2回
2022/06 訪問
中華料理界の天才が紡ぐ香りの展覧会
遅ればせながら、行って参りました。
ヌーベルシノワ界で最もホットなこのお店。
ディナー2回転にお邪魔。
下調べとしてフォロワーさんのレビューを予習。
パッと見たところ、賛否両論入り乱れ、高点数もあれば低めの点数も見られる。
お値段設定に対し、どう感じるかが分かれ目の様子。
ただ、現実として予約が取りにくいのは確かで、今回もOMAKASEの予約日リロードアタックで何とか滑り込んだ。
中華料理は経験が少なく、まだ手探り状態。正直フレンチ、鮨、イタリアンの方が好みであり、大好きなお酒と楽しむイメージは無かった。
白金の地に構えたこのお店、小綺麗なカウンターに、明るい雰囲気のライティング。
店構えからは、イタリアンが供されても驚かない。
ビルの2階エレベータを降り、角を曲がるとカウンターの端の席に案内された。
ワインペアリングを注文し、しばしくつろぐ。
時間になると、いっせいに料理が並べられる。
はじめの春巻きから、言葉を失った。
ごめんなさい、中華料理を見くびっていたかもしれない。
こんなにも繊細で香り豊かなのかと。
食材、調味料は中華料理のそれだが、細やかな香りを重ね合わせるその手法はフレンチ、イタリアンとも通ずる。
かのアロマフレスカ、原田シェフの料理に感じた香りのハーモニーを、この篠原中華にも見いだすことが出来た。
これだけ香りが豊かであれば、ワインでそれらを更に引き上げることもできるだろう。
案の定、ペアリングはとても練られており、ワインだけでなく、日本酒、紹興酒などともマリアージュし、至高の味を作り上げていた。
最後のデザートに至るまで、90点以上品々が並び、久しぶりに食事で感動を覚えた。
中華って奥深い。
批判する気満々で訪れた自分が、かくも容易く魅了されてしまうとは。
確かにコース+料理でひとり6万円越えは、インフレ絶賛進行中の日本といえど、高めに感じてしまう。
しかし、値段を気にしながら食べる料理ではなく、むしろペアリングも積極的にお願いするのが良いだろう。
少なくともこの御代を支払うだけの価値は十分に感じられた。
2022/06/21 更新
白金台駅から歩いて5分ほど、小さなビルの2階にお店は構える。
エレベーターを上がるとそこはすでにお店の中。
いかにも白金といった綺麗なお姉さんが店内へ案内してくれる。
4名ほどの個室と真っ直ぐなカウンター、その奥に厨房が覗かれる。
席に着くと、シェフからのメッセージカード、その裏には本日のメニューが記載されている。
ドリンクはアルコールペアリングを注文、まもなくシャンパーニュが運ばれてくる。
篠原シェフが一組一組に挨拶にまわり、料理が開始される。
前菜はフカヒレの春巻きから始まる。キャビアと熟成コンテチーズが盛られたこちらのスペシャリテ。
中は熱々で、初見ではヤケド必至。
注意しながら手掴みで少しずつ頬張り、シャンパーニュの流し込むと、この上ない至福の時間。
その後餃子や干し鮑、深い思い入れが感じられる鶏料理など、どれも中華ならではの調味料を駆使し、至極の味わいをもたらしてくれる。
ペアリングはワインだけではなく、日本酒、紹興酒、シェリーなど、一品一品に合わせて提供される。
〆には炭水化物三種。ラーメン、チャーハン、太麺のうどんの様なもの。量をあらかじめ調整してくれるので、か細い女子でも安心。
うどん以外どれも町中華には必ずある品だが、こんなにも違いを作れるのかと感心。
デザート、最後の一口の生月餅まで、まるで欠点が見当たらない完璧な味のオンパレード。
味に魅了されました。