deboo-debooさんが投稿した菊乃井 本店(京都/東山)の口コミ詳細

食べて幸せになる方法

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菊乃井 本店東山、祇園四条、蹴上/日本料理

1

  • 夜の点数:4.5

      • 料理・味 4.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.8
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2014/01 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.8
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

攻めの和食

東京で食べる和食なんて、鮨か天ぷらでいいと正直思ってます。
東京で王道の和食を食べても、正直たかがしれてるので。

幼少期、京都にいまして。父の実家が京都。母の実家が東京なので。
まあ、こんなプライベートすぎる情報どうでも良いんですが…笑
大体親しい仲でもこんなこと知らない人のが多いかと思うんですがね。

おいしいものを存分に親に叩き込まれたと、そう思います。
昔は好き嫌いも多くて、味の記憶うっすらで、今となってはそれを悔やんでますが。
幼少時代に覚えているおいしいものといえば、「浜作 祇園本店」のカレイの天ぷら、
よく行っていたステーキハウスのA5ランクの和牛ハンバーグ(昔はステーキ大嫌いだったもので…)、
中華を食しに行けば、「おそば食べたい」といってふかひれ食べてましたね…

あー、なんとも憎いガキですよ。すいません。笑

京都に帰る機会は今や数年に一度なんですが、
帰る度にただ一人、会いたい人がいる。

産まれてからを、ずっと知っている。
そんな幼なじみが、いるんです。

今回は親の用事に無理に同行しまして、一泊という、まぁ、短い時間でしたが、
会いたくてね。笑
むしろ、あたしの中ではそっちがメインでしたが。笑

連絡を入れて、そしたら「お店予約したで!」ってメールが…
どこでも、良かったんです。会いたいだけだったから。
でも、まぁ、京都だから和が良いな位の気持ちで。

正直に...お互い食べるの好きだから、そんなチンケな場所を予約したとは思わなかったけど…
タクシー降りて…
「あー、このレベルかぁ〜笑」って心で思ったよ。笑

テレビも雑誌も全くと言って良い程見ないですが、知ってましたよ。
和食が無形文化遺産になったことは。
その運動を行ってた村田吉弘さんのお店なんですね。
あぁ、道理で、提灯がね….笑

後日母と姉に話したら、母は行った事が既にあったし(東京のお店の方)、姉も知ってましたよ…
わが家族ながら、その知識に感服するわ…

京都で、和食言えば、料亭ですよ。基本は。
東京で、どうしても、和食を食べる気にならないのは、料亭が少ないから。
空間、サービス、そこでどうしても、京都に勝つのが難しいと、そう思うから。

今回、全て幼なじみに「おもてなし」頂きまして、お酒よりも料理と話がメインでしたので、
CP、お酒の評価は入れてませんが、まぁ、金額を聞いていたとしても、大方納得いったとは思います。

いつもながらに長い前置き(ほぼ日記レベル笑)ですが、お食事の話、しましょうか。笑

一言で言うなれば、「攻めたな〜」って感想です。笑

御献立の方は写真で見て頂きたいって投げたい程漢字多くて書くの面倒なんですが…
なかなか、パンチが効いてましたね…
かなり好き嫌いの分かれる素材も多かったかなと。
個人的に和食で食べれないものはないので、問題はなかったですが、
食べれない人も多いかもなと思いました。

素材もですが、薬味も存在感ばっちりで。
量もかなり多くて、色んな意味で”攻めの和食”だと。

お料理別にいきましょう。

ー食前酒ー
梅酒…らしいですが、日本酒仕込みなので、日本酒です。印象は。器が素晴らしいけどね。

ー八寸ー
季節柄、絵馬の形のお皿でした。まぁ、言われて気付きましたが。笑
食べ応えある八寸でした。
個人的に八寸が大好きで、色んなものが並んでいるから。(単純…笑)
一品なくなる毎に、残念感で胸いっぱいになる….そんなところが好きです。笑
まぁ、このレベルのお店にこういうのは野暮ですが、どれをとっても抜かりない八寸ですね。

・手綱寿司 個人的にこれが一番好きかも。酢も強くなく、素材の喧嘩もなく、素直においしかった。インパクトは低いけど。
・小川唐墨 唐墨に烏賊が巻いてあるものですが、思った程しょっぱさもなく、軽く食べれる。
・梅豆腐 これね、なにかなって思って、最初。梅の味が最初に来て、後から豆腐登場します。これ面白かった。こういう奇怪な料理があると面白くて仕方ない。笑
・蕗のとう味噌漬け 蕗のとうの苦みを残して柔らかく仕上げた一品。
・菜種辛子和え 辛子といってもこれはそんなにパンチもなく食べやすかった。
・助子落雁 ”すけこらくがん”..おぉ、こう書くのか!笑 見た目が綺麗ですよね、和食ってお菓子みたいに。これも、綺麗でね、インパクトはないですけど、味もまろやかで良かったです。
・葡萄豆 黒豆…だよね。うん。煮方がいいですね、固過ぎず、やわら過ぎず。甘さ加減も良かったです。
・花山葵 山葵と名はついてますが、そんなガツンと来る訳でもなく、お酒によく合う。
・のし梅 よく出来たお飾りの一品です。

ー猪口ー
この場合…"ちょこ”の読みでいいんでしょうかね?
全く...漢字って難しいわ…笑

・海老蕪蒸し・海老餡・もぐさ生姜
赤いのは、蕪でしょうね、でも、餡に覆われていて、最初餅米かと思ってしもうた。
器がね、とても長細いが、お料理が下の方にあってね...思わず出てしまった….
「深!!」笑
蕪の下には海老が潜んでおり、味は普通なんですけど、楽しい出し方に感心してみた。笑

ー向付.一ー
・平目・伊勢海老・肝醤油・あしらい一式
平目の厚みがいいですね、食べ応えありで。素材がいいのはこのレベルでは当然でしょうが、肝醤油ってのがニクいですね…
このままつまみでもいけそうでしたよ。おいしかった。

ー向付.ニー
・小鮪・黄身醤油
美味しいんですが、こちらのね、山葵はかなり破壊力満点で...基本あたしは刺身は醤油なしが好きなくらい魚が好きなので、
山葵きき過ぎなのは残念でしたね。
黄身醤油で合わせて山葵もまろやかにって企みでしょうけどね。

ー煮物椀ー
・鴨真蒸 薄葛仕立て・薄氷蕪・草餅・九条葱・絵馬慈姑(くわい)・小梅・人参・柚子・つる菜・金箔
ここの御献立はすごいと思います。全部ご丁寧に書いてある。が、まぁ、素材わかったところで作れる気も皆無なんですが。笑
旧正月が近かったので、正月も近かったか…慈姑に”馬”の字が刻んであり、そういう細かさが和食だなと思います。
蕪がね、蓋みたいになってまして、「ほほぅ〜」と感心してました。
鴨真蒸が大きくてね...正直この辺からお腹がいっぱいいなりますね、きっと、女性は。
もうちょっと後を考えて小さめでも良かったかなとは思うんですが、男性も同じメニューでしょうし、まぁ、仕方ないのかね。
味はどちらかというとしっかりですね。
器が…素敵でした。

ー焼物ー
・塩鰤の酒焼き・橙・辛味大根・土佐醤油
氷見の寒鰤とおっしゃってた記憶です。このね、写真で伝わらないかもしれないけど、大きさがね…凄いですね…
和食の量の常識を覆してくれますね。
あの大きさだったら、半分半分で別の料理法にしても面白かったかもとも思いますが、味は、文字から想定出来る範囲の安パイさです。

ー口直しー
・柚子山葵ソルベ
これ、一番驚愕だったかも、今回頂いた中で…
柚子です、一口目は、そして最後に来る山葵の破壊力…半端ない…
ここまで完全に口直し出来る口直し、あたし初めて食しました。笑
山葵がかなり来ますが、あとひく感じもなく、これはある意味見事です。

ー酢物ー
・三宝柑釜蒸し・ぽん酢・白子豆腐・赤唐辛子
白子…大好きなんで、褒める言葉しか浮かびませんが…笑
白子豆腐が良かったです。柑に盛られていても温度的に違和感もなかったし、ただ、量が基本多いですね。

ー強肴ー
・しし鍋 酒粕仕立て・おろしぽん酢・田芹・針柚子・白豆腐・聖護院大根・金時人参・九条葱・壬生菜
おぅ….ここまできて…今から鍋か…
あたし人様よりは食べれる方だと思うんですがね、結構お腹…いっぱいよ….ま、食べちゃうけども…笑
感心というか、その攻めっぷりに驚いたのは、これが酒粕仕立てだったから。
結構苦手な方多い食材かと思います。酒粕って。あたしもそこまで好んで選ぶものではないですが、
くせは少なめに出来てましたが、
ダメな人は一切だめでしょうね。
そもそも最初で嫌いな食材をきかれましたけどね、あたしもいまいち御献立全てに目を通してた訳じゃないので、酒粕については言いませんでしたが、最初の段階では。
果敢ですよね、いのししだし。笑
全く臭みないですし、このいのししは。言われなければ気付かないかもねって感じですけどね。
美味しさを問う以前にこの挑戦に笑ってしまった一品です。笑

ー御飯ー
・すっぽんうどん・青葱・白葱・みじん柚子・丸身・露生姜
これまた、果敢な御献立!笑
すっぽんって食材を一生食べずに終わる人もいるでしょうね。
あたしは前にスッポンフルコースを横浜の方で頂いた事ありますが。
緑の麺は…なんでしょうね...聞き逃しました笑
何度食べても思いますが、すっぽんって味が云々ではないとは思うんですが...そもそも身なんてたかがしれた量ですし、
ただコラーゲン感は凄いですよね。
全ての〆で、すっぽんとは….元気みなぎっちゃいますね、笑
食べやすいですよ、味付けは。とっても。ある意味で普通です。

ー香物ー
・茎大根・友菜・柴漬け
余談ですが、柴漬け見る度に「柴漬け食べたい」の山口美江を思い出すのは…あたしだけではないでしょう…笑
京都ですしね、料亭ですしね、コースですしね、香物出るのは当然ですが、食べるタイミング、あたしは掴みきれませんでした…
なかなかに渋い味付けの香物だった印象です。

ー水物ー
・焼き林檎・生姜飴アイス
水菓子で〆る和食が多い中、ここは最後まで果敢に挑んで来る..
好きです、この精神。あたしは好きです。笑
生姜飴アイス(飴と書く必要があったかなぞだが)は生姜のさっぱり感があって良かったですね。
まぁ、こちらのお店以外でも生姜アイスは結構既にメジャーかとは思いますが、変なあまったるさもなく良かったです。
林檎…ミルフィーユになってますね!なんていうか、カラメル感?あって、これは初めて食した味わいで好きでした。


お料理を通して、まず一言目にくるのは…多い…多いわ….笑

とてつもなく繊細な料理達ではないかと思います、正直。
どちらかって言うと、男の和食。
デートで行って女子が「きゃー、綺麗〜」ってなる和食じゃございません。
ただ、面白い。
そして器は素敵。色味渋いの多いけど。笑

食材選びのユニークさ、これはダントツじゃないかなと。
和食を、世界に広めるのは難しいと思うんですよね。とっても。
フレンチも繊細ですけどね。色が違うからさ、素材によって。わかりやすいと思うんですよね。
でも、和食って、基本透き通っている。どんな出汁でも。
それを日本人は食べ分けれると思うんですが、そもそも日本食で育ってない海外の方にわからせるって難しいよねと個人的に思います。
故に、こうも果敢な御献立なのではという印象が来ました。

空間は、こちら一軒家料亭なんで、リノベーションもしっかりかけてあり、他のお客様と鉢合わせにならない作りですから、
まぁ、文句もないです。
若干空調調節が極端でしたが。

サービスも一組に一人付きで、女将さんですかね、途中でいらして頂いてますし、
そうですね、料理の出てくるペースはもうちょっと読んで頂きたかったですが、
品数が多いのでね、何度か、前の皿とかぶる場面はありました。
フレンチの品数でこれやられたらイラっとするでしょうけど、まぁ、それでも3時間オーバーしたので…
あたし達のスピード遅かったのかしらね…

写真撮りまくりではしゃいでましたし、
友もあたしも若く見られますからね、そもそも。
ま、料亭で食すにはまだ若輩者かもですけどね…
若く見られてますねって感じる場面も何度かございました。笑

お酒はビール(瓶)と本吟醸しか飲んでません。
正直、もの凄いポーションが高いので、お酒飲み過ぎない方が宜しいかと思います。
全部食べきれなくなるだろうから。

点数は、純粋な和食としての評価ではないです。
ただ、この料理の数々で、確かにここでした頂けない物が多かった。
その挑戦に出した点数です。

純な和食を頂きたいなら吉兆でも行ったらいいと思います(本店ね)
ただ個人的には食べ終わっても話題にできる料理って言うのが好きでね。
ここは十分料理を話題に出来るお店かと、そう思いました。
そういう意味で、行く価値はあるかと思います。

伝統の街、京都で、攻めたその心意気に感心しました。

2014/02/09 更新

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