お料理もさることながらワインのチョイスが素晴らしい : クラリタ ダ マリッティマ

10年以上たって、ふたたび近所に越してきたので再訪
通えば通うほどよさが判る癖になるタイプのお店だなと思います。

年とともに食が細くなり、コースにはついていけないのですが
こちらのディナーはアラカルトでも充分にお料理を堪能できるし

好みを伝えて選んでもらうワインはほんとに素晴らしく
ちょっと飲み足りないからと、追加でグラスワインをお願いしても
全く手抜きがないのでした。

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一年ぶりに夫と再訪。
前回は、メリハリのない味と物足りないボリュームに★２つと酷評だったのですが、
今回は大満足で大きく評価を変えさせていただきました。

まず、コースの中に、いくつか苦手な素材があったので申し出ると
嫌な顔ひとつせずに折り合いがつくまでメニューの調整をしてくださいました。
スパゲティアラビアータの野菜を、オクラ＆モロヘイヤから茄子に、
しらすのタリオリーニを、子羊のパッパルデッレに、それぞれ変更。
この手打ちのパッパルデッレが絶品で、こんどお伺いするときには
ぜひアラカルトで頼みたいと思いました。（写真は失念）


アミューズのスープは、たぶん生トウモロコシをつかったものと思われ
スープというより、フレッシュジュースと呼びたい位の甘味。

写真にはありませんが、前菜のサラダには、鮪・タコ・サザエが入っていて
新鮮な野菜もたっぷり、ドレッシングの味も申し分なく◎

一つ目のパスタはアラビアータ
一口大に切った茄子はやわらかく揚げ焼き？にされていて
酸味をおさえた辛いトマトソースに大変よくマッチしています。
パスタはごく普通。パルミジャーノがたっぷりかかっていました。

二つ目のパスタが前述のパッパルデッレ。
子羊とゴーヤを赤ワインベースのソースで煮込んだものに
手打ちのもっちもちなパッパルデッレ。


お料理の合間に供されるパンは、前回同様大変おいしい。
たぶん自家製なんでしょうね。
もっとたっぷり食べたかったのですが・・・
なんとなく「おかわり」するのを遠慮してしまう雰囲気が（笑）

魚はフッコです。
このへんで良く取れる白身のお魚。
皮目をカリカリに焼いて、身はふっくら、そしてジューシー。
淡白なこの魚を、こんなふうにジューシーに仕上げるのは技ありです。
ケッカソースというのがよくわからなかったのですが（無知ですみません）
バジルペーストがお皿の余白にかかっており、それもまた大変美味。
数種類の夏野菜もこんがり焼けてとてもGOOD！

お肉はスペアリブ。
ナイフがいらないくらい良くにこまれています。
オレンジっぽいソース、人参やセロリなどをつかっているのでしょうか？
酸味と甘みのバランスが大変良い。
リゾットはしっかりアルデンテで、パルミジャーノがたっぷりです。
個人の好みでいえば、もうすこし控えめでもよかったかな？
お肉のソースが負けてしまっていました。
上には大根葉のトッピング。
青臭さを完全にけすほど、良くお料理されています。

デザートは、迷いましたが本日は「ババ」に。
サヴァランだということでしたが、フランスのものとはちょっと違っていました。
ブリオッシュというよりも、もうすこしずっしりしたパネトーネをつかっているのかな？
これはイマイチでした・・・
バナナのソテーとジェラートは大変美味♪

全てのお料理に、かぶる味付けも素材もなく、完璧なコースの組み合わせでした。
飲み物はビールとガス入りのお水をたのみましたが、こちらも文句なし。

これでカトラリーをお料理ごとにかえてくだされば
★5つなのにな・・・

また、季節がかわったらお伺いしたいと思います


----　以前の評価----
去年の春ごろ、腰越の線路通りのスーパーに買い物に行った帰り、小さなレストランができているのを発見。
シックで清潔そうな店構えが気になって、店先のチラシを持って帰えったまま忘れていました。
ところが、あれよあれよというまにこちら（食べログ）で大評判になり、しかも都内の有名店出身の方のお店とのこと！これは絶対行くべきと機会をねらっていました。


土曜の夜5時半に入店。まだ誰もお客さんがいなくて、貸し切り状態。
けして広いお店ではありませんが、一軒家の店内は白い壁に高い天井、小野リサのボサノヴァが静かにながれ、完全禁煙!!で空気もとてもきれい♪
期待に胸がドキドキしいます（笑

給仕を担当する男性の物腰はとてもソフトで、予約なしでは入りにくい有名店独特の高飛車な感じはみじんもなく、
こちらも自然に笑顔になります。

予約の際、「青背の魚と魚卵は苦手」と告げてあったので、コースメニューの内容に問題がないかどうか確認してくださり、さらに高感度アップ（笑
メニューの隅には私たちの名前もプリントされていていました。

お通し（・・・いや、アミューズというのでしょうか）は、グリッシーニに生ハムがくるくるとまきつけてあるもの。
いびつにねじ曲がった個性的なグリッシーニです。
食前酒には一口ビールをいただきました。

前菜は「江の島産ヒラメのカルパッチョ」
ルッコラやスプラウトのような野菜とともに盛り付けられ、くせのないオリーブオイルがかかっています。
魚に泥臭さは全くなく塩味がきっちりきいていて、とても美味しい。
夫はビールをジョッキで、私はグラスのスパークリングワインをいただきました。
ビールはやはりエビスで、スパークリングワインも大変飲みやすくおいしかった。

ホカホカのフォカッチャが出てきたので、「パンは自家製ですか？」ときくと、
コースのパンをはじめ、さっきのグリッシーニもすべてこちらで焼いているそうです。


パスタは「芹のアーリオオーリオ」です。
夫は春野菜も苦手なのでちょっと心配でしたが、苦みやえぐみは全くなく、問題なし。
ニンニクがおおきな塊のままはいっているタイプのアリオリで、オリーブオイルの香りや癖のあまりないマイルドな感じ。
とうがらしのピリッと感も感じられなかったので入っていなかったのかな？
私はもっと個性的な香りのつよいオリーブオイルで、ニンニクも唐辛子もしっかり効かせたのが好み。
このアリオリは、スパゲティに塩とサラダ油をまぶしただけのような気もしました。


ここで夫は今日はお酒は自粛するというので（笑）、お水をお願いしましたが、大変美味しいミネラルウオーターでした。
私はもうすこし飲みたかったのでワインのメニューをいただくと、グラスワインは「おまかせ白、自然派白、辛口白、赤」の４種類。
私はおまかせ白をおねがいしました。
ワインにあまり詳しくなくてもいろいろな種類をお皿ごとに楽しめそうです。

パスタはもう一品あり、「カニのリゾット」とのこと。
ここまで、塩とオイルベースのお皿が続いたので、トマトやチーズ系が来るのか？との予測を裏切り、
カニの旨味がストレートに味わえるあっさり塩味。
チーズもはいっておらず、ニンニク感もほどんど感じられません。
オリーブオイルがかすかに香る「蟹雑炊」といった味わい。

パンのお代わりをおねがいすると、出てきたのはカンパーニュっぽいどっしりとしたパンで、胡桃が入っています。
天然酵母をつかっているそうで、パンにうるさい私的にはかなりツボでした。

このころから店内はざわついてきて、フロアの方が一人では接客がいっぱいいっぱいな感じ。
パンクしないかとハラハラし、こちらが気をつかって静かにしちゃうほど。
そんなことはおかまいなしに、おおさわぎする女性陣に、ベビーカーを押してやってきた「予約」の家族連れ。
入店直後の静かでさわやかで清潔な感じが一転、なんでもありなファミレスの様相を醸し出し始めました。


お魚料理は「黒ムツのアクアパッツア」です。
ドライトマトとケイパー、オリーブは控え目、アサリのだしがとてもよく効いています。
黒ムツと聞いての上品な脂乗りを期待したおですが、どこの黒ムツだろうと首をひねってしまうようなあっさりした味わい。
やはり素材重視のあっさり塩味で、居酒屋のアサリバター的な一品でした。
これならわざわざ黒ムツをつかう必要ないんじゃないのかな・・・という気もしました。


（このあたりで酔いが回ってきてしまった私、すっかり楽しくなってしまって、肝心のメイン２品の写真を撮り忘れてしまいました。すみません）

お肉料理は「ホロホロ鶏のロースト」
ホロホロ鶏って初めて食べました。
身はやわらかくジューシーなのですが脂っこくはなく地鶏のような感じ？
添え物は、サトイモのような味わいの小さなお芋のフリット。
これが鶏よりも美味しくて、もっとたくさんつけてほしかったな。

しかも、メインまでもあっさり塩味で勝負とは。
おまかせのコースなんだから、もうちょっと味のメリハリがほしかったような気がする。
そういうポリシーなのか、ワンパターンなのか、ちょっとよくわからない。


メインまで食べてもなんだか物足りなくて、最後にもう一度頼んだパンはさらに別の種類で、トマト風味のバケットでした。
これも文句なしで美味、パンは満点なんだけどな。

ただ、お料理の量は全体的に控えめで、夫はものたりないだろうなと、私の分もとりわけて上げたほど。
味付けもあっさり目なので、量的な満足感にはイマイチかけるかな・・・。

デザートは数種類から選べるしくみで、迷いにまよった挙句、こちらでも評判だった「モンテビアンコ」にしました。
お料理があっさり目だったので、甘さ控えめの素材重視なのかな～と思っていたら、ガッツン！と甘～く、量もたっぷり。
ラム酒かブランデーか、よぱらってしまいそうなくらい洋酒もしっかり効いています。
マロンクリームの下にはナッツのジェラートがあり、チョコレートでコーティングされたマロングラッセが添えられていました。
デザートというよりも、単品のケーキとしても成立するような完成度。
そういうと聞こえはいいけれど、あくまでもコースの中のデザートという役割をはずれないでほしいな。

せっかくの美味しい地元の野菜も、ほんの少ししか添えられてないし、
お料理で物足りなかった分を、砂糖の甘さやクリームの脂肪でなんとか補うようなコースでは
一度行けば充分かなと。