京都に来たなら1度は食べたい、清水寺界隈『奥丹清水』の湯豆腐。 : 奥丹 清水

京都と言えば湯豆腐。
あまりにベタすぎて今更だ。
今更なんだが、ずいぶんと何度も京都に来ているくせに、実は京都で、いわゆる湯豆腐を専門にしている店できちんと食べた回数はせいぜい、4、5回といったところ。

今回は拝観しなかったのだが、清水寺の近くにあるこちら。『奥丹清水』に行ってみた。
正直なところを言えば、別に今更、猛烈に湯豆腐が食べたいわけでもなく、どちらかというとこちらの趣ある建物の内部を見てみたいという、そちらが主な目的。

以前は清水寺の拝観は、京都に来れば必ずしていた。
奥の院から見る景色が大好きで、寒くてもずっと眺めていた。
特に奥の院からみる夕暮れ時の京都の景色は最高で、しみじみ、京都って素敵だよねと思える。

ちなみに奥丹清水は、夜の営業はしていないので、夕暮れ時にこのあたりに来ると、もう店仕舞いをしているか、完全に門扉が閉じられている。

今回は清水寺ではなく、こちらの店が目的。
店が開く11時に予約。
ちなみに、入口前にウェイティングボードが出されており、予約してあっても、名前を書くようにとそこに記されているので、予約してるからと、うっかり、ぼーっとしていないで、きちんと名前を書くように。
名前が書かれた中で、予約者はきちんと優先して案内される。

順番に奥の部屋に案内される。
京都らしい、湯豆腐屋らしい趣ある建物。

奥の方の部屋の窓際の席に案内された。
庭を眺められてよい。

メニューは「昔どうふ一通り」@4000と「おきまり一通り」@3000。
その他、アラカルトあり。
夏場はこの他に「冷奴」のセットがあるらしい。

2人とも「おきまり一通り」にすることに。
ちなみにメニューの説明によると、「昔どうふ」は濃厚で少し硬め。
「おきまり」は舌ざわりがなめらかで柔らかい。
昔どうふの方には、「純古代作りのお豆腐」と書かれていたから、豆腐に詳しくて、こだわりがあるとか、ここまできてわざわざ食べるなら他と違うものを…と思うなら、「昔どうふ」の方を選ぶべきなのかもしれない。
ワタシも母も、お豆腐は好きではあるけれど、そこまでのこだわりを持って食べたことのない、豆腐素人なので、柔らかいほうにすることにした。

このコースに含まれるのは、湯豆腐、木の芽田楽、とろろ汁、胡麻豆腐、精進天ぷら、ごはん、香の物。
とろろ汁はそのままでも、あとからご飯にかけてもよし。
お豆腐は確かになめらかでおいしい。
一気に提供されるんではなく、ちゃんと順番に提供してくれるので、木の芽田楽はあたたかく、天ぷらもちゃんと揚げたてのさっくりした状態で食べられて、美味しい。
湯豆腐はあつあつ状態で運ばれてきた後も、テーブルで火にかけられるので、ゆっくり温かいものを楽しめる。

メニューでアラカルトも気になってしまい、途中で自家製生湯葉と極上とうふみそを注文。
湯葉は好きなので、たまに買って食べるが、さすが「奥丹」の生湯葉。
美味しい。
濃い。
そして、極上とうふみそ。
ふつうの「とうふみそ」というメニューもあり、そちらは「豆腐をもろみ味噌に付け込んだ珍味」と書かれていた。
極上とうふみそはと言うと、「豆腐を極上のもろみ味噌に半年ほど漬け込みました。お口の中でとろける舌ざわりと、まろやかな旨味と風味は、まるでウニやチーズのようです」と書いてある。
ふつうのとうふみそと食べ比べていないので、どの程度の差なのかは、わかりかねるが、確かにチーズのよう。
味噌風味でチーズ。
飲み物のメニューにあるのが、アルコールは冷酒、日本酒とビールのみだったのが、ワタシとしては残念だった。
ワインくれ。
ワインをご所望。
赤でも白でもいいから、どっちでも一緒に楽しめるだろうから、ワインくれ。
だが、そんな我儘が通じるはずもなく、お茶と共にいただく、極上とうふみそ。
もちろん、お茶でも十分おいしい。
だがワインならもっと美味しい。たぶん。
日本酒がお好きな方なら、絶対、一緒に注文することをお勧めする。

『奥丹清水』のHPを見ると「江戸時代初期までさかのぼり、西暦1635年、今から約375年前に創業致しました。」と書かれている。
長きにわたり愛され、受け継がれている味と、この素晴らしい店の雰囲気。
他ではなかなか味わえない。
ただ「食べる」だけではない、歴史を体験できるという意味でもおすすめ
…と考えると、ワインを出せというのは土台無理な話。
江戸時代にワインを豆腐と一緒にたしなむなんてことは、まずないだろう。
ワインはなくとも、またの機会にまた来たい。
次は、昔どうふをいただきたい。


【お会計】
おきまり一通り×２　＠６０００
自家製生湯葉　＠６５０
極上とうふみそ＠５５０
計＠７９２０(税込)
支払いは「現金のみ」なので注意。