ペスト・ジェノベーゼ星人さんが投稿したコート ドール(東京/白金高輪)の口コミ詳細

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ペスト・ジェノベーゼ星人 (東京都) 認証済

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コート ドール白金高輪、三田、田町/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.3
      • |CP 4.3
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2023/08 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.3
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

立花隆『青春漂流』/上田秋成『雨月物語』/太宰治『葉』

立花隆といえば、政治や科学の分野で活躍したジャーナリストだが、
私にとっては『青春漂流』の人である。
挫折から立ち上がった11人の若者たち。
立花隆の筆はそれを鮮やかに描く。

取り上げられた人物は、稲本裕(オークビレッジ塗師)、村崎太郎(猿まわし調教師)、
田崎真也(ソムリエ)など。その中の一人が、斎須政雄シェフである。

フランスからの帰国が決まったとき、日本国中の美食家たちが狂喜乱舞したというが、
『青春漂流』の果たした役割は小さくないだろう。

私も読後に「いつかは斎須シェフの料理を味わってみたい」と思いつつ、時は流れた。
今回、機会があり、ようやくこちらのコートドールにうかがえる事となった。


『青春漂流』での書かれ方だが、「天才ベルナール・パコーは、食材を前にインスピレーションで料理を作り上げる。斎須は料理は芸術だと知らされる」といったものだったと思う。

しかし私がフレンチの知識が無いにしても、コートドールはそういった店でない様な気がする。
シェフ自身の著作である「調理場という戦場」「十皿の料理」を読めばいろいろ理解できるのだろうか。
そういや「ほぼ日」でロングインタビューがあったっけ。それも助けになるだろうか。

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初めての人に会うのは緊張するものである。
緊張を解くためには何が一番効果的か?

アルコールである。

しかし待ち合わせの時間に対しずいぶんと早く出たのだが、
居眠りで乗り過ごしてしまうという失態。
挙句の果てに電車が遅れる。

白金高輪の駅に到着したのが、待ち合わせ時間の10分前。
蒸し暑い。私はそんななか、全力疾走。汗だらだらで店に直行。

待ち人はこんな状況を「人間エチュべ」と表現したが、
アルコールを飲んでいる私は実のところ「人間酒蒸し」である。


……ふー、なんとか待ち合わせの予約時間に間に合った。
私は遅刻をしたことがない。
遅刻をしたら腹を切ろうと決めているからだ。

上田秋成が書いた『雨月物語』という、江戸時代後期の小説がある。
約束の時間に間に合わない宗右衛門は、左門に会うため、命を絶って霊魂となって会いに行く。
約束とはそういったものである(ちなみに私のかみさんは、時間より前に来たことがない)。

秋成はこの作品を、剪枝畸人というペンネームで書いている。
彼は5歳の時に疱瘡にかかり、その後遺症で指が短い。
自分の容姿を笑いつつも、気概を忘れなかった人なのだろう。

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念のためジャケットを持ってきたのだが、
入店時に黒服が「預かる」というので渡してしまった。
私は最初から最後まで、ポロシャツというラフな姿であった。
結局一度も袖を通すことは無かった。走ったから、暑いし。

店の格にしてはドレスコードが緩いが、
そういえば斎須シェフの姿はポロシャツが多いので、あまり言えないのであろう。


■お勧めコースを注文

・赤ピーマンのムース
・時不知の燻製コリアンダー添え
・梅干シソのクリームスープ糸瓜を浮かべて
・平目ムニエル エシャロットソース
・国産牛テールの煮込みワインソース
・ココナッツのシャルロット
・カフェ


今の私では、この料理を表現するすべを持たない。
それでも、下卑た表現が許されるならば、ここはべら棒に美味い。
美味しさはネゲントロピー。

しかし、今後行くべき店を倣い、美味しさの表現を習う方法がある。
先人があらゆる店に通い、食べログに記録を残し、その評価が点数で表示されている。
足跡をたどり、良さそうな店を次から次へと巡っていけばいいのである。

それは太宰治『葉』の一文に集約できる。
「われは山賊 うぬが誇をかすめとらむ」と。

2023/08/10 更新

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