『 妖怪「万札女」』sama7030さんの日記

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sama7030 (20代前半・女性・海外) 認証済

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 僕が毎日のように乗るバスの某路線では数ヶ月に一度妖怪に遭う。人の女の姿をした妖怪である。出没する時間は決まっていない。
どのような妖怪なのか、、、特徴はこのようなものだ。

 いつも無表情でつっけんどんな態度が特徴。乗り込んできて運賃箱の前に立つとおもむろに1万円札を運転手に突きつける。
「1万円札でお願いします。」
「1万円札は使えません」
「これしか持ってないんです」憮然と応える。
 数秒の間運転手がためらった後、こう言う
「次に乗る時に今回の分も払ってください」
 すると札を仕舞い、無言で奥に進んでいく。

 妖怪は千円札はおろか小銭、チャージしたICカードも持ってないらしい。しかも万札を運賃箱のスロットに入れようとせず運転手に差し出すところを見ると万札が使えないのはわきまえているらしい。


 このバスの終点は私鉄の駅である。あるOL風の妖怪はバスを降りると駅の自動改札にパスケースをかざしそのまま通過して行った。大変好意的に考えると小銭、千円札は無くとも「1円もチャージしてないIC定期券」だけは持ってるようだ、苦笑。

 他の時の学生風万札女もやはり支払いを免れバスを降りると駅の券売機に向かった。
 画面をタッチして切り替え、ためらわずに左下、左上をピッピッと押す。どこに何のボタンがあるかわかっている様子だ、慣れている。小銭を一枚だけ投入すると、チャリンチャリンとお釣りと切符が出てきた。
 万札女は切符を自動改札に通す。
 自動改札の子供料金が適用された時のランプが点いたが駅員は見ていなかった。


 今度妖怪に出会った時は俺が両替してやるぞと心に決めるのだが、妖怪に出会う時に限って1万円分の細かい札を持ってない、、、ま、僕が一万以上持っていた例がないということもあるがね。

 しかし、僕だけでも2〜3ヶ月に一度見かけるんだから、他の人も見ているはず。それに運転手はもっと頻繁に。

 バス会社は何故退治しないのだろう?

 人じゃなくて妖怪なのだから何したって問題ないだろう。


 似た種の妖怪で「G千女(ゲーセン・オンナ)」というのもいる。万札の代わりに樋口さんを使う妖怪だ。
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