8回
2020/06 訪問
鳥のように舞い 田中のように刺す 6
久方ぶりの鳥田中さん。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4〜5月は営業を自粛されていたそうな。営業再開に伴い、またもや安定の他力本願プレーで貸切の酒宴に混ざらせていただきました。
挙げ句の果てにはレビューにつきましても他力本願。まああくまで備忘録的なアレとして、ひとつご勘弁をば。
おまかせコース 5000円+税
◇愛知鱧・万願寺唐辛子・賀茂茄子の揚げ出し
◇刺し盛り(瀬戸内イサキ、マダイ、メイタガレイ、シマアジ)
◇京都七谷鴨ロース・ハツのロースト
◇根室ムラサキウニ 鹿児島黒さつま鶏と丸鶏のコンソメジュレ掛け
◇島原養殖スッポン玉子豆腐のお椀
◇串物 七海谷地鶏 振りそで
◇七谷地鶏湯引き(レバー、ハツ、砂肝、脾臓)
◇七谷地鶏胸肉黄身醤油和え
◇串物 つくね
◇自家製漬物盛り合わせ
◇七谷地鶏叩き(もも肉、むね肉)かんずりソース
◇串物 鹿児島黒さつま鶏レバー
◇七谷地鶏と徳島クレソンのすき焼き
◇無花果と日本酒アイス
◇串物 はつもと
◇串物 ズッキーニ(白トリュフ塩、茗荷味噌)
◇プリン
↓追加のお品
◇串物 背肝
◇串物 袖もと
◇串物 はらみ
◇串物 ぼんぺた
◇串物 おたふく
◇串物 ソリレス
◇坦々麺 冷製
◇丹波地鶏のそぼろ丼
↓ドリンク
◇サッポロ黒ラベル 中瓶
◇焼酎ハイボール
◇お茶ハイボール
◇花陽浴 純米大吟醸
◇磯自慢 青春 純米吟醸
振り返ってみても相変わらず圧巻のコース内容。めくるめく鶏料理は勿論のこと、スッポンやウニまで味わえる至福。新作の冷製坦々麺も完成度高かったなあ。
また、以前頂戴した自家製豆腐との組み合わせの時点で、その非凡さに舌を巻いていた鶏そぼろ。ようやく丼仕様にありつくことができました。パサつき皆無のしっとり鶏そぼろ×とろーり温玉とご飯の相性は言わずもがな。官能的な美味しさにうっとりしてしまいます。
インパクト的にはついつい鶏そばや親子丼を選択してしまいがちな中で、〆のそぼろ丼も(勝手に)胸を張っておすすめいたしますよ。
そしてアルコールメニューも訪れる度に変態度が増している印象。当方の地元埼玉の銘酒花陽浴は純米大吟醸を1合1200円で飲めたのもありがたかったですし、十四代に至っては純米吟醸と米焼酎をダブルセレクト。(十四代の米焼酎は、同行者様がロックで発注されていたソレをちょっぴり味見させていただきました。
今日も鳥さんと田中さんのコンビネーションに無事ノックダウン。こんなご時世、まだまだご苦労も多いかと存じますが、心より応援しております。
2020/07/06 更新
2020/02 訪問
鳥のように舞い 田中のように刺す 5
なんやかんやで二月に一回ぐらいのペースでお邪魔している鳥田中さん。予約合戦につきましては、相変わらず他力本願で申し訳ございません。
コース4000円→5000円に値上げされたものの、相も変わらず圧巻のパフォーマンス。
丹波地鶏に加え、七谷鴨や鹿児島県の黒さつま鶏を布陣に迎え、更なる飛躍を遂げていらっしゃるような。山菜等々を打線に組み込んだ、春の訪れを感じるコース構成も素晴らしかったなあ。
あとモッツニスト的には珍し稀有な脾臓に巡り会えた点も嬉しく。存外クセなくトロけ感が特徴的だったでしょうか。
◇ちりめん山椒
◇アオリイカ(生カラスミ、木の芽のせ)、ワラビ、タラの芽、セリ根の天ぷら
◇天然ワカメのしゃぶしゃぶ仕立て
◇お造り 青森産アイナメ&ヒラメ、北海道産ウニ
◇七谷鴨のロースト
◇鶏スープ 白味噌仕立て
◇串物 鹿児島県黒さつま鶏 せせり
◇湯引き レバー、ハツ、砂肝、脾臓
◇串物 丹波地鶏 つくね
◇丹波地鶏 黄身醤油和え
◇丹波地鶏 もも肉・むね肉叩き
◇串物 丹波地鶏 レバー
◇自家製漬物盛り合わせ
◇焼き筍・よもぎ麩
◇丹波地鶏 すき焼き
◇茎わさび漬け
◇プリン
追加のお品↓
◇串物 ソリレス
◇串物 おたふく
◇鶏雑炊
◇親子丼
※他にも銘々に追加されていましたが、当方が少しでも食した物のみ記載。
ドリンクは平常運転のサッポロ黒ラベルからの焼酎ハイ、お茶ハイ、三岳ロック。さらに銘酒の数々は勿論のこと、同行者様が発注されたワインまで頂戴してしまう贅の極み。
ただ以前に比べると、ほんの少しコース全体のボリュームが控え目になった気が微レ存?
というか単純にお食事メニューが付属しなくなったんですね。デフォルトの串物の本数も減じられた模様。
とはいえその分トータルの品数(しかも一品ひとしなの手の掛け方が異常)自体はプラスされていますので、精神的な満足度は十二分。足りないお腹の分は追加発注すれば良いだけのことさ。
今更改める必要もなく、つくづく末永く通いたいお店です。他力本願プレーを心掛けつつも、いつかは半常連ぐらいのポジションに収まれますように。
鳥さんと田中さんにおかれましては、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2020/03/24 更新
2019/11 訪問
鳥のように舞い 田中のように刺す 4
予約困難に次ぐ困難ですっかり遠い存在になりにけりな鳥田中さん。それでも当方がたま〜にお邪魔できているのは、さる高貴なお方のお力添えが故。ほんと感謝しております。
ちなみに10月からは完全コースオンリーになられたそうです。気軽に寄って一杯飲んで帰るのが好きな当方的にはますますさびしみではありますが、これだけの高パフォーマンスを保たれるには仕方のないことなのでしょう。
さて、そんなネガティヴ君にはご退席いただきまして、今宵は初のお座敷限定での鶏鍋三昧。店主さん曰く鶏鍋は何日分だかの鶏スープを濃縮しまくっているそうで、即ち鶏鍋をいただけるのも数日に一度というとりわけレアリティの高いコースなんですって。
あいにくお座敷のお写真を撮り損ねてしまいましたが、親戚宅の一室感満載で、すこぶるくつろいで過ごせること請け合い。襖を開けるとあらわれるお手洗いも隠し扉チックで子ども心をくすぐります。そもそも厨房の一角を通って入室するスタイルもちょっとした隠れ家気分を味わえますし。
そしたら各お品について今更いちいちあーだこーだ語ったところでアレですので、もう是非各自で頑張って予約して実感していただきたく。(数年前に某機構でもLET’S 省 TIME!なんて謳ってましたからね。
◇サッポロ黒ラベル 中瓶 650円
◇焼酎ハイボール 500円
◇お茶ハイボール 500円
◇三岳 ロック 500円
◇磯自慢 本醸造 酒友 900円
◇黒龍 吟醸 いっちょらい 850円
◇秋鹿 純米吟醸ひやおろし 950円
◇作 純米吟醸 穂の友 850円
◇東洋美人 純米吟醸 50 850円
◇醸し人九平次 純米大吟醸ed 1200円
※日本酒は複数人でシェア。少なくとも当方が口にした物のみ記載。(間違ってたらごめん。
◇先付 菊菜と海老芋の炊き合わせ
◇刺身 肝付オコゼ、ウチワエビ
◇焼肴 七谷鴨と鴨ハツのロースト
◇揚物 丹波地鶏手羽中素揚げ 山葵タルタル添え
◇内臓 丹波地鶏 砂肝・肝・心臓・白子湯引き
◇肉 丹波地鶏の黄身醤油和え、丹波地鶏ももと胸肉叩き
◇串物(丹波地鶏と七谷地鶏) レバー、胸肉、牛蒡巻き、笹身山葵、おたふく、背肝、ソリレス ※追加串含む。
◇食事 丹波地鶏 濃厚白湯水炊き
◇食事2 鶏雑炊、漬物盛り合わせ
◇甘物 プリン
お初の素揚げは軽やかな食感で最高に美味しかったなあ。タルタルもそれだけで素晴らしいお酒のおともになりまする。
また、鶏の白子も人生初体験。ザッツ濃厚な口当たりで正に生命(いのち)をいただいてることを実感させられます。
そして鶏鍋だけには触れておかねば死んでも死にきれません。もはやポタージュ化しているトロトロクリーミィなお出汁をまずは何も加えずに鶏スープとして頂戴しますと、そのあまりの滋味深さにただただ悶絶。
そこにお肉や様々なお野菜が加わっていくことで、ますます複雑な味わいが折り重なっていきます。味付け自体は敢えての薄めに抑えられており、鶏プラスその他具材の豊かな風味がダイレクトにぶつかってくるが如く。ラストの鶏雑炊まで余すところなく完食いたしましたよ。
いやはや、絶望的な表現力の乏しさに辟易してしまいます。重ね重ねも是非とも各々で実食・翌日コラーゲンでお肌プルプルを体験していただきたく。
しかしウィークデーなのにちょっぴり飲み過ぎたかしら。お会計も当社比最高額を記録してしまいました。まあでも心はさながらわが生涯に一片の悔いなし。
明日からまた節約人生で次回の鳥田中さん(当てはなし)に備えます。全ての鳥と田中さんに感謝して、ご馳走様でした。
2019/11/27 更新
2019/05 訪問
鳥のように舞い 田中のように刺す Ⅱ
2019年5月某日再々訪。
あまりの予約困難ぶりになかなかリピート機会がなかった中、なんとさる高貴なお方よりびっくり仰天なお誘いをいただけたではありませんか。
「鳥田中さんでカウンター貸切の宴会を開こう」
いやはや、あの予約合戦を勝ち抜いたどころか、貸切の約束まで取り付けられたさる高貴なお方にはほんに感謝しきりです。心より御礼申し上げます。
ということで今回はお任せコース4000円でのご案内。その至極の内容をご紹介致します。(でも再訪なので軽めにね。省エネとかでは決してございません。
とりまドリンクは記載のみで。
◇キリン ラガー 中瓶 600円
◇焼酎ハイボール 480円
◇お茶ハイボール 500円
◇東洋美人 純米吟醸50 850円
◇ルーデュモン キュヴェ タガミ(赤)フルボトル 6500円
ここからコースの始まり。
◇京鴨のすき焼き 粟麩とクレソン 和山椒を添えて
前回に引き続き、相変わらず高クオリティの京鴨。鴨のお出汁を吸った粟麩と和歌山県産クレソンの清涼感。奈良県産和山椒もビシビシ味を締めてくれてすんばらしい。
◇お造り盛り合わせ(マコガレイ、アオリイカ on the ムラサキウニ、イサキ)
何方様も熟成具合が理想的。アオリイカに乗せられたムラサキウニも舌の上でとろけます。本山葵を採用されているのも嬉しけり。
◇天ぷら盛り合わせ(丹波地鶏、車海老しんじょ、佐土原茄子)
丹波地鶏の鶏天はあっさりの中に確かな鶏の旨味がナイス。しんじょのぶりんぶりんな海老海老しさに、佐土原茄子のジュワッとジューシー感も特筆物。つくづく和食店顔負けの出来栄えです。
◇京鴨のロースト アメーラトマト添え バルサミコ酢で
しっとり食感がたまりません。鴨の上品な脂をバルサミコ酢が引き締めてくれます。
◇鶏スープ 鶏つみれ入り
何とも滋味深い鶏のお出汁。殆ど加塩されていないのに満足感が半端なし。
◇鱧の湯引き 自家製ポン酢ジュレがけ
走りの鱧を酸味強めなポン酢ジュレで。添えられた梅ペーストの存在もニクいです。
◇湯引き 盛り合わせ(レバー、ハツ、砂肝、胸肉黄身醤油漬け)
◇炙り焼き叩き 盛り合わせ(もも肉、胸肉)
◇自家製漬物盛り
ここら辺は以前の投稿をご参照ください。モチのロンで最高でしたぜ。ぬか漬けマイスターも思わずにっこり。
以下、串物。
◇ささみ
◇レバー
◇手羽先
◇アスパラ
◇つくね
今回もレバーが臭み・苦味皆無の理想的状態であったことに歓喜。ささみもお口の中でフワホロっとほぐれますし、地味に旬のアスパラも丸々太っていてグレートだったなあ。
その他、各々追加でソリレスやらぼんじりやらおたふくやら発注されていましたが、数に限りがあったために再訪組の当方はスルー。あ、でも一口いただいたおたふくの内臓脂肪由来の強烈な旨味はやはり恐ろしきかな。
お食事↓
◇京葱そば
◇焼きあご煮干しそば
同行者様から頂戴した煮干しそば。鶏油にあご出汁が絶妙にマッチしておりまして、重ね重ねこれ一本でも行列店になり得るだろ感は言わずもがな。
そして初体験の京葱そば。上品オブ上品なスープに全粒粉入りと思しき京都製の麺、さらに大量の京葱がさながら黄金比を形成しています。非常に薄口にもかかわらず、この味わい深さは一体何なのでしょう。
普通満腹に近付けば近付くほど、どんな食べ物でも十二分に楽しむことは困難になるはず。しかしながら当品については満腹状態でも永遠に味わっていたい…そんな気持ちにさせてくれる極上の〆であったと言えましょう。
ラストは定番の手作りプリンに冷たい玄米茶。
うーん、プリンとのペアリング用に赤ワインを残しておいてよかった。卵の味が濃厚なのでワインのパンチの強さにも全然負けないどころかお互いの持ち味を引き立てあってくれます。
以上。省エネでも申し上げたいことが多過ぎて疲労困憊でございます。コース料理でも抜群のパフォーマンスを披露してくださった鳥田中さんに最大限の賛辞を。(ドリンクの関係で当店にしてはちょっぴりお会計が高くなってしまったものの、満足度から考えるとむしろお安いぐらいです。
最後に店主さんをまじえての記念撮影にも快く応じてくださるホスピタリティにも改めて感激。接客まで文句なしの下町の傑物店は鐘ヶ淵にあり。冬場のお座敷限定の鍋コースにも興味津々ですし、これからも正攻法と(電話予約)と奇襲(予約便乗)を駆使して末永く通い続けたいものです。
2019/06/10 更新
2019/02 訪問
鳥のように舞い 田中のように刺す
2019年2月某日再訪。
破竹の勢いで躍進を続ける鳥田中さん。当初危惧していた通り、今では予約も困難な超人気店となってしまいました。そんな中、幸運に幸運が重なって再訪のチャンスを獲得。今宵も至福タイムを過ごさせていただきましてございます。
アルコール類を中心に、全体的にやや値上がりしてしまったものの、その分焼き台の火力を紀州備長炭に変更。加えて2019年初頭より京鴨の入荷も開始。
サービス面でも天狗さんの存在は皆無どころか、新たに給仕専門の女性(縁者の方なのかな。彼女もとても感じが良いです)までメンバーに加わり、さらにパワーアップされています。お母様の朗らかな笑顔も健在。
そんなこんなでトータルでの満足度はむしろアップしたと言っても過言ではないでしょう。従って何様感は置いておいて、当方の評点もアップさせていただいちゃう。
◇焼酎ハイボール 450円
◇レモンハイ 480円
◇緑茶ハイ 480円
◇鳳凰美田 純米辛口 正一合800円
◇写楽 特別純米 正一合850円
◇作(恵の智) 純米吟醸 正一合800円
◇お通し三品 500円
・京鴨とセリの炊き合わせ
・ヒラメの同肝巻きと北海道産雲丹巻き&シマアジのお造り 生わかめ添え
・お漬物盛合せ
◇湯引き盛合せ(レバー、ハツ、砂肝、胸肉漬け) 600円
◇京鴨ハツ湯引き刺し 450円
◇京鴨ささみ山葵焼き 280円
◇おまかせ串五本 980円
・ハツ
・せせり
・レバー
・つくね
・長芋
◇えんがわ 200円
◇ふりそで 200円
◇ソリレス 240円
◇おたふく 250円
◇スモーク盛合せ 650円
◇本日の鶏そば(片口煮干しの鶏そば) 650円
◇こだわり玉子のプリン&食後のお茶 ※サービス
お通しは昨年より100円UPされましたが、まずもって件の京鴨を使用した椀物からして、元京料理ご出身の店主さんの腕前の高さに度肝を抜かれます。
お造りもおよそ焼鳥店とは思えぬようなハイクオリティ。加えてお醤油には泡醤油を採用されるなど、細部にも大いに拘りが見られます。
自家製のお漬物は冬場とあって、漬け具合浅め。これはこれで焼き物の脂を程良く流してくれ、漬物ソムリエの当方も思わずにっこり。
人生初体験の鴨のささみ焼き。若焼きで供されたソレは鶏に比べてより風味が濃く、野趣にもあふれる味わいであった印象です。山葵もその野性味を最大限に引き立てていますな。
その他、丹波地鶏の焼き物の中で、最も強く記憶に残ったのはレバーとふりそでとおたふく。(ソリレスの素晴らしさは言わずもがななれど、以前もいただいているのでここでは割愛)
前回ほんの微かにクセを感じてしまったレバ焼きは、今回は臭みも苦味も皆無でプリップリ。それこそ下手なフォアグラよりよっぽど濃厚かつ官能的な甘味を発していた気がいたします。
ふりそでは胸肉に通じるあっさりさと脂の旨味が正に渾然一体。というかここまでジューシーなふりそでって私の浅い焼き鳥人生ではおよそ他に覚えがありませぬ。
おたふくの内臓脂肪ならではの、正肉とはまた趣の異なる鮮烈な脂の旨味もお忘れなく。そして同じく地鶏ならではで脂にしつこさがない点も特筆物。無論適度に焦げのアクセントが活かされている火入れ技術の妙も申し分なしです。
生から燻すことでレアーに仕上げられたスモーク盛合せは、ただでさえ濃い鶏のお味がさらに凝縮されていて絶品オブ絶品。塩味が殊の外薄めであるのも私好みですし、付け合わせの奈良漬けとアメーラトマトの存在も心憎し。
〆に選択した片口煮干しの鶏そばも、鶏の滋味と煮干しの奥深さのバランスが絶妙。真面目に専門店の方々は鳥田中さんの爪の垢を煎じて飲んでいただきたい。鶏そばだけでも4.0は付けられるんじゃないかしら。
日本酒各種も魅力的なラインナップが並びます。ついついプチ贅沢時のマイ定番な銘柄達を選択してしまいました。お猪口を複数候補から自身で選べるのもナイス。(ちなみにお猪口は都度交換しない模様です。まあお猪口変更の有無は、お店の主義によりけりですものね)
という風に大いに飲みや食いやしたにもかかわらず、お会計はまさかたったの6000円強とな。勿論多少値上げされてしまったのは残念ではあれど、サービス面も含めて相変わらず化け物級の費用対効果であることは疑いようがなし。ラーメンのくだりの繰り返しになりますが、ほんと他の焼き鳥店(特に高級店)は鳥田中さんのお風呂の残り湯を以下略。
電話予約の恐ろしいまでの競争率の高さを制して、必ずやまた再訪いたしたく存じます。だからこれ以上のビッグウェーブの到来はかんべんしておくれ。
2019/02/21 更新
2018/06 訪問
鳥さん×田中さん=稀代の名店
実は今鐘ヶ淵がアツイらしい。
酎ハイ街道的な意味で?
もしくは孤独のグルメseason7的な意味で?
違います。鳥的かつ田中的な意味合いでナウバーニングなのです。
それがこちらの「鳥田中」さん。グネグネと入り組んだ下町の迷路にひっそりと佇む焼鳥の名店になります。
何だか知らぬ間に、食通の皆さんが通いに通われていた当店。こりゃ当方も乗るしかありません、この鐘ヶ淵的ビッグウェーブに。
オープンしてまだそこまで期間が経っていないのか、カウンタースタイルの店内はだいぶ綺麗目。奥にはお座敷席も有り。
お店の切り盛りはご兄弟と御歳80歳のお母様(とても80歳には見えないお元気さ!)の3人体制。御三方とも物腰柔らかで、驕る姿勢は微塵もなし。このホスピタリティ面の充実ぶりも、鳥田中さんの魅力の一つだといえましょう。
何でもご兄弟は和食店(お兄様は京料理だったかな)でのご経験もあるとのことで、そのエッセンスはお料理の随所に発揮されています。
扱われている鶏もブランド物の京都丹波地鶏。産地直送の物を丸から捌かれるため、様々な希少部位をリーズナブルに味わうことが可能なんだそう。
まずもってお通しからして衝撃的な内容。キリンラガーの中瓶(550円)で喉を湿らせている我々の元に届けられたのは、
・うに茄子 生湯葉と石川小芋山葵和え
・とうもろこしの茶碗蒸し
・自家製漬物盛り
これに後述の食後のデザート&お茶が付いて、価格はたったの400円とな。
お味は正に正統派和食のソレ。丁寧に取られたであろうベースのお出汁が◎です。
とうもろこしの甘味が活かされ、余分な加味がなされていない茶碗蒸しにも好感度大。
そして何を隠そう幼い頃よりぬか漬けとともに生きてきた、自称ぬか漬けソムリエな私も称賛する程のぬか漬け!(大根は醤油漬け)
飲食店のぬか漬けが美味しいと感じたのはほんと久々な気がいたします。
その後にいただいたドリンク類も総じて秀逸。
・酎ハイ(金宮ハイボール) 380円
・凍結レモンハイ 480円
・緑茶ハイ 450円
・冷やし梅(梅+紫蘇の酎ハイ) 価格失念
・黒龍 いっちょらい グラス350円
・梵 ゴールド グラス450円
酎ハイ類には全てシャリ金焼酎を使用。加えてグラスはうすはり。金宮ハイボールは天羽の梅系の梅シロップを、緑茶ハイも食後のお茶(高品質)と同様の物を使われる拘りようです。殊に緑茶ハイは是非飲んでいただきたい。
ただ季節が終了してしまったということで、生レモンサワー(すりおろしレモン入り)が注文不可だったのは残念だったなあ…
日本酒も品揃えが上々なだけでなく、グラス(おそらく90ml)下の枡にまで太っ腹にこぼしてくださいます。いわゆる赤提灯系でない純然たる焼き鳥専門店にもかかわらず、各銘酒をこの価格帯で提供されるとは…ほんと素直に驚きであります。
次いでこの日発注した品々の詳細。(とりわけ感動的であった品には、品名横に◯を付けさせていただきます)
・湯引き お造り(レバー、ハツ、砂肝、胸) 400円 ◯
・叩き お造り(もも正肉、胸肉盛り合わせ) 400円
湯引きは甘醤油、大蒜醤油、胡麻油+塩で。胸肉のみ黄身醤油和えにていただきます。
両お品ともこの量と質で400円って、アレか?後で怖いお兄さんが出てくるのか?なんて考えてしまう程の逸品。極浅めの火入れ具合によって、丹波地鶏の旨味と甘味を絶妙に引き出されています。
特に湯引きのレバー(プリプリ)と砂肝(コリコリ)は必食。ここまで臭み皆無の上質な鳥刺しは本当の生の物を含め、なかなかお目にかかれないかと。
・地鶏の皮ポン酢葱和え 450円
・地鶏のレバーパテ 600円 ◯
・追加のマカデミアナッツとレーズンのパン 200円
鶏皮ポン酢(俗称)は鶏皮のクオリティもさることながら、たっぷりのせられた葱の品質が素晴らしき。おそらく自家製なポン酢もまろやかな酸味が好印象です。
予め蜂蜜が加えられているかと思われるタイプのレバーパテ。こちらも湯引きレバーと同様に臭み0で、なめらかなペースト具合に黒胡椒のアクセントがベリーグッド。野趣あふれるパテも大好物なれど、こういうトロけるような方向性も良きかな良きかな。
並びに付け合わせのバゲット&マカデミアナッツとレーズンのパンまで良質なわけで。一体どこのパン屋さんをご贔屓にされているのか…真面目に気になります。
長々と恐れ入ります。ようやく焼き物に到達いたしました。
・串5本セット(鶏4本、野菜1本) 850円
※内訳は内もも◯、レバー、手羽先、つくね、ズッキーニ◯
・ボンペタ(テールと腰の肉) 1本180円 ◯
・せぎも(腎臓) 1本200円 ◯
・ソリレス(もも付け根関節部分) 1本220円 ◯
・銀杏 1本180円
・金針菜(百合科の花のつぼみ) 1本180円
肝心の焼き物の出来も圧巻の一言です。無論火力は炭火。
丹波地鶏のコクの良さをしっかりと活かされる火入れ具合に、1串180円〜という恐るべし費用対効果。あ、私もつ焼きレビュアーから焼き鳥レビュアーに鞍替えしようかな、と魔が差しそうになった瞬間でありました。(しないけど
とりわけ秀逸だったのは内ももとソリレス、せぎも。前の二者は運動量が多い部位ならではの身の締まりと凝縮された味わい深さが絶品。クセもナッシングなせぎもは口内でほわっとほぐれる食感に、内臓固有の濃厚な旨味がダイレクトに感じられます。
ボンペタのジュワッとした脂分もたまりません。それでいてサラッと爽やか、全く胃にもたれる感はなし。あな恐ろしや。
つくねはどちらかといえばフワフワ系。軽やかな口当たりでありつつ、お肉感の強さも目立つつくねだったでしょうか。
しかし唯一残念だったのが、レバーがほんの微かに臭苦さを有していたこと。湯引きとパテが至極の一品であっただけに無念さもひとしおでした。
野菜串も抜かりのない出来栄え。フレッシュな風味を楽しめる金針菜に、トロトロに仕上げられたズッキーニの妙味。一瞬「これ、チーズ使ってますか?」と尋ねそうになってしまいました。
あら、結局殆どの串が特筆物だったようです。
締めの方々も壮観なりけり。
・親子丼 鶏スープ付 700円
・鶏白湯醤油の鶏そば 600円 ◯
・自家製漬物盛り合わせ 300円 ◯
事前に炙られた鶏を用いる親子丼は、鶏肉の香ばしさと半熟仕様の玉子がベストマッチ。加えてやはりお出汁の品の良さが目立ちます。
鶏そば及び鶏スープも濃密な鶏の滋味が炸裂。と言いながら鶏そばのスープはただ鶏を煮出しただけの物ではなく、野菜の甘味等も加わった、すこぶる広がりを感じる仕上がり。当品も是非お試しいただきたい一品です。
あ、漬物をあまりに気に入り、わざわざリピートしてしまったことはお気になさらず。
締めの締め?のデザート。
・土佐天日塩のブランマンジェ
・緑茶(冷)
・こだわり玉子のプリン 250円 ◯
ミルキー&程良い塩分の効いたブランマンジェもまっこと美味であれど、追加発注のプリンはさらに美味。玉子玉子しいプリンが好みな方にはおすすめです。
以上。これだけ食しても一人当たりのお会計はたったの4000円強。いやいや、いっそこの2倍徴収されたとしても十二分に満足できるレベルですって!
うーん、どれだけ書いても全く語り尽くせず。お店の魅力に当方の表現力が絶望的に追い付いていませんね。兎にも角にもきっと早晩予約も取れない超人気店になられてしまうんじゃないかな。
とはいえ当方のようなひよっ子(鳥だけに)が絶賛したところでお店への影響力は皆無でしょうし、可能な限りで詳細に記載させていただいた次第です。
いやはや、更なるビッグウェーブが来る前に、早く次回の予約をせねば…
2018/07/01 更新
6月に引き続いて2ヶ月連続の訪店。今回は(も)概ねお写真のみでお楽しみください。そんな手抜き。
コースの構成自体は6月とやや重複気味なお品も見受けられたものの、無論の絶品だったのは今さら言うまでもなく。
そういえば串物につきまして、コース内にソリレスがinしたのは初めての出来事だったかと。その分?といいますか、追加発注でレバーを若焼き指定できたことは朗報でした。若焼きならではのぷりふわな食感が楽しめる至福。
また、八丁味噌のアイスなんて一見イロモノかと思いきや、適度な塩味と味噌の風味が無花果の淡白な甘みと絶妙に噛み合っていた印象。個人的には6月に登場した日本酒アイス×無花果より好みだったやもしれません。
そして〆の新作は稲庭うどん。想像と全く異なるハイカラ冷製スタイルでの提供でしたが、豆乳系かと思しき濃厚クリーミィな出汁スープに、軽やかな稲庭うどんがベストマッチ。焼き鳥の〆界にまたもや新しい風の到来を感じた次第です。
にしても鳥田中さんに来るといつもちょっぴり飲み過ぎてしまうなあ。もう少しチビチビやればお会計も安く上がるだろうに。
でもでもそもそものコースがリーズナブル過ぎるのだから、少しでもお酒で貢献させていただかねば。
殊勝なふりをしてその実ただのアル中なモービーなのでしたとさ。
以下。コース詳細↓
おまかせコース 5000円
◇淡路産鱧とねぎ、ちいたけのしゃぶしゃぶ
◇刺し盛り(マグロ、コチ、あと何だっけ?)
◇京都七谷鴨ロース・ハツのロースト
◇ウニの鹿児島黒さつま鶏と丸鶏コンソメジュレ掛け
◇九州産スッポン玉子豆腐のお椀
◇串物 黒さつま鶏 はつもと
◇七谷地鶏湯引き(レバー、ハツ、砂肝)
◇七谷地鶏胸肉黄身醤油和え
◇串物 つくね
◇自家製漬物盛り合わせ
◇七谷地鶏叩き かんずりソース
◇串物 鹿児島黒さつま鶏レバー
◇七谷地鶏 すき焼き
◇無花果と八丁味噌アイス
◇串物 ソリレス
◇焼きナス オクラ 枝豆 胡麻味噌ソース
◇プリン
追加のお品
◇串物 レバー塩若焼き
◇濃厚白湯鶏雑炊
◇稲庭うどん
◇鶏そば かつおだし醤油
ドリンク
◇サッポロ黒ラベル 中瓶
◇焼酎ハイボール
◇芋焼酎 なかむら ロック
◇寫樂 純米酒
◇雪の坊舎 純米吟醸