『少年ラグビーコラム①【子供たちの涙】』高知ラガーくすくすさんの日記

高知ラガーくすくす 『ゆる〜い感じのレストランガイド』

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高知ラガーくすくす (50代前半・男性・高知県) 認証済

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当時 小学3年だった息子は顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくっていた。
一年最後の公式戦 四国と岡山のチームが集まる「近県大会」の試合後のことだ。

息子は地元のサッカーチームとかけもちでラグビーをやっていたが、サッカーではこんな表情を見せたことがない。
そのチームも決して弱いチームではなかったが
いつも試合が終わったら勝っても負けても友達とふざけあってはしゃいでいた。
それはそれで とても子供らしく ほのぼのとしたいい光景だった。
私自身も当時は子供のスポーツはそんなものだろう。 というイメージを持っていただけに、息子の号泣を見たときは正直驚いた。


そこでコーチ一年目だった私は子供達を集め円陣を組み、試合の感想をひとりひとり立たせて発表させることにした。

すると タックルに行けなかったことを口惜しがる子供。
最後の試合に勝てなかったことを口惜しがる子供。
自分のプレーの反省を口にする子供。
それは8歳、9歳の子供達の激しい感情の叫びだった。
途中から私もたまらず空を仰いで聞くようになり一人一人に返す言葉も途切れ途切れになった。
円陣を取り囲む父兄の方々も目を真っ赤にして聞いている。
我が子の今まで見たことのない表情、成長に驚き高ぶっている。

「来年こそは」と誓ってその日の円陣は解かれた。

翌年そのチームは同じ大会の決勝戦で同点。
結局じゃんけんで負けて準優勝となった。
もちろん円陣でみんなが泣きじゃくったのは言うまでもない(笑)

その円陣は今の後輩たちにも引き継がれ、去年の同じ大会で
一番泣きじゃくって言葉が出なくなった少年が今年のキャプテンだ。
彼は今年どんな表情でどんなコメントを後輩たちに残してくれるのか?
想像しただけでも楽しみだ。
本気で練習して本気で体をぶつけてるからこそ勝っても負けても泣けるんだろう。


そしてその経験は彼らのこれからの人生にとって大きな大きな財産になるだろうと私は信じている。
                                    コーチラガーくすくす


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