maffinさんが投稿したあさば(静岡/修善寺)の口コミ詳細

The days of wine and roses

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あさば修善寺、大仁、牧之郷/料理旅館、郷土料理、日本料理

1

  • 夜の点数:5.0

      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
  • 昼の点数:5.0

      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2011/08 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0

大いなる逃避

うかがったのは昨年の夏の終わりだったのに、レビューを書くのにこんなに時間がかかってしまったのは、

たぶん、「あさば」から帰って来てしばらくの間、妙な虚脱感を感じてしまったからかもしれない。
そんなふうに書くとごく大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、あの旅のあと数ヶ月の間「レビュー」を書く気持ちをまったく失ってしまった。
それくらい、特別な時間を過ごすことができた気がする。

「あさば」に行くのは実は二度目。でも一度目はグループで、という機会でその時も食事の美味しさには感激したけれど、今回は真のプライベートでふたりで訪れたからより細部まで楽しめたような気がする。

私と同じ目線でいろいろな楽しみをシェアしているパートナーは、ラグジュアリーはあまり好きでないみたい。
だけど彼はシックを理解する人だ。
その彼とここのラウンジに座って、シャンパンを楽しみながら庭の水景を眺めながら美術本のページをめくり、私には既知のアーティストの作品について彼のシンプルな意見を聞くのは楽しかった。
水の向こうには能舞台が見えるのだけど水面に映る濃い緑を眺めていると日本的な世界観より不思議とラフェエル前派の絵のような空気感を感じる瞬間があったのだ。
心が求める豊かな時間がそこにあった。

夕食までのゆったりした時間を修善寺の街を散策したり、あさばの部屋の気持ちのよい畳に転がって「三国志」(漫画版!)を読んだりしてゆるゆると過ごした。
気持ちのいい全てがそこにあって、雑音はまったくなかった。(たとえばこの宿ではプラスチック的なものは可能な限り排除されている・・、それだけのことでも人は豊かな気持ちになれるものだ)
当然温泉にもつかる。
その温泉も、余計なものがまったくないミニマルな世界で、でもそこに日本的な美のいとおしさのすべてがあるように感じる。
心がどこまでも解放されていく。
何か、特別な薬や魔法の力を借りなくても人はこのように心を解放することができるのだと感じる。

夕食は圧巻だった。
華美なものは何もないけれど、全てに渡って余計なものは何もなく、美しく、整っており、そしてそれぞれに必然性があるように感じる。
鯵のたたきをその場で丸めてつくってくれる吸鍋の味わいの豊かさ。
大見川の鮎の炭火焼の香ばしさ。
そしてここの名物、穴子の黒米ずしの思わず顔がほころびそうな柔らかい味わい。
鮎を炊き込んだ御飯の幸せ。
華美なものは何もない。けれど、厳選された確かなものだけがそこにある。
普段想像する、旅館での食事のクオリティをはるかに超えた素晴らしい内容。
すべて、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、絶妙のタイミングで運ばれてくる。
担当の仲居さんはまだお若い方だったけれど勉強熱心でこちらが聞いたことにはきちんと答えてくれ、その受け答えがとても気持ちいい。
きちんとした従業員教育がなされているだろうことを想像する。
一流ホテルのクレドのようなものがあさばにもあり、皆誇りをもって仕事をしているのだろう。

肌に気持ちいい寝具でのびのびと眠る。窓の外の鬱蒼とした緑と水の気配が日常から気持ちを解きなはってくれた。

ふたたび湯につかってからの朝食も良かった。
たぶん今までで食べた中でも最高レベルの鯵の開きを炭火で炙っていただき、ふっくらとした卵焼きを楽しみながら朝からしっかり御飯をいただいた。
ラウンジでもう一度美しい水面を眺めながら名残惜しい時間を過ごす。
壁にはダニエル・ビュレンヌの作品がかかっている。そういえばロビーにかかっているのも李禹煥の静謐なペインティングだった。
雑念から解放され、何にも邪魔されないことの贅沢さをここまで感じた宿は初めてかもしれない。
できれば季節を変えて時々訪れる定宿にしたいと思う。

  • あさばのテラスから庭を臨む

  • 部屋から能舞台を眺める

  • 部屋に通されるとまず水饅頭

  • 瑞々しい。

  • あさばのシンボル、能舞台

  • 夕食のスタート。清々しい杉の膳。

  • 夕食:床ぶしの衣揚げ

  • 夕食:もろこしのすり流し

  • 夕食:葉月盛肴

  • 日本酒をいただきました

  • 夕食:鯵たたき吸鍋

  • 夕食:造り、めいち鯛、鮪、赤いか

  • 夕食:大見川 鮎炭火焼

  • ぱりぱりで香ばしい小さめの鮎

  • 鮎の蓼酢も目に鮮やか

  • 夕食:地蛸 おくら生姜酢

  • 夕食:舌平目 アメーラ揚げ物

  • 夕食:新じゃが万頭

  • 夕食:穴子黒米ずし

  • 夕食:冬瓜

  • 夕食:あゆごはん

  • 夕食:味噌汁

  • 夕食:香の物

  • 夕食:葛きり

  • 夕食:山葵のアイスと・・あとひとつ、失念。

  • 夜景

  • 朝食:かんてん

  • 朝食:鯵の開き

  • 朝食:玉子焼き

  • 朝食:おひたし

  • 朝食:白和え

  • 朝食:味噌汁

  • 朝食:水菓子

  • あさばの玄関

2012/05/05 更新

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