仙石原の極上空間 : 料亭旅館　いちい亭

<2014/11>
箱根仙石原にある旅館。
長年我が家は旅行でいい宿に泊まるという発想は全くなく、
ビジネスホテルでも何でもいいからその分美味しい店でたらふく飲み食いしよーぜー！
という方針だったのですが、たまにはそういう宿にも泊まってみようという事になり訪問。
結論から言うと「本当に泊まって良かった」です。

場所は「大箱根カントリークラブ」のすぐ隣。
部屋や露天風呂からはゴルフコースが見えるくらいの近さです。

部屋数は全部で6部屋。
館内通路はとても広く全て畳が敷かれている。
シンプルながらとても清潔感のある宿といった印象です。

あとは時系列順に…
(到着)14:30頃
車をお出迎えを受け荷物を持って頂き、宿の中へ。
部屋に入ると、ウェルカムドリンクとして仲居さんが御菓子と抹茶を出してくれます。
とりあえずほっと一息。

(部屋)
今回取ったのは「雅」という広めのお部屋。
とにかく広い。めちゃめちゃ広い！
20畳近い広さの本間には食事用のテーブルの他に窓際に掘りごたつ。
次の間は8畳。部屋と部屋を繋ぐ部分だけでも10畳くらいありますがな;^^
さらに4畳ほどの茶室もついている。誰が使うのん？茶室って…(笑)
デザイナーズ宿の様なお洒落さはないものの実に綺麗で落ち着く部屋ですね。
各部屋毎にエアコン完備で加湿器付き空気清浄器等もついていました。
私なんぞには勿体無いくらいの豪華な部屋です。

TV横のDVDデッキの横には備え付けのDVDが3枚ほど。
チャップリンの「独裁者」「殺人狂時代」「モダン・タイムス」。
なんで？ｗｗｗ

(お風呂)
部屋に露天風呂と内風呂どちらもついている。。
夜ほろ酔いで夜空を見ながら入るこの気持ちよさ。

さらに宿に貸切お風呂が２つあります。
貸切お風呂はふらっと行って空いていれば入って、中から鍵をしめて貸切にするという方式。
全6部屋しかないからか、今回他の人と被る事はありませんでした。
特に2つの貸切風呂のうちの大浴場。ここはほんとに良かった。
窓は全解放可能で檜の浴槽に足を延ばして外を見れば、紅葉した木々の景色が広がっている。
裸のままテラスに出て椅子でくつろいでいると庭の向こう側にはではゴルフをプレーしてる方々が遠くに見える。
ま、いいか見えてもｗ
天気の良い朝一のこのお風呂の気持ち良さったらなかった。


(ラウンジ)
お風呂後に通りかかったラウンジは庭も見えて吹き抜けになっている気持ちのいい空間。
ビールをはじめとしたドリンクが無料で飲めるサービスも。
小さな缶ビールをグイと飲みながらぼぉとする。極楽じゃ。


(夕食)18:30
料理が自慢の宿という事で期待していたが、期待を裏切らないきちんとしたお食事。
基本的には全部屋、部屋出し。子供がいても他人の目を気にせず楽しめます。

出汁や使用している素材等からも分かるが西の、というより京都の割烹料理と言えるんじゃないですね。
どれも良かったが、椀物や炊合せが特に良かった。

・食前酒(ぶどうの果実酒)
・先付(焼舞茸といか紅葉和え)
・前菜
・煮物椀(ぐじのかぶら蒸し)
・向付(鮪、ほうぼう、伊勢海老)
・焼肴(まながつお味噌柚庵焼)→写真取り忘れ
・炊合せ(海老芋、下仁田葱、揚げ餅麩の青菜餡かけ)
・変り鉢(黒毛和牛フィレ塩焼)
・酢の物(蟹、千生菜、かおす和え)
・食事(釜炊きご飯、香の物)
・留椀(伊勢海老の赤出汁)
・水物(代白柿、巨峰)
・瓶ビール(800円)×2

先付、前菜は一緒の皿に。
味というよりもとにかく見た目が綺麗。
柿に見立てたサーモンのお寿司や見頃の紅葉や銀杏の葉が漆塗りの盆に生えます。

椀はぐじのかぶら蒸し。
ふわっふわのかぶのメレンゲの中にはしっかりとしたサイズのぐじ(甘鯛)の切り身が入っており。
かぶの香りついたメレンゲが淡泊なぐじの身に絡んでとても美味しい。
出汁は鰹節よりも昆布が強めな京都出汁。

お刺身は鮪とほうぼう、そして今回は伊勢海老の姿造りが別途付いた。
鮪は申し分ない脂の乗り。
ほうぼうもっちりとした食感に淡泊かと思いつつ旨味たっぷり。
よくスーパーで見るけどこんなに旨いのか…。今度買ってみようかしら。
伊勢海老はなかなかのビッグサイズ！さっきまで生きていたというそれは新鮮そのもの。
包丁が細かく入れてある仕事っぷり。

焼肴のまながつおの柚庵焼きは写真忘れ。これも旨かったなぁ。
白味噌にでも漬けたであろうまながつおを皮目パリッと焼いた一品。
ほくふわな食感は高級魚の貫禄。

炊合せは、出汁と香ばしさを味わう一品。
焼き目を入れた下仁田葱の香ばしさが出汁の中でアクセント。
餡に混じった青菜がきちんと主張するのが爽やかでまたいい。

黒毛和牛のフィレ。そのまんま。
ミディアムレアな焼き加減のそれはいい肉らしく、塩胡椒だけの味付けで十二分に旨い。
芽キャベツの苦みもいいですな。

酢の物は特別印象はなし。

最後の釜炊きご飯！部屋毎に炊かれたお釜がテーブルの脇にドンと置かれ、好きなだけ食べれます。
そして赤出汁は開けてびっくり、さっきの伊勢海老の頭が！
身はほとんど残っていないものの味噌が残っており、ただの味噌汁が贅沢な味わいに。
味噌汁、漬物、ご飯と夢中に食べてお腹パンパンっ！

水物は京都の代白柿。すんごいすね、なにこれ？？
渋柿を特殊なガスを使用して渋抜きしたという京都の特産品。
初めて食べたのですが、トロトロとしておりジュレの様な驚きの食感と甘み。

前菜から水物まで大満足過ぎる夕食でした。


その後、部屋でだらだらと昼間買った日本酒とスルメで一杯…zzz

(起床)
朝お風呂に入って炬燵でくつろいでいると、昆布に梅干しに温かいお茶が出されます。
何気ないサービスが素晴らしい。さぁ胃を動かしましょか。


(朝食)8:30
夕食もさる事ながら朝食も手抜きなし。
これも仲居さんが部屋で準備をしてくれてのんびりと自分のペースで食べれる。
鯵ではなく金目の開きってのがまた嬉しい。
どれも美味しいが、蒸した野菜を玉葱の甘みのあるドレッシングで食べるそれが美味しかった。
さらに茶碗蒸しには梅干しが入っており、意外な組み合わせだが、これがまたいい。
出汁卵と梅干しっていう発想はなかった。梅の酸味を卵がやんわりマイルドにする。

果物、食後のコーヒーまで手抜かりなく。夕食もいいがこの朝飯には大満足。

チェックアウト11時ぎりぎりまで宿を楽しみチェックアウト。

(サービス)
仲居さんが部屋に一人ついてくれて食事の準備や部屋の整理、加湿器の水替え、その他もろもろやってくれる。
今回うちの部屋についてくれたのは私なんかよりずっと若くて可愛い仲居さん。
赤ちゃんの事も構って貰えてとても気持ちよく1日過ごせました。

(料金)部屋「雅」
一泊二日二食付き(38,400円)×2

(総評)
何から何まで快適で、38,400円って金額が安いとすら感じるほど素晴らしかったです。
今回の旅は特に何をするでもなく宿でのんびりするというものでしたが、100%目的を満たせた様な気がします。
いい宿を選んで良かったとしみじみ思いましたね。
季節を変えてまた訪問したいです。

有難うございました。