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「指定農場特選豚」を使用したという「特選厚揚げ膳」カテゴリーのなかから、「厚揚げロースかつ膳(180g)」(1,890円)をいただいた。 以前、支店の大劇店でいただいたとんかつよりも、パン粉が粗く、刺々しい口触り。硬口蓋の粘膜を若干荒した。逆に、油切れのほうは良かったと思う。厚めだが、内部にまでしっかりと熱は通っているようで、断面は白っぽい。豪快な噛み応えを楽しむタイプのかつ。旨みのある脂っこい汁気は小じっかり。食べ応えを感じつつ、まあおいしくいただいた。 とんかつに付けるものとしては、塩、辛子、洋風ソース、和風ソース、胡麻が用意される。和風ソース、洋風ソースとも、九州のお店としてはやや甘みが少なめで塩気が強いように思った。 近隣にはとんかつで比肩しうるお店はあまり見当らず、熊本市中心部でとんかつといえばこのお店を筆頭に挙げる人も多いだろう。一方、広域で見ると、このレベルのお店は県庁所在地クラスの都市ならわりとどこにでもあるだろうと思われる。その意味では突出したものではない。価格相応というところか。 お膳には、お漬物、ごはん、口直しの大根おろし、せん切りキャベツ、赤だしが付いていた。 接客は、マニュアル一辺倒といったところ。従業員教育そのものは行き届いてはいる。ただ、その教育はけっこう偏っていて、最初から黙って置いておけば良いと思われる無料で取り放題の高菜漬の壷を、勿体付けた説明をしながら運んできたり、お替り無料のごはん、キャベツ、赤だしなどを、「お替りいかがでしょうか」と煩いほどに頻繁に訊いてきたり、というところばかりに力点がおかれている。こちらには今日は軽く奮発気分で入った、という人にとって、奮発したからには元をとらなくてはと思う庶民感覚を、上手にくすぐろうというものだろう。一瞬、私も少し嬉しいような気がしそうになったが、落ち着いて考えてみると、けっこう世知辛い、ちょっぴり悲しい風景にも見えてくる。 客席は全面禁煙とされているが、お店の出入りの際に、玄関とレジの間の、とくに仕切られてもいない喫煙所を通り抜けなければならないという、中途半端な分煙。 お店は昭和50年創業というから35年くらいこの商売を続けていらっしゃることになる。その歴史に恥じぬクレジットカードの取扱いの適正化をお願いしたい。 (2010年記す)
2010/08訪問
1回
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2011/12訪問
1回
ビルの二階の小ぢんまりとしたフランス料理店。「フランスの2つ星、3つ星レストランで修行し、東京の広尾にある『アラジン』を経て独立を機に地元・熊本でオープンしたフランス料理店です。」と宣伝されている。 夏のある日、ランチの「Bコース」(2,600円)をいただいた。プリフィクススタイルである。その日は、2種のオードブルから「季節野菜のスープ、ピストゥ」を、魚料理は1種類しかなく、「本日のお魚料理」(鯛のポワレ)を、3種類の肉料理から「シャラン産 鴨のコンフィ」(3種のうちこれだけ300円増し)を、4種類のデザートから「グレープフルーツとカンパリのテリーヌ、ヨーグルトシャーベット添え」を選んだ。これに自家製パンとコーヒーが付く。(ちなみに、「Aコース」は800円引きで魚料理を省いたもの。そして「おまかせコース」なるものは6,300円だったと思う。) 飲物は、最安のシャンパーニュの「シャルルプジョワーズ」(フルボトル6,500円)をいただいた。2杯目くらいまでは えぐみが気になり、失敗したかと思ったが、3杯目くらいからすっきりした味わいになっていった。客席の大きなガラス窓いっぱいに、隣接した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)旧居を擁す蓮政寺公園の木々の緑が迫り、店内は自然光で適度な明るさ。そこにテーブルクロスの白さが好ましさを覚える。適度な隔離感と静謐さの中で、暢気にグラスを傾けていった。私にとってはずいぶん久し振りの、仕事からも家庭からも解放された、一人自由な昼下がりの憩いだったのである。(その後、いい気分は完全に台無しにされたが、顛末はここでは書けない。) オードブルのダシの味は豊かだった。鯛は、焦げた部分が硬く、内部は少々ぱさついていたものの、味は良く、お酒との相性も良かった。鴨は逆に、味はいまひとつだったが、食感が良好。腿の筋束のほぐれ具合や、一本一本の滑らかさや弾力がおおいに楽しめた。パンは焼きたてで熱々。デザートは、見た目に美しく、味は上品だった。 水は、ガス入りとガス無しとどちらがいいか、という問い方だったので、ガス入りを希望し、「バドワ」が供されたが、これは有料で、600円だったことは、最後に勘定書きを見るまでわからなかった。まあこれについては、たぶんそんなことだろうとは思っていたから、ああ、やっぱりそうだったか、という程度の感想。ただ、あの不親切な勧め方には小狡さを覚えなくもない。 お勘定は、現金なら10,000円。クレジットカードの取扱いは厳正であることが望まれる。店名を公開している修業元を貶めぬためにも。
2010/07訪問
1回
スペイン料理を出す居酒屋さんだとのこと。お昼の営業も始めたらしい。 ある夜、一人で訪問。 カウンターテーブルの客席に通された。 お酒は、メニューに載っていたスパークリングワインの「Oriol Rossell Brut(オリオル ロッセール ブリュット)」をお願いした。これは市価でおよそ1,400円前後。私がよく手を出す価格帯の、まあ、安酒である。このお店での価格は3,500円。このように、飲食店では市価に2,000円くらい載せられているのは普通のことだが、その上乗せ料金で提供されるサービスは、お店により様々。このお店では、開栓だけお店がして後は手酌、あまり冷えていないうえに氷バケツも用意しない、というサービス内容。気儘に飲みたいので、手酌は望むところだが、この酒は、かなり冷たくしたほうが味の欠点が露呈しにくかった筈。 なお、ワインリストはメニューとは別にある。尋ねたら出してくださる。 スペインのパンが出された。ずっしりとした重量感にややしっとり感を伴う独特のもの。これがおいしい。単独で齧ってもしっかりした味があるし、他の料理の皿に残ったソースや油を拭っていただくのもまたよい。 「オリーブ盛り合わせ」(小皿350円)は、大小さまざま色とりどりのオリーブの実の盛り合わせで、見た目にも楽しい。 「カルソット(太ネギ焼)」は1本400円。太ネギは、丸焼きで出された。これが手許のナイフで上手く切れず難儀した。ネギを切るのに適したナイフを出すか、厨房で一口大に切って出すかしていただきたかった。これには、サルサ・ロメスコというアーモンドやトマトを使用したというオレンジ色のソースを付ける。味はすこぶる良い。 「ムール貝激辛煮込み」(900円)は、ムール貝の油煮込み。にんにく、唐辛子、カイエンペッパーがたっぷり。土鍋でグツグツに煮立った状態で出された。ムール貝は剥き味だったのがありがたい。串で突付きながら暢気にいただく。気取らぬジャンクっぽさが楽しいし、酒とともにやたら食が進んだ。 私が案内されたカウンターテーブルの左端の席は、厨房、レジ、客席を結ぶ要の位置にあり、スタッフの皆さんが私の前方~左横~背後を囲むようにひっきりなしに行ったり来たりなさる。その意味では落ち着かない席。ただ、ありがたいことに、お店の方が無駄にうるさく話しかけてくることなどは一切無かったので、私の憩いは邪魔されず、比較的静かに酔うことができた。 お会計は、5,150円。パン代やチャージ料などの加算は一切ないようだった。クレジットカード可。 ご主人はかつて、福岡市のスペイン料理店「ロス・ピンチョス」にでもいらっしゃったのだろうか? お店の公式ブログにも、「ロス・ピンチョス」の名がやたら出てくる。ただ、私が「ロス・ピンチョス」を訪問したのは、10年ほども前にたった一度。しかもそのときは男四人で大酔してしまったのであり、肝心な記憶はあまりないという体たらく。したがって、このたびの「トレス」訪問で、「こういうところに『ロス・ピンチョス』の血統を感じる」だとか、「この点には独自性がある」だとかの感想を述べることが、私にはまったくできそうにない(笑)。
2010/12訪問
1回
「ラーメン」
2009/12訪問
1回
お昼の「ビーフカレーのコース」