hungry.jpさんが投稿した銀座 稲葉(東京/東銀座)の口コミ詳細

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銀座 稲葉東銀座、新橋、築地市場/日本料理

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.3
      • |CP 3.7
      • |酒・ドリンク 4.2
1回目

2023/06 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.3
    • | CP3.7
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

超一流クリエイターの究極LIVE

クリエイターという言葉を
ちょっと恥ずかしいと思うのは
俺だけだろうか。
自分をクリエイターと言いたいなら
どうぞご自由にと思うけど、
人から認められる大したクリエイターには
そうそう出会わない。

他人の意見なんて
どうでもいいんだけど、
とはいえ、認められてなんぼの世界もある。

俺はこの日本料理の店に出会って初めて、
料理人もクリエイターであることを知った。
銀座8丁目の路地に佇む稲葉さん。
なぜ、さん付けで呼ぶかというと、
料理人の方が稲葉さん、その人だから。
さすがに呼び捨てはできない。
俺も、かろうじて礼儀をわきまえる社会人。

目鼻先に愛しの銀座亭があるけど、
この日は中華料理のことは忘れよう。
和食。それも究極の和食。
hungry.jpの数年の歴史の中で、
究極という言葉を使うのは初めてだと思うが
俺はこの夜、究極の日本料理と出会った。

通されたカウンター席は、まさに客席。
最前列で調理のすべてを見せてくれる。
包丁さばきから、焼き、盛り付けに至るまで、
うっかり口を開けて見とれてしまうほど優美。
LIVE調理で、至高の料理が一品一品、提供される。
メニュー表なんて、野暮なものはない。
おまかせコースなので、料理名まで覚えていない。

●毛蟹とズイキときゅうり(ジュレがけ)
料理への感謝と同時に、
美味しく育ってくれた毛蟹にも感謝。
ズイキって初めて聞いたな。

●コチの唐揚げの上にウニ&ゴーヤと梅ダレ
コチなんて、そうそう食べる機会ない。
料理の説明する際「コチらはですね」と稲葉さん。
狙ったのか偶然なのかは聞けなかった。

●トリ貝の上に玄米のおかゆと、もずく乗せ
目の前で生き生きしたトリ貝をさばいてくれた。
開けた貝の中から、小さな蟹さんが出てきて
まな板の上で大はしゃぎ。
蟹より俺の方がはしゃぎたい。
トリ貝が旨いのは言うまでもないが
能登産のもずくが、これまた美味。
それにしても、玄米のおかゆを合わせるって
どんな発想なんだ。

このあたりから俺は、
この方はクリエイターだと確信してしまった。
アイデア、プロセス、アウトプットが、
どれもこれもプロ過ぎる。
いつ、どうやってインプットしてるんだろう。
発想力の源が知りたい。

●焼き太刀魚と胡麻豆腐とじゅんさいのお椀
優しすぎる。優しすぎる、キレキレの汁。
ほぼ出汁のみの味なのに、旨味しか感じられん。
海原雄山も目を閉じて頷いたはず。

●藁焼きした鱒の炙り
鮭だと思って見ていた素人の俺の心は
悟られていないはず。
柚子胡椒の大根おろしと相まって、
これまた昇天。
これは鮭より鱒だよね、
なんて知ったかぶりをしたが、
こういう大事な場面で
選ばれなかった鮭が気の毒。

●生のハモ
巨大なハモ専用包丁で、
ゴリゴリと骨を切っていく。
なんという音だ。
職人技をまざまざと見せつけられて、うっとり。
上に乗ってるのは大葉と、
これは玉ねぎだったかな。

●かわいい鮎の塩焼き
成熟して大きくなる前の鮎。
ししゃもくらいの大きさで、
頭からまるごと食べられる。
ピンクグレープフルーツのようなものが
皿に乗っていたが、
これはフィンガーライムの果肉らしい。
フィンガーライムだと? 初耳。
鮎とフィンガーライムを合わせようと思った
きっかけってなんだろ。
当然、相性はすこぶるいいんだけどさ。

●ナスのお浸し&カツオ節乗せ
上に乗せるカツオ節を
目の前で削るパフォーマンス。
朝食営業もしているらしく、
この削り節で土鍋飯が頂けるらしい。
TKGつきということも親切に教えてくれた。
子どもの頃から苦手なナスを
生まれて初めて美味しいと思った。
栃木県のナスらしい。
桜エビが絶妙にいい仕事をしてる。

この店の心地の良さは、
ボスの稲葉さんが、
若い料理人たちに優しいことだ。
いろいろやらせているし。
客としても気分が良いし、
店の雰囲気も良くなる。
優秀なクリエイターっていうのは、
人間も大きい。


●フカヒレ&アワビのぐつぐつスープ
出汁を100%吸い込んだ
フカヒレにひれ伏した俺だが、
アワビの衝撃がそれを上書きしてしまう。
こうして書いている今も、
あのアワビが忘れられない。
季節によって、伊勢エビだったり
毛蟹だったり牡蠣だったりするらしいが
アワビの季節に来られてよかった。
ご飯食いたくなるよ、これは。

●牛タンの肉じゃが
信じられない発想だ。
よくある食材だけど
肉じゃがの肉が牛タンなんて聞いたことないよ。
口の中で、ほろほろと解けていく牛タンには
舌を巻くほかない。
デミグラスソース味。
煮込まれたトマト入り。

まだ続くんだよ。これが。
LIVEで言えばアンコールに入ってる。

●冷やし付けうどん
一見、そばっぽい色。
麺の上に大量の胡麻を振りかけてくれる。
それを胡麻ダレのつけ汁で。
このタイミングで出されるボリューム感も、さすが。
美味しくいただける量感だ。

●土鍋ご飯(スズキと万願唐辛子入り)
ここへきて、遂にクライマックス。
どう考えても旨い土鍋の中に、
目の覚めるようなグリーンの唐辛子。
ピーマンかと思ったけど、
それは安直な発想。
いちいち裏切るのが稲葉式。
これはお代わりできるし、
したいところだけど、
胃袋からのストップがかかる。

●水ようかん&抹茶
遂にお別れの時。白餡の水ようかんを、
レモン絞って食べるという粋なスイーツ。
さらにガトーショコラも。
まさかの山椒入り。
チョコと山椒。
にわかには信じられない組み合わせだが
なんというミラクル。
最後は抹茶は稲葉さん直々に
立ててくれるという贅沢っぷり。
抹茶を飲む作法は知らないが、
そんなの知らんぷり。
ようかんと、合う合う。

その道の一流は努力次第で、
なれそうな気がする。
でも超一流は生まれ持った才能も
必要なんじゃないか。
超一流が努力して、
そしてその道を楽しんじゃったら無敵だな。

店の壁には「融通無碍」という言葉が
書かれている。
要するに「自由」という意味だが、
和食・日本料理でありながら、
その型にはまることなく、
自由にクリエーションを楽しむ、
超一流のクリエイター。
かくありたいものだね。


おまかせコース
●毛蟹とズイキときゅうり(ジュレがけ)
●コチの唐揚げの上にウニ&ゴーヤと梅ダレ
●トリ貝の上に玄米のおかゆともずく乗せ
●焼き太刀魚と胡麻豆腐とじゅんさいのお椀
●藁焼きした鱒の炙り
●生のハモ
●かわいい鮎の塩焼き
●ナスのお浸し&カツオ節乗せ
●フカヒレ&アワビのぐつぐつスープ
●牛タンの肉じゃが
●冷やし付けうどん
●土鍋ご飯(スズキと万願唐辛子入り)
●水ようかん&ガトーショコラ&抹茶

2023/07/20 更新

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