2回
2018/04 訪問
大阪を代表する老舗料亭
とうとう足を踏み入れました。法善寺横丁の老舗「本湖月」さん
いつかはと考えておりましたが、意外に早くその時は訪れました。
□場所、お店
場所はよく知ってます。入れなかっただけ
その暖簾をくぐると檜とお香の香りが鼻をくすぐります
この日は個室を予約していたので店内の石畳を奥に進み 2階に案内されます
20年前に法善寺の火災で一度焼失し、再建しているので外装からイメージするより内装は綺麗
個室は畳張りですが掘りごたつ式になっており楽に食事が出来ました
その掘りごたつに足を延ばし ゆっくりと落ち着く間もなく仲居さんが料理を運んできました
写真の不可を訪ねると 撮ってもいいですがブログなどへの掲載はご遠慮下さいと言われたので掲載は控えます
□料理
まず運ばれてきた先付けは2種
そら豆と片栗の花を炊いたものに米あられがあしらわれてます
もう一つはみる貝とウドを合わせて煮込んだもの
食前酒は新潟のお酒「かろかろ」
かろかろはその軽さからこの名称らしいですが、軽いというよりアルコールだけが変に分かれているようでちょっと微妙(^^;
椀物は蛤と”このこ”の真薯
料亭で出る真薯としてはボリュームあります
真薯に入っている蛤は身もしっかりしていて美味しい
ですが出汁としては好みではないかな
お造りは桜鯛と淡路島は由良の雲丹。春蘭が造りの上に添えられています
貴重である由良の雲丹の美味しさはわかるが、昔に現地で食べた天草の赤うにの方が甘みは上か
さらには一昨年に浅井東迎さんで食べた水うにの甘さが未だ忘れることが出来ない
桜鯛もこの時期には市場にも出回らないほどの食材だそう
貴重な食材を頂けた記憶が残ることが喜ばしい
次にイイダコの煮付け。横に添えられるのはイイダコのいい
なんやそれ?と私も思いました。いいとはイイダコの卵らしく、大きさが米粒と同じぐらい
それを一つ一つを丁寧に取り出し、その見た目は透明なご飯のように仕立てられてます
それが木の芽のソースの上に添えられており 一緒に食べると粒ゼリーと木の芽のデザートのようで新たな発見でした
ここで運ばれてきたのは いわば八寸。仲居さんがやっと持てるほどの大きな器に串にささった色とりどりの食材とぼんぼり型の器が人数分まとめて盛り付けられています
串には穴子の八幡巻、百合根、鯛の子、胡瓜と納豆漬け、山芋、生麩、蒟蒻、燻製された鮭などが刺さっています
春らしいぼんぼりの器の中には熟成された甘えび
見た目のインパクトがある綺麗な料理。味を楽しむこともさることながら、季節を感じる料理でした
本日のメインでしょうか。旬である竹の子を皮に包み炭焼きにしたもの
火の入れ加減が絶妙。ゴロっと大きめに捌かれていますが、歯ごたえと柔らかさのバランスが最高
山椒の葉の香りがこれほど素晴らしいと思ったことはありません
揚げ物は伊勢海老のおかき揚げとよもぎ豆腐
そういえば料理が始まりしばらくして今日はこの伊勢海老を使用しますと4尾の伊勢海老をたらいに入れた状態で見せて貰いました
その伊勢海老からこれだけしか使用しないのかと思うほどの大きさ
これはかなり贅沢な一品でした
次にお蕎麦が運ばれてきました。花山葵と有明海の海苔をあしらえた上品なお蕎麦
細いお蕎麦は風味も上品で、大変美味しく頂けました
〆はやはりと言うべき竹の子ご飯
シンプルでも旨味と深みがあります
鯛のそぼろが添えられており、一緒に食べると何杯でもいけそうです
お腹もそれなりに膨れてきてましたが、ついついおかわりを頼んでしまいます
仲居さんは手渡しでもいい一杯のおかわりでも 必ず私の横まで運んでくれます
当然とはいえ しっかりとした給仕をしてもらえました
カウンター席も良いとは思いますが、日本の料亭らしさを味わえる個室もありと思います
デザート一品目は”うすいえんどう”をこして練り上げ、モンブランのように仕上げた和菓子
中には丹波の白小豆ときました。貴重な食材をこちらでも惜しげもなく使用しています
もう一品は苺が寒天に包まれたもの
使用される苺は徳島のさくらももいちごです
なかなか口にする機会の少ない高級苺。寒天が甘さを引き立てるいい仕事をしています
苺自体は超甘いわけではなく、酸味もある濃厚な味
以上で料理が終了。コースに牛肉が含まれていなかったのが良かった
後半に出てくるお肉は重たくて食べるのに苦労するんですわ(^^;
□総評
スタートからデザートまで春らしさを満喫できる料理構成
器も春を感じさせるものばかりで大変綺麗なものばかり
四季のある国で生まれて良かったと実感しました
決して現代の趣向に合わせることのない生粋の日本料理
正直、自分にはまだまだ早い。もう少し歳と経験を重ねてから再訪したい
そう思わせる本湖月さんでした
ご馳走様でした!
2018/05/01 更新
記録を見返すと3年ぶりの訪問でした。月日の流れは早いものです。
今回は初のカウンター席。穴見さんと対面で食事が出来るまたとない機会。
日本料理のいろはを説明してくれました。
個室もこの上ない贅沢ですが、やはりカウンターがいい。
料理、茶器の説明は穴見さんから聞くのが一番ですね。
料理の感想まで残す時間と気力がなく、前回はまだ頑張っていたので簡潔に。
またカウンターで訪問します。
ご馳走様でした!