カレーアイドルも行ってみたいと言っていた、海の向こう側(大げさ) : 106 サウスインディアン

日本人向け度 ★★★★★(5) 若松ですし
現地人向け度 ☆☆☆☆☆(0) インド人いません

2013.12 昼

全部で 1230円
・Ｃランチ 980円
・アラカルト 250円（マンスリーカレーに変更分）

　仕事にかこつけて、また海を渡ってラシジャさんのお店に行って来ました。久しぶりですねーって、夏以来。１度ですっかり覚えていただけたようで。もしかして、ここの味はデリー系最高なのではなかろうかと思い始めてまして、どうしても食べたくなったんです。デリー系は東京上野に本店がある、日本人がアレンジしたインドカレー屋さん。サラサラした辛いカレーで、スパイス使いは私の好みでは無いんですけどね。ラシジャさんはインド人で、そのあたりやっぱり違う感じがするんです。それでは今日もメインはマンスリーカレーで。サモサとタンドリーチキンがちょっと付いたＣセットに。ナンかご飯は、もちろんご飯で。


◎マンスリーカレー（エビとホウレン草のカレー）
　匂いからしてただ事ではないんです。エビの香ばしさがはっきり香ります、チーズも香ります、ホウレンソウも香ります。そうなるとゴチャゴチャしたイメージですけど、そうではなく、メインはエビ。エビをチーズとホウレン草で盛り上げてる感じ。ホウレン草も美味いんですよ。スパイスもきっちり使ってますけど、あくまでメインは具、そこはインドカレーっぽいけど、エビが香ってチーズ使ってるホウレン草カレーなんて知らないです。トローリとろける食感にエビが香ってホウレン草とマッチ。ヨダレが出ました。うまー。
　このカレーはインドにもあるんですか？　無いだろうなぁと思いつつ聞いてみたら、やっぱり無いって。すごく香りますよねって聞いたら、なんとエビの殻で出汁を取って使ってるそうな。具の余りを出汁に使う、良いですねー。無理やりスリランカっぽくカツオ出汁を使ったりするお店がありますが、そういうチグハグさが無い。具と一緒だからなんですね。でもインドは出汁なんてもちろん使わないから、ラシジャさんのオリジナルですね。
　ホウレン草が美味しいですねって言うと、この時期のホウレン草は味が良いですからね、１１月１２月だけしかやらないメニューなんですって。来た、日本の野菜の旬をしっかり押さえてる。すごいなラシジャさん。


　ラシジャさんは自由で良いなぁ。ネパール人のインドカレーは論外ですけど、インド料理はこうでなければならないって拘りを感じるコックさんが多いんです。それはある意味正しいと思うし、外さないためにも必要な事だとは思います。それじゃ、自由にやってて、これは凄いと思えるコックさんに今まで当たったかと言えば、そういう人に当たった経験がほとんど無いのも事実。インド＋東南アジア、インド＋フレンチ、インド＋スリランカ、インド＋日本、透けて見えちゃうと言うか、イヤ、混ぜなくて良いからって思えてもきたり。ラシジャさんは、そういう透けて見える部分がいけすかない感じではなくて、日本の食材や調理を理解して使ってる感じ。良いじゃないですか。すごく好きです。と言う事でちょっと点数アップ。
　いろいろな意味で超越したスーパーなコックさんに当たった事があります。体調を崩されて、お店を畳んだんですよね。もう一人いて、それは名店の系譜アジャンタ系で、日本の魚を上手に使うチャイハナ海花のコックさんです。そういう領域に近付きつつあるかもしれない。楽しみにしてます。

　ごちそうさまでした。

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2013.08 お盆の昼

全部で 2130円
・ホリデーランチCランチ 1880円
・アラカルト 250円

　北九州市、戸畑から若松への渡船、海を渡って。若松のホテルルートインの隣にあります。時間の流れが遅く感じるノンビリ、ノスタルジックな若松。インド料理が似合う町ですね。
　東京、清澄白河のスパイスバーNICOのカレーアイドル(夜は女将)、玉井さんも行ってみたいと言ってたお店。玉井さんの短いデリー時代の同僚の方がやってます。バンガロール出身のラジシャさん。親戚が40人くらいデリーで働いてるそうな。初来日時は小倉のガネーシャにいたそうですが、その後、六本木のデリーで５年ほど。こちらのお店はオープンして、約２年とのこと。日本語が達者な方です。サウスインディアと店名にありますが、北も南もあるインド料理屋さんです。南はダル(マメのカレー)だけかも。


・ホリデーCランチ(4.0)
　せっかくなので、一番贅沢なセットに。構成で少し金額がアップするようです。サラダ、ラサム、タンドリーチキン、ライス、マンゴーラッシー、ベンガルカレー、マンスリーカレー(バターチキンの変化版)を選びました。
　デリーに似た味ながらも、なかなかの個性。九州にあって、いや、日本全国にあっても、希有な味。


△サラダ
　赤いフレンチタイプのドレッシング。

○ラッサム
　胡椒がピリッと。ミネストローネに近いコク深い味。他では味わったことが無い個性的なラッサム。

◎タンドリーチキン
　鉄板焼きスタイルで、グツグツと煮えたぎって登場。注文後にオーブンで焼くので少し時間がかかります。ターメリック、ヨーグルト、ジンジャーの効いたソースにたっぷり漬けこまれ、焼きすぎずジューシーなモモ肉１本分。鉄板には並々とソース。レモンを絞って。ソースが秀逸なんですよ。タンドリーで焼く意味を感じなくなるほどの美味しさ。

○ベンガルカレー
　サラサラしていて濃い茶色のグレービー。少しデリーのカレーに似てます。大きめカット野菜は煮込まれ過ぎず、サックリな歯応えに調理の確かさを感じます。エビも入っていますが、こちらはしっかり火が通り。グレービーは濃厚なコクながらアッサリ風味。拙い表現ながら、例えれば美味しいウスターソース。
　カレーに合わせたご飯は、日本米で硬めの炊き方。カレーが日本向けなので、日本米が合いますね。

◎マンスリーカレー
　こちらはトロリとオイリー。ギトギトではなく、サラサラオイリーだからかモタれる事もなく。爽やかにトマト、キュッと微かにメティ、しっかりなバター。個性的ながら、かなり美味しいバターチキン。チキンとカボチャが入っていて、カボチャが甘味やコクを増してます。チキンは、角のあるしっかりした形なのに、ホロホロと魚のように噛み崩れます。本当に魚では無かろうかと思いましたよ。身の切り方、火の通し方に工夫を感じます。満足度の高いバターチキン。

○マンゴーラッシー
　マンゴーもヨーグルトも濃厚。カレーの後の口直しに良いジュース。


　申し訳ないんですけど、デリーは好きじゃないんです。有名なカシミールカレーには鶏の臭みを強く感じるし、スパイス使いはどう見てもインドとは思えず。カシミールカレーはデリーの先代社長(日本人)が日本人の口に合うように創作したカレーで、インドにあの味は無いそうな。そうだろうなと思ってましたが、元デリーの方にはっきり聞けて自信が持てました。
　デリーのカレーは好みでは無いんですが、デリーの現社長が趣味で作るスリランカカレーなど、かなり良さそうなんですよね。食べたことは無いですが。デリーで働く方々にも志高く持って、自分の美味しいカレーを表現。デリーの味からはみ出す人達が現れ初めてるんだと思いました。カレー好きには嬉しい事です。若松で地元の方々にも愛されながら、カレーファンも満足させるインド人。素晴らしいです。デリーを辞めた後にも同僚と連絡を取り合って刺激し合う、切磋琢磨。繋がってるて素晴らしいです。お話していて気持ち良かった。
　店名にバーを入れている通り、お酒が充実してます。高い酒ではなく、一般的ながら、なかなかのセレクト。今まで行ったインド料理屋では一番の酒のチョイスと種類だと思いました。夜にも来たいです。

　ごちそうさまでした。