Champagneさんのマイ★ベストレストラン 2011

Champagneのクリスタルなサロン

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Champagne (女性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

★色んなことのあった今年。
飲食業界にも、激震が走ったことかと思います。
そんな中で、特に、夫婦で切り盛りしているような小さなお店の、
「応援キャンペーン!」を実施したくなりました。
ほんとうに微力ですが。
どこも、2人でがんばっている雰囲気が妙に居心地よく、こちらも思わずにっこり。
そんなお店に吸い寄せられるようにお伺いしました。

★今年のニューカマーとして出色だったのは、「フェリチェリーナ」。
非常に面白い業態で、シェフ2人だけでサービスを置かず、カウンターのみという稀有なスタイル。
今までも、これからも、色んな障害があることは想像できますが、それを乗り越えて頑張って欲しいものです。、

★大きな出来事としては、「ロオジエ」の一時閉店。
最後に訪問した際のお料理や、素晴らしいサービスが非常に印象的だったので、トップとなりました。
トータルで、日本最高のレストランではないかと思います。
再オープンの際の、天下の資生堂の人事の腕前はいかに。
新たなるシェフが、誰になるかも楽しみです。

★今年は、美味しいものを美味しくいただける環境にいることができただけで、大きな幸せ。
すべてのことに感謝しつつ、年末と来年を迎えたいと思います。

マイ★ベストレストラン

1位

ロオジエ (銀座、新橋、内幸町 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/10訪問 2018/01/01

銀座の柳

<2013年10月>
9月のあるとき。
筆書きの宛名の、立派な招待状が届きました。
それは、ロオジエのオープニングパーティ。
もちろん何を置いてでも、最優先で「出席」決定です。
返信ハガキを送り、当日を楽しみに迎えました。

さて当日。
エントランスには資生堂の幹部を始めとした社員の方々。
そして、懐かしいロオジエのスタッフが、順々にお出迎え。

建て替えた資生堂本社ビルは、以前とはすっかり様変わり。
入口の重厚な扉はまるで、パリのヴァンドーム広場の高級宝飾店に迷い込んでしまったかのよう。

メインダイニングは地下。
しかし、1階から大きな吹き抜けとなっているので、外光が入り、圧迫感はゼロ。
逆に、1階にある緑も目に入り、開放感を感じるほど。

弧を描いた階段を降りると、メインダイニング。
全体を見回すと、シャンパンゴールド、ベージュ、白がメインのカラースキーム。
テーブルセッティングされている位置皿は、ゴールド。

ドリンクサービスのテーブルには、3種類。
ドラモット、ペリエ、あとはブラッドオレンジジュースだったか…。
もちろん、シェフソムリエのサーブです。

シャンパーニュを片手に、新しいダイニングを回遊したり、スタッフの方々とお喋りしたり。

勧められるがままに、フィンガーフードをいただいてみると…。
素晴らしいキャヴィア、力強く薫るトリュフなど、
どれもこれも、小さいながら主張がしっかり。
タダモノではないのは、さすがです!

周囲は、ロオジエの長い歴史を知る人々や署名人で、賑わっていました。
顧客の奥の深さが実感できます。
よくぞ、私ごときに招待状が届いたものだと、改めて驚きと感謝です。

帰りには、お礼のカード、お店のブローシャー、お土産のショコラをいただき、
お店を後にしました。

新しい「銀座の柳」が、ドラマチックに始まりました。

<2011年2月>
一時閉店まであと1ヶ月あまりの頃。
大理石の白い階段を踏みしめて、2階のダイニングへ。
デジュネでも、いつもよりもフォーマルに装ったお客様が多いようです。
だいぶ華やいでいました。

今回も、心に残ったお皿をいくつか。

「鳩のロースト」。
大きくふっくらしたお肉。
ナイフを入れると、ピンクがかった赤身が柔らかく、きめ細かい。
窒息させているから柔らかい、とのこと。
そして大ぶり。
内臓も余すことなく、カラっと揚げて。
ジュで取ったソースの凝縮感が、なんとも魅力的。

「温かいチョコレートのスフレ」。
王道のチョコレートのデザートのメニューから。
目の前でスフレに穴を開けて、好みのアイスクリームをポトっと。
ふわふわ、そして濃厚なチョコレート。
堪能しました。

数々のプティフールの中で一番好きなのは、エッグスタンドに乗った「クレームブリュレ」。
ボリーさんの頃からの定番プティフール。
限りなく滑らかで、大事に優しく作られたソフトなブリュレ。
タヒチ産のヴァニラビーンズを惜しげなく、たっぷりと。
底のほうに真っ黒に残るのが、もったいないくらい。
突然、無性に、これが食べたくなる時があり、困っております、私。
これからどうしましょう…。

お皿に合わせたワインのセレクションも完璧。
お料理もワインも、私のロオジエ史上で1、2位を争う素晴らしさ。
季節ごとに変化するエクステリア、素敵な店内のデザインも、そろそろ見納めかも、
と思うと、感慨深い思いがあります。

<2011年1月>
今年最初のグランメゾンでのお食事が、ロオジエでのデジュネ。
改装閉店に向けて、お料理も、サービスも、パワーアップしています。
特に心に残ったお料理を。

「的鯛のポワレ きのことキャベツのピューレ マトロートソース」。
的鯛のフィレがしっかり2切れ。
添えてあるのは、ツヤのあるソース。
贅沢にキノコを使ったピューレは、漉して、オリーブオイルやニンニクと和えて。
瓶詰めがあったら購入したいほどの美味。

「牛フィレ肉のロティ"ヴェネソン"冬野菜のココット焼きを添えて」。
今回は岩手牛。
口の中でトロけます。そう、こんな牛肉が食べたかった!
塩のピリっとした振り具合も完璧。
ココット焼きの野菜たちは、自然の甘みがたっぷり。

「フロマージュ」。
いつもながら、状態は最高。
そして、ハードチーズの切り方、ミモレットの薄さ、すべてが私好み。

珍しくデギュスタシオンにしていただいた、ワインのセレクションもさすが。
ボトルでゆっくりと薫りの移り変わりを愉しむのもいいけれど、
お皿に合わせた、絶妙なマリアージュも素敵。

この素晴らしいチームでのロオジエは、今年の3月まで。
当日の客層は心なしか、それを惜しむ人々ばかりのよう。
時間が経つのは早いものです。

<2010年10月>
銀座の柳も、来年3月にはいったんクローズし、資生堂本社ビルは改築。
この素晴らしいスタッフの解散が待っているとは。
新築後に訪れたら、果たして何人の懐かしい顔に会えるんでしょう。
そんな心配をしてしまうほど、さらにチームワークの良さが際立っていました。

印象的だった、アラカルトのお皿をひとつ。

「和牛フィレ肉のポワレ"ロッシーニ"セップとポテトのニョッキ 黒トリュフ風味」。
お皿の上はキノコで秋模様。
目の前で、仙台牛のポワレに黒トリュフのソースをかけて。
神秘的なほどにツヤツヤのソースを、ロゼ色に焼きあげたお肉に絡めると、
和牛ならではの高品質なジューシーさと、黒トリュフの風味が、黄金の組み合わせに。
火入れや塩の具合も、ちょうど好みのど真ん中。完璧!
黒トリュフたっぷりの贅沢なソースは、最後の最後までパンと共に。

お料理全体が、このところ、みるみる基本に還ってきました。
ほんの何年か前までの、「トンガリ感たっぷりのお遊び」はどこへやら。
しっかりとした素材感を全面に出したものが中心に。
地に足が付いた安定感を感じます。

<2010年6月>
今回も、アラカルトのお皿がすごかった。
今までで最大の感動。涙が出そうなほど。

「ヴィエンヌ産鳩胸肉のピスタチオ、カカオ風味 とうもろこしのガレットとさくらんぼ添え」。
真ん丸い胸肉は、とてもきれいなロゼ色。
肉質は限りなくきめ細やかで、肉だけ口にしただけでも感動。
ツヤのあるジュのソースを絡めると、旨さは倍増。
そして、時にはさくらんぼの酸味を加えると、これはまた素敵なアクセントに。
横に添えられた骨付き腿肉のポワレも素晴らしい。皮も肉も。

こんな感動を呼ぶお皿、ちょっと奇跡かも。
そんな奇跡も、ロオジエなら、さらりとやってくれる。
憎いなぁ。

<2010年3月>
デジュネのお皿が、変わってきました。
素材を生かした形とボリューム感を持った、満足感溢れるメニューの数々。
繊細さと彩りの美しさがより際立ち、次々と出てくるお皿は、さながら絵画のよう。
そして、基本がしっかりとしているからこそ活きる、アラカルトのお皿。

様々なゲストのお食事を楽しい場にしようというサービスマンは、
ひとりひとりが個性的なエンターティナー。
決して画一的でも、マニュアル的でもない、自然に溢れ出るもの。
他のお店に行ってこそ実感する、ロオジエのサービスの凄さを、最近は実感しています。

<2009年11月>
並木通りに場所を移して10年。
節目の記念イベントは逃してしまいましたが、そのお祭りも終わって
いつもの落ち着きを取り戻した頃のデジュネに訪れました。

メニューを開いてアラカルトにするか、デジュネにするか、シャンパンをいただきながら
さんざん悩んだ挙句に、コンビネーションに。

「燻製ニシンのムース ポテトとレッドオニオンのジュレ」。
きれいな赤いジュレの上に丸いポテトのスライスがまあるく並べられ、
まん中にニシンのムースが。
ニシンよりもポテトが目立つ一皿。

「金目鯛のヴァブール 薫り高いオリーブオイルとハーブを添えて」。
ふっくらと蒸しあげた金目鯛。
オリーブオイルの薫る、ちょっぴり酸味の効いた泡のソースの中に鎮座してます。
トッピングには色とりどりの野菜、卵、イクラ。
ソースも最後までいただいて。

「シャラン鴨のロティ オレンジピューレ カフェとカルダモンの香り 
腿肉とかぼちゃのパルマンティエ風」。
低温調理され、ロゼに仕上げた鴨。
皮目はとてもきれいな焼き色を付けています。
肉の中にあるすべてのものを逃さず、ギューっと閉じ込めたままの調理。
ナイフを入れると、ほんのり血が滴ります。
口にすると、キメ細かい肉質を咀嚼する慶びが。
ほんのちょっとのカフェおカルダモンの香りがアクセントを添えています。
満足感たっぷりの、鴨の一皿。さすがです。

どれをお願いしても完璧な状態のフロマージュ、そして、お菓子の世界に突入して、
今回も、ロオジエを堪能しました。

<2009年9月>
いつも通りのさりげなくも素晴らしいサービス。それは何ら変わることはありません。

ところが今回、デジュネのメニューを渡された時に、少々「困ったなぁ」。
なぜなら、デジュネのメニュー構成が、フラン、クリーム、ムース、スープなど、
ほとんどのメニューが前菜からメインまで「フワフワの柔らか」系。
もちろんメニューには載っていませんが、アミューズも然り。

すべてアラカルトにしたり、アラカルトから好きなお皿をデジュネに組合わせる、
という選択もありました。
でも、この日は別件のディナーも控えていたので、軽いのは大歓迎!
通常メニューに身を任せることにしました。

唯一、素材の形がありそうなメニューはメインのサーモン。
というわけで、「サーモン」を中心にメニュー決め。
青海苔を使ったソースの磯の薫りたっぷりで海の中にいるかのようなのサーモンは、
50℃の低温調理で素材が生きていました。

あとは何をいただいたんだっけ?と柔らかいものはすべて失念です…。
昼間のストレスを、その日のディナーで解消。
形のあるお肉を、ガッツリといただきました。

何度も訪れているので、こんな日もあるかと思えるのですが、
もしもこの日が、「清水の舞台から飛び降りたつもりでのデジュネ」、とか、
「とっても大切な記念日」などだとしたら、今回のメニューはちょっと厳しい。
「デジュネのメニュー構成を考えて~」と、密かにボヤキたい私でした。

<2009年6月>
メナールさんが就任した時の「尖った感」が影をひそめ、
食べ手の立場に立ったメニュー作りにシフトしているかのように思えます。
一皿一皿に、幸せと優しさを感じます。
アラカルトの中でも、根強い人気を誇るメニューは定番化していて、安心感も出てきました。
しっくりと馴染んできた感じが、とても心地よく感じます。
ロオジエの歴史を知っている常連の方々も、納得されていることでしょう。

最高のものを提供しようという姿勢は、いつものことながら感嘆。
例えばフロマージュ。
どれを選んでも、すべて最高の状態。
ここまでワゴン上のフロマージュが完璧なお店を、他には知りません。

ワインリストは改訂中で、デジュネに、ディネに、
それぞれオーダーしやすい価格帯を充実させるそうです。
これからの仕入れは円高も追い風になって、さらに魅力的になることでしょう。

さりげない自然体のサービスは、いつでも健在。
さらに、全体に笑顔の度合がいくらか増したような。
ちょっとしたロオジエの「トリビア」を語ってくれたり、ファンとしては嬉しい限り。

素敵なひとときを過ごすお店としては、トータルで最高です。

★2008年10月以前は字数制限のため、コメント欄に収納しました。

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2位

アピシウス (日比谷、有楽町、銀座 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.3
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/08訪問 2018/01/01

歴史と文化を感じる老舗

<2011年12月>
年の瀬のお約束。
どうも、アピシウスを愉しまないと終わりません。

いつもの、落ち着き。
いつもの、あのメニュー。
いつもの、サービス。

そんな「いつも」が揃っている安心感。

「海の幸、野菜、クスクスのタブレ」。
「小笠原母島の海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」。
「フランス産仔鳩のジャンポネット、アニスエトワールの香り」。


またまた、いつもと同じようなアラカルトのチョイス。
その中でも特に、メインの仔鳩の素晴らしさは感動もの。
肉の状態、火入れ、ソースのコク。
ワインをゆっくりと愉しみながら。

そんなお食事の余韻を振り返りながらの、フロマージュと、デセール。
至福の時間です。

この年も何とか終わり、次の年も元気に迎えられるよう、
そんな想いを胸に、お店を後にしました。

<2011年2月>
キャンセルが続出するくらい悪天候で寒かった、この日。
がんばりました。がんばりましたとも!
ダイニングに入ってしまえば、いつもの静けさと軽い華やぎ。
雪など、どこ吹く風。

テーブルにはすでに、「PJ」のマークをお花模様で囲んだシャンパングラスが。
ならばこれでしょう。
ペリエ・ジュエのベルエポックで、エレガントな時間のはじまり~。

今回一番楽しみにしていたのが、黒トリュフ。
ちょうど季節です。
お店では、トリュフの魔術師であるペベイル氏の採取する、フレッシュトリュフのイベントがあったばかり。

「フランス産カオール地方のフレッシュ黒トリュフの丸ごとパイ包み焼き」。
クラシックなこのメニュー。
素晴らしく上質なバターを使って、折りたたんだパイ。
実にきれいな色に焼き上がっています。そして、立ち上る薫りがすごい。
パイがナイフが入れられるのを、今か今かと待っているよう。
艶やかなソースは、芸術品。
サクっとナイフを入れると、中にはちょこんと黒トリュフ。
一緒に、そしてソースを少し付けて口にすると、広がるトリュフの薫りが。
幸せ過ぎます…。

「海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」。
こちらもスペシャリテ。オーダーせずにはいられません。
澄んだスープが舌に乗ったあとは、至福のひととき。
喉に流れて行ってしまうのが、惜しいほど。
添えられたチースパイは、ときどきサクサクと。

「フランス産仔鳩のロティ スパイスを効かせた赤ワインソース」。
しっとりとキメの細かい、非常に上質のフィレ。
モモは適度に脂が乗り、こちらもジューシー。
旨みをきれいに閉じ込めたロティ。
赤ワインソースには、色んなスパイスをじゃまにならないよう上品に加えて。
これだけ美味しい鳩は、初めてかも。

「フロマージュ」。
ラッキーなことに、例のトリュフを使ったブリーがありました。
もちろんお店で、大きな丸ごとをスライスして、挟んで。
少し温めてもらい、トロンとした状態で。
これがまた、絶品。
ゆっくりと、しみじみと、ワインと。

「ジャスミンのババロワとリコッタチーズのムース 柚子のジュレとアイスクリーム添え」。
実はこちらのデザートワゴンも好きなのですが、目が欲しくなって頼み過ぎた挙句、後悔することもしばしば。
ところが、時々いただいている、一人分づつ手をかけたデセールがなかなかに優秀なのです。
今回は、食後の締めくくりに相応しい爽やかなデセール。
こんな感じ、好きです。

安定したサービスは、どんなシチュエーションでも対応可能。
委ねていて、安心感があります。
ハプニングにも的確に対応されているところを見て、感心。

余談ですが…最初から最後まで、色んな場面で目にする大倉陶苑のお皿。
日本が誇るチャイナ。
元々いくつか我が家にもありましたが、こちらで何度も目にするうちにどんどん欲しくなり、
とうとう色んなものを購入してしまいました。
和のテイストが入った、上品さがたまりません。

アピシウスワールド、結構ハマってて、年に何度か訪れてしまいます。

<2009年12月>
秋冬にぴったりのグランメゾン、それはこのアピシウス。
ダイニングに案内された時はすでに、ほとんどのテーブルが埋まっており、
賑わいが華やかさを添えていました。

今回はアラカルトで好きなものをチョイスしてみたくなりました。
幸い、ほとんどのお皿にスモールポーションが用意されています。

「ウミガメのスープ」。
あくまでも澄んだコンソメ。
口にすると、得も言われぬような深い味わい。これは一体!?
微妙にトロみがあるのは、甲羅のコラーゲンでしょうか。
初めての体験。
最初からガツンと、やられました。

「冬の海の幸をエテュベ、その日のシェフのソースで」。
海老、帆立、鮑、北寄貝、白身魚、アスパラ。
バターとクリームのソースには生青のり。
これが磯の香りを上品に引き立てます。
想像通りの一皿。

「茨城県稲敷市真鴨のロースト シャンピニオンデュクセルのファルシとそのジュ」。
キノコとその薫りに囲まれた真鴨。
じっくり噛み締めると、その旨みがどんどん増してきます。

「林檎と柿のキャラメルソテー ヨーグルトのソルベと蜜柑のジュレ」。
せっかくアラカルトなので、きちんと作り込んだデセールを。
クラシックに登場するのかと思いきや、こちらはイマドキのプレゼンテーション。
そして…キャラメリゼされた林檎と柿の甘みと酸味。素晴らしい!
至福のひとときを締めくくります。

いつもながら、話が盛り上がっている時は静かに、こちらが矛先を向けるとフッと
話に加わってくれるタイミング、絶妙なサービスは健在です。

質感の極めて高い絵画や家具、食器に囲まれてのお食事。
歴史があるからこそのクラス感。
貴重なお店です。

<2009年1月>
昨年秋からずーーっと訪れようと思っていたのに、
なかなかチャンスがやってこなくて、とうとう年明けになっちゃいました。

こちらは私の中で、「秋&冬」のイメージなのです。
ですからもちろん、今回はジビエが入っているコースをオーダーしてみました。

「鮪、コルニション、オリーブ、アボカドのタルタル仕立て わさびソース」。
きれいに、お皿の真ん中に盛りつけられたタルタル。
周囲には小さく丸くわさびソースを置き、イクラ、オリーブ、ハーブをあしらって。
爽やかな前菜に、シャンパンが進みます。

「カナダ産オマール海老のヴァブール エストラゴンの香る軽いアメリケーヌソース」。
たっぷりのオマール海老のきれいな肉に、グリーンアスパラ添え。
濃厚なオマール自体の味わい、ソースの上質さは格別。
ここまでオマールを美味しいと思ったのは、はじめてかも。

「狩猟真鴨のロースト サルミ風ソース 栗と芋セロリのピュレと共に」。
羽付きのまま1週間熟成させて下処理。きれいなセニャンにロースト。
ソースは真鴨のガラと赤ワインでジュを取り、真鴨の血でつないでいるそう。
目の前にお皿が置かれた瞬間、「お~!」。
こんなにしっかりとしたソースは、近年久し振り。
こっくりとしたソースには照りがあり、ピカピカと光っています。
薄くスライスされた鴨を口にすると、ジビエらしい滋味溢れる肉質。
一口、一口、大事に噛みしめて、この季節に訪れることができた幸せを実感。
途中のお口直しに、別添えの栗と芋セロリのピュレを。
ピュレの素材そのものの味を感じ、また鴨に突入、の繰り返し。
おかげで、赤ワインが進むこと、進むこと!
フロマージュのためにとっておかなくちゃ、なのに~。
これこそワインに合うお料理!!です。

デザートは最近では珍しくなった、ワゴンサービス。
たっぷりといただきました。

ワインはいつものように、熟練の素晴らしいサービスとアドヴァイス。
チーズは専門の資格を持った方のサーブで、説明もわかりやすく、
思わずたくさんお願いしちゃいました。
そして、以前からお馴染みの方が今年からこちらにいらしていて、うれしい再会。

シェフは少しづつ、3代目の岩元シェフに移行している最中だそうです。
2月に行われる「センセーショナルなトリュフの夜」で、センセーショナルにデビューを飾るのでしょう。
このフェアのために、森社長と岩元シェフが2月初旬にトリュフを買付けに渡仏するそうで。
今年のものは、かなり期待できるようなので、都合がつけばぜひとも参加したいフェアです。

今回も、とてもリラックスした至福のディナーを、ゆっくりと過ごさせていただきました。
次はいつ?と、思わず考えてしまう、愛すべきお店です。

<2008年5月>
ゆるやかな段差の、黒い石の階段を下りきった左側。
どこから見ていたのか、タイミングよくスタッフが扉を開けてくれます。
ウェイティングバーを左に見て、メインダイニングへ。
すでに賑わったダイニングに一瞬躊躇するものの、
案内された絵画の前のテーブルへ。

以前使ったことのある個室は、上からのシャンデリアが明るめ。
メインダイニングは、テーブルに当たったダウンライトが反射し、
女性の顔がきれいに見えるという、うれしい女優効果があります。

少々蒸し暑いこの日。
グラスではもの足りない…ということでシャンパーニュはデミにて。
シェフ・ソムリエが手際よく、エレガントな所作で開けてくれます。
味わいを感じられる、ちょうどよい温度。
バカラのアピシウスマーク入りのグラスにて。

まずは種ありの黒オリーブと、アンチョビを詰めたグリーンオリーブが置かれます。
どこで食べたものよりも、旨みがほとばしるジューシーさ。

さて、ワゴンで8種類ほどのお水がやってきます。
その中でも、やはりシャテルドン。
お料理やワインと合わせるのに、この数年一番気に入っています。

アミューズは「ヴィシソワーズ」。
中にはフラン。一口だけのお楽しみ。

「北海道産有機栽培のレタスとアスパラガスのシンプルサラダ」。
白アスパラを縦にきれいにスライスし、周りにトマトと一緒に敷き詰め、
真ん中には新鮮そのもののレタス。
白アスパラは薄切りながらも、北海道産なので歯ごたえ充分。
シンプルながら、上品にして、感嘆の美味しさ。

そろそろ、お楽しみのボルドーの出番。
バカラの、カッティングが煌くデキャンタで待ち構えています。

「栃木牛のロースト」。
肉質の旨みは充分。胡椒をピリっと効かせて。
フォンをたっぷりと使った濃厚なソース。
まさにボルトーとのマリアージュ。

まだまだ残っているワインと共に、フロマージュを。
ワゴンから色々選ぶ幸せ。
まだ若いチーズソムリエが説明してくれます。

次にやってきたワゴンはデザート。
ここでデザート用の薄いパープルのリネンに替えられます。
ケーキ類が何種類も。
その中でもタルトタタン、パリブレスト、マンゴーのムースを。

と、またワゴンがやってきます。
デザートワインが8種類ほどだったか…。
タルトタタンに合わせたものを1杯。

デザートは見た目、ごく普通。
なのに口に入れると、素材の上質さと完成度を感じます。
特にパリブレストのクリーム、マンゴーの素材。
久しぶりに、こんな美味しいケーキをいただきました。

デザート用のカトラリーはクリストフルの金メッキ。
お誕生日用のお皿は、薔薇の模様の大倉陶園。
ホワイトチョコーレートのプレートが、そっと添えられています。

サービスは、さすがのベテラン揃い。
すべてを委ねていれば、リラックスできるお食事が約束されています。
年齢層の高さも、落ち着きと安心感を覚えます。

ワイン、特にボルドーのリストの揃えと価格はグランメゾン随一ではないでしょうか。
それも歴史と心意気のあるお店だからこそできること。
数々の美術品に囲まれた店内は、美術館さながら。文化を感じます。
それに相応しい客層が華を添えています。

昨年ミシュランの星を獲得したフレンチのお店は、バターやソースを控え、
作りこまれたフレンチが大多数。
しかし、こちらのお料理はいかにも「The フレンチ」。
そう、近頃こんなフレンチが食べたかったのだ、と、改めて新鮮に感じます。
今後もポリシーを曲げずに、このまま文化を伝承していって欲しいものです。

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3位

コムシコムサ (東山、三条京阪、三条 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥5,000~¥5,999

2014/03訪問 2015/05/11

心からの笑顔が溢れてしまうフレンチ

<2008年9月>
いつもいつも、最大の笑顔で出迎えてくださるマダム。
お料理の手を休めることなく、目で挨拶してくれるシェフ。
久し振りに旧友に会った気分にさせてくれます。

「生ハムと野菜のマリネ」。
何種類もの野菜が楽しく、やさしいお味。

「ホタテのガスパチョ仕立て」。
これもたっぷりの野菜とホタテ、そしてソースはガスパチョ。
今でも味覚が覚えている、爽やかな一品。

「かぼちゃのスープ オレンジ風味」。
オレンジとかぼちゃ?と思ったものの、見事なコンビネーション。
とても満足の冷製スープ。
一味とオリーブオイルをトップに少し。それがアクセント。

「鴨のロースト蜂蜜のソース」。
しっかりとしたソースで、みっちりとした鴨の旨味とはちみつが合います。

デザートかチーズの選択は…やはりチーズ。
少しづつ色々と盛り合わせてもらって。

以前は貸し切りになってしまうこともしばしばでしたが、
現在では、すっかり「予約の取れないレストラン」の仲間入り。
しかし、連日満席でも手放しで喜べないことがあるようです。
シェフはいつもと変わらず寡黙な勉強家。
今後もわずらわされることなく、突き進んで欲しいです。

<2007年12月>
クリスマスのちょっと前。
久しぶりの訪問に、マダムはいつものように温かく迎えてくれました。

アミューズの「京野菜のガルグイユー」はジューシーで味わいのあるお野菜ばかり。
「蟹肉をきゅうりの薄切りで巻いた」前菜は、ウニとキャヴィアを添えて。
爽やかな味わいながら、ソースは濃厚。
「フォアグラのソテーと柿」は、フォアグラの焼き具合が、なんとも絶妙。
柿の甘みとあいまって、さらに幸せになる瞬間が訪れます。
「ポルチーニのポタージュにポーチドエッグと帆立」。
ポルチーニの薫りをしっかりと楽しめる一品。崩した卵の黄身でさらに濃厚に。
「蝦夷鹿のロースト」は、赤身のしっかりしたお肉を存分に楽しめるもの。
ソースと共にしっかりと作り込んでいます。さすがのお味。

そして、食後はやはりチーズを選択。
なぜなら、お店の一番目立つところに、照明によってフローティングしているような
黒板があり、マダムが心を込めたチーズの説明が書いてあるから。
初めて見るような珍しいチーズもあり、残ったワインでゆっくりと堪能しました。

今回もゆっくりしていたら最後のお客さんとなり、
外までシェフとマダムに見送っていただきました。
京都の冬は寒さがきついけれど、心が温かくなってお店を後に。

いろんな人に薦めたいけど、本当はあまり知られたくない。
そんなお店です。

<2006年9月>
今回も心からのマダムの笑顔に迎えられて。

特に印象に残ったのは「野菜のテリーヌ」。
ズッキーニ、茄子、トマトのコンビネーションで、ハーブとオリーブオイル
のソースにカイエンヌペッパーがピリっと効果的。
ソースも最後までパンでぬぐっていただいてしまう。恥ずかしながら。
「穴子と雑穀リゾット」の穴子は香ばしい焼き具合。
前菜ながら、赤ワインともぴったり。
「ガスパチョ」はトマトがベースでメロンのスープを彩りよく配置。

やはり赤ワインをいただいてしまったので、変りご飯は未体験。
今回は珍しいベルギーのウォッシュチーズも揃えていました。
いつもながらのシェフの優しいお料理に、こちらも優しい気持ちに。
こんなお店が近所にあったら、通ってしまうに違いありません。

<~2006年3月>
岡崎公園や平安神宮からほど近く。フランス国旗が目印の小さなお店です。
ドアを開けると、あふれる笑顔のマダムが迎えてくれます。
寡黙なシェフが勉強熱心なことは、一目瞭然。目を見ればわかります。
本当に真摯な気持ちで、フレンチに取り組んでいる職人です。
このお2人のコントラストが、実は素材とソースのようにマッチしています。

テーブル席とカウンターがありますが、広々と設えたカウンターが落ち着きます。
時には和服を着こなしたご婦人がいらっしゃるのも、京都ならでは。
カウンター内には間接照明を生かして、グラスがディスプレイされています。
生花もあしらわれ、素敵な空間を演出。
センスのよさが、うかがわれます。

ワインリストは試行錯誤されているようですが、掘り出ものが
見つかることもあります。
お料理はシェフの心がエッセンスになっているものばかり。
ビストロと名が付くと、ただ骨太なイメージですが、
裏腹に繊細でいて、計算されている。
心からくつろいで、「美味しい…幸せ」とつぶやいてしまうような、
そんなお料理の数々です。
サーブしてくださるマダムの笑顔も、スパイスのひとつ。
その何気ない会話が、楽しいひとときに華を添えてくれます。
コースの最後には、変わりご飯かチーズを選択できます。
マダムが揃えたチーズが、ワイン好きな私には楽しみです。

京都に行くと、必ず訪れてしまうこちらのお店。
いつでもウエルカムと出迎えてくれる友人のような、大事な存在。
贔屓目かも知れませんが、掛け値なしに満点にさせていただきます。

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4位

Felicelina (中目黒、代官山 / イタリアン、パスタ、肉料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 2.5
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2013/10訪問 2013/05/19

裏中目に新しいカタチのルーキー出現。

<2011年10月>
気に入ったお店は、あまり間を置かずに再訪。これ、私の鉄則です。
1回目の感動を、もう一度味わいたくなっちゃうのです。
そのときが、夢か幻ではなかったことを願って。

「子持ち鮎のコンフィ 野菜のケッカ風ソース」。
パリっと骨までそのままいける鮎は、ホクホク。
下には細かくカットした野菜のケッカと、ヴィネグレットがピリっと効いたソースと共に。

「えぞ鹿の温かいカルパッチョ」。
きれいな赤身のカルパッチョがお皿に載って登場。
その上から、たっぷりとウンブリア産白トリュフを削っていただいて。
濃厚な薫りが、たまりません。
えぞ鹿は、内腿の一番柔らかい部分を、ちょうどいいスライス具合で。
キメ細かい肉質は限りなく上品でいながら、野性味を帯びて。
スパイス使いも見事。
すべてのコンビネーションがピッタリと決まった一皿に、感嘆。

「伊勢海老のスパゲティ サフラン風味 ペスカトーラ風」。
焼きの火入れが見事な伊勢海老は、プリップリ。
サフラン風味とマッチするムール貝。
マイルドなトマトソースと、元気なフレッシュハーブを上から散らして。
豪快に、そして、おのずと無言になってしまう、うれしい一皿。

「和牛イチボのタリアータ ほろ苦野菜のサラダ添え」。
締まった赤身のイチボは、優しいカブのソースや西洋わさびを添えて。
ほろ苦野菜は太陽をたっぷり浴びた証拠。

「チーズの盛り合わせ」。
ワインがまだ残っているので、ドルチェまでの間に一呼吸。
4種類のチーズと、トーストしたドライフルーツ入りのパン、栗のハチミツを添えて。
状態もいい具合です。

「焼きリンゴとヴィンサントのジェラート」。
焼きたてのリンゴは甘酸っぱさがたまらなく美味しく、
作りたてのジェラートがトロトロと溶けてソースに変わっていく。
そんな食後の幸せは至福のひととき。

今回も、期待を裏切るところか、新たなる感動や悦びを噛み締めながら、
4時間ほどのディナータイムは素敵な時間となりました。

開店1ヶ月ほど経った今回、変わっていたことがいくつか。

①予約電話受付時間を設定してあります。
11時から12時、16時から17時30分のみ。
これで営業時間内は、調理に専念することができます。
大英断!これでいいんです。
くれぐれも、予約した皆さまが道に迷ったりしませんよう…。
営業時間内は、お店に電話しても誰も出ませんから。

②お水のお代わりは、デキャンタで目の前に用意。
これもいいんです!
ワインだって、ちょうどいい温度になっているボトルならば、
テーブルに置いて「Help yourself」でいいんです。

そんなこともあり、サービスにだいぶ余裕ができました。
色々工夫して、いい方向に向かうよう成長中です。

シェフ2人、カウンターのみ。
一皿づつ感動の内容で、ビックリのお値段。
目指すものは銀座のグランメゾンではなく、広尾にあった頃の初期のアロマフレスカ。
あの活気と、美味しいものが食べられるオーラを放った空間を見事に再現しています。

サービス体制やカウンターの造りからして、グループや接待には向いていません。
私としては、食べ終わったお皿を自分で下げてもいいくらい!
このお店のサービスに評価を下すなんておこがましいので、サービスの★は空欄にしてあります。

<2011年9月>
プロフィールは、アロマフレスカ出身のシェフ2人。
場所は、いまアツいスポット、「裏中目」。
もちろん、開店早々に予約。
ようやく待ちかねた当日です。

店内は、L字型の窓側にローカウンターと、内側にある厨房が見渡せるハイカウンター。
ダークな木目のテーブルはシック。
ローカウンターのどっしりとした椅子は座りやすく、くつろいでしまって根が生えそう。
上からの照明は、やや明るめ。
テーブルにはランチョンマット、ガラスのレストにはクリストフルのカトラリー。
ナプキンリングには、真白な布ナプキン。
ますは、おしぼりが渡されます。

すでにテーブルに置かれているのは、ドリンク、ワインリスト、ドルチェメニューが1冊になっているアルバム。
表紙にはお店のロゴと共に、予約したお客さんの名前が書かれています。
そんなサービスは、アロマフレスカを彷彿とさせる部分。

ところで、このワインリストのセレクションは、なかなかスゴい!
こんなの飲みたい、と思わせる銘柄をチョイスしていて、さらにリーズナブル。
価格別に載っているので、ワイン初心者でもわかりやすく、
それぞれの説明文を読めば、イメージできるようになっています。

手書きのメニューは、アクリルの額に入って目の前に。
日付入りなので、仕入れによって毎日更新しているよう。
ディナーはアラカルトのみ。
アンティパスト1600円、パスタ1800円、セコンド2800円の基本で、
メニューによってはプラス料金。
2人だと、2皿+2皿+1皿でちょうどいい量だと説明がありました。
今回はやや軽い感じで。

「本日築地より 極太アスパラガスと魚介のサラダ仕立て」。
今日の魚介は鬼海老、シマアジ、シロイカ。
特に、鬼海老の絶妙な火入れの具合と、焼きの香ばしさは格別。
小さいけれど濃い甘みと旨みのある身。初めて口にしました。
頭をパリっと手で割って、ミソはパンで。
直径2センチ以上もあるグリーンアスパラは、しっかりの塩で茹でてあり、歯応えも上々。
ハーブやペッパー、オレンジも添えられていて彩りよく。
これは白ワインなしにはいられません。

「鱧のセモリナ粉フリット 野菜のケッカ風ソース」。
パリっと揚げた熱々の鱧は、サクっと。
下には、彩り野菜の小さなキューブが隠れています。
優しい鱧と、ピリっとしたビネグレットの野菜。パンチが効いてます。
リコッタチーズやオリーブのペーストなども一緒に。

「ぶつ切りオマール海老のキタッラ フレッシュトマトソース」。
ますは、目の前にお皿が置かれてビックリ!
なぜなら、白いお皿を覆い尽くすのはオマール海老だけに見えたから。
パスタメニューなのに、オマール海老のパスタ添え?って思っちゃうほど堂々の主役。
「おしぼりはいくらでもありますから」、との心強いお言葉に、手でバリバリ。
身は、しっとりとジューシーで甘みと旨みたっぷり。
ホロっときれいに外れます。
焼きの薫りと、ハーブと、トマトソースと。
何も言うことはありません。

「ブレス産仔鳩の丸ごとロースト たっぷりの黒トリュフ添え」。
鳩の色んな部位は、ロゼの焼き具合。
ラギオールのナイフを入れると、赤く肉汁が滴ります。
鳩の旨みと脂、滋味深い肉質を生かしたロースト。
ポルチーニと、たっぷりトリュフの量もサプライズ。
シンプルながら、相当ゴージャスな一皿。

「いちじくのソテーとバニラアイスクリーム」。
温かいイチジクにアイスクリームが溶けてまみれて。
トップにはシナモンやカラメルソース。
とろけます~。

シェフ2人ですべて行っているので、お皿出しに時間がかかるのは想定内。
全員同じおまかせメニューにしたら楽なのに、アラカルトにしてるなんてエラ過ぎ。
なのに、クーラーのワインは空になる前に注いでくれるし、おしぼりは取り替えてくれるし、
不足は感じません。
ただ店内は狭いので、魚介や肉を焼いている薫りや煙、フードプロセッサーの音などなど、
五感的に賑やかです。

すべてカウンターなので、2人で訪れるのがベスト。
そして必須条件は「のんびりとできる日に、話の弾む、気の置けない相手と」。
全般にしっかりとした味付けなので、「ワインが楽しめる」ことも重要。

アロマフレスカ出身のシェフ2人がタッグを組んで、さらに個性をたっぷり振りかけて、理想形のお店を完成。
季節のよい素材を生かして、最高のものを大胆に、そして丁寧に心を込めて作る。
そんな贅沢なことを、何なくやってしまうってすごい。
やや荒削りではあるけれど、勢いがあるエネルギッシュさが非常に心地よく感じられます。
私の感動の余韻は、なかなか冷めない気配。

帰り道・・・何となく、初めて広尾のアロマフレスカを訪れたときの感動を想い出しながら、帰宅しました。

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5位

モノリス (渋谷、表参道 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.6
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥15,000~¥19,999

2017/08訪問 2018/01/01

きっと進化し続ける…

<2015年4月>
店名に違わず、進化を続けています。
店内が改装され、明るい雰囲気に。
煌めきがある照明器具や丸テーブルも入れて、華やいだ雰囲気になりました。

それに合わせたように、お料理も進化しています。
進化系の定番や、新しいメニューや、楽しい、美味しいのオンパレード。

シェフ、乗ってます。
ネオ・モノリスに期待度が高まります。

<2011年8月>
今年に入ってからも、何度かディナーに訪れていましたが、
ランチは初めて。
事前にHPでランチメニューは確認していたものの、やはり「ムニュ・モノリス」に決まり。
そのお店の定番メニューも好きだけれど、シェフの挑戦が感じられる月替わりのメニューって、楽しい。

「トマトのジュレムース」。
爽やかな酸味とジュレ。バランスが絶妙。
ムース系はシェフの得意とするところ。
さすがです。

「山口県宇部港より直送 鱧のポッシェ 焼き茄子 オクラと共にジュレ寄せに仕立てて」。
香ばしく焼きあげた鱧と焼き茄子。
オクラとジュレに紫蘇の葉を加えて、和のテイスト。
なんて合うんでしょうね。
日本の食材とフレンチとの融合を感じます、ホントに。

「フォアグラのポワレ 花ズッキーニのファルシをフリットにし、とうもろこしのピュレを添えて」。
マデラ酒を用いたソースは良質のフォアグラの旨さを引き立てます。
私は、もう少しだけ表面がカリっと香ばしいフォアグラが好きかも。
花ズッキーニのフリットにはモッツアレラ、トマトコンフィ、バジリコが入っているという仕掛け。
とろーり具合が何とも!
一皿でどれだけの手をかけているのやら。色んなサプライズが楽しみ。

「鮎のふわふわ焼き その肝のソース」。
鮎の姿をしているけれど、中は帆立のふわふわムースがサンドしてあり、新しい感覚。
添えてあるスイカの青さや甘さとぴったり。
鮎の主張は少ないけれど、添えてある肝のソースが存在感大。
苦みが何とも美味しく、大人でよかったと思う瞬間。

「イベリコ豚のセクレタのグリエ 野菜のファルシーとスペッツレ添え」。
脂が何とも旨いセクレタは、肩肉の下に隠れていている美味しい部分だそうで。
サクっとナイフを入れるのが楽しい。
口の中で咀嚼するのが楽しい。
飲みこんでしまうのがもったいない。
スペッツレって何かと思えば、お肉の下に敷いてあるパスタのような、チーズのような?
ガルニには茄子に枝豆やムカゴ、茸を乗せて実に彩りよいグラタン。
そして万願寺唐辛子の茄子のペーストを詰めたもの。
さらに、ミニパプリカにバジル風味のリコッタチーズを詰めたもの。とろりん系です。
厨房を見る限りでは、以前よりも人数も増えたよう。
それで、手の込んだお皿が可能になったのですね。

「奄美大島産パッションフルーツとスイカのシャーベット」。
キューーンと酸っぱいパッションフルーツで、目が覚めます。
デセールの始まりなのです。

「桃のブラマンジェ」。
フルーツたっぷりのお皿。
満足感でいっぱいです。

「温かいフィナンシェ」。
ランチのミニャルディーズはこちら。
バターたっぷり。周りがカリっと、中がふんわり。
お願いすれば、テイクアウトもできます。

コーヒーもきちんと美味しく、そのあとに冷たいハーブティーもサービスされます。

以前よりもサービスは落ち着いたかとは思いますが、まだ遠慮がち。
シェフの100%のお料理を120%まで引き上げるような、積極的な姿勢がもう少し欲しいところ。
会話で、そのお皿の魅力、お店の魅力は、さらにアップするのです。
そんなエッセンスを大事にすれば、気分よく訪れるリピーターが増加すること請け合い。
シェフの実力は、揺らぎないものなのですから。

<2010年12月>
クリスマスディナーをのんびりといただける日があり、興味が湧きました。
2回転の落ち着きのなさが苦手な私には、うってつけ。

実は毎月のように訪れてはいるのですが、満席の日に居合わせるのは初めて。
開店して以来、だんだんと登り調子になってきたモノリス。
お料理、サービス、共に満席だとどうなるのか…。

新たにソムリエールさんを迎え、これからワインを強化していく姿勢が見られます。
そのためか、12月からサービス料もかかるようになりました。

店内は訪れるごとに色んな変化があり、進化しているのが手に取るように分かります。
壁に絵が飾られたり、新しい食器が増えたり。
さらにアミューズやミニャルディーズにも色んな工夫が。

まずは、うれしい瞬間、グラスシャンパーニュ。
あらら、なぜか少なめです。テイスティングかしら?
最初のひと注ぎで泡が少し立ったので、もう一度注ぎ足してくれるのかと思いましたが…あれ?

「アミューズ」。
シャンパンと共に勢いよく食べてしまい、何のムースだったか失念…。
しかし、中にたっぷりと入ったキャヴィアの塩気を充分に計算した味付け。

「カリフラワーのスープ カニのフラン ウニ添え」。
カニの茶わん蒸しの上にカリフラワーのスープ、クルトン。熱々。
脇にはレンゲ型のガラスのスプーンの上に、たっぷりとウニ。
少しだけウニを口にしてみると、これだけで充分美味しいもの。
それをスープの中に混ぜてみると、コクが増して何度も楽しめる。
美味しいものをたっぷり。そんな満足感のある始まり。

「オマール海老と野菜のエチュベ トリュフ風味」。
プリプリのオマール海老。
色んな野菜の中にはオマール海老が。
彩りよく、素材を楽しめる一品。

「金目鯛のポワレ ムール貝のリゾット マリニエールソース」。
カリっとした皮目が印象的な金目鯛。
添えられた蒸しアワビは柔らかくて美味しい!
ミルクのリゾットは優しい味。ムール貝が中に隠れています。
材料だけ聞くと、とても濃厚過ぎる気がするものの、実際はあっさり。

「特選和牛フィレ肉のグリエ ロッシーニ風」。
那須牛は、グリエの薫りが見事。
素材を最大限に生かした火入れ。
クラシカルなメニューをシェフならではのアレンジで、芽キャベツのキャラメリゼを添えて。
ソースの照りツヤはとてもきれい。
若干の甘みはハチミツでしょうか。

「ヨーグルトのムース 三種のベリー ジュレ寄せ」。
アヴァンデセールらしく、酸味をと爽やかさを添えて。

「出来立てモンブランにキャラメルアイスを添えて」。
まずはお皿の淵にちょこんと乗った、イチゴでできたサンタさんがかわいい!
王道のモンブランはデセールならではの作り立て。
大満足です。

クリスマスディナーらしい、誰もが美味しいと思える、そんなメニュー構成。
高級食材をあちこちにちりばめて、上質の乳製品を色んな場面でたっぷり使って。
シェフは、好きなものをたっぷりと食べたい方なのだと、想像できます。
加えて、お皿ひとつひとつがとってもきれい。
料理センスに加えて、天性のセンスのよさが、私のココロをつかみます。

メニューには含まれていないチーズは、あまり回転していないらしく、
チーズプレートに乗せるには、やや熟成が進んでいるものも見受けられました。
実はちょっとくらい刺激を感じるもののほうが、好きだったりするんですが。

開店以来、お店側とお客さん側がだいぶ歩み寄ったかとは思われます。
ただ、今回のように満席になると、いくつかの部分で取りこぼしも時には感じられ、
まだこれから、といったところ。
ワインの薦め方も含めて、もう一歩近寄ったサービスでもいいと思います。
サービス料がかかるようになったので、ちょっとキビシめです。

とは言っても、大好きなお店のひとつ。
来年もどんなモノリスを見せてくれるのか、とても楽しみです。

<2010年4月>
まだ開店して1カ月程度。あまり情報もありません。
モナリザ丸の内店のシェフが独立開業…その程度。
でも、基本がしっかりしていれば間違いはないはず。同じ出身のラシェリールしかり。
「えいやっ!」と訪れてみました。

渋谷から宮益坂を上り、青山学院大学の手前を右折。
ローソンを過ぎたすぐの道、つまりワイン好きの聖地(?)バーガンディとの間の道を右折。
少し進むと右側にドミノピザがあるので、そこを右折。
すると左側にすぐ見えます。

重いガラスの扉を開くとシックな店内。
奥に細長く、ダイニングに入る時にもう一回扉を入ります。
ダイニングは片側ベンチシートで両側に。さほど広くはありません。
ベンチシートの後ろ側は間接照明で、木目調の壁をほんのり照らします。
上からの照明はダウンライトが真白なテーブルクロスを照らし、
それがレフ板代わりとなるのは女性にはうれしい限り。
カーペットもダークな色合いで、大人のスペースと感じます。

オープンキッチンではないけれど、厨房はガラス張りとなっているので、
ディジェスティフのボトルの隙から、シェフはダイニングが確認できるようになっています。
つまりダイニングからも、厨房の雰囲気が伺える、
でもオープンキッチンのように騒々しくはない、ちょうどいい塩梅。

ちょうどデッドスペースに当たるテーブルには、フラワーアレンジメント。
そして、テタンジェの大きなシャンパンクーラーにシャンパン1本と
グラス用の白ワインが3種類ほど入っています。

テーブルには小さなガラスの器に入った、小さなバラの花。
セッティングされたカトラリーは、まだピカピカ。
通常使用するものは、エレガントなテイスト。
ラッキーウッドのティアラシリーズでした。

コンセプトコースである、月替わりの「ムニュ モノリス」をオーダー。

食前のシャンパーニュと共に、「グリーンピースのムース」。
上にはカリフラワーのムース。
口の中いっぱいに広がる滑らかなムース。ブイヨンとクリームが美味…。
これは、これからのお皿に期待が持てます。
黒白のゴマを散らした、チーズストローを添えて。

「蟹のラビオリ」。
テーブルに置かれた瞬間、彩りのきれいさに感嘆。
少し泡だてたバターソースをたっぷりと纏ったラビオリ。もっちりとした生地。
サイコロ状にカットした野菜やサーモンに囲まれて。

「ブーダンノワール」。
テリーヌ状のブーダンノワールが二切れ。海老も添えて色合いもよく。
グリーンピースとエスプーマのソースで。
熱々のブーダンノワールは、豚の色んな部位がコリコリと、食感もよく。

「鰆のポワレとホタルイカ」。
ホタルイカから取ったソースと、トマトのピュレと共に。
付け合わせには、サクっと揚がった春野菜の天ぷら。
淡泊で、しっかりと厚身の鰆。
プチっと弾ける、新鮮なホタルイカ。

「鶉のロースト バニラの香りのソース」。
厨房からいい香りが漂ってきた…と思ったら、大き目のストウブのお鍋がしずしずとやってきました。
蓋を開けてもらって覗き込むと、ちょうどいい具合にできあがった頃。
「お皿に取り分けてまいります」と、ひとまず退場。
フワっとしたバニラの残り香に、期待が高まります。
お皿にきれいに取り分けて登場。
まずは主役の鶉は、しっとりとジューシーなきめ細かい肉質。極上の素材選びのこだわりを感じます。
そして、完璧な火入れに声もなく…。最後は骨までしゃぶって。
手長エビは半身を殻ごと。プリっとした身は、きれいに殻からはずせます。
ガルニは、ホワイトアスパラ、じゃがいも、ニンジン、青菜など。
クラシカルなソースはバニラ棒の香りで、シェフならではのアレンジ。
こんな素晴らしいお皿には、久しぶりに出会ったかも。

「アプリコットのムース」。
アヴァンデセール。
酸味が強いかと思いきや、かなり甘め。食後にガツーンと。

「マンゴーとソルベ アールグレーのジュレ添え」。
グランデセール。
ソルベはアロマフレスカのグラニテもびっくりの酸っぱさ!
マンゴー、ムース、アールグレーのジュレで中和して。

パンは自家製のプチサイズのフランスパンが熱々で。
生地は粉の旨みが感じられる、もっちり感が楽しめるもの。
冷めても美味しくいただけるのは、ポイント高し、です。
お代わりをお願いすれば、別の種類のものが供されるかも知れませんが、
今回は未確認です。

お料理全体、今後も相当期待できる!と確信しました。
彩り、プレゼンテーションはモナリザ出身だけあって女性好みながらも、
基本をベースにしてきっちり、しっかりと作ってあるところが好印象。
このお値段で、このお料理…。コストパフォーマンスが良すぎです。

ワインリストはオーダーしやすい価格帯のものが多数。
高級ワイン好きにはちょっと物足りないかもしれないので、
お食事中心のお店と言えるでしょう。

特筆すべきはサービス料がかからない、ということ。
確かに、さほどこなれたサービスとは言えないので、これからに期待、といったところ。 

帰りは外までシェフとギャルソンがお見送り。
忙しい時間帯なのに、角を曲がるまでずっと。
それって、とても大事!最後の印象が心に残るものです。

この1年くらいにオープンした他店と同様、内装などにあまりコストはかけていないけれど、
それをうまく生かして、料金に反映させているのは素晴らしい。
きっと、近いうちに再訪あり、です。

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6位

サーラ アマービレ (銀座一丁目、銀座、有楽町 / イタリアン)

2回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥6,000~¥7,999

2017/05訪問 2018/01/01

アロマフレスカ的サロン。

<2011年12月>
クリスマス期間の銀座を味わおうと、ディナーはこちらへ。
すでにクリスマスメニューのみとなっていましたが、どんな内容かも興味を持ちながら。

入り口には大きなクリスマスツリー。
テーブル上にはひとりひとりに、ユニセフの素敵なクリスマスカードが。
その中に、メニューが書いてありました。
さすが、さりげなく演出上手です。

最初の一口、二口の前菜は、いつもより食材をパワーアップ。
心に残ったお皿は・・・

「キャビア オシェトラのカッペーリーニ」。
泡のソースはクリスマスらしく、フォークで一口。

「甘鯛のうろこ揚げ 黒キャベツとトリュフ風味」。
皮目のパリっと具合と、トリュフの妖艶な薫りがたまらず!

「帆立貝とピエブルーのソテー きのこのデュクセル」。
フルポーションで食べてみたい、鮮度よく火入れが最高な帆立。

どれも華のあるメニューです。

「タラバ蟹と菜の花のタリオリーニ」。
パスタはさすが!としか言いようがない一皿。
ガツンと王道です。

ドルチェやお茶菓子まで、ゆっくりといただいて、ちょうどいい量。
この日はジャズのピアノ演奏で、ところどころにクリスマスらしい曲を織り交ぜながら。

サーラ・アマービレ「らしい」クリスマスを堪能させていただきました。

ところで、以前から気になっていた1階エントランス。
すでに秋頃(?)から「ミュウミュウ」がオープンしていて、
ようやく、ビルエントランス付近の雰囲気がよくなりました。

<2011年8月>
本当に暑かった一日。
その終わりに、涼やかさ120%のコチラへ。

キンキンに冷えた、青リンゴのようなスプマンテをウェルカムドリンクとしてチョイス。
この日は軽く、小皿のコースだけにしようかと思っていたものの、
少しパスタが欲しくなり、基本コース+パスタ、リゾット、ドルチェの「Menu di Ottima」を。

「オマール海老のパスタ」。
想像通りながら、想像以上。
とびっきりの一皿。

「とうもろこしと牛頬肉のリゾット」。
甘いとうもろこしと、お米。この食感が合うんですね!
さらにほろほろに煮込まれた、ホロホロの牛頬肉がアクセント。
この組み合わせの妙…。すごいです。
少量ながら、満足感の高い一品。
最後までソースをパンで楽しんで。

「桃のドルチェ」。
暑い日のための、冷たい食感を大切に。
こういう一皿が、とってもお得意。

夏の宵の口。
ピアノの演奏が始まる前に退散。
お店選びは大正解でした。

ただひとつ。
お店には関係ありませんが、この「銀座トレシャス」っていうビル。
いつになったら1階の工事中の囲いが取れるんでしょう。
下層階に「ミュウミュウ」が入ることになっているのに、頓挫したまま1年。
さらに、3基あるエレベーターのうち、1基は荷物用と兼用で、
「寄りかかると服が汚れる恐れがある」と書いてあるとは。
テナントのお店は、困惑してるのではないでしょうか…。

<2011年7月>
ふと思い立って予約。最近はそんな使い方。
夜の時間帯は、案外希望が叶います。

夜は、ピアノの生演奏が入り、シャンデリアが映え、
ランチとは全く雰囲気や装いも異なります。
いうなれば、大人のラウンジ、でしょうか。

さて、最近になって、メニュー構成が変わりました。
小皿とバーニャカウダの定番コース5000円。
パスタやリゾットを加えた7500円コース。
パスタとメインを加えた9500円コースができました(すべてウェルカムドリンク付き)。
お料理を選択しやすくなったのは、エラい!

今までは定番コースをいただき、そのあとアラカルトをどうしようか考える、というパターン。
何度もオーダーが入って、厨房の混乱もあったのかもしれません。
今度のシステムは、お店側にとっても突然のアラカルトのオーダーが入るより、
スムーズに仕事が進んで、お互いのためにHappyでしょう。

印象的なお皿をいくつか。

「うなぎとキャビアとジャガイモのフィルム」。
まず一口。これがなければ!

「サマーポルチーニのソテー」。
非常に薫りよく、歯応えも残して。

「和牛のビステッカ」。
お馴染みのお皿がプチヴァージョンで。これってうれしい。

「仔豚のポワレ」。
皮目が非常にパリっとした仕上がり。
パリっと揚げたアーティチョークと共に。

「メロンのセミフレッド」。
お皿のドルチェのレベルは最高。
フルーツ使い、素材選びが本当に上手。

どれも、私にとって焦点がぴったりと合ったお皿ばかり。
やはりシェフの目が行き届いた、完成度の高い味が好き。

今回のピアノ演奏は軽いタッチで、お食事と雰囲気を盛り上げてくれてOK。
以前訪れたときは、時間によって奏者が異なり、ピアノの発表会みたいな選曲も。
自分でも弾けちゃいそうな曲目は、あまり聴きたくなかったりします。

サービスもだいぶ落ち着き、安心して委ねられるようになりました。
色んなアロマフレスカグループでお目にかかったサービス陣がいると、ホッとします。
使い勝手もグッとアップして、このお店…進化中です。

<2010年12月>
このシーズン、集まる機会が多く、ヘビロテ中。
明るい日差しの中、ソファ席やゆったりとしたテーブル席でのくつろぎ感はなかなかのもの。
グループ利用も多く見受けられ、皆さん思い思いにワインをたしなみ、ドルチェの後には足元が…という方も。

初めてコチラのお料理を口にした人々に接すると、皆、一様に感動していて、
こちらもうれしくなってしまいます。
食材の組み合わせや、食感、薫りが大事にされているのはいつものこと。
それは、小さくてもlひとつひとつのメニューの完成度の高さがあるから。
食材のレベルの高さと、新鮮さも、並々ならぬものがあります。
このところすっかり慣れ切ってしまっているので、改めて新鮮な思いです。

印象的なお皿をいくつか。
まずはベスト3。

「車エビのフライ」。
カダイフを纏った海老のサクっと感が病みつきになりそう。

「石川芋のフォアグラ風味」。
ねっとりとしたお芋に絡みつく、濃厚なソースがたまらない。

「真鱈白子の天火焼き」。
ふわふわした白子が香ばしく焼かれ、後を引くのに、もう…ない。

「ズワイ蟹の冷たいカッペリーニ」
「スパゲッティ フレッシュトマトのアマトリチャーナ」
「ボロニチューゼと黒キャベツのタッコツェッッテ」
「十穀米のリゾット フォアグラのソテー添え」。

これらのパスタも秀逸。
どれも、楽しい。

そして、ドルチェの数々はどれを選んでも、ハズレなし。
食後の小菓子も、手抜きなし。

フリードリンクののワゴンサービスが省かれたり、ハーブティーがポットサービスではなくなったり。
そんな変化もあるけれど、やはり優秀なランチであることに間違いはありません。
小皿のみのオンパレードにも慣れてきました。そういうものだ、と。

店内の活気を感じながら、外の青空を眺めながら、至福の時を過ごしました。

<2010年11月>
訪れたのは、急に寒くなった一日。
銀座をしばらく歩いて、体は冷え切っていました。
今回は窓側のテーブル席。
2人で訪れると、90°の角度で座らせてもらえるので、ゆっくり会話をするのに向きます。

スパークリングワインをオーダーし、色々と並べられた小皿をいただくも、体は冷え切ったまま。
ほんとうは、ホットワインや、最初に体が温まる一品があると寒い時期はうれしいかも。

バーニャカウダ
カルパッチョ
うなぎとキャビア
ニョッコフリットと生ハム グアンチャーレ サラーメ
車海老フライ
石川芋のフォアグラ風味
カッペリーニ 帆立貝の冷たいジェノベーゼ
真鱈白子の天火焼き
高坂鶏レバーのムース 胸肉の生姜風味
本日のお楽しみの小皿
スパゲッティー 黄ニラとカラスミのアーリオオーリオ
アンコウとドライトマト、けっぱーのスパッカテッレ
仔ウサギの煮込みと京春菊のタリアテッレ
フォンティーナチーズのリゾット秋トリュフ添え
栗のドルチェ

実は…最後のハーブティーでようやく体が温まった気がします。

この雰囲気や設えとお値段構成は、女子会にはうってつけ。
グループで訪れたとしても、別オーダーをしない限り、幹事さんはラクラク。
アロマフレスカの厨房で作られた、最高のラウンジ小皿の数々。
真冬はどんなメニューになるのか、それも楽しみです。

<2010年8月>
新生アロマフレスカの予約まで、待ちきれない!
というわけで、まずは軽くコチラでランチを。

銀座トレシャスはワンフロアが狭めの、エンピツ型ビル。
エレベーターで12階へ直行。
ドアが開くと、知った顔のお出迎え。
これだけで、ホッと和みます。

店内は窓が大きくて明るく、壁はイタリア大理石を使ったと思われるゴージャス感を演出。
天井には小ぶりのシャンデリアが並び、夜はきっと煌びやかなんだろう、と想像させてくれます。
軽やかなイメージのラタンの椅子のテーブルの席と、ややローテーブルのソファ席と。
ファブリックはベージュとブルーグリーンがスキームカラー。
ソファ席の前にはグランドピアノ。夜の時間帯に奏でられるそう。

ランチはスパークリングワイン、白、赤、ビール、ソフトドリンクのフリーフロー付き。
まずはワゴンでゴロゴロとやってきたシャンパンクーラーの中から、キレのあるプロセッコで喉を潤して。

テーブルには小ぶりのナイフとフォークがレストの上にセットされ、
次々と小皿が登場して、あっという間に賑やかに。

「バーニャカウダ」。
うすーくスライスした彩りよい野菜の数々。
北海道産のとうもろこしの甘みが印象的。
残ったソースはパンできれいに最後まで。

「サーモンのカルパッチョ サルサ バニェット添え」。
オリーブオイルがキラキラと明るく輝くサーモン。
ハーブを効かせて。

「ウナギとキャビア」。
定番中の定番。
というわけで、この一品から手を付けてしまうのは、もう習慣としか言いようがなく…。

「ニョッコ フリットと生ハム グアンチャーレ サラーメ」。
3種類の生ハムの中にパリっと揚げられたフリットが。
生ハムの脂の旨みの違いを食べ比べ。

「ポルチーニ茸のスープと蒸し鶏」。
お猪口くらいの小さなガラスの器に、濃厚なポルチーニのスープ。
蒸し鶏はピックで。
鶏を組み合わせなくても、一口スープとして充分な一品。

「ミモザサラダと焼きパルミジャーノ」。
お花畑のように色んな種類の野菜たち。

「金華豚のソテー」。
シークレットの1皿。
ほんの一片ながら、本日の中で一番印象に残るお味。
赤身と脂の旨みがギュっと詰まった金華豚。
それが口の中に広がる瞬間ったら!

「パン」。
ブルーの手作り感溢れるガラスの器に盛られて。
お馴染みのグリッシーニとゴマのパンは自家製。
そしてバゲットとチャバタは『シニフィアン・シニフィエ』のもの。
特にもっちり、しっとりとしたチャバタが魅力的。

「花咲蟹の冷製カッペリーニ」。
お得意のカニ系パスタは言わずもがな。

「旬魚のフリット 青トマトとライム ミント風味」。
ミント風味の泡に包まれたフリット。
今回のお皿の中で、一番謎めいた印象。
直球ではないメニューを、模索中か…。

「高坂鶏のディアボラ風」。
フォークに刺さったソテー。
鶏だけでも充分美味しいものながら、ソースに技あり。
これも変化球の一品。

「里芋と白トリュフ」。
お芋がトリュフのドレスを纏っている、セレブなお姿。

「スパゲッティ焼きとうもろこしのアーリオオーリオ」。
とうもろこしの甘みが焼くことによってさらに倍増。
アーリオオーリオのソースと主張し合って。

「海の幸のフレーグラ」。
帆立、車エビと王道の海の幸を惜しげなく使った一皿。
直球中の直球。

「仔牛の煮込みのラガーネ」。
幅広の手打ちパスタ、タマネギの甘み、トマトと共に。
スパイスやハーブの薫りが、「らしい」。

「カボチャのリゾット 牛頬肉の煮込み添え ゴルゴンゾーラ風味」。
甘みと薫りの〆リゾット。

「ドルチェ」。
焼き菓子のワゴンか、3種類のお皿から選択。
今回はフレッシュマンゴーのお皿を。
皿盛りドルチェに限っては、完全にフルポーション!
これぞ、『アロマフレスカ』の味。

お茶はハーブティーを。
フレッシュミントとレモングラスは、薫りよく。


ところでフリーフローのワインは、というと、きらりとセンスが光ってる。さすが。
市販価格が1000円台のものと思われるけれど、ソツなく、どんなお料理にも合わせられる、
グラスワインのセレクションとしては秀逸。
もちろん、これでは物足りない向きには、ワインリストからグラスなりボトルなりをオーダーすれば問題なし。

目に付いたのはワインセラー横にずらっと並んでいる、布袋にはいったボトル。
聞いてみると、グラッパのボトルキープだそう。
夜はラストオーダーが1時。そんな使い方もよさそう。

このお店はあくまで、『アロマフレスカ』が展開する、サロン。
フィンガーフードやビンチョスだけでも、全くおかしくないのに、
少量多皿で『アロマフレスカ』の料理が食べられるのは、ラッキー。
お皿によっては、今までになかったような変化球もいくつか。
こちらで果敢に色んな挑戦をして、『アロマフレスカ』のコースメニューに組み入れていく、というのもありでは?
今後の展開に期待が持てます。

特にランチは、この場所で、この内容で、この価格で、このサービスで、
さらにフリーフローとは驚くべきこと。
ソファ席の居心地のよさも、特筆もの。

銀座の新しいカタチのはじまり、を感じました。

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7位

カンブーザ (横浜、神奈川、反町 / イタリアン、ピザ、パスタ)

2回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 ¥4,000~¥4,999

2017/03訪問 2018/01/01

伊太利亜食堂

何度か訪れているけれど、なぜか初レビュー。
たぶん、私にとっては身近な伊太利亜食堂だから。
とはいえ、人気店。
行きたい時に行かれない、もどかしさ…。
予約できる勝率は、たぶん、3割程度です。

開店時間少し前に到着すると、まだ「Close」のサイン。
振りかえると、周囲には待ち人何組か。

順々に案内されて、テーブルへ。
広いとは言えない空間ながら、上手にテーブルを配置して、
ランチでもクロスがかかっているのが、うれしいところ。
センスよいお花が、テーブルを飾っています。

スプマンテをオーダーして、メニュー決め。

トップにチーズをあしらった、「かぼちゃのスープ」が突き出しで。
バランスの取れた味に、期待が膨らみます。

「前菜盛り合わせ」。
ひとつひとつ、実に丁寧に作られた前菜の数々。
特に魚介の新鮮さが群を抜いています。

「ピッツァ」は、お気に入りのリモーネ。
ディナーメニューにあるオリジナルはパンチェッタを使っているけれど、今回は、自家製サルシッチャ乗せ。
パンチェッタよりも、脂多めに感じるけれど、レモンの豊かな酸味で中和されて、どんどん食べ進んでしまう。
でも、パンチェッタの鋭いアクセントがあったほうが、インパクト大で、私の好み。

「トマトとアサリのパスタ」。
お皿が置かれた瞬間。オリーブオイルがフワッと薫ります。
アサリはふっくり、フレッシュトマトはしっかりとした甘みと酸味で、ちょうどいいコントラスト。
パスタはちょうどよくアルデンテ。張りがあって、フォークに巻きつけるのが、難しいくらい。

「大山地鶏のグリル」。
テーブルにはスリムなフォルムのsambonetのカトラリーが置かれて、主役が来るのを待機。
ちょうどいい色に焼けた大山地鶏と、色とりどりの付け合わせ野菜。
皮目がカリっと、肉はジューシー、と火入れが完璧。
ピリっとした塩が利き具合が、絶妙。
野菜たちの甘みが、大地を感じる。

「ドルチェ」はしっとりしたチョコレートのケーキ。
カカオが香ばしく、小ぶりな大きさがちょうどよい。

「カプチーノ」。
クレマがキメ細かく、しっかり。
お砂糖を入れて混ぜても、口にしても消えないキュートなラテアート。
最後まで楽しめました。

グラスワインは楽しいものが、常に赤白3種類くらいづつあり、実際にボトルを見せてくれます。
お値段が書かれているので、気兼ねなくオーダーできるのが、やさしい心遣い。

カジュアルながら、丁寧なサービスもちょうどいい加減。
いつもくつろいでお食事してしまいます。

オープンは今年の4月。
なのに、すでに料理もサービスも安定しているのは、スゴイです。
上り調子の、元気なオーラが店内に溢れている。
そんな、旬なお店。

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8位

カーザ ヴィニタリア (麻布十番、赤羽橋、白金高輪 / イタリアン、パスタ、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/07訪問 2016/01/09

テラス席の幸せ。

<2015年4月>
1階は色んな業態が入れ替わった結果、昨年9月よりBar 和音に。
秘密にしておきたい、そんな空間です。

やはり春はテラス席が心地よいです。
最近はアラカルトでオーダーするのが定着。
新しいメニューを試したり、定番メニューを楽しんだり。

今回秀逸だったのが「オッソブーコ」
骨付きぶつ切りをワイルドに煮込み。
骨の中の髄はゼラチン質で、最後にスプーンで。

アラカルトでシェアしたお皿は、目の前でのゲリドンサービス。
洗練されたプロの手さばきには、いつもながらため息が出ます。

引き換え、お店の雰囲気とテイストが異なるサービスの方もおり、今回は両極端でした。

ともあれ、この空間の心地よさにはいつも惹かれます。

<2012年12月>
9月に訪れた時には、1階にあったワインショップがなくなり、和風のカウンターが。
熱海の茶寮和びが、こちらにオープンするとのお話でした。

今回は既に、「和び」がこちらの1階にオープン済。

1階が和食、2階がイタリアンという特異な業態ですが、
隠れ家的な雰囲気を醸し出しています。

階段を上がると、ほの暗い照明が気持ちを落ち着かせてくれる店内。

スタッフの顔ぶれが若干変わって。でも、違和感なく。

フランチャコルタのしっかりした味わいを愉しみながら、メニュー決め。
いつも、アラカルトに魅力を感じるものの、やはりプリフィクスに。
ほんとうは、メインをアラカルトからチョイスできるとうれしいんだけど・・・と思いつつ。

○バーニャカウダ
○軽く燻したうなぎとキャビア
○蟹のリゾピラフ
○牛頬肉の赤ワインソースとマッシュポテト
○ラディッキオのココット
○アンチョビとガーリックのスパゲッティーニ
○栗のブリュレ


特に!リゾピラフの旨さは、格別。
3種類の蟹の濃いエキスを、お米にギュッ。
ほぐし身は、蟹のジューシーな食感で口いっぱいに。
添えられたラディッキオのココットの苦みは、大人だけがわかる味わい。

いつものお味を、いつものように、日常の延長で。
そんな感じで、素敵な空間を楽しませていただいています。

<2011年11月>
秋のカーザ・ヴィニタリアを楽しみに訪れました。
テラス席は大好きな空間なのだけど、この日はやや寒い上に、窓が全開の模様。
元からあるダイニングに案内してもらいました。

実は、このお部屋に入るのは初めて、
窓側に2人掛けテーブル、奥の壁際には4人掛けテーブル。
座ってみると、低めの椅子が妙に落ち着き、テラス席と遜色ないことを発見。
シンプルながら、少しイタリアンクラシックのテイストのインテリア。
暖炉を模した部分には、キャンドルが置かれ、天井をゆらゆらと照らしています。
各テーブルにもキャンドル、そしてダウンライト。
明るすぎず、暗すぎない、ちょうどいい照度です。

しっかりとした味わいの白ワインのグラスをオーダーして、メニュー決め。
いつも色々と考えるけれど、コースに目が行ってしまいます。
このコースには決めごとが様々。メニューの後ろに記載します。

「バーニャカウダ」。
(シェア)

大きな銀皿にたっぷりの新鮮野菜と、バーニャカウダソースが一緒に載っています。
野菜不足を解消できる、強い味方。

「軽く燻したウナギとキャビア」。
(お好みの前菜はメニューから各人好きなものを)

いつものアロマフレスカのでスペシャリテを、たっぷりと食べてみたかった今回(笑)
ふっくらときれいなウナギ、キャビアと共に堪能しました。
前菜のメニューは、グラタンや煮込み料理系多いよう。

「炙った北寄貝とポロ葱のタリオリーニ からすみ添え」。
(パスタかお米料理メニューからテーブル毎に統一)

手打ちパスタには、オイルベースの優しいソースがよく絡み合う。
北寄貝とからすみのコンビネーションは黄金。

「牛ほほ肉の赤ワインソースとマッシュポテト」。
(セコンドは「本日の」肉料理か魚料理を各人チョイス)

いい赤ワインを、惜しげなくたっぷり使ったと思しき一皿。
ソースのツヤ感が食欲をそそります。
非常に柔らかく煮込んだほほ肉は、赤ワインソースをたっぷりと纏わせて。
赤ワインが進みます。

「ラディッキオのココット」。
(「本日の」と決まっているけれど、希望があればメニュー内の別のものでも)

「本日の」は安納芋だったけれど、ラディッキオを希望。
平べったいスクエアなココットで登場。
ピリっとした塩の効かせ具合が好み。

「シンプルパスタ」。
(口頭で告げられる4種類のメニューから好きなものを。30g、60g。100gの好きな量で)

締めのパスタって、日本人的。
最後にご飯が欲しい国民の気持ちがよくおわかりで。

「フロマージュブランのムースと赤い果実のコンポート」。
(ドルチェはメニューから好きなものを各人チョイス)

真白でまん丸のフロマージュブランに添えられる、ベリー類。
甘酸っぱいソースは、初恋の味?

サービスは一人で受け持つテーブル数が多く、それを見事にこなしているのは素晴らしい。
動きに無駄がなく、ほんとうのプロ。
相当な仕事量のはずなのに、ワインのデキャンタージュは魅せてくれます。
細~く、長~く注ぐ、目を引くパフォーマンスは、固唾を呑んで見守ってしまうもの。

今回も、素敵な時間を楽しませていただきました。


<2011年4月>
看板は消灯、1階のワインショップは、とても柔らかな光。
なかなかセンスのいい節電具合です。

今回も雰囲気の好きな、テラス席にて。

三寒四温の春の朝晩は、冷えるもの。実はちょっと不安でした。
しかし、ストーブもブランケットもあるので、調節可能。
寒さについては、取り越し苦労でした。

メニューを見ると、やはり色んなものが食べたくなり、コースにて。
メインディッシュは、魚料理と肉料理が決められているものの、
別メニューもプラス料金にてオーダーができます。

特に、心に残ったメニューをいくつか。

「和牛みすじ肉の炭火焼 二色タンポポと柑橘のサラダ添え」。
前菜ながら、お肉の美味しさを遺憾なく生かして炭火焼。
まん中で、薄くスライスしてあります。
焼き目は香ばしくパリっと、中はジューシーに。
旨みを噛みしめながら、満足感の高いスターターとなりました。

「十穀米とフォアグラを詰めた鶉のロースト」。
想像通りの姿ながら、想像を超えたお肉とソースの美味しさ。
中に抱え込んだフォアグラの旨みが十穀米に含まれて。
贅沢なメインのお肉料理に大満足。

どのお皿も、必ず満足させてくれるものばかり。
CPのよさは、驚くべきものがあります。

テラス席は、アロマフレスカの時よりもテーブル数が多いため、それに伴って収容人数も増加。
ところがサービスは2人で行っていたので、やや忙しそうな感じを受けます。
しかし、押さえるべきところは押さえられる人材がきちんといるので、
目配りやワインに対しても、安心。
細く長く落とす見事なデキャンタージュは、目でも楽しませていただきました。
サービスは、伝統ある底力を感じます。

<2011年1月>
かの、麻布十番のアロマフレスカがあった場所はどうなっているのか。
初めてのカーザ・ヴィニタリアへ行ってみました。

お店に着くと、テラス席と室内とどちらがいいか聞かれましたが、
迷わず、元アロマフレスカのあったテラス席を選択。
そして、中庭が見えるお気に入りの左側へ。

テーブルも椅子も、以前のものを使用。
この空間の小ぢんまり感と、この椅子の座り心地が好きなんです。
懐かしい場所に帰ってきたような、そんな気分で着席。

ところで極寒のこの日。テラス席を選択するのは、ある意味チャレンジ。
開閉自由の仕切り窓は、閉まっているものの、必ず一ヶ所を開けた状態。
店内には赤々と燃えるストーブがところどころに置かれ、
各席には、ふわっふわのブランケットが用意されていました。

まずはテラス席のみのサービス、ホットワインか、ジンジャーレモネード。
熱々を口にすると、体にじんわりと温まってきます。
冬のみでしょうが、うれしいサービスににっこり。

メニューはアラカルトが充実していたけれど、初めてなのでコースを。
前菜はアラカルトから、それぞれ好きなものを。
パスタ・お米料理メインは本日の魚か肉のどちらかを、テーブル毎に統一して。

まずは噂の「バーニャカウダ」。
大きな銀色のお盆のようなお皿に、クラッシュアイスを敷き、
家庭菜園のようにきれいに並んだ、彩りよい野菜の数々。
ソースはいわゆるバーニャカウダソースか、ゴルゴンゾーラのソースから選ぶことが可能。
どれを口にしても、野菜の甘みを感じるものばかり。
とても最初に全部は食べきれないので、他のお皿をいただきながら、おつまみのように。
でも、どんどんクラッシュアイスが融けてくるので、野菜が水っぽくなっちゃう。
早めにいただいてしまうほうがいいようです。

「リードヴォーと茸 ポーチドエッグ添え」。
熱々のストウブの四角いお皿に、元気のいい茸と、きれいな焼き具合のリードヴォー。
ポーチドエッグを崩すと、元々濃厚なゴルゴンゾーラソースがより濃厚に。
冬にぴったりの、前菜とは言えないボリューミーな一皿。

「蟹のリゾピラフ」。
アロマフレスカのメニューにあったとき、あまりに少ない量でいつも欲求不満でしたっけ。
今回はたっぷりと。
ストウブのお鍋を持ってきて、目の前で取り分け。
最後はパエリアのように、お鍋の底にできたお焦げをガリガリと。
予想通りのお味ですが、量が多いと、より蟹が勝つんですね。
ともあれ、満足です。

「牛頬肉のゴルゴンゾーラソース 冬トリュフがけ」。
プラス料金でトリュフをかけてもらいました。
白トリュフほどでないけれど、ほんのりと。
お肉はとろとろ。
赤ワインソースが定番だけれど、濃厚なゴルゴンゾーラソースでグッと冬メニューに。
この日はゴルゴンゾーラ三昧となりました。

「シンプルパスタ」。
4種類のパスタメニューから、1種類。
お腹と相談して、30g、60g、100gから量を選ぶことができます。
今回は、トマトソースとケッパーのパスタを。
パスタの茹で具合は、焦点ぴったり。
細めのパスタにシンプルなソース。真価がわかります。
〆パスタとして、うれしい一品。

「パンナコッタ あまおう添え」。
限りなく滑らかなパンナコッタに、薫りの立っているあまおう。
黄金の組み合わせに加えて、香ばしいカラメルとカスタードのソース。
素直に美味しい!
予想を超える、ほんとうに満足のドルチェ。

本店と比べると、すべてにピントがぴたりと合ったお皿、というわけにはいかないけれど、
居心地のいい空間で美味しいものをたっぷりと頬張り、そしてワインを愉しむ。
そんな使い方ができるのが、魅力的。

ただこの季節、テラス席だからと言って、どこかの部分を開けておかなければいけないのは、やや疑問。
寒風が常にピューピューと入って来るので、お腹から足元まで、ブランケットにしっかりとくるまってました。
冷えて、風邪ひく人がいないことを願うばかりです。

アロマフレスカグループらしい明るいサービスは、目配りもよく、心地よし。
どのお店に行っても、一定以上の水準が保たれているのが、素晴らしい。

リストのワインは、なかなかに魅力的。
でも今回は、お皿に合わせて、お薦めグラスワインを見繕ってもらいました。
色々楽しめたので、今回はそれが正解。

カジュアルながら、ややオシャレ度が高い当店。
たまに変わった客層がいるのは以前からだったので、それもまた楽し。
半数の予約は当日でもいい、ということは、思い立ってフラっと訪れるのもよさそう。
暖かくなった頃の訪問も楽しみです。

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9位

もり川 (北山、松ケ崎 / 寿司、日本料理)

2回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2016/09訪問 2018/01/01

「味の」もり川

<2008年9月>
新幹線の中で考えました。
「ホテルへ直行するなんて、時間がもったいない!」。で、急遽、予定変更。
京都駅からその足で地下鉄に乗り、荷物を持ったままお店へ直行。

ご近所の年配ご夫婦が帰られてからは、運よく貸切状態。
入口近くの「シェフズテーブル」とも思える席だったので、手元がよく見えて楽しい。
まずは「いつものメニュー」を順々に。

そして、今回初めて「鴨の塩焼き」を。
ロースターで注意深く火加減を変えたりしながら、ようやく出来上がった塩焼き。
噛めば噛むほど鴨の滋味が感じられる、シンプルながら、奥深い味わい。
しみじみと美味しい。

最後にいくつか握ってもらった中では、近海(淡路島)の雲丹が秀逸。
ミョウバンを使っていない、新鮮な雲丹。
飲み込んだあとも、口の中にまったりと残る旨味だけで、お酒がいけちゃいそう。

駆け付けた甲斐がありました。
今回も、美味しいものをたっぷりといただき、大満足。

<2006年9月>
やはり京都滞在の際には足が向いてしまいます。
まだ鱧もあり、さらに松茸が出ていて、両方を味わうことができました。
今回も極上の鮒寿司があり、立山の冷酒と共に。
旅の始まりの日なので、お酒は控えようと思ったものの、
そんな決意はどこへやら。

<~2005年12月>
駅から10分ほど、住宅街ではありますが、周りに畑もあるのどかな場所。
看板には「味のもり川」と書いてあります。
大将は以前松鮨におり、その後独立。
1階が店舗、2階が自宅のようです。
入って手前はカウンター席、奥には個室があります。
ピリっときれいに磨かれている店内は、大将の姿勢が感じられます。

普通の鮨屋のように、ネタの入ったケースが目の前にあるわけではありません。
献立は季節のものが多数。
まずは、鮒寿司などのつまみや季節の薄作りなどをいただき、
蒸し物、焼き物などなど。
お通しからして、どれもがいい仕事をしているものばかり。
特に、とこぶし煮に山椒を添えたものは美味。
蒸し物などの出汁もよく、どれも日本酒によく合う。
最後に何か握ってもらうのですが、ネタはどれも最上。
通常のネタに加えて、季節によっては加茂茄子の握りなどもあります。
もちろん京都ならではの鯖棒鮨は極上。
そのままいただくのもよし、半量は網で炙ってもらうと、
鯖の脂がシャリに回り、また違った愉しみが味わえます。

客層は地元京都のきちんとした風情の常連さんがほとんど。
さらに東京の築地の人々が新幹線に乗ってでも訪れるという話は聞きました。
初めて訪れた時は、無口で気難しそうな大将とは、あまり会話は
できませんでしたが、何度か通ううちに気軽な話もできるように。
偶然、おせち料理も作っていると聞き、この何年かは大晦日に届くよう、
配送してもらっています。
京都の料亭のおせちなどの比べたら、全く地味ですが、さすが「味のもり川」。
食べて本当に美味しいおせちです。
なかなか、こんな美味しいものには出会うことができません。
家に居ながらにして、こちらのお料理を堪能でき、
満足この上なしのお正月が迎えられます。

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10位

ラシェリール (白金高輪、白金台、広尾 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999

2013/04訪問 2013/05/06

店名のとおりに「深く愛して、慈しみたい」、そんなお店。

<2011年11月>
いつ訪れても、店内はキリっとした清らかな空気感。
白い内装の店内を、いつも完璧に白く。
当たり前のことながら、感心しきり。
そう、ここはシェフとマダムの、お家。
素敵なお部屋に、お招きされているような、そんな気さえしてきます。

「カリフラワーとにんじんのムース」。
ねっとりしたにんじん部分、フワっとしたカリフラワー部分。
中には海老が隠れています。
ディナーの始まりに相応しい、小さなお楽しみ。

「牛タンと彩り野菜のモザイク仕立て サラダ添え」。
色んな野菜と牛タンをダイスにカットしてきれいに並べられ、テリーヌ型でゼリー寄せ。
カットした断面は、まさにモザイク。
周囲のマスタードソースは、コンパスで描いたような、まあるいライン。
お皿の柄と見まごうほど
野菜の歯応えはシャッキリと。
ピリっとした塩の振り具合は、しっかり目。
スパイス使いや牛タンの主張は、赤ワインとも相性ぴったり。

「ヒラスズキのポワレ」。
皮目を香ばしく焼きあげたポワレ。身はふんわりと。
オリーブを使ったソースとの相性も抜群。
斜めにサーブされるのは、シェフの美意識でしょう。

「ヴァンデ産ウズラのフォアグラ詰め シンプルなジュ」。
大好きなシェフのスペシャリテ。
このお皿が食べたくて、このコースに。
悩ましいポーズの、きれいな焼き色のウズラちゃんと再会。
スライスすると、中にはフォアグラが。
う~ん、タメイキ。

「クレームキャラメル マロンアイスクリーム添え」。
これもまた、私の大好きなものだけが一皿になったデセール。
限りなく滑らかなクレームキャラメルのほろ苦さ。
まろやかなアイスクリーム。
くるくるっとした飴細工が、アクセサリーのよう。

マダムのサービスは、お店が熟成していくにつれ、さらに磨きがかかっているような気がします。
お皿を置くとき、グラスを下げるとき。
自然なのに美しい所作は、指先に至るまで。

シェフのお料理は、美しい上に、完成度が高いもの。
季節ごとに変わるものの、スペシャリテはいつもオンリスト。
魔法にかかったように、私はリピートしたくなってしまうのです。

<2010年11月>
今年中に、必ず訪れたかったお店。
ようやく機会が巡ってきました。

いつものようにポル・ロジェをグラスで。
すっきりとしたキレの良さに、体中の味覚が目覚める感覚。
目が覚めたところで、小さなお楽しみを。

「にんじんのムース」。
ムースとは言っても、ふわふわしているわけではなく、しっかり、ねっとり。
一番下には海老が隠れています。
シャンパーニューにぴったりのアミューズ。

「豚頬肉のコラーゲン パートフィロ焼き サラダ添え」。
パートフィロの内側にはミントを敷き詰めて、まるで葉っぱ柄のよう。
実にきれいにお皿に描かれたグリーンのソース。
サラダは、野性の味がする野菜達。
パートフィロ包みには豚の色んな部位がコロコロと入っていて、食感が楽しい。

「フォアグラとオマール海老のキャベル包み トリュフソース」。
まあるくキャベツで包んだフォアグラとオマール。
トリュフソースが濃厚で、コクを追加。
ピリっと感じる塩がスパイシー。

「アイナメのポワレ」。
きれいで、ちょうどいい火入れのあいなめ。
ガルニの彩りが、とてもきれい。

「青首鴨のロースト サルミソース」。
鴨の色んな部位をきれいに盛り付けて。
鴨から取ったソースは、トロリと艶やか。
王道のジビエです。

「チーズ各種」。
ちょうど食べ頃のものをいくつか。
状態もよく、チョイスするのが大変。

「栗のバヴァロワとアイスクリーム ショコラのクーリ」。
栗三昧。
大好きな味のオンパレード。

どのお皿も、非常に丁寧で、完成度の高いものばかり。
最近、コロコロと変わるメニューのお店も多いけれど、定番メニューを完璧に仕上げてあるのは、すごい。
シェフの自信が窺える。
創造性の高いお皿、クラシックなお皿、どちらも素晴らしいということは、
基本がほんとうにしっかりしているということ。

加えて、サービスによって、完璧な100%のお料理が120%に。
そんなサービスのできる資質をお持ちのマダム。
最高のパートナーが造り上げた素敵なお店に、改めて乾杯!

<2008年12月>
「最後の晩餐」、というわけではないけれど、今年最後のディナー。
お店選びは少々悩みます。

①もちろん美味しい!
②ある程度行き慣れている。
③ココロがくつろげる。
④暗がりではない(適度に明るい)。

そんな条件で、紆余曲折しながら決定したのが当店。
寒風の中、ようやく到着。シェフ、マダム、スタッフの方に迎えられて。

グラスシャンパーニュと共に「小さなお楽しみ」。
小さなグラスに入ったアボカドのムース。
きれいで、優しい。
冷えた体が温まってくるのがわかります。

「牛タンと冬野菜のモザイク仕立て インゲンのサラダ添え」。
とても彩りがきれい。
さらに、優しいだけでなく牛タンの力強さも。

「アマダイのポワレ」。
鱗を逆立てて、薫り高いバターでポワレ。
皮目のパリパリ感が新しい驚き!
そして白身のしっとりとした上品さは火入れが素晴らしく、ベストな状態。
食感の違いが、コンビネーションになることで倍増。
ヴィネグレットのソースは素材を引き立てるもの。
新たなるスペシャリテの登場でしょうか。

「ドンブ産ウズラのフォアグラ詰め シンプルなジュ」。
こちらはいつものスペシャリテ。
これが食べたくてこのコースを選択したほど、大好き。
こんもりとふくよかな身から、2本の脚が「ウフ~ン」のポーズ。ちょっと色っぽいです♪
こちらもベストなコンビのウズラとフォアグラ。
肉の旨みをじっくりと堪能して。

「バジルシードとコーヒーのムース」。
口の中をさっぱりとさせてくれる、アヴァンデセール。

「クレームキャラメル アイスクリーム添え」。
滑らかなクレームキャラメルとアイスクリームに、クルクルっとした飴細工を添えて。
なんて上品でコクのあるデセール。

トレイから選ぶ、食べ頃のチーズと共に、残ったワインを。

クリスマスも終わり、落ち着きを取り戻したようなダイニング。
いつもカサブランカが素敵に飾ってあり、夜の時間帯は時々香りを放ちます。

お料理はいつもながら、美しく、とても丁寧な作り。
火入れ、塩の使い方、すべてがとてもよいコンディション。
そして口にして、シンプルに美味しいと感じられるお皿ばかり。
実はこの日あまり食欲がなかった私が、最初から最後まで大満足でした。

いいお店で今年を締めくくることができました。
そんな満足感を胸に、来年を迎えます。

<2008年8月>
夏にフレンチって、何だか重くて敬遠してしまうものですが、
こちらは夏にもお似合いの、フランス料理店なのではないでしょうか。
明るい陽光が降り注ぐ、白を基調とした明るい店内。
グラスシャンパンはキリっとキレのある、ポル・ロジェ。
改めて思いました。

今回のお料理もすべて、五感をたっぷりと楽しませてくれました。

「ズワイ蟹を加えた赤ピーマンのバヴァロワ カネロニ仕立て 
トマトノクーリと共に」。
なんと美しい一皿!ナイフを入れてしまうのを躊躇してしまうほど。
ズッキーニで丁寧に巻いた赤ピーマンのバヴァロワ。
マイクロトマトがちょこっと乗っているのが可愛らしい。
美味しいものはたっぷりと、目にも舌も楽しませてくれる、
そんな一品でした。

「鮎のポワレ」。
鮎を3枚におろして、バターでポワレ。
独特の薫りも生かして、食感もよく。

「ドンブ産ウズラのロースト エクルヴィスを加えたジュ」。
ウズラの様々な部位をそれぞれ楽しめる。
ヤングコーンや枝豆、海老も添えてあって、彩りもちゃんと考えられています。

「セレクトショコラのムース ナッツの香り ソルベ添え」。
ムースと添えてあるパイ生地の食感を楽しみながら。
さわやかなショコラの味わいは夏でもOKなデセール。

「美しい」店内で「美しい」マダムのサービスと、
「美しい」お皿の数々を楽しませていただきました。
素敵な時間を過ごせる、小さなお店はとても居心地よく感じます。

<2007年11月>
こぢんまり系のフレンチレストランは結構好きです。
大抵がシェフとマダムの2人でやっているところが多く、場所は住宅街。
そんな街の風景にに溶け込んだお店は、とても居心地よく感じられます。
こちらもそんなお店のひとつ。
どこの駅からも離れているけれど、通ってしまいたくなるような魅力を感じます。
目の前がコンビニですが、うまく造ったエクステリアのおかげで店内からは気になりません。

扉を開けると、笑顔でマダムが迎え入れてくれます。手が空いていればシェフも。
ダイニング全体は白が基調ですが、アイボリーなので温かさを感じます。
丸テーブルが2つ、あとは2人用テーブルが5つ。
窓の部分が広いのでランチは陽光明るく、ディナーはダウンライトでシックな装い。
ダイニングの奥にはカサブランカを主体とした立派はお花が飾られ、
華やかさを添えています。

グラスシャンパンはポル・ロジェ。
すっきりとキレがよく、軽やか。

まずはアミューズの「ブーダン・ノワール」。
ほんのりと温かく、ウエルカムの気持ちが伝わります。
りんごを添えて。
きちんと心に残る美味しさ。

「季節野菜のマリネ スパイスの香り ツブ貝のソテーと共に」。
白いお皿に、彩とりどりでたっぷりの野菜たちとツブ貝。
目の前の置かれてしばらくは芸術的なお皿にひとしきり、うっとり。
野菜の甘みを壊すことのない、マリネの味付け。

「海の恵みのスープ 帆立貝添え」。
甲殻類や魚介の旨みがみっちりと、でもToo Muchでない絶妙な加減。
ルイユも浮いていて、味とコクを添えています。
帆立貝が入っていなかったとしても、充分に堪能できる一品。

「蝦夷鹿のポワレ フランメール風 ポワヴラードソース」。
鹿の内腿の一番柔らかい部分のポワレ。
ピリっとスパイスが効いていて、濃厚なソース。
これはしっかりとした赤ワインとぴったり。

「クレームキャラメル アイスクリーム添え」。
濃厚でなめらかなプリンと、キャラメルのアイスクリーム。
苦みばしった大人の味。

こちらのお店の魅力のひとつが、笑顔の素敵なマダム。
女性の目から見ても「こうありたい」と思わせてくれるような、チャーミングなお方。
活き活きとダイニングを取り仕切って、目配りも行き届いています。
ワインのご相談もマダムに。
リストの種類は多くありませんが、まんべんなく選び抜いたものが揃っています。

さらにどのお皿も、彩りよくきれい。
美しく素直な味には、ホッと安心できます。
実力派シェフのセンスですね。

大人のカップルが、美味しいものを楽しむのに最適な空間。
居心地のいいお店をまた1軒見つけました。

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