3回
2018/04 訪問
美山荘の朝食
美山荘三度目の宿泊での朝食。前日の4時ごろにチェックインをした後は、部屋と母屋の食事処以外は何処にも行かず、只々、静謐なこの空間に身を置いていた。前夜の食事後、貸し切り風呂(結構、深い)で身を清め、その後に布団でぐっすり。目覚めも良い。
しかし、感じたのはやはり自然に囲まれた場所は空気が清々しい。これまでに身を置いていた(る)場所で言うと、汚い方から、上海、蘇州、東京、西宮、美山荘という順になるが、自然が多くて人が少ない。当たり前だがそうなのだ。結局のところ人間が空気を汚くしているのだな。
朝食も母屋の食事処で頂く。前夜の滋味溢れるも篤実で、最初から終わりまでが何やら計算された静謐な楽曲の様な夕食に比せば、こちらはディベルティメントの様な、コンパクトなもの。
決して、豪華な食材を起用したものではないが、沢山の野菜が取れるし、何より、地元の米がつやつやモチモチと美味いのである。こうした料理は腹八分目が一番良いのだが、まさにそうした分量で、ご飯を一度お代わりをして、丁度、よい按配になった。ヘシコも久しぶりだがご飯によく似合い。毎度となると、やはり塩分の強いもの故、難しいが、こうして偶に食べると、古の人の知恵というものに感心もする。
酒は求めなかったが、頼んだら出してくれるのであろうか? まあ、この後、運転するのでそれは不可能だが・・・
こんなにきちんとした朝食に預かれるのは、実に良いこと。満足至極
2019/01/25 更新
2007/10 訪問
美山荘
2002年8月以来の再訪。※ この間海外にいたので訪問出来ず。
山深く携帯電話も通じない場所。
5年前とバスの時間も周りの風景も全く変わらず、本当に日本の自然は美しいなあと改めて思える。
食事の美味しさも、サービスも全て最高水準。
(サービス料15%かかるが、この内容なら納得出来る)
とにかく財布に余裕があれば何度でも行きたい。
少なくとも春夏秋冬全ての自然と旬の料理を味わってみたい。
紅葉の時期は部屋から張り出した所から誰にも邪魔されずに美しい紅葉が独占出来る筈。
あえてREQUESTを出すなら、5年前は料理が部屋だしだったのだが、今は、母屋の食事どころに変わったところか。
目の前で調理してくれるので楽しみもあるが、個人的には部屋でゆっくりと誰にも邪魔されずに楽しみたい。
確か5年前には夜食のおむすびが出たと記憶しているが、それは無くなった。残念。
車が無いとバスの本数・時間の関係で、CHECK IN&OUTで少しずつ時間を損した気分になるがこれは、致し方無し。
日本人で良かったなあと思い返せる場所。大人の場所。
無粋な人や子供は行かないほうがいい。
他の客に迷惑になるし、子供にはこの良さは決して判らないと思うから。
宿泊で行くことをお勧めします。
2019/01/25 更新
美山荘には、これまで2002年7月、2007年10月と訪問、宿泊したが、その後、拠点が関西を離れたことも有り、なかなか訪れる機会に恵まれなかったが、今回、中国の労働節の休みを利用し、ほぼ10年振りに三度目の訪問を叶えた。勿論、随分前に予約をしていたのだ。
以前はいずれもバスを利用しての訪問だったが、今回は、レンタカー。小さなコンパクトカーだったが勾配のきつい山道も問題無くスイスイ走る。感心しきりだった。
さて、暖かいほほえみと共に迎え入れて頂き、10年前の懐かしさが蘇る。美山荘が良いのは、出過ぎた過度なサービスでなく、何よりそうしたもてなしが、極めて、微温的な自然体であること。無論、仕事である以上、そうした認識もあっての話だがそれを感じさせない「無私」が良いのである。
料理に関しては、二度目に訪れた時と同じく、宿泊する建屋とは別の母屋で頂くのだが、うむ、やはり、唸るものだった。当然に、田舎の方で、自生する野草等を天ぷらにしたりして供する店なり旅館は多いが、この店は「摘草料理」という言葉が代名詞になるその嚆矢である。
季節がまさに春爛漫で、山間で未だ桜も残る時期だったが、たら、ウド、こごみ、ふきのとう、イタドリ等数々の山菜料理を頂いたのだが、素朴な中に質実があるのが良い。つまり余計な手をあまり掛けずに供するのだが、その素材の真髄を引き出すのがここの料理。
それに加え、そうした山菜のみならず、鯉の刺身も実に淡旨!! アマゴも何というか非常に充実したものだし、京都産の牛肉もそう。総合的な料理のバランスも極めて秀抜。で、とても優しいのである。最初はビールを飲んだが、実に日本酒も合う。三合も飲んでしまった。
うむ、翌日に締めて会計を見ると、宿泊代が45,000円/1人。これにサービス料や酒代等が付いて、家人の分と合わせて計12万円弱。決して安くはないが、細部に亘る心遣い等も勘案すると、ここでしかこの料理は味わえない唯一無二なものであることからすると、極めて、真っ当。
堪能したし寛げたし、幸いにも天気も良く、山間の自然にも親しんだ。言うこと無しである。