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気まぐれプレート(3種類あいかけカレー)@1,380円
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岩手牛の無水カレー
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桜姫鶏のココナッツマサラカレー りんごのせ
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海老出汁粗挽き豚キーマカレー 青森産あん肝添え
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副菜のモッツァレラチーズと鮪の柚子胡椒風味付け
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何故かけんちん汁が付きます。
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一番人気のハンバーグカレーのメニュー
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海の二重奏と銘打たれたあいがけメニュー
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気まぐれプレートメニュー
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メニューの説明
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店内
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外観
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神保町がカレーの聖地であるという言われ方には全く違和感がありませんし、2年半前に職場が神田錦町に移ってきて神保町がより身近な存在になってからは、改めてそう感じる場面が多くなっているように思いますが、その神保町のカレー店も大きく分けて二つのタイプに分かれると思います。
一つは、歴史的名店と言ってもいいグループですが、ここで歴史的と言っても、明治の昔からあるみたいな大袈裟な歴史的というのとは異なります。
改めて、神保町の名店と言われているお店を創業年順に掲げておくと(創業年付記)概ね次の通りです。
・共栄堂(大正13年)
・ボンディ(昭和48年)
・まんてん(昭和56年)
・ガヴィアル(昭和57年)
・ボーイズカレー(昭和57年)
・ペルソナ(昭和58年)
・エチオピア本店(昭和63年)
これから分かるように大正時代に創業した共栄堂は別格としても、それ以外の現在老舗と言われているお店は高度成長期より後の時代にオープンしたお店が中心となっていることが分かると思います。
昔から古本屋さんを含めた書店の盛んな神保町では、本を片手に持ちながらスプーン一つで気軽に食べられる食べ物としてカレーが流行ってきたという説もありますが、高度成長期を経て、学ぶこと、本を読むことの大切さが浸透して、そんな読書族がこれらの名店を築き上げてきたと言ってもいいのかもしれませんね。
そんな歴史的名店に対して、近年、もう一つの軸として定着した感があるのは、平成中期以降の時代に創業した新興勢力と言ってもいいグループで、食べログの評価の高い順にその創業年と共に並べてみると以下のようなお店が挙げられます。
・カレーライス ディラン(平成25年)
・パンチマハル(平成18年)
・ビストロべっぴん舎(平成28年)
・ヒナタ屋(平成19年)
・MAJI CURRY(平成30年)
平成25年9月オープンの当店もそんな新しい軸の一つに数えられる有力店で、食べログ評価では、この日現在レビュー数273件、評点3.77点を獲得しており、カレー百名店に選ばれていないのが不思議に感じるお店でもあります。
当店のオーナーの竹内 智さんは長らくフランス料理など洋食店でのキャリアを積んだあとに当店を開業したわけですが、バターを使わず、小麦粉の使用も最小限に抑えるというこだわりを前面に出したカレーを提供しています。
さらにスパイスではチリペッパー(唐辛子)抜きという独特なレシピで、欧風カレーやインドカレーといったカテゴリーに括ることのできない個性を打ち出し、オープン7年にしてカレーの聖地・神保町でも繁盛店の一つに上り詰めています。
当店の場所は、靖国通りから御茶ノ水方面へ伸びる錦華通りの裏通りにあたる細い路地沿いにあります。
同じ路地には、餃子の有名店「神田餃子屋 本店」 などもありますが、お店を目指してこないとなかなか通りすがりで発見することは難しい立地と言えます。
行列店ということもあり、この日は、11時40分とかなり早めの時間帯に訪れてみました。
ただ、11時半オープンのお店ですので、この時間帯だと1巡目の客がまだ残っていそうであるため、ちょっとリスクはあります。
豈図らんや満席に近かったのですが、それでも運良く待つことなく入店出来ました。
店内は、狭く、背中合わせにカウンター席が4席×2列あるだけの計8席のキャパです。
お店は竹内さんと奥さんらしき女性のツーオペですが、お二人ともとても腰が低い丁寧な接客が出来る方で、繁盛店にありがちな横柄な態度等は微塵も感じられません。
私は厨房寄りの方のカウンター席に通されました。
メニューはバラバラのものをクリップでとじたもので、ちょっと見にくいのですが、看板メニューは煮込みハンバーグカレー膳@950円のようです。
周りの方もほとんどの人がこれを頼んでいるみたいでした。
中にはカレーを+150円でクリーミーカレーにしている方もおられましたね。
次いで注文が多そうに感じられたのが、メニューブックではなく、壁に掲げられていた気まぐれプレート@1,380円。
これは一定の周期で変わる3種のカレーのあいがけのプレートです。
この日は、①岩手牛の無水カレー、②桜姫鶏のココナッツマサラカレー、③海老出汁粗びき豚キーマカレーの3種類でした。どれもかなりこだわってそうなメニューですよね。
かなり迷いましたが、やはり多種類のカレーを一度に食べられる魅力が勝り、気まぐれプレートを注文しました。
ご飯は無料で大盛りに出来ますが、普通盛りにしました。
混んでいたのですが、待つこと8分ほどとまずまずストレスは感じない待ち時間で注文の気まぐれプレートが提供されました。
まず提供された品を見て感じたのが、とてもカラフルであること。
野菜やフルーツ、そして食用花の類いがたくさんトッピングされており、その色合いとカレーの調和が実に見事ですね。
これはお隣さんが頼んでいた煮込みハンバーグカレーも同様で、当店のカレーの一つの特徴かもしれないですね。
3種のカレーは、サフランライス(と思われる)を取り囲むようにして盛られていますが、桜姫鶏のココナッツマサラカレーだけ別の器に小分けされており、それ以外の2種は皿に直接盛られています。
メニューでは、岩手牛の無水カレーだけ辛口で、残りは中辛の表示がありましたが、一番辛く感じたのは桜姫鶏のココナッツマサラカレーで、他の二つは、そこそこ辛みはあるのですが、辛さ耐性が普通程度の私でも楽勝な辛さでした。
しかし、このカレー群、一つひとつが凝ったカレーで素晴らしいです。
海老出汁粗びき豚キーマは、海老出汁がとても芳醇で、粗びき豚肉の食感も良くて、さらにブルーベリーなどのフルーツの味も合わさってとても美味しいです。
さらにこれに青森産のあん肝まで2切れ添えられているので、旨みが口の中から溢れてきそうです、
桜姫鶏のココナッツマサラカレーは、やはりココナッツの風味が支配的でやや甘みも感じるのですが、その後からじわっとした辛さが染み出してきます。鶏肉もゴロゴロのモモ肉が二切れ入っており、辛くても旨いカレーでした。
岩手牛の無水カレーは、黒っぽいビジュアルですが、無水というだけあって、トマトと玉ねぎが主力でそれに牛肉を絡めているので、液体では無くて固形成分の割合が高く、とても濃密な味わいです。
これもとても美味しかったです。
カレー以外の脇役陣も副菜のモッツァレラチーズと鮪の柚子胡椒風味やカリフラワーのカレー和えともに手間暇をかけて作っているのが分かる一品でしたし、何故かカレーのお供で出される味噌汁(というよりけんちん汁風のもの)はとても具沢山で寒かったこの日などは、カレーで得られるポカポカ感をさらに異質な形で補強してくれるような感じで、これも工夫の賜物だなという風に感じました。
全体に文句のつけようが無いくらいに気に入りました。
これまで神保町のカレー店の最高評価は、私のフォローレビュアーさんが総じて高い評価をしている前記の「カレーライス ディラン」(4.1点)だったのですが、当店にはその一つ上の4.2点を付けさせてもらいました。
カレー業界も個性が大切な時代と言え、その先頭を走っているような気がする素晴らしいお店でした!