悶絶もの。
杏仁の香ばしさは、そのコクをより品良くする感じ。

〇スッポンを詰めた南部鶏手羽先

中に、スッポンや葱を使ったアツアツトロトロの餡を詰めてます。
齧ると、アツアツのウマウマ。
これは美味しい。

*野生春芽

生プーアル茶の一種。
すっきりとしつつも、しっかり感があり、少し凍頂烏龍茶っぽい感じ。
スッポンの濃厚な風味を切ってくれ、すっぽんの旨みを最後までフレッシュに楽しめる。

〇食用ほおずきのシナモンシロップ漬け

果実感たっぷりで、甘さも程よく、良い箸休め。

〇ふかひれと黒鮑の煮込み

ふかひれは繊維をほぐしてあり、一本一本が上湯を吸って旨みが半端ない。
黒アワビも柔らかく煮込まれており、下に敷いた肝のお粥の旨さとともに悶絶。
2回くらい気絶しそうになりました。

*烏東単叢 蜜蘭香

すばらしいお茶。まさに蜜のような甘さと蘭のような華やかな香り。
深みもあって、素晴らしいです。
とはいえ香りづけしてはないので、品の良さもあるし、強すぎない。
なので、ふかひれの旨味に負けずに、でも料理の味を邪魔しない。
肝の臭いも、その香りですっきりと和らげる。これは、フレーバーではない自然のお茶の香りだからこそ。
旨み・甘み・(肝の)軽い苦み・香り、料理と一緒に幾重にも広がる複雑みに唸る。

*15年熟成紹興酒と南部美人(日本酒)全麹15年熟成

お茶とは別にお酒も。しかも2種。15年熟成の日本酒は、まさに紹興酒のような味。
紹興酒とともに、旨みが濃い。でも、料理の旨みは超えておらず、旨味のグラデーションを料理と奏でながらも、料理を超えずにキレを与える感じ。

〇スジアラの焼物 葱と生姜

東星ハタとも言われる、高級魚。
炭火による火入れは相変わらず、文句なし。
カンテサンスよろしく、身は虹色に輝いています。
皮目もサクサク(パリッじゃなくて、あくまでもサクッ)の素晴らしさ。
ただ大きい魚の分、皮の部分が少ないので、その素晴らしい皮をあまり楽しめなかったのが少し残念(我儘で申し訳ない)。
フィッシュソースも、深みがあって美味しいな。

*プロヴァンスのロゼ(Domaine de Terrebrune)

地中海に近い場所で作られるワインのせいか、魚と合うとか。
酸が少し強めでミネラル感があり、それが魚の旨みをくっきりと浮かび上がらせる感じ。

*蜜香高山茶

まさに、甘い蜜のような香りがするお茶。
料理に合わせるというより、お茶として素晴らしい。

〇鳥取 深田農園 カイラン菜の瞬間炒め

ニンニク醤油の味付ですが、品が良い。
また、素材が良いのか、茎の部分がホクホクとして、とても美味しい。

*京都甘露

宇治の玉露を、氷水で2日間掛けて抽出したお茶。
玉露の旨みはそんなにはなくて、甘みがあり、また意外に渋みがあります。
玉露で言うと、2煎目くらいの味。
もしくは、玉露のお茶の葉をそのままポン酢などで食べたことが何度かありますが、それに近い味。
エグミがなくて旨みがある春菊っぽい味のニュアンスがあります。
それだけに、青菜であるカイラン菜に非常に合ってました。

〇小鳩 胸肉 台湾香辛料《馬告》焼き  腿肉 五香脆皮仕立て

相変わらず、絶品。
特に胸肉は旨味に溢れ、火入れも素晴らしい。馬告は台湾の香辛料で、少し山椒っぽい風味。
腿肉はジューシーで、パリッとした皮の風味がとても良い。

*金芽紅茶のスパイスティー

金芽紅茶にスパイスなど6種(ゴビ砂漠のバラ、丁子、レモングラス、シナモン、ローリエ、麻椒など)を合わせたスパイス茶。
そのスパイス感が、鳩に使ってるスパイスに合います。
お茶のスパイスなので、比較的優しく、その分鳩の風味を邪魔せずに、肉の風味を持ち上げる。

*ジュヴレ・シャンベルタン (セラファン・ペール・エ・フィス)

鳩には鉄板の組み合わせ。
果実味と適度な酸味が、鳩の風味と似たニュアンス。

〇冷やし担々麺

豆乳を使った担々麺。
クリーミーで美味しい。
豆乳を使っているので、優しい風味なのも良いな。

〇ココナッツとマンゴー

マンゴーにピンクグレープフルーツ、タピオカ、さらにココナッツアイス。
普通に美味しく。

*金萱烏龍茶

独特のミルクのような香り。
ココナッツミルクと当然、相性が良い。

〇杏仁豆富

温と冷。珍しい温の方は、もちっとした食感が面白い。

*ゴビ砂漠のバラ茶

バラの華やかな香りで、〆。

以上です。
開店前から一部で話題だったお店。
シェフは中華料理の麻布長江と日本料理の龍吟で修行したという経歴の持ち主で、和魂漢才ともいうべき料理を出されるとか。

広尾の駅から10分くらい、閑静な住宅街の中にあり、かなり立派な建物。
聞けば、大使館公邸の一軒家を改造したものだそう。
オシャレで高級感があり、素晴らしい造りです。
龍吟に少し似た内装ですかね。
まあ、龍吟の内装が中華っぽいとも言えるのですが。
1階がメインダイニングと4名までの個室、2階に8名用の個室があります。

料理は、18000円前後(仕入れにより変動)のお任せコースのみ(税・サ10%別)。
お茶のペアリングお願いし、それが5500円で合計28000円ほどの支払いでした。
当日の内容は、以下になります。

*イバラ蟹を衣笠茸に詰めて
*蒸し餃子 よもぎの香り
*チャーシュー
*2種のくらげ
*桜海老真丈の春巻き
*キジの極上スープ 雲吞添え クレソンの香り
*梅山豚の四川の香り炒め
*いちじくと話梅
*金目鯛の焼物 青花椒風味
*油麦菜の瞬間炒め
*小鳩 胸肉の台湾香辛料(馬告)焼きと腿肉の五香脆皮仕立て
*ふかひれ姿煮
*台湾式ライチ紅茶とパール
*杏仁豆腐 二つの温度で
*かしわもち

素晴らしかったです。
香りを大切にしているのが、印象的。
香辛料や香味野菜、更にはよもぎなど日本のハーブを用い、穏やかな香りを素材にぶつけることで、素材の旨みや味を浮かび上がらせる。そのセンスは、本当に見事。
香りにより素材感を出すため、味付けはあくまで繊細で、素材の味を超えない。
コースの流れ的には、柔らかい味から始まり、インパクトのある味へとつなぐ、王道的な組み立て。
また、それが非常にスムーズな流れになっているのと繊細なバランスが取れた味付けで、最後まで感動が続く。
多皿ながら、各皿の存在感がしっかりしていて、どの料理も印象深い。
必要以上に素材をいじらないので、素材の風味がきちんと記憶に残るというか。
また、火入れなども非常に見事。
特に、魚料理の火入れには唸りました。
フレンチや日本料理でも見ない、見事な火入れ。
基礎が、すごくしっかりしているのだと思います。

また、お茶のペアリングも素晴らしかった。
お茶含めノンアルコールのペアリングは、いまいち料理とマッチせずピンと来ないことが多いのですが、ここは素材の旨みを浮かび上がらせるマリアージュを本質的に体現していた。
特に印象的だったのは、辛い系の料理に、苦みのあるお茶を合わせたもの。
お茶の苦みが辛さを上手く中和して、辛さが引いた後に素材の旨みがふわっと輪郭を持って浮き出てくる。

サービスは、スマートというより温かみのある接客で、スタイリッシュで高級感ある内装の雰囲気を和らげ、楽しさに繋げる。

これは再訪必至。
超満足。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*イバラ蟹を衣笠茸に詰めて

イバラ蟹の旨みと衣笠茸の心地よいシャキシャキ感が快感。
玉子スープが、中華としては薄味ながら品の良い旨みがあり、上記の具材の旨みを品よく浮かび上がらせる。

*蒸し餃子 よもぎの香り

中に鶏肉。
よもぎは苦みを抑えていて、鶏肉の旨みを超えない品の良さ。
軽い苦みが、鶏肉の旨みをより印象深いものにし、その鶏肉の餡は非常にジューシー。
食べた瞬間、肉汁が溢れました♪

*チャーシュー

八角・シナモンなどを使って香りづけしたチャーシュー。
煮豚ではなくて、焼く香港式。
ジューシーで、とても美味しい。

*2種のくらげ

くらげの頭と足を使っており、食感の違いが面白い。
上には昆布を乗せており、その磯っぽい旨みがクラゲにすごく合ってた。

*桜海老真丈の春巻き

桜海老と車海老を合わせた真丈。
春巻きの皮がすごく香ばしくて、パリパリなのが印象的。
快感を伴う食感。
かなり薄い衣で巻いているためで、そういう細かいところも気を配ってます。

*キジの極上スープ 雲吞添え クレソンの香り

キジなので、金華ハムを使った上湯に比べると柔らかな旨み。
雲吞の餡も、キジの肉。
上品です。
さらっと浮かべたクレソンの葉の軽い苦みと香気が、キジの淡い旨みを浮かび上がらせる。

*梅山豚の四川の香り炒め

唐辛子と山椒(麻辣)が利いていて、さらにクミンも入るかなりパンチがある味わい。
とはいえ塩はそんなに濃くないので、脂身が軽い梅山豚の特質とも相まって、後味はすっきり。
苦みのある、みねかおりという日本茶を合わせていて、その苦みが辛さを中和して豚の旨みをふわっと浮かび上がらせる。
このペアリングは、特に秀逸でした。

*いちじくと話梅

甘いシロップに軽く漬けたいちじくと干した梅。
辛い物の後に、舌をすっきりさせようという心使い。
こういう抜いた料理を合間に挟んでくれるのが、嬉しいな。

*金目鯛の焼物 青花椒風味

この火入れが素晴らしかった。
皮がとてもサクサク。
その皮の下の部分は、脂が良い具合に溶け出し、旨みが素晴らしい。
で、身はジューシー。
ここまで素晴らしい火入れは、ほんとなかなか無い。
あさりで出汁を取り、軽く酸辣な味付けをしてます。
でも、その味付けは柔らかく、金目の味を邪魔しない。
ヒスイ茄子の甘みも良いな。
かなり感動した料理。

*油麦菜の瞬間炒め

甘みある青菜を、生姜を少し入れて炒め物に。
わずかに酢を入れてるそうで、その分すっきりとした味わい。

*トマトの八角煮

トマトのさっぱり感と八角の甘い清涼感がマッチし、良い箸休め。

*小鳩 胸肉の台湾香辛料(馬告)焼きと腿肉の五香脆皮仕立て

こちらのスペシャリテ。
茨城の窒息小鳩を用いてます。
胸肉は、火入れして藁で炙っており、軽い薫香が鳩の野性味にとても合う。
その火入れも、秀逸なフレンチに負けない肉の香りと旨みを逃さず、身に留めた火入れ。
素晴らしいです。
腿肉は、蜂蜜を塗って一晩おいてから焼いてるそうで、北京ダック的な仕上げでしょうか。
その表面は蜂蜜効果でパリッとした仕上がりで、中の部分はすごくジューシー。
これにも感動。
スペシャリテと言われるだけはあります。

*ふかひれ姿煮

白湯煮込み。
白湯は、結構濃い目の味。
手毬ほどのご飯を投入すると丁度良い濃さになり、そのバランス感覚に唸る。

*台湾式ライチ紅茶とパール

ライチのシャーベットは、その風味が濃い。
すっきりとした風味が、感動的な料理の後口を綺麗に終わらせる。

*杏仁豆腐 二つの温度で

珍しい温かい杏仁豆腐は、葛で固めています。
冷たい杏仁豆腐は、普通に美味しく。

*かしわもち

いわゆる和菓子の柏餅とは別物。
中に玉子を使ったっぽい、甘い餡。
外は、柏の葉を砕いた物を入れた葛?饅頭に、ココナッツ。
青臭くはなくて、でも緑の香りはして、甘さもある秀逸なかしわもち。

  • 蟹皇魚翅(ふかひれの姿煮 上海ガニと毛ガニの餡掛け)
  • 茶禅焼鴨(天然の鴨の焼鴨) 断面
  • 鴛鴦蒸蟹(雄雌の上海ガニ蒸し)

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9位

レミニセンス (大須観音、矢場町、伏見 / フレンチ、イノベーティブ)

4回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.1 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2019/01訪問 2019/01/15

多彩なソースと火入れの妙

一年弱振りに再訪。
その間に本サイトの点数もメキメキ上がり、名古屋の全ジャンル総合3位と、すごい評価になってます。
31歳の若さながら、カンテサンスとハジメという東西の三ツ星で修業したというシェフの経歴はダテではないということですね。
前回は、他の客が全てカップルの中で一人ぼっちという、Mにはタマらんシチュエーションでしたが、今度は連れと。

階段を上がると、木を用いた北欧調の内装は変わらず。
高級感とナチュラル感が同居し、席間も広く、素晴らしい。

ディナーは、お任せの12500円コースのみ。
こちらは訪問履歴を取っていて、以前と同じ料理は出さない主義です。
実際、他のテーブルと違ってました。で、当日の内容は以下。
なおメインの仔鳩は、マイレビュアーの方から強くおススメされたので、頼んでおきました。

第一章 余韻
*雲丹
*帆立
*玉蜀黍
*車海老
*ツブ貝
*甘夏のソルベ(口直し)

第2章 記憶
*鰻
*甘鯛
*仔鳩

第3章 安堵
*パイナップル
*さくらんぼ

終章 追憶
*茶菓子

今回も素晴らしかった。
特に仔鳩は、艶めかしい身の火入れと炭火で焼いた皮の香ばしさが攻めぎ合い、身悶えする程の美味。
エトフェの鳩の鉄分と、炭が化学反応を起こし、得も言われぬ美味を生むのだとか。
これが、なぜか鴨ではダメだったりするそうです。

それ以外の料理では、帆立・玉蜀黍(とうもろこし)・ツブ貝・鰻・甘鯛・さくらんぼが素晴らしかった。
って、ほぼ全部に近いのですが(汗)。で、残りの料理もかなり良かったし。

火入れが本当に上手だし、工夫もしてる。
ハーブなどを用いた香りの演出の上手さは、今回さらに素晴らしくなっていたし。
前回書いた粗削りな部分はあまり感じられなくなり、とても完成度が高くなってたのが印象的。

ワインも、充実してました。
特に、南アフリカのアタラクシアをいうワイナリーの白は、上質なムルソーを思わせるナッティな風味が素晴らしかった。
赤も、ジュヴレ・シャンベルタンが、複雑みと奥行き及び余韻の長さに感動。
ワインも、すごく良くなってる印象。

サービスも、相変わらずすごく感じが良い。
前回のことを、一人で来た事含め細かいところまで覚えていてくれることに、感心。

開店して間もなく2年、スタッフも充実してきているそうで、今でも十分高みにいますが、どこまで高みに上るのか本当に楽しみ。
日本のフレンチで、目が離せない1軒に間違いなくなってます。

フレンチ好きならば、こちらへ伺うためだけに名古屋へ行く価値は十分ある。

再訪は必至。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*雲丹

これは前回と一緒かな。
葛粉のチップスに利尻の塩水ウニや百合根、たっぷりのキャビアなど。
エシャロットの辛味が、雲丹の甘みを削いでいたのがやや残念でしたが、百合根の甘さと雲丹の甘さが合ってました。

*帆立

中心部がレアの的確な火入れで、甘みと旨みのバランスが良い。マイクロパクチーやシブレットオイル・柚子の香気が、旨みと甘みをふわっと浮き立たせるところにも感動。
シブレットオイル、何気にとても手間が掛かっているそうです。

*玉蜀黍

トウモロコシの冷製スープやミルクババロアの甘さと、焼きトウモロコシアイスのコクと香ばしさ、その対比がお互いを引き立て、調和が取れており、とても美味しい。
カリフラワーの優しさが、それらの対比をまとめている感じでした。

*車海老

車海老は、レアな火入れ。
パプリカやタイムを使ったガスパチョが、レモングラスを思わせるキレのあるクリアな味でとても良かった。

*ツブ貝

ツブ貝は、その大きさに驚き。
たっぷりのトリュフや鮎のペーストのコクが、ツブ貝の旨みと渾然一体の余韻を残す。

*甘夏のソルベ(口直し)

酸っぱ苦さが、良い口直し。

*鰻

鰻は、白眉。
焼き具合が、去年よりさらに素晴らしくなっているような。
本職の鰻職人さん顔負けの、パリッとしつつジューシーさを残す火入れ。
感動しました。

*甘鯛

山口は萩の甘鯛。
うろこをパリパリにした松笠焼き。
毛蟹を入れたバターソースが、旨みが濃くて甘鯛の旨みに複雑さを与えて、美味しかった。

*仔鳩

前述のとおり
たっぷりの黒トリュフの香りにも悶絶。
ジュのソースも、とても良い。
あ、カシスのピュレが添えられていたのですが、これは酸味が強くて、鳩の鉄分由来の酸味を邪魔するので不要だったかも。

*パイナップル

パイナップルを、ゼリーにしたり生だったり、ソルベにしたり、色々な形にしたデセール。
ヨーグルトも使っていて、その酸味とパイナップルの酸味のレベルが合っていて、でもパイナップルのシャープな味をヨーグルトが包み込み、さっぱりしつつデセールの甘やかさを持った秀逸な皿。

*さくらんぼ

ホワイトチョコのタルトに、生のサクランボやジャムを詰め、焼いたもの。
トロトロ♪
ホワイトチョコの甘さとさくらんぼの酸味との対比により、甘さがたっぷりありながら引き締まった皿となってる。
美味しい。

*茶菓子

シェフが子供の頃に食べたお菓子をモチーフというのは前回と一緒で、内容もほぼ一緒。
雪見大福・プッチンプリン・シュークリーム。そして、前回のチョコボールがきのこの山にっ!
雪見大福ときのこの山、4つの中にロッテ製品が2つもっ!
千葉ロッテマリーンズファンとしては、感涙以外の何物でもないっ!
前回は、ロッテ関係は雪見大福だけだったので、サービス面もさらに素晴らしくなってます(異論は受け付けます)。

以上です。
今、名古屋で一番注目を浴びているフレンチ。
葛原シェフは、カンテサンスとHAJIMEという東西の三ツ星レストランで修業し、昨年こちらを開業。
マイレビュアーの方から、名古屋へ行ったら絶対行くべき!と言われた直後に名古屋出張の予定がっ!
すぐさま予約を入れました。
一人でディナー時に訪問。
なお、予約はHPからオンラインで出来ます。
それを見る限り、週末でも2~3週先なら予約は可能っぽい。

ナチュラル感を大事にした北欧調の内装。
今大流行のスタイルですが、席間がとても広いのが良い。
インテリアもセンスが良くて、かなり素敵です。
テーブルが6卓ほど。
個室もあるようです。
土曜でしたが、1卓空いていたし、予約困難ではないようです。
なおこの日、私以外はすべてカップルでした(号泣)

料理は完全お任せコースのみで、ランチは6500円、ディナーは12500円。
ドリンクは、グラス数や量によって、数種のペアリングコースが。
ペアリングにシャンパーニュもちゃんと入っているのが良心的。

当日の料理は以下になります。
多皿ですが結構スムーズに出て来るので、正味2時間半程度で終えることが出来ました。

第一章 余韻
*雲丹
*鱒
*玉蜀黍
*フォアグラ
*鮎
*トマトのソルベ

第2章 記憶
*鰻
*のどぐろ
*夏鹿

第3章 安堵
*巨峰
*桃

終章 追憶
*茶菓子

主役となる素材に色々な味やソースを添えて、複雑さを出すのが此方の特徴。
一皿の中で、万華鏡のように変わる味の変化がとても楽しい。

また火入れは、カンテサンス譲りの見事さ。
低温でじっくり火入れしてる皿が多く、柔らかくてジューシー。
あえて言えば、最後に少しだけ強めに火を入れるか何かで、素材の香りや香ばしさを出して欲しいかもというのはありますが、素晴らしいことは素晴らしい。
全体のバランスも良くて、食べていて素直に楽しい。
また味付けもカンテサンスほどには強くなく、これも好み。
完成度と言う点では、粗削りな部分も少しだけありますが、総じて前述のように食べていて楽しい。
粗削りな部分も気になる程ではないので、逆に持ち味となる。
30歳とお若いですが、かなりの才能をお持ちかと。
これから先がとても楽しみ。

サービスは凄く良い。
会話も含めた気配りや目配りがとても行き届いていて、かなり快適で楽しい。

一人でも退屈しませんでした。
前述のように席間が広いことも含め、とても良かった。

ドリンクも、ジュヴレシャンベルタンの2005年が素晴らしかった。
ノンアルコールも充実しているし、なかなかです。

そんなこんなで、かなり楽しく幸せな時間。
名古屋へ来ることがあれば、是非再訪したい。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

*雲丹

葛粉のチップスにキャビアと赤雲丹、ブロッコリー、百合根、ペンタス(エディブルフラワー)を乗せた一品。
雲丹の旨みが濃厚で、キャビアの塩気がその甘みを引き出し、百合根の優しい甘さとの対比も楽しい。
意外に良い働きをしてたのがブロッコリーで、濃厚な素材たちの中で、濃厚過ぎるのを上手く抑えてた。

*鱒

これがとても素晴らしかった。
琵琶湖の鱒を38℃(鱒の脂が溶け出す温度)で火入れし、オリーブオイルのパウダー、八丁味噌やほおずきのピュレ、文旦とディルのクリームなどを添えたもの。
サケマスは火を入れ過ぎるとすぐパサつくので、ミキュイ(半生)の火入れが鉄則。
すると中の方はどうしても生っぽくなりますが、こちらは均一に火入れされていて、脂と身の融合具合が素晴らしいし、サケマス特有の香りをよく抑えてる。
文旦とディルのクリームも、その爽やかさが前述の香りも同じく抑え、良いアクセントに。
一方八丁味噌はその濃厚さと甘みが、鱒の旨みと多層的に重なり、別の面での面白さが。

*玉蜀黍(とうもろこし)

とうころこしを使った冷製スープです。
焼とうもろこしの泡、ポップコーンのアイス、とうもろこしのジュレ、さらにとうころこしのスープ。
突き抜けた感動というより、甘いとうもろこしの郷愁と余韻を楽める安心感ある味。
バニラビーンズが添えられて、その香りを嗅いでこちらを頂くと、より美味しいのだとか。
その効果はともかく、趣向は面白い。

*フォアグラ

フォアグラのテリーヌに、新玉ねぎやチョコレート、エストラゴンなどを合わせた品。
シャリ―ビネガーのジュレなども添えて。
これはフォアグラ自体があまりツボではなかったかも。
少し脂が強めというか。
それでも、美味しいことは美味しい。

*鮎

琵琶湖の稚鮎の塩焼き、その下には鮎の内臓を巻き込んだ鮎のフリット。
黒トリュフのソースと蓼のソース。
パクチーの新芽であるマイクロパクチーや、塩味が強いシーアスパラガス(厚岸草)などが良いアクセントに。
これも安心感のある美味しさ。
黒トリュフソースが、意外に鮎と合っていたのが新鮮な驚き。

*トマトのソルベ

第1章が終わるという事で、口直し的に。
トマトの味がとても良く出ているソルベ。

第2章 記憶

*鰻

愛知は一色産の鰻を白焼きにして、根セロリのサラダとピュレを添え、鰻には鉄板の赤ワインソースを合わせて。
鰻はなかなかパリッと焼けていて、美味しい。
山椒にクミンを合わせたスパイスを忍ばせていて、これが鰻の味にグラデーションのような変化を与える。
アップルビネガーのジュレや山葵も、とても良い味変アイテム。
根セロリとの相性な、よくわからず(スイマセン・・)。

*のどぐろ

これも火入れが素晴らしい。
カンテサンスを思わせる、虹色の火入れ。
ただ思ったのですが、脂が乗った素材は低温調理はあまり合わないかも。
香ばしさが乏しい分、脂が前面に出過ぎるんですよね。
チャイブと蛤のソースとの相性は普通に良い感じで。

*夏鹿

これも火入れが素晴らしい。
鹿は火入れが難しい素材だけに、この火入れはかなり嬉しいし、シェフの真骨頂かも。
ペドロヒメネス(シェリー酒)やカシスの酸味が、夏鹿特有の匂いを和らげる。
黒にんにくのピュレは、赤身の鹿にコクを与えてました。
松茸も添えられていて、これは素直に嬉しい。

第3章 安堵

*巨峰

巨峰のソルベ・生・ジュレ、さらにはレモンとミルクのアイス。
巨峰の酸味が良い口直しになりつつ、その甘みとミルクアイスの甘み、レモンの酸味とも重奏を奏でる。
これも心がほっとする美味しさ。

*桃

球体のアーモンドのメレンゲで、生の桃やアイス、ジャムを包み、黄桃と緑茶のソース、ルイボスティーとアーモンドのジュレを添えて。
アーモンドメレンゲのサクサク感と、桃のねっとり感がとても素晴らしい対比でした。
かなり感動。

終章 追憶

*茶菓子

シェフが子供の頃に親しんだお菓子をモチーフ。
雪見大福・プッチンプリン・シュークリーム・チョコボール。
雪見大福と言えば、ロッテ!
この時点で満点付けようかと思った次第(しませんけど)。
プリンが非常に滑らかで、感動。

以上です。

  • 鰻
  • 鳩
  • ツブ貝

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10位

USHIGORO S. NISHIAZABU (乃木坂、六本木、広尾 / 焼肉)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/10訪問 2017/10/22

悶絶の連続っ!

うしごろグループの新店。
西麻布の交差点近く、うしごろ西麻布本店の隣(地下)にあります。
個室のみで、全ての部屋に専属の焼き手が付いてくれる贅沢さ。
出来たばかりですが、知り合いのレビュアーさん達がこぞって訪問され、皆さん高評価。

うしごろグループの超常連である食べ友さんに、ありがたくもお誘い頂き訪問。
なので、少しスペシャルになっている可能性はあります。

コース料金ですが、4人の場合で14000円。
人数が減ると、その分お値段が高くなります(二人だと20000円くらい???)。
専属の焼き手を付けるので、そうなるのだとか。
これは仕方ないですね。

当日の料理は、以下になります。

〇旬野菜6種 
春菊の白酢和え・椎茸の芥子浸し・茄子生姜おろし和え・蓮根のキンピラ・牛蒡胡麻味噌和え・練り里芋 田楽
〇牛刺し 
*川岸牧場 サーロインの刺身 雲丹醤油
*鳥取 田村牛 リブかぶり 漬け
*内モモのタルタルと毛蟹の手巻き
*棒ヒレの塩ユッケ
〇焼物 
*和牛黒タン 厚切り
*田村牛 上ミスジの焼きしゃぶ
〇揚げ物
*田村牛 ヒレのカツレツ
〇スープ 小蕪とユリ根、菊花をあしらった和牛コンソメスープ
〇タレ
*田村牛シャトーブリアンのミルフィーユ仕立て
*川岸牧場 サーロイン
*田村牛ザブトンのトリュフすき焼き
〇口直し 自家製水キムチ
〇川岸牧場 月齢33か月ヒレステーキ
〇お食事
*牛出汁と蛤のラーメン
*牛スジのスパイシーカレー
〇デザート
*塩アイス 10年物の純米味醂を添えて
*ラムレーズンのアイスクリーム
*季節のイチジクのアイスクリーム

素晴らしかったです。
鳥取の田村牧場と兵庫の川岸牧場という、牛好きには有名な牧場から取り寄せた肉を使っており、質が素晴らしい。
脂の融点が低くてサラッとしてるので、すごく上品で繊細な肉。
サシの入り方も肌理が細かいし。

牛刺しを頂けるのも、嬉しかったな。
前述のように、脂の融点が低い秀逸な肉なので、刺しでもトロけるような味わいなのです。

ヒレのカツレツも、悶絶ものの美味しさ。
めっちゃ柔らかくて、上品な脂の分、カツにしてもしつこくない。
感動もの。

メインの焼物だと、うしごろの名物シャトーブリアンのミルフィーユ仕立てが素晴らしい。
あの消えゆくような柔らかさと上品な味は、悶絶以上というか昇天もの。

サービスもさすがだし、悶絶&感動しっぱなしでした。
なのである意味、悶絶死しないか命の危険を感じた夜でもありました(爆)

そして、こちらの繊細な肉は、上品でしつこくない分、行った後また直ぐに行きたくなる魔法の味。
個人的に、どんな高評価の焼肉屋さんへ行っても、一度行くとしばらく焼肉はいいかな・・となるのです。
が、此方はそういうのが無い。
命の危険がありつつ、常習性があるという、ヤバいお店。
なので、行かれる方は要注意かも???
ハマって抜け出られなくなる可能性が・・・。

あ、ただ、インパクトのある肉が好きな人には、繊細な分ピンと来ない可能性があるかな。
焼肉で超人気の、satoブリアンや金竜山とは対極にあるような肉なので。
これはもう、どちらが・・ではなくて、好みかと。

会も楽しく、お誘いしてくれた方やご一緒してくれた方に感謝。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

〇旬野菜6種 
春菊の白酢和え・椎茸の芥子浸し・茄子生姜おろし和え・蓮根のキンピラ・牛蒡胡麻味噌和え・練り里芋 田楽

全体的にちょっと濃い目の、お酒が進む味。
個人的には、最初はもう少し薄味でも。(^^ゞ

〇牛刺し
*川岸牧場 サーロインの刺身 雲丹醤油

サーロインの上に、軽く醤油に漬けた雲丹を乗せて頂きます。
雲丹がとても甘い。
サーロインの脂の甘さと雲丹の甘さ、そのとろける様な食感とともに重奏を奏で、悶絶。

*田村牛 リブかぶり 漬け

出汁醤油に5分漬けた、かぶりという部位。
めっちゃ脂が上品で、とろける感じ。
またもや悶絶。

*赤身と毛蟹の手巻き
赤酢のシャリに内もものタルタル、毛蟹、キャビアを乗せ、スダチを3滴絞って海苔で巻く。
毛蟹の旨みとタルタルの旨みを、キャビアの塩気やスダチの香気、赤酢の酸味が引き出す。
さらに悶絶。

*棒ヒレの塩ユッケ

ヒレを細切りにしたユッケを、高知の濃厚卵「あわそだち」と共に頂く。
細切りにしたことで、細かくする普通のユッケより、肉の旨みが豊か。
とはいえ、脂が上品な肉だからこそ、しつこくならずに、それが出来る。
うしごろグループで使ってる、あわそだちのという卵は、コクが素晴らしく、ユッケにとても合う。
言うことなしに悶絶。

〇焼物

*和牛黒タン 厚切り

一枚を焼いてから半分に切り、柔らかい下側を国産レモンで、プリッとした上側を青唐辛子味噌で頂く。
うしごろは、外側をカリッと、中をジューシーに焼いてくれる。
タン一枚の中での、柔らかい部分とプリッと部分の対比が楽しく、大変興味深い趣向。
ほんと全然違うんですよ。
特に、上側の柔らかさに悶絶。

*田村牛 上ミスジの焼きしゃぶ

上ミスジをさっと炙って、自家製の薬味ポン酢と共に頂く。
脂の品の良さと肉の柔らかさ、旨味に悶絶。
赤身と霜降り、両方の部分持つミスジならではの、旨みと甘みというか。

〇揚げ物 田村牛 ヒレのカツレツ

外側を削り、中心部分だけを使った贅沢なトリュフをたっぷり掛けて。
香りがスゴイです。さらにトリュフ塩を付けて頂く。
ヒレカツ、めっちゃ柔らかい。
しかも、サシがとても肌理細かく入って、厚みがあるのに全然しつこくないというか、品が良い。
揚げ方もレアで、官能的な味と食感。
トリュフの官能的な香りとともに、うっとりしつつ悶絶。

〇スープ 小蕪とユリ根、菊花をあしらった和牛コンソメスープ

牛スジを8時間かけ、旨味を引き出したコンソメスープ。
とても美味しけど、悶絶までは至らず、ようやく一息つく。

〇タレ物

*田村牛シャトーブリアンのミルフィーユ仕立て

うしごろのスペシャリテ。
とにかく、めちゃめちゃ柔らかい。
そして、品の良い旨みがたっぷり。
もう悶絶するしかない。

*川岸牧場 サーロイン

余分な脂を落としたサーロインの中心部分だけを使う贅沢さ。
サーロインは、ちょっと重く感じる時も多いのですが、さすがにここは肉質及び中心部だけなので、そういうことが全然ない。
脂の甘さに悶絶。

*田村牛ザブトンのトリュフすき焼き

ザブトンを強火で炙って、「あわそだち」とトリュフに絡めて。
トリュフと玉子は非常に相性が良い。
とにかく悶絶。
そして、残った卵とタレを使い、TKG。
追い打ち的悶絶。

〇口直し

*自家製水キムチ  白菜とキュウリを軽く乳酸発酵させて

その爽やかさに悶絶・・は、さすがにしなかった。(^^ゞ
でも、とても良い箸休め。

〇川岸牧場 ヒレステーキ

*川岸牧場 月齢33ヶ月雌牛のヒレ

これまた肌理細かくサシが入った、素晴らしい品。
さすが川岸牧場。
炭火でじっくり火を通して頂きます。
火入れが素晴らしい。
外の方と中心部分の色が同じ、均一なロゼ。
溢れる旨みに、悶絶しました。

〇食事
*牛出汁と蛤のラーメン
*牛スジのスパイシーカレー

2種出して頂けました。
スパイシーカレーは、うしごろ銀座とも違うサラッとしつつ、肉の旨みがたっぷり、かつスパイシー。とても美味しい。

〇デザート
*塩アイス 10年物の純米味醂を添えて
*ラムレーズンのアイスクリーム
*季節のイチジクのアイスクリーム

デザートは、アイス3種。
イチジクのアイスは、イチジクの風味が濃厚。
塩アイスに10年熟成の味醂を掛けたものは、味醂が黒糖みたいな風味で、とても美味しい。
ラムレーズンもなかなかでした。

  • 川岸牧場 ヒレステーキ
  • 田村牛ザブトンのトリュフすき焼き
  • 田村牛 ヒレのカツレツ

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