『食べログの訴訟について思うこと』トントンマンさんの日記

トントンマンの“B級”の目線

メッセージを送る

日記詳細

この日記の内容は、2021年10月訪問の「築地食堂源ちゃん 神保町店」の冒頭に記載していたのですが、下書き戻しにあったため、こちらに転記しておきます。
言いたいことは、タイトルの通り、食べログが直面している訴訟について思うことです。
----------------------------------------
ベールに包まれていた食べログのアルゴリズムの一部が訴訟の場で明らかにされようとしています。
食べロガーであれば、多くの方が評点算出のアルゴリズムについて疑問を抱き、中には運営に質問をして木で鼻をくくったような回答に落胆された方もおられることと思います。
私は、特にチェーン店に対する評価上の統一的重しをかねて問題視して、レビューの中でもたびたび指摘してきたのですが、まさにそのことを訴えた企業があって、現在司法の場で争われているわけですね。
ちょっと前に話題になっていたので、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、訴えたのは、韓国料理店”Kollabo”の運営会社である株式会社韓流村です。

この日発売された週間文春も取り上げていましたが、事の発端は、2019年5月21日付けで、Kollaboの各店舗の食べログ評点が急落したことです。
例えばKollaboの新宿店は3.51点⇒3.16点、中目黒店3.51店⇒3.06点のごとくです。
この時のアルゴリズム変更(この点については食べログ側も認めている)では、Kollaboだけでなく、焼肉トラジ、一蘭、天下一品なども同じ被害を受けたそうです。
これらのチェーンに共通なことは、食べログの有料会員になっていないことで、点数の引き下げによって売上減に見舞われた企業が検索での上位表示などの特典のある有料会員になる道を選ばざるを得ないように仕向けたのではないか?という見方もされています。

現在の裁判上の争点は、このアルゴリズム変更による評価の引下げが、不公正取引の最たるものである独占禁止法上の「優越的地位の濫用」にあたるかどうかということですが、どうやら最近の流れは、食べログ側にはかなり不利な方向にあるようですね。
その根拠は、裁判体が独禁法などの訴訟を中心に扱う民事第8部に変更になったことに伴い公正取引委員会から裁判所に宛てた意見書が提出されたことで、そこでは「点数表示のサービス(食べログのアルゴリズムの結果もたらされるもの)は、「(不公正なものかどうかが争点となる)取引の条件又は実施」に当たると考えられるとし、さらにアルゴリズムの設定・運営が恣意的になされたか否かについて裁判の考慮要素となるということも述べられています。
そもそも、裁判所が公取に意見を聞くこと自体が異例なわけですが、これは裁判上の大きな転換点にあると見ていいでしょうね。
週間文春によると、冒頭記したように、食べログ側は10月上旬の裁判でアルゴリズムの開示を検討する旨を伝えた模様ですが、その回答期限が12月1日だそうなので、その頃、裁判を傍聴するであろう週刊文春から続報が出される可能性が高いと思われます。
この点は、木で鼻をくくられる回答をされた1人として是非とも注目したいと思っています。
ページの先頭へ