【来れたどぉ〜‼︎】 : 花仙庵 仙仁温泉 岩の湯

長野県に住む後輩から「川井さん、『花仙庵　仙仁（せに）温泉 岩の湯』に泊まったことありますか？日本一予約の取れない旅館…あそこに泊まらないと…」…泊まってないなんて（ダメだなぁ〜）のニュアンスが入った感じで言われたので、ついつい絶対行ってやる！…のスイッチが入った。…アホですね。

しかし、この旅館、ホームページもなければ、予約サイトでは一休のみしか扱っていない…そしてサイトを見ると、1年先の来年の今日まで全ての日にちが、「空室待ち」の表示。
わずか18室だからか…全て満室…。

あちゃー…。ダメか…。
ダメ元で旅館に電話してみると、なんとキャンセルが出て12月に2回チャンスがあると…この電話対応がまた素晴らしく…より、行ってみたくなったので、すぐさま予約（←この話は10月時点）

そして行ってきました！…宿泊当日、天気予報は「雪」。雪が積もると走行不能になりそうでヤバい感じ…、とハラハラしながら車を運転して向かう。もちろんタイヤはスタッドレスに履き替えてはある。気温はマイナスだが、路面凍結も一部のみで、ほぼ問題なし…。

この宿の「洞窟風呂」が素晴らしい。温泉温度はやや低めなので、体を洗った後、まずは露天風呂で温まり→続いて内風呂でさらに温まり→水深最高120cmの洞窟風呂を上半身は低温蒸し風呂状態で延べ数100m砂の上を散歩して→少し体が冷えたので再度、内風呂へと約1時間強の温泉三昧。
もちろん夜だけでなく朝風呂も楽しむ。
なんか3時間くらい風呂に居続ける人もいるらしい…。
（お風呂は写真撮影禁止なのでいただいた案内から抜粋）

なるほどね、こりゃ、人気なわけだ。
日本秘湯を守る会の温泉のひとつにもなっているそう。

さて、食べログ的には食事の話をしないわけにはいかない。
食前の飲み物は「りんご酢」…あれ？りんご酢ってこんなに美味しいんだ⁉︎と再認識させられる。

アルコールは「シャンパンのボワゼル」でスタート。

この後、地元の食材を使った数々が出てくる。
前菜は「りんごの和え物」、「なめこおろし」
、「胡桃豆腐」、「ほうれん草のお浸し」など…優しい味わい。

続いて「有機玄米スープ」…胃袋を温めて、と宿のサービスの方から言われ、その気遣いが嬉しい一品。

「お造り」…は信州らしく『信濃雪鱒』、『鯉の洗い』…自家製酢味噌、醤油、玉ねぎ＋生姜のタレの3種でいただく。鯉はやはり酢味噌が合う。生姜と昆布醤油も用意され生姜は醤油に入れて、鱒にも鯉にもイケる。昆布醤油も醤油代わりでどちらにつけても合う。

地元のクラフトビールも飲んでみようと、「りんごの生エール」をオーダー…これは、甘くて食事には合わないかも。食前とか風呂上がりに良いかも。

続いて、気分の上がる「ヤマメの塩焼き」が出てきた…熱々で、中の身はしっとりホクホク。もう少しサイズが小さければ頭から食べるが、今日のヤマメは大きめだったので諦めた…。
その他串焼きとして、川海老、ヤーコン、玄米団子も添えられて、バリエーションを楽しめる。

「キノコとパセリを混ぜ込んだバター和え」…栗とオレンジ色の黄色平茸、エノキやシメジなどたくさんの味覚を味わえる。山の料理らしい料理で、こう言うのが出てくれないとやはり満足できない。

「焼き茄子の上に鰻の白焼き」…岩塩と山葵でいただく。焼きなすとの相性がとても合うか？と聞かれるとちょっとよく分からないが、鰻そのものは脂も乗って美味。
横に添えられた玉ねぎは皮ごとじっくりローストされていて…甘みがたっぷり

「牛蒡のすりながしスープ」…もう少し濃厚なすり流しを予想したが、割とサラサラタイプで味も薄味でさっぱりしている。脇にある牛蒡チップスの塩味が割と強いので、スープを飲む合間合間にチップスを食べるとちょうど足りない塩味が補完される。ピンクペッパーがアクセントになって効いてくる。

さてさて、いよいよメイン…「石焼きの牛肉」…
信州牛を使い、焼きはミディアムレア程度。焼きが足りなければ、石の上でさらに自分の好みの焼きにすれば良し。肉質は柔らかくちゃんと美味しい。
山葵、塩、おろしポン酢でいただく。
カリフラワーやブロッコリー、人参などの野菜の下には味噌が敷かれていて、野菜につけたり、肉の合間に適当にいただくと良いアクセントとなる。

最後はシンプルに「白いご飯」。長野県産コシヒカリ、
野沢菜本漬け、きのこのお吸い物…このお吸い物がかなり味が薄味なので、野沢菜やらで塩味を補ってしまった。
ご飯は普通に美味しく、優しい味。


最後は信州らしくフルーツの盛り合わせ。
りんご＝信濃ゴールドを使ったシャーベット、紅玉の
シロップ漬け、葡萄はシャインマスカット、クイーンルージュ、柿…秋から冬のフルーツの味覚が楽しめる。

最後にコーヒー…やや濃いめ酸味強めで少し口に残る。

食事はもうたまらなく美味しい！っていう話ではないけれど、体に優しく、そして地元愛に満ちたラインアップ。
温泉とともに体も心もほっこりする料理ではある。

とにかく、この宿は温泉と雰囲気、ホスピタリティが特別。
素晴らしき経験が出来る宿。