地方都市ををブラブラとね。なんつっても長旅でホテル暮らしなんで食料の調達がコンビニばかりでは飽きてきたの。だって歩いていける距離にコンビニは二軒。それでもここいらじゃ幸運なほうらしい、あはは。
そうするってぇとあるんですねぇ、真っ当な食料品屋が。肉、野菜、惣菜、弁当、サンドイッチ、それとほんの若干輸入食材が手に入るようですね。NYCでいえばDeliとでもいう感じ。
ドアには「安心を、未来へつなぐ食材自給率1%アップ運動 FOOD ACTION NIPPON わたしたちは、地元の生産者を応援します。」って書いてある。こりゃいいかも。
入りますってぇと野菜が沢山。それも西洋野菜が多いね。ほとんどが地物かねぇ。おや?メインの売り場には茨城、淡路島、宮崎、北海道、福島、山形、宮城、、、地元産は横の小さな台の上に、、、ま、いいか。
店内には量り売りの惣菜が並んだケース。そんで精肉売り場もある。ナマニクには用がございませんので見もしませんでしたよ、あはは。
弁当も500円くれぇでありまして肉のメインに野菜のお数が2〜3種付いてて塩梅が良さそうです。
じゃぁってんでお数をね、買って帰って夜の肴にしましょうって店内物色。
お客は40代後半の女性が数人。皆さん、野菜のナマニクをご覧になってる。
あたしゃ量り売りとパック詰めのお数の中から塩梅のいい組み合わせを探しましてっと、美味そうなやつをね。
おっとそうだ!同行者にこの店のことを教えてあげよう。皆さん喰いもんに飽きてますからね。お姐さんが計って詰めてくれてるあいだにお数、弁当の写真を撮ってと、後でメールしてあげよう。
そうしますと、奥から年配の女性が出てきてあたしんとこへ
「写真撮ってどうするんですか、ブログとかに出すんですか」
いえいえ、ブログはやってません、、ええと、(説明をしようとしてるとこへたたみかけて)
「うちはそういうのお断りしてるんです」
ブログのことですか?ですからブログはやってませんし、
「でも他の客様の迷惑にもなるので写真はお断りしているんです。」
あたしゃショウケースの中と弁当のアップを撮ってただけなんで他のお客が写ってるはずもなく、写真を一般に公開することもしないと言ったのだが聞き入れられず。
そこでふと思い聞いてみた。
もしかして、前にブログとかネットで嫌なこと書かれたりしたんですか
「そういうことはないんですけど、、、」
あのう、ぼくは旅の者でして、同行者に近所にいい店があったってメールで教えてあげようと思っただけなんですが、ね、写メを送ってね、弁当とお数買えるよって、それだけなんですが、、、
「申し訳ないけど、うちは写真や、そういうのはお断りしているんです」
これはどうやってももめるだけだ。
同行者に写メ送るのもやめたほうがいいですか
「そうですね」
じゃぁ、写真も消したほうがいいですね
「そうですね」
大変おいしそうなお数や弁当が沢山あったし、それを同行者へ見せることもできず、残念ですな。地元の生産者を応援する云々という店の割には広報的に何か独自の考え方をお持ちのようだ。
もしかして新聞社とかテレビ局の取材だったら受けてくれるのであろうか。
百万歩譲って、ブログ、SNSなどには載せないでくれは分かる。
しかしこの店はただの惣菜屋ではなく、目的があっての開いた店なんじゃないのか。それを広めるには、、、
口コミって凄いんですけどね、例えばあたしの仲間は旅先での飯情報を交換いあうんです。「え?秋田行くって?そしたら◯◯がいいぜ!」ってね。これがまた外れないの。なにせ仕事の旅では地元の美味いもん喰うくらいしか楽しみがないのと、真っ当なもんを見分けるってのもあたしらの仕事には必要。
だから薦めた店の評価が皆さんから低かったらこれまた困る、自分の評価自体が下がる、あはは!なのでホントに薦められるとこか、ネタになるとこしか薦めない。
そして帰ってきたら「あそこ行った?」「おお!よかったよ!あれはいいな!」と盛り上がり後輩にも伝えられていくのですわ。
ここは地方都市にしては比較的本格志向のDeliです。
それを同行者にも写メで送れなかったのは非常に残念。
しかし、これは店の考え方姿勢なのだ。
なのでどこの街にあるかも、どんな店かも仕事仲間には教えてないし、どこのメディアにも公開していない。