「日本料理」「日曜営業」で検索しました。
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料理は素材も調理もとても良い。出汁が見事。適度に気軽な雰囲気の中で、食事を楽しめる。 山玄茶(さんげんちゃ)は、祇園の和食店だ。 8人掛けのカウンターに加えて、個室が二つ在る。我々はカウンターに通された。 先付けは、滑らかな豆腐と弾力のある鮑とゼンマイの食感の組み合わせ。 走りの鱧の碗は見事だった。出汁は薄口ながら印象に残る。梅肉の酸味を加えた鱧も蕗も良質。 平目、烏賊、蛸などのお造りは、素材がとても良い。三種類の薬味で食べるが、その内のマスカルポーネが良く合うのに驚いた。 お勧めされた島根県の溪という酒は、切れと深みが両立しており、気に入った。 鰹のタタキは、身がキラキラ光って美しい。辛子と紅葉おろしの二種類の味付けで楽しむ。 餅米みたいな食感のご飯に乗せた喉黒は、適度な脂身。 鮎は出色だった。身が小さく稚鮎かと思ったが、琵琶湖(大将は滋賀県出身)の鮎は成魚でも小さいとのこと。微かな苦味が心地良く、骨まで難なく食べられる。山菜から作ったという緑のソースも鮎の味を引き立てている。 八寸は、鯛のちまきや蟹真薯や空豆や玉子など様々な品が楽しめる。 巻き寿司は、鮪の漬けと雲丹とイクラのとろける食感に陶然とする。 ここで、ホワイト アスパラガスの揚げ物という変化球が投げ込まれる。天麩羅専門店並みの揚げ方。並んだロースト ビーフも美味しい。 最後の鍋も素晴らしかった。蛤や筍やワカメが良質で、花山椒の上品な辛味が効いている。何より出汁が見事。 ご飯には色々な薬味を掛けて、味の違いを楽しめる。最後はご飯に濃厚な玉子を掛けたが、これは背徳感のある食感だ。 甘味が数種類。先ずはマンゴーのゼリーと苺。マンゴーのゼリーは、和食としては濃厚で、印象に残る。苺はそのまま出すのではなく、一手間掛けて周囲にゼリーを塗っている。 腹に余裕が有れば、更に甘味を追加できる。蕨餅とヨモギは上品な甘さ。最後の水羊羹は驚くほど柔らかい。締めは抹茶で。 接客は親しげで、積極的に話しかけてくれる。 料理の質を鑑みると、値段は手頃。 山玄茶(さんげんちゃ)は、祇園の和食店だ。 6人掛けのカウンターに加えて、個室が二つ在る。我々はカウンターに通された。 先付けは蟹や雲丹の酢の物。酢がとても美味しい。 煮物は鱧と帆立しんじょうと松茸の椀。出汁の味と香りが素晴らしい。 烏賊や鯛の造りは、素材の質が高く、弾力感のある食感だ。 戻り鰹のタタキは、辛子とぽん酢の二種類で食べる。微かな燻り方が適切だ。 鮑と餅米は、トロミのある出汁との食感の組み合わせが見事だ。 マナガツオの幽庵焼きも上質。 すすきなどで飾った八寸は見目麗しい。 変化球として投げ込まれた鮪の鮨は、鮨専門店に匹敵する出来。 大きな葉っぱで蒸し焼きにした牛肉と松茸と銀杏は香り高い。 炊き合わせは出色だった。冬瓜の茶碗蒸しだが、中にはフカヒレが入っている。滑らかな茶碗蒸しに、フカヒレの繊維感が変化を与えている。 白米に加えて、鰻の佃煮お茶漬けも頂いたが、これらも中々のもの。 甘味は二皿。 最初の皿はシャイン マスカットとオレンジのゼリー。ゼリーは極めて滑らか。 最後の水羊羹は驚くほど柔らかい。 接客は親しげで、積極的に話し掛けてくれる。 料理の質を考えると、価格は手頃。自宅の近くだったら、しばしば通いたいところだ。
2022/05訪問
2回
「浩也 東京前」は、「鮨 浩也」の大将だった本橋拓也氏が、2024年春に開いた新たな店だ。店名の「浩也」はご自身の名前と父君の名前から一字づつ取り、「東京前」は江戸前を進化させるという意味を込めている。 最近系列店が幾つかできたが、それらの関係は以下のようになる。 「鮨 浩也」: 元々の鮨屋。2024年春から、かつての二番手が一番手に昇格し、価格帯を若干下げた 「浩也 東京前」: 2024年春に開店。創業者は現在こちらを仕切っている。鮨も出すが、摘みの比重が高くなっている 「立喰い鮨 浩也」: 2024年春に開店。立喰いにして、手軽な価格を実現した鮨屋 さて、「浩也 東京前」。黒っぽい灰色を基調色とした内装でクラシカル音楽がBGMとして流れており、通常の鮨屋とはかなり異なる雰囲気だ。 鮨の数は減ったが、やはり美味しいと思う。種も良質だし、舎利も良い。舎利は硬めに炊き上げ、酢をやや強めに利かせている。空気を多めに含んでおり、鮨を付け台に置いてから、鮨が少し下に沈む。脂の乗った鯖を炭で燻って香りを付けた一貫は、特に印象的だった。大きな赤貝や脂の乗った金目鯛も良かった。 摘みの量が増え、むしろ摘みが主役となっている。 トマトや潤菜をジュレ仕立てにした品は、初夏に相応しい爽やかな味。 春巻は皮が薄く食感が軽い。 白子に中華料理風の麻婆を和えた品まで出てくる。 個人的には、鮨をもっと食べたかったとも思うが、摘みも魅力的だ。「浩也 東京前」は、摘みに凝った鮨屋というより、美味しい鮨も供するイノベーティブ料理店と言えよう。
2024/06訪問
1回
珀也(びゃくや)は神楽坂の和食店だ。店名は大将の名前かと思ったが、(陽の沈まない)白夜をもじったそうだ。 簡素な内装。8人掛けのカウンターのみという小さな店を二人で回している。ピアノのジャズがBGMとして流れている。品数の少ないコースを頼んだ。 最初は上質なイクラがご飯の上に載っている。滑らかな食感。 走りだという銀杏は、上品でビールのおつまみに良い。 鯛の椀は、蕎麦との組み合わせで、堅実な味。 鰹の刺身は、辛子や塩で食べるが、これが中々のもの。 揚げたての茄子の煮浸し。万願寺唐辛子と組み合わせて。素材自体は淡白な味だが、恐らく意図的に出汁を濃いめにしてある。 鰻は本日最も印象に残った。蒸すのでなく焼いてあり、皮がクリスピーで香ばしい。 蛸や南瓜の椀。蛸は弾力があるのは良いが、噛み切るのに苦労したので、もう少し薄く切った方が良いと思う。 最後のご飯には、おかずとして焼いた鮭が添えられているが、意外と量があって、満腹になった。 大福餅にシャインマスカットを詰めたデザートは、上品な甘さ。 付かず離れずだが、適度に客達の会話に加わってくる接客は好印象。 コロナ禍の2020年に開店したそうだ。少しずつ客足が伸びてきているのは何よりだ。
2023/09訪問
1回
「築地すし Omakase」は、その名の通り、旧築地市場の近くに在る鮨屋。この辺りは早い時間帯で閉まる店が多いが、この店は例外的に夜も営業している。長めのカウンターに加え、テーブル数席、更には個室まで有り、広い店だ。カウンターはかなり先まで予約が入っており、テーブル席を選んだ。テーブル席は2階にあり、大将達が鮨を握っている様子を見ることはできない。 簡素で気軽な内装。コースが品数に応じて二種類あり、品数の少ない方を選んだ。それでも摘み、握りともに、品数はかなり多い。品数が多いので、感想は全般についてのみ。 高級店に比べてかなり料金が安いが、予想以上に美味しかった。高価な鮪の大トロなどに頼らず、手軽な値段の素材を使いながら満足度の高い鮨を供している。握りは小さめ。シャリはやや硬めで、粒が立っている。酢の効かせ方は控えめ。種は熟成させているものが多いが、熟成のさせ方も良い。面白い演出も有り、燻製にした鯖の握りは、ガラスのクロッシュみたいな蓋をしており、客の前で5分ほど燻って香りを付けている。摘みも工夫を凝らしており、長芋の摺り下ろしの滑らかな食感が印象に残っている。 接客の気遣いも良かった。プライス パフォーマンスがとても高い店だ。
2023/02訪問
1回
「たまさか」は丸の内の気軽な和食店だ。 厨房は、食器を洗ったり下準備をする所と、仕上げをする所の二つに分かれていて、後者をカウンターが両面から取り囲むような作りになっている。二種類あるコースの内、皿数の少ない方を選んだ。 先付けの「海老芋とあんぽ柿白和え」は柔らかな食感。 椀の「黒海苔真丈」は、微かに磯の香りがする。 お造りは堅実。刺身としては珍しいハタも有った。 蒸物の「香箱蟹 蕪蒸し」は優しい食感。 八寸に印象的な品が有った。鮟肝にレーズンバターを練り込んだ品は、適度に濃厚でネットリとした食感。これは酒を呼ぶ。合鴨も美味しい。 鍋物の「牡蠣鍋 粕汁仕立て」は、酒粕の微かな甘み。 締めの「天麩羅せいろ」は、専門店並みの味。 甘味の「大納言最中」は、優しい甘さ。 丸の内ブリックスクエアという立地を鑑みると、料金は安め。
2021/12訪問
1回
御料理 はやしは正統的な和食店だ。 電話の予約の際にコースを決める。コースの種類はかなり多く(5種類位有ったと記憶している)、電話口で金額のみ言われても良く判らないので、中程の価格のコースを選択した。クレジット カードを使えないのは不便だ。 一軒家の店は、1階がカウンターで2階に個室が幾つか有る。我々は個室に通された。 突き出しは柿の白和え。微かな甘味。 続く皿は、海老、銀杏、烏賊など様々な素材が盛られている。 「月とスッポン」と題された椀はかなり良かった。スッポンの出汁は上品。「月」は滑らかな卵豆腐。豆腐の中にスッポンの身が入っている。 筋子は酒飲み用だろうか?この店は、コロナ ウィルス禍での酒類提供自粛要請を守っているので、筋子を酒とともに楽しめないのが残念。 湯葉と烏賊も堅実な味。 造りは鱧、平目、海老、トロなど。どれも素材の質が良い。 続く蕪の椀は出色だった。柔らかく煮た蕪、少しトロミを付けた出汁、周りに浮かべた菊は素晴らしい組み合わせだ。 続いて鱧が鮨でも供される。 京都の天然の鮎はカリカリに焼かれており、今にも泳ぎ出しそうな姿。 揚げた芋は、優しい味わい。 鮑は意外にも酢のものとして供される。個人的には、鮑は酢の物には向かないと感じた。 やや腰のある素麺と冷たいお茶漬けで締める。 甘味は二皿供される。梅は酸味と甘味のバランスが適切。 蕨餅はとても柔らかい。 料理は新規性やインパクトを追わず、上品で柔らかな味だ。分量は意外と多い。 価格は割安と感じる。
2021/09訪問
1回
碑文谷亭週乗